わが家の暮らしや仕事のことで難問山積で、どこから手を付けていいのか分からない状
態なのに、世界の流れはなどと呑気なことをのたまわっている場合ではないだろうと言
われそうだ。
だが、農業、平和、環境、人権など、あらゆる問題が、私自身と家族の生命と暮らし
に関わってくることは当然だし、これらの問題の根源が、世界の流れに逆行する安倍内
閣自民党政治に行き着いてしまうようにも思う。
例えば国連では、世界の飢餓や貧困などを解消していくためとして、家族農業の10年
を提唱しているのに、この国の農政は、効率優先利潤優先の大規模企業経営を推進して
いる。
やはり、核兵器の廃絶は世界の悲願なのだが、唯一の被爆国であるにも関わらず、国
連で決議した核兵器禁止条約にも参加していない。
世界が、軍縮と平和の方向を模索し対話の努力をしているのに、外国の脅威をあおり
ながら軍事費を増大させ、憲法九条を改悪して、戦争をする国に戻そうとしている。
地球温暖化対策のパリ協定では、地球規模での問題であり、一国の存亡をかけて臨ん
でいる国がある一方で、日本政府は温室効果ガスの削減にも消極的である。
人権問題では、国民の知る権利のバロメーターの一つである報道の自由度の世界ラン
キングが67位とか、男女平等ランキングが調査国中最下位の114位だとか、国際組織の
発表による無残な数値もあるが、数字の問題以上に、人権向上を願望する世界の流れか
らすれば、この国はまだまだ人権後進国ではないだろうか。
視覚障害者生活21年を今さらに愚痴るわけではないが、障害者権利条約の締約国とな
って4年、これを受けた障害者差別解消法の施行から3年を経過したがどうなっているだ
ろうか。
私たちの実感としては、これらの法制が国民に啓蒙されることなく、関係機関に周知
徹底されることもなく、障害者を取り巻く環境の改善が遅々として進展しない中で、障
害者は相変わらずの自助努力を余儀なくされている。
何か止めどなくなってきた。障害者としての悲哀を、ここでまた愚痴るまいとは思っ
てはいたのだが、世界の流れと日本の現状を引き合いに出して、憂い、憤り、そしてさ
んざんに愚痴っている一障害者である。