年下研究

『けいおん!!』トンデモコジツケ連鎖中!涼宮ハルヒの憂鬱の謎解きコジツケの履歴保管庫。

『けいおん!!』9話『期末試験!』トンデモ…重要なのは『破戒』?

2010-06-15 22:22:15 | けいおん!!
2期9話ネタは2週間遅れになってしまっていますので、明日には1週遅れの10話ネタトンデモアップして、11話ネタも準備する理想ですが、
まあ、体力勝負。
今回の2期9話『期末試験!』ネタ漫画は、
唯が『独りで何かを成し遂げる』という成長が、悪気は無くても律たちや憂を突き放す、結果として傷つけることになってるんじゃないか?というネタ。
『唯と一緒に居たい』という人々に、唯が『一人でやる』と言うのは、それ自体『トラブルの種』ですよね。
麻枝さんの『AngelBeats!』も、『天使』の無私の善意に気付かないで、戦いが起こっていた、という構図が、
今回の唯が一文字さんに恩返ししようと思ってやった『善行』が、友達や妹を傷つけたかもしれない、という『意図せざる結果』の恐ろしさで共通していて、
同時代性だなあ、と思いますね。
ここで、『ヴァアガバッドギーター』の『禁欲=ヨーガ』や、仏教の『十戒』との関連で『けいおん!!』をコジツケしてきましたが、
確かに、『煩悩』が『理性』を曇らせるのが唯達の失敗の原因になるというのは一面の真実ですが、
もう一ひねり、『禁欲』の先があるんじゃないか?と思うようになりました。
聖地巡礼の折に、立ち寄った『白峯神社』に、蹴鞠の家元『飛鳥井家』の蹴鞠の神の祠があって、球技の神ということで
『ワールドカップ戦勝祈願』の祈りが捧げられておりましたが、
この神は『猿』の姿で、2期4話『修学旅行!』の『猿』を連想させるのですが、
『蹴鞠に熱中すること=念仏と同じ功徳』
という考えの神様でありまして、
安易に一般化すると、日本人の『職人気質好き』の理由も
『一芸に打ち込むこと=念仏と同じ功徳』
という宗教感覚が有ったからかもしれません。
『ギーター』にも、宗教家ではない一般人のための修行法として、
『クリシュナを愛すること』
というのがあって、これ、クリシュナを阿弥陀仏に置き換えたらそのまま、
法然の『専修念仏』の元ネタじゃないか?とか思ってしまいます。
『法然』は『秦氏』の出身だそうで、京アニ社長『八田』さん=秦氏?というここでのコジツケに連鎖。
何度か『秦氏』との関連で触れた、天台宗の玄旨帰命壇の祭神『摩陀羅神』も念仏の守護神の性格がありまして、コジツケ連鎖。
山本ひろ子先生が指摘するように、『摩陀羅神』の図像が
『音楽を演奏している姿』
なのは『音楽』を
『澄んだ心で演奏すれば天に昇り』
『濁った心で演奏すれば地獄に落ちる』
という『音楽』が『救済』や『呪詛』に使えるという秘伝の表現だとするなら、
前にも指摘したように、『けいおん!!』との相性もばっちりです。
八切止夫さんが織田信長(八田信長)の先祖を八田別所の出自と妄想していたことと関連して、
青木さんに頂いた山田繁夫さんの『法然と秦氏』(学研2009)によれば、
法然が『専修念仏』で、『平等往生』『凡夫往生』(特に『悪人往生』『女人往生』)を目指したのは、
法然が、若い頃に『別所』で過ごして、『造悪』せねば生きてゆけない人々を見て、彼らを何とか救えないか?
と考えたことが理由だと解釈できるそうで。
『お百姓さんは土を耕して小さな虫を殺してるかもしれないから「罪人」だ』
というのが平安時代の仏教だったらしいですから、
武士も職人も、現在日本で尊敬されてるほとんどの『匠の技』が被差別民扱いだったのですから、酷い話です。
そういうことですから、
『禁欲しないからダメなんだ』
という『突き放し』ではなく、
『禁欲できない人はどうすれば救われる?』
という問題意識を立てることも『可能』だというより、『必要』なのです。
2期9話は『十戒』の『九戒=正午過ぎに食事しない』に対応しますが、
一文字のおばあちゃんに差し入れされたものを断るのが『正解』ではないだろうと直感的には思いますね。
2期1話~10話は、『破戒』の連続な訳ですが、(殺生と不飲酒戒は例外的な様ですが…)
『秦氏』『法然』『念仏』『悪人往生』『摩陀羅神』『音楽』
というコジツケキーワードを並べてみると、『破戒』即悪、とは違った物語の方向が見えて来そうな気がします。
ギーター的な『ヨーガ』で解釈した
『唯達が、音楽に専念して救済される』
と、
法然の『専修念仏』で解釈した
『破戒・造悪せねば生きてゆけない唯達が音楽で救済される』
というのは、違う展開を意味しているように思えますね。
2期9話で登場した、『小切子節』は、広辞苑によれば、『放下僧』という中世芸能民の芸だったようで、法然が救済の対象にした人々です。
また、『小切子』は『田楽』の楽器でもありまして、田楽から起こった猿楽については、
梅原猛『翁と河勝』で、秦氏と猿楽に縁が有ることが示唆されております。『秦氏』繋がり。
また、9話登場の『ふでペン~ボールペン~音頭』ですが、必ずしも全てがそうではありませんが、
『音頭』がよく踊られる場である『盆踊り』は『念仏踊り』が元で、『念仏』繋がり。
というか、『摩陀羅神』や『秦氏』に繋がります。
こうなってくると、『一文字』という名も、1期7話『クリスマス!』で唯達が初詣に行った神社のモデルと言われる『今宮神社』の隣の焙り餅屋『一文字』が元ネタというだけでなく、
『一文字姓』、要するに『秦』とかの暗喩ではないか?などとコジツケしてみたくなってしまいますね。
秦氏は多様な職能の渡来人たちを(神話によれば雄略天皇のころに)まとめて『秦氏』とした人造氏族という説もあって、単一の『秦氏』が渡来したかどうかは不明ですが、
とにかく『文書作成』『酒造業』『繊維業』『金属精錬』『土木建築』等、実務家であると同時に、今日でも日本文化を支える『匠の技』の担い手の氏族だったようです。
この『文化英雄』氏族については、今後もいろいろコジツケ連鎖可能だと考えております。
脱線しましたが、
唯達が卒業の不安、進路選択の不安で、押しつぶされそうになる時、彼女たちを救済するのは、
『摩陀羅神の音楽=バンド活動』
だと思っていて、
今までは、『澄んだ心の音楽=ギーターのヨーガ的音楽』
と考えていたのですが、
『法然=秦氏』的、『欲望に負ける弱い人も救える』という『音楽』を京アニが問題解決の武器に採用したいと考えてるんじゃないか?
と考えております。
これ、前にも触れたことがある、
柄谷行人が近代文学の切り捨てた『中世の豊穣』と考えてるらしい、
『カーニバル的世界把握』
を京アニはアニメに導入したいんじゃないか??
とか勝手に妄想しております。