ごそごそと音が５分ほど続き、やがて沈黙
来るかなくるかな…
と思って待っていると、トントン
マイムいるかい
どうした？
テレビがおかしいﾖ
はいはい、またですか
とりあえず調べに行くと
ファンヒーターの設定温度が１２度になっている
すごいなコレ、冷房にもなるんかい…
ヒーターにしてみたら、点火しちゃったものの
暖めるのか冷やすのか
どうしたらいいか困っただろうな
テレビのつけ方消し方は
図解してテレビの側に貼ってあるのだが、毎回分からず
とりあえずこっちを向いていてよく見える、ファンヒーターのボタンスイッチを押しまくるのだ
リモコンの赤いボタンを教え
ヒーターは赤いボタンじゃないことを教え
電源コードは引っこ抜かない事を教え
説明書きはここに貼ってあるから見るように教え
って、そんなに教えても覚えるわけ無いか…
リモコン君よ
おまえがもうちょっと学習して
認知症の年寄りが何を望んでいるか
ちっとは考えろよ
ボタンばっかいっぱい並べても
ちっとも格好良くないのだ
昨日、今日と泊まりで検査入院した
夕ご飯の用意をしていると、案の定
奥さんはどこへ行ったのか、帰ってこないのか？と聞く
一緒に病院まで行ったのに、５分ごとに尋ねる
まともに説明しているときりが無いので
適当に答えていたら
夜中に電気を盛大に点けてやってきた（しかも２度）
今日、奥さんは帰ってこないのかい…
食欲もなくなったマイムは例のヤツを作ります
コレさえあればいつでもＯＫ
あとはパクチーのスープをご飯にかけて、納豆と一緒にサラサラ食べます
材料：小カブ、きんかん、切り昆布、こないだ作った塩糀、塩、砂糖（全て適当に）
カブは根っこと首元を落とし
葉っぱは半分くらい使います
全部適当に切って（厚めの方が歯ごたえがあって好き）
ジップロックに入れたら（調味料も適当に）
良くもんでから
河原で拾ってきた（芸術的にすてきな）漬け物石を乗せて
一晩置けば、水があがってしっかり浸かります
金柑の甘さがほんのりとしてゆずより好きかも
種からもペクチンが出るらしく、ねっとり感が少し追加されている
塩が足りなければ、塩糀を足し
辛ければ水分を絞りきってしまえば大丈夫
あとはビールかワイン（かショーチュー）でカロリーを補うのだ。。
冷蔵庫にカギを付けた
ホームセンターに行けば
子どものいたずら防止用にどれを買おうか迷ってしまうくらい
今はいろいろな器具が並んでいる
とりあえず扱いが簡単で確実そうなものを購入
さっそく扉に貼り付けた
よしよし、これで大丈夫！
生ものかなんか食べてお腹こわしたら
（便の処理がハンパなく）たいへんなことになってしまうよね
昨日の真夜中、電気のぱちぱちが始まった
またかよ、ちっとは静かに寝かしてくれよ
ゴミ箱おしっこ事件の再開は困るので起きて様子を見に行った
廊下で遭遇
夜中になにしてんの？と問うと、
私はまだご飯食べてなかったからさ…
俺と一緒に食ったろ！！
怒り収まらず
冷蔵庫にあるワインでもいっぱいやって寝ようと扉を勢いよく開け…
バキンっ！
カギが割れてはじけ飛んだ
あ～～～っ 何やってんだ俺。。。
介護認定検査の日
背筋をピンと伸ばして
ときおり おほほっ とお上品な（ごまかし）笑いを交えながら答えている
生年月日はすぐに言えたが
年齢や今の季節、食事の時間など
記憶の領域はまるで分からずマイムの顔をすがるように見る
一通りの質問を終え自室に戻るとすぐ
今までの愛想笑いは霧のように失せ
なんだいあの女は、変なこと聞いて、嫌な感じだねぇ
と始まる
そして次の日…
静かだなぁと思ったら
冷蔵庫をかってに開けて中の冷や飯を食べていた
何してるんだ！と聞くと
まだご飯をいただいてなかったから…
ときた
きたよ、きたよ！
１時間前に食ったばかりだろ！！
そうゆうのは認定検査の前にやってくれ
大丈夫ですって答えちゃっただろ
ったくなぁ。。。
認知症はやめられない止まらない♪
twice （ＴＴ）
初めてのアコム デイサービス
さぁ行くよと声をかけると
いそいそと支度を始めた（犬か）
ぽかぽかと暖かい日差しを浴びて待っていると
お迎えの車が到着
おはようございま～す、お願いしま～す
と挨拶をしてスライドドアが開く
とたんにおびえた顔になり
ど ど どこへ行くの？
にこやかに拉致されて出発したのでした
今日一日ダースベーダーの呼吸につきあわずに済む
なんという開放感！
ふと見るとヒマラヤユキノシタがきれいに咲いている
しっかりしたピンク、存在感のあるボリューム
何だか地味～で忘れられていたけど
思春期になったら急に女性らしくなっちゃった中学３年生のあの娘みたいじゃね？
茎まできれい
第２ボタンはこの娘にあげちゃおっかな…
まだつぼみだからダメ？
それにひらまやじゃねーし。。
階段の片側は完全に石膏ボードなので
手すりの固定はあきらめていたのですが
毎日眺めていて、ふと気がついた
ここに柱が１本あればいいんだよ♪
ってことで材木を上下だけ固定して柱にしてみた
隙間や
角度のズレは、がまんしてとにかくスリムネジをねじ込み固定
大人がぶら下がる様な力は厳禁だが
手すりがあるのと無いのとでは安心感がまるで違う
丸棒の長さを最大に使いたいので
両端固定でなく（不安定だが）中途半端な固定で妥協する
片側は前回の材木に段違いで取り付ける
デザイン的にちょっとおしゃれ（デザインかよ！）
思わず握りたくなる亀頭のような可愛い先端部。。
とにかく一日中ため息をついている
ご飯も食べ、テレビに暴言を吐くのも飽きて
そんでもって何もすることがないと
次ぎに始まるのが激しいため息だ…
はぁ～っ、ほぇ～っ、ふぅ～っ
うるさいのでマイムもまねして続けてみたら
すぐに息が続かなくなった
あの連続ため息は何か特別の呼吸法があるのかもしれない…
昼寝から起きるとふらりとマイムの部屋に入ってきて
とりあえず鬱状態をアピールし始める
ダースベーダーの呼吸補助装置のようだ
神様仏様、私に理力を与えたまえ。。
なんだいあの女は
変なカッコして
あ～あ～あ～あ～、やだやだ
みっともない
おんなのくせして
やだね～ほら、あの髪
きもちわるいよ～
うわっ、じじいが何やってんだろ
わぁわぁばばあもいっぱいだねぇ～
あ～あ～あ～あ～
どうしょうもないねぇ～
テレビを見始めてしばらくすると
出演者をぼろくそにののしり始める
一緒に見ていると気が滅入ってくるﾖ ほんと
くそばばあはお前だろ、何言ってんだ、鏡見てみろ！
っと、つい怒鳴ってしまったぞ
今日は小池都知事が標的になった。
twice (T T)
皆寝静まった夜更け
何かの気配を感じてふと目を開けると
足下に白っぽい何かがいる
混濁した意識が澄んでくると、
そこに白髪の老婆がたたずんでいる
マイムが目を覚ましたのに気づいたのか
ベッドに座り、マイムを２度叩いた
そして椅子にかけてあった上着を指さし
「あの人は何にもしてないみたいだけどいいの？」と聞く
背中に冷たいものが流れるのを感じたが
険しい声は厳禁だとかろうじて思いとどまり
「大丈夫だいじょうぶ、いいんだよ」と返す
そうなのかい、そんじゃじゃましたね、、
と礼をして自室に戻っていくのだ
あっちゃーっ
レビー小体病も始まってしまったのかい
幻覚は勘弁して欲しい
特に真夜中はお願いします。。
テレビをつけてやった
つまんなかったら消して、と
リモコンのやり方を教えておいた
数時間して…
トントンっとやってきた
どうしたのか聞くとテレビが変だと言う
見てみると映らない
どうゆう風にやったのか尋ねると
こうだ、とやってみせる
まるで関係ないボタンを押しまくっているので変化しないのだ
貸してみろ、とリモコンを受け取り
ほら、ここを押すんだ、とやってみせると
やっぱり映らない！
え！？
コンセントが外れている
電源を断てば消えるってことを思いついたのはえらい
これは引っこ抜いちゃダメ、と言い聞かせ
リモコンとテレビの絵を描いてテレビの脇に貼っておいた
これでうまくいくだろう…
数時間後
今度はアンテナ線を引っこ抜いていた
ちゃんちゃん。。
twice （ＴＴ）
例によって夜中にごそごそと怪しい音がする…
電気のつけたり消したりが始まった
またかよ
何をやっているのか見たい気もするけど見たくない気もする
結局起きて見に行くのが面倒くさいのでほっておく
電気のピカピカは２－３分で終了
ごそごそも１５分ほどで終結したらしい
暗くなったところで急いで寝る（急いでかよ）
その後無事睡眠の時間をいただき
明け方トイレに行ってみてびつくり！
便器の横に ゴミ箱が並べてある
どかそうとすると、ずっしりと重い
中に水がたっぷりと入っているのだ
なんじゃこれ？！
推理するに
寝室にあったゴミ箱におしっこをしたらしい
その後水が流れないので自分で水を入れたのかな？
しかしどうやって水を入れたんだ
その後、結構重くなったゴミ箱をトイレまで運んだのは何故
あ～わからん、、、
まぁ途中でひっくり返さなくてよかったよかった♪
良い天気なのでお散歩に連れだした
５分ほど歩いたところで
もう歩けないと言い出した
大丈夫大丈夫、あそこのスーパーまで行って一休みしよう
と励ましつつ歩いていると
お腹が減って歩けなくなった、とのたまう…
今日は朝から何にも食べさせてもらってないし
だと？
朝ご飯は食欲がすっかり落ちてしまったマイムよりよほど沢山食べていたのに
なんだなんだ？昔聞いたことのある年寄りいじりの冗談かよ
ジョーダンじゃねぇよ
twice [TT]
