僕らはみんな生きている♪

生きているから顔がある。花や葉っぱ、酒の肴と独り呑み、ぼっち飯料理、なんちゃって小説みたいなもの…

「パトスとエロス」 虫がきた

2009年01月08日 | ケータイ小説「パトスと…」
夜まだ早い時間だったと思う。
いつもと特に変わらない一日だったが
辰雄はなぜか疲れた気がして早寝をした。

夕食後すぐだったから9時頃だったかも知れない
寝入ってしばらくしてからだ

手の上を虫が這った感触があり
目が覚めた
と言っても目を開けたわけではなく
「?」といった感じで一瞬意識が目覚めた感じだ

すぐにまた眠りについたと思う。

しばらくしてもう一度同じ感覚を得た。
今度は一度目よりしっかりと意識が目覚め
はっきりと虫の感じをつかんだ

「ナンで人間様の手の上を生で歩くんだ?ちょっと大胆な虫だな」

眠りを邪魔された不愉快さがあった
目は開けず上半身だけ少しだけ起き上がり
手を大きく振った

虫が振り飛ばされた感じと
襖にパシッと当たる音がした。
音は確かに聞こえた。

「これに懲りてもう出てくんな」

そうおぼろげに意識しながら
再び眠りに落ちた。
そして今度は朝までぐっすりと寝た。

夜中の虫のことは起きてすぐに思い出し
襖の下を見てみたが
転がっている虫はいなかった

「眠っている人間様を起こすようなことすんな」

そう思った時、
いつだったかアレは確か中学の時
音楽の授業中にゴキが出てきたことを思い出した。
クモを窓の外に逃がしたことを思い出した。
留美子のくれたティッシュを
留美子が背中をポンポンと叩いたことを
温かく思い出した。


留美子にもずいぶん会ってないな
1年半くらいかな・・・
































コメント
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