
◎2015年10月31日(土)
駐車場(8:08)……天狗岩頂上(8:51)……シラケ山(9:12)……烏帽子岳(10:12)……マル(10:39)……駐車場(11:52)
明日からちょいと出張。その準備やらで山を歩くような気分的余裕でもないのだが、短時間なら歩けやしないか。西上州エリアならわりと近い。登ったことのない桧沢岳と、南牧村の滝見でもして来ようか。地図を広げると、烏帽子岳が目に入った。この山、自分にはいわくつきの山だ。もう30年前のこと。残雪の頃、この山に行こうとして、登山口にあった踏み跡を延々と追いかけた。途中で間違いに気づいて戻ったが、正規の登山コース歩きは不明のままに終わっていて、いつか改めてと思いつつ30年が経過していた。どこから登ったのか記憶にはないが、おそらく北側の大仁田ダムの方からだと思う。その時、ダムはまだなかった。
当時の西上州の山は妙義山塊を除けばマイナーで、登山道が整備されていないところも多かった。今や、ツツジの頃にはかなりのハイカーが入る山域だ。ハイキングコースを歩く限りは迷うこともあるまい。あっさり、行き先を烏帽子岳に変更する。
下仁田に入ると、山の上の紅葉がきれいになっている。西上州の山=岩稜帯のイメージが強く、紅葉は期待もしていなかったから、期待をすることにしよう。当初はダム側から入るつもりでいたが、ハイトスさんの烏帽子岳記事を拝見して気が変わった。ハイトス隊はダム側から入られ、シラケ山まで行くつもりが断念されていた。だったら、シラケ山がどんなところか、南側から行ってみようじゃないか。北側登山口は南牧村で、南側は上野村となる。
(登山口に向かう。いい色づきだ)

(登山口)

林道分岐がよくわからずに迷った。ようやく見つけた林道も、ただ上に上にと向かった。この先に登山口があるのだろうか。先行車のドライバーも同じの気分のようで、路肩に停めて確認しているようだ。ちょっと行くと左に登山口が目に入り、ハイカー2人連れがその先から歩いて来た。駐車場にはその1台だけ。さっきの迷いの車と、続いてもう1台が到着。それぞれ単独氏。最近、手際もよくなって地下タビにさっと履き替え、依怙地にもズボンの裾をタビの中に入れ、脚絆を巻いて、ではお先にと出発。本当は、こういうパターンは好ましくない。後ろにつかれるのはどうもなあ。前後にだれもいない状態でマイペースで歩くにこしたことはない。
(いい感じ)

(避難小屋。唯一のきたない写真だったりして)

植林を抜けて、沢沿いを歩く。沢はタルノ沢というらしい。下の色づきは淡いが、上はきれいだろう。いくつかある橋が鉄板なのは興ざめだが、ハイキングコースの雰囲気はいい。天気も良い。標識も古そうなのも含めてところどころにある。いずれも、板やら棒には引っ掻き傷がついている。岩場のエリアといえども、ここにもクマがいるようだ。
先に物置のような小屋が見えた。戸も外れて、これではただの休憩舎のようなものだが、出がけに見た駐車場にあった看板のマップには避難小屋と記されていた。ここで直進方向、沢沿いにも道が続いている。天狗岩の上は右のようだ。
(尾根が見えている。抜かれてほっとしている状態)

カラマツの疎林が続く。先行の二人連れが見えてくる。そして、振り向くと、やはりこうだ。駐車場でいっしょだった方がひたひたと上がって来た。ここ、意外と急斜面で息が上がってきていたので、脇に逸れて、追い越していただいた。これでほっとしたが、まだお一人いらっしゃるはず。今のところまだ見えていない。
(天狗岩の上に向かう)

(こんな赤が待っていた)

(黄金色。広角のコンデジが欲しいところだ)

(天狗岩頂上)

尾根に出る。二人連れが右に離れて休んでいた。尾根伝い反対側の右手ピークの紅葉がいい感じだったので、一登りして来ようかと思っていたのだが、腰かけのお休みの前を歩くのはためらいもあるし、そっちではありませんよとアドバイスも受けよう。仕方なく、左の天狗岩の頂上に向かう。ここも急だが、朽ちかけた木が階段状につけられ、登り切りにさして時間はかからなかった。
まずは、左に行って、展望を眺める。結構なカラマツ紅葉の山肌になっているじゃないか。妙義界隈のギザギザも見えている。一息ついて、山頂に行く。あれれ、先行の彼氏、どこに行ったのか。さっきまで近くにいたのに。もう烏帽子岳を目指してまっしぐらだろうか。だれもいない。石祠が一基。狭いピーク。案内板には「天狗岩頂上」とある。浅間山もよく見えている。
さて、後で知ったことだが、ここから北西方向にちょっと行くと、展望台があるようだ。標識もあったのだろうか。まったく気づかなかった。展望台まで鉄の廊下が続いているようだ。知らないから後で残念な話で終わる。
(奥に浅間山)

(あれがシラケ山だろう)

(西上州らしい)

(どんどん下って行く。不安)

先を急ごう。烏帽子岳はまだ見えていない。まずは下る。随分と下って行く。階段まで出てくる。岩峰の尾根歩きが続くと覚悟していたのだが、尾根は右上に外れていく。どうも、分岐に気づかないままに下ってしまったようだ。復帰ができればいいが、下り一方なら具合が悪い。よほど、戻ろうかと思ったが、様子見としよう。道は尾根から一旦離れながらも、また戻って近づいた。そのうちに、左手から道が上がってきて合流。この道はきっと避難小屋で直進する沢沿いの道だろう。
(ここもまたうるさいくらいだ)

合流からV字型に戻るトラバース道になった。標識がある。このまま行っても烏帽子岳には続いているようだ。標識はやがて「烏帽子岳(横道コース)」となった。つまり、このコースは岩稜尾根を避けて、下をずっとトラバースしていくコースなのだろう。西上州の山に来て、これではあまりに物足りない。少しはスリリングな思いもしたい。戻って、適当なところから尾根に上がるしかないかと思っていると、道は二股になり、右は上に向かっている。上に向かえば、岩稜尾根に出られそうだ。右を選択し、さらに二股になって、ここも上に向かう。何でこうあちこちに道があるのだろう。
(シラケ山)

(シラケ山から1)

(シラケ山から2)

(シラケ山から3。右に烏帽子岳が見えるようになったが、まだ目を凝らさないとわからない)

シラケ山に着いた。ここからの紅葉も見事だ。天狗岩を振り返る。岩の突端の上に人の姿が見える。カメラをアップにして見ると、着ているものは、どうも例の先行して行かれた方の色合いだ。あんな岩の突端まで自分は行っていない。そんなところがあったのか。行かずに惜しい気がしたが、今さら戻るわけにもいかない。このまま先に行く。
(岩稜のピークが続く。右奥に浅間山)

(振り返る。普通の山だが)

この先は、しばらくスリリングというよりも、嫌~な岩稜帯の歩きになるが、烏帽子岳がかろうじて見えるようになった。他を威圧するかのようなピークかと思っていただけに、ちょっと残念なところもある。周囲の紅葉、赤が濃くなってきた。遠くに里が見え、展望も広がってくる。
岩稜帯を下っては登る。これを繰り返す。大岩の巻きが出てきたりするが、それほどの厳しさはない。ただ、今のところロープもクサリ場も見あたらない。経験不足な方にはちょっと恐いところかもしれない。ここの踏み跡も随分と分岐している。横道コースにつながる中腹の巻き道だろうか。
(烏帽子岳がはっきりしてくるが、何と言うか貧弱と言うか…)

次第に烏帽子岳がはっきりしてくる。やはり小さな尖塔ピークだ。あんなところに登れるのか? 手前のピークがマルという山だろう。途中、岩を巻くのかなと直進すると、ロープが張ってあって進入禁止。結局はピーク越え。狭い岩の間の下降もある。なかなかのバリエーションだ。
(ようやくロープが出てくる)

ここを下るとマルとの鞍部というところで、ようやくロープが現れた。ここは紛らわしいところで、危うい岩場のトラバースかと思って踏み込んだが、とてもじゃないが渡れない。元に戻って下をしっかりと見ると、ピンクテープとロープがあった。ここが本日のコースの唯一の難所だったろうか。
(マルに続くひと時、安堵の尾根)

(巻いて)

(近づく)

鞍部着。横道コースの標識はここまで延びていた。ちょっと尾根上を歩く。ところどころで狭くなる。このままマルのピークを越えてもいいが、帰りにでも寄るとして、マルは右から巻く。樹はうるさくもなく、樹間からちらちらと烏帽子岳が見える。やはり接近したとて威圧感のあるピークではない。これなら登れるか。
(烏帽子岳の山頂へ)

(烏帽子岳山頂)

(西上州の雰囲気)

(山頂付近もまだきれいだ)

烏帽子岳直下。手書きの標識を見ると、山頂には行かず、このまま大仁田に下れる道もあるようだ。この先は山頂までロープが続いている。ロープを使わずとも難なく烏帽子岳に到着。ここにも石祠が一基あった。
ここからの眺望はすこぶるとは言わずともなかなか良い。紅葉もきれいだからのんびりできる。ちょっと陽が陰ってきたのが残念だ。おにぎりを一個食べて一服、二服。
15分ほど休憩して下山開始。下る途中、件の彼が登って来てすれ違う。
(マル山頂)

(マルを下る)

登り返してマル。ここは展望がよろしくない。一息入れただけでパス。何となくではあるが、春になればこの山もツツジが咲き乱れるスポットかもしれない。山頂には西に下る道が続いている。
先ほどのマルの巻き道地点に出た。尾根をちょっと歩いて、コース分岐。この先は横道コースを下ることにする。岩場からオッサンが下りて来た。駐車場で一緒だったもうお一方の単独氏。
(横道コースで1)

(横道コースで2)

(横道コースで3)

横道コースを歩いたのは正解だった。やや起伏の多い横道だったが、うるさいくらいの紅葉が続いていた。休憩しては写真を撮るの繰り返しで、遅々として先に進まない。陽が出ていたらさらに時間もかかったろう。紅葉、そしてツツジの時期を逃したら、ここの横道コースも、展望のないただの退屈なコースでしかないかもしれない。
こんな紅葉時にだれにも会わないのが意外なくらいだと思っていたが、シラケ山分岐に2人組が立っていて、上に行くかこのまま行くかで迷っているようだった。問われて、特にきわどい危険はないと答えたのだが、その後、どうされたのか。
天狗岩の下にさしかかる。ここでも上から数人の声が聞こえた。ここも天狗岩には戻らず、そのまま沢沿いに下る。
しっかりした道を下って行くと「おこもり岩」の標識が出てきた。ここも修験の山なのだろう。せっかくだから見ていくことにする。
(おこもり岩)

途中から「順路→」方向に分かれた。行った先、大岩の下には穿ったような穴があり、覗いて見ると石祠があった。石祠の年代は昭和4年。ちょっとがっかりはしたが、考えてみれば、この石祠も年月80年以上の代物なんだなと感心してしまう。昭和も過ぎ去りし時代になった。子供の頃、江戸時代に生まれた長寿がテレビ等で結構紹介されていたが、いまや明治生まれも珍しい。
(あとは下って)

(避難小屋に出た)

(陽が陰ってしまった)

(駐車場に到着)

登山道に戻って下る。道は蛇行して、ところどころで崩れてもいる。沢沿いだが、水は伏流。ようやく水が見え出してから合流ポイントの避難小屋に到着した。
後は来た道を下るだけ。出だしは朝日を浴びて紅葉もキラキラしていたが、陽が隠れた今の紅葉に鮮やかさはない。単独氏が上がって来た。これからかよと思ってもまだ午前中だ。今日はもう晴れないのではなかろうか。
植林を抜けて車道に出る。駐車場に着くと車が8台になっていた。
(林道から桧沢岳)

さて、帰りはどうしようか。来た道を上野村に下ってもいいが、南牧村側に出るとしよう。どうせ舗装道が続いているだろう。
カラマツ紅葉の見事な斜面を目にしたが、路肩スペースもなく、写真撮りもできないままに通過。何とも残念だ。塩ノ沢峠を通過。やがて右手に桧沢岳が見えてくる。下の駐車スペースには車が一台とまっていた。あの山も登ったことがない。ここからの標高差はさしてないようで、短時間で往復できそうだ。いずれ登ってみよう。
(本日の軌跡)

「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図200000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)、数値地図25000(地名・公共施設)、数値地図250mメッシュ(標高)、数値地図50mメッシュ(標高)及び基盤地図情報を使用した。(承認番号 平24情使、 第921号)」
駐車場(8:08)……天狗岩頂上(8:51)……シラケ山(9:12)……烏帽子岳(10:12)……マル(10:39)……駐車場(11:52)
明日からちょいと出張。その準備やらで山を歩くような気分的余裕でもないのだが、短時間なら歩けやしないか。西上州エリアならわりと近い。登ったことのない桧沢岳と、南牧村の滝見でもして来ようか。地図を広げると、烏帽子岳が目に入った。この山、自分にはいわくつきの山だ。もう30年前のこと。残雪の頃、この山に行こうとして、登山口にあった踏み跡を延々と追いかけた。途中で間違いに気づいて戻ったが、正規の登山コース歩きは不明のままに終わっていて、いつか改めてと思いつつ30年が経過していた。どこから登ったのか記憶にはないが、おそらく北側の大仁田ダムの方からだと思う。その時、ダムはまだなかった。
当時の西上州の山は妙義山塊を除けばマイナーで、登山道が整備されていないところも多かった。今や、ツツジの頃にはかなりのハイカーが入る山域だ。ハイキングコースを歩く限りは迷うこともあるまい。あっさり、行き先を烏帽子岳に変更する。
下仁田に入ると、山の上の紅葉がきれいになっている。西上州の山=岩稜帯のイメージが強く、紅葉は期待もしていなかったから、期待をすることにしよう。当初はダム側から入るつもりでいたが、ハイトスさんの烏帽子岳記事を拝見して気が変わった。ハイトス隊はダム側から入られ、シラケ山まで行くつもりが断念されていた。だったら、シラケ山がどんなところか、南側から行ってみようじゃないか。北側登山口は南牧村で、南側は上野村となる。
(登山口に向かう。いい色づきだ)

(登山口)

林道分岐がよくわからずに迷った。ようやく見つけた林道も、ただ上に上にと向かった。この先に登山口があるのだろうか。先行車のドライバーも同じの気分のようで、路肩に停めて確認しているようだ。ちょっと行くと左に登山口が目に入り、ハイカー2人連れがその先から歩いて来た。駐車場にはその1台だけ。さっきの迷いの車と、続いてもう1台が到着。それぞれ単独氏。最近、手際もよくなって地下タビにさっと履き替え、依怙地にもズボンの裾をタビの中に入れ、脚絆を巻いて、ではお先にと出発。本当は、こういうパターンは好ましくない。後ろにつかれるのはどうもなあ。前後にだれもいない状態でマイペースで歩くにこしたことはない。
(いい感じ)

(避難小屋。唯一のきたない写真だったりして)

植林を抜けて、沢沿いを歩く。沢はタルノ沢というらしい。下の色づきは淡いが、上はきれいだろう。いくつかある橋が鉄板なのは興ざめだが、ハイキングコースの雰囲気はいい。天気も良い。標識も古そうなのも含めてところどころにある。いずれも、板やら棒には引っ掻き傷がついている。岩場のエリアといえども、ここにもクマがいるようだ。
先に物置のような小屋が見えた。戸も外れて、これではただの休憩舎のようなものだが、出がけに見た駐車場にあった看板のマップには避難小屋と記されていた。ここで直進方向、沢沿いにも道が続いている。天狗岩の上は右のようだ。
(尾根が見えている。抜かれてほっとしている状態)

カラマツの疎林が続く。先行の二人連れが見えてくる。そして、振り向くと、やはりこうだ。駐車場でいっしょだった方がひたひたと上がって来た。ここ、意外と急斜面で息が上がってきていたので、脇に逸れて、追い越していただいた。これでほっとしたが、まだお一人いらっしゃるはず。今のところまだ見えていない。
(天狗岩の上に向かう)

(こんな赤が待っていた)

(黄金色。広角のコンデジが欲しいところだ)

(天狗岩頂上)

尾根に出る。二人連れが右に離れて休んでいた。尾根伝い反対側の右手ピークの紅葉がいい感じだったので、一登りして来ようかと思っていたのだが、腰かけのお休みの前を歩くのはためらいもあるし、そっちではありませんよとアドバイスも受けよう。仕方なく、左の天狗岩の頂上に向かう。ここも急だが、朽ちかけた木が階段状につけられ、登り切りにさして時間はかからなかった。
まずは、左に行って、展望を眺める。結構なカラマツ紅葉の山肌になっているじゃないか。妙義界隈のギザギザも見えている。一息ついて、山頂に行く。あれれ、先行の彼氏、どこに行ったのか。さっきまで近くにいたのに。もう烏帽子岳を目指してまっしぐらだろうか。だれもいない。石祠が一基。狭いピーク。案内板には「天狗岩頂上」とある。浅間山もよく見えている。
さて、後で知ったことだが、ここから北西方向にちょっと行くと、展望台があるようだ。標識もあったのだろうか。まったく気づかなかった。展望台まで鉄の廊下が続いているようだ。知らないから後で残念な話で終わる。
(奥に浅間山)

(あれがシラケ山だろう)

(西上州らしい)

(どんどん下って行く。不安)

先を急ごう。烏帽子岳はまだ見えていない。まずは下る。随分と下って行く。階段まで出てくる。岩峰の尾根歩きが続くと覚悟していたのだが、尾根は右上に外れていく。どうも、分岐に気づかないままに下ってしまったようだ。復帰ができればいいが、下り一方なら具合が悪い。よほど、戻ろうかと思ったが、様子見としよう。道は尾根から一旦離れながらも、また戻って近づいた。そのうちに、左手から道が上がってきて合流。この道はきっと避難小屋で直進する沢沿いの道だろう。
(ここもまたうるさいくらいだ)

合流からV字型に戻るトラバース道になった。標識がある。このまま行っても烏帽子岳には続いているようだ。標識はやがて「烏帽子岳(横道コース)」となった。つまり、このコースは岩稜尾根を避けて、下をずっとトラバースしていくコースなのだろう。西上州の山に来て、これではあまりに物足りない。少しはスリリングな思いもしたい。戻って、適当なところから尾根に上がるしかないかと思っていると、道は二股になり、右は上に向かっている。上に向かえば、岩稜尾根に出られそうだ。右を選択し、さらに二股になって、ここも上に向かう。何でこうあちこちに道があるのだろう。
(シラケ山)

(シラケ山から1)

(シラケ山から2)

(シラケ山から3。右に烏帽子岳が見えるようになったが、まだ目を凝らさないとわからない)

シラケ山に着いた。ここからの紅葉も見事だ。天狗岩を振り返る。岩の突端の上に人の姿が見える。カメラをアップにして見ると、着ているものは、どうも例の先行して行かれた方の色合いだ。あんな岩の突端まで自分は行っていない。そんなところがあったのか。行かずに惜しい気がしたが、今さら戻るわけにもいかない。このまま先に行く。
(岩稜のピークが続く。右奥に浅間山)

(振り返る。普通の山だが)

この先は、しばらくスリリングというよりも、嫌~な岩稜帯の歩きになるが、烏帽子岳がかろうじて見えるようになった。他を威圧するかのようなピークかと思っていただけに、ちょっと残念なところもある。周囲の紅葉、赤が濃くなってきた。遠くに里が見え、展望も広がってくる。
岩稜帯を下っては登る。これを繰り返す。大岩の巻きが出てきたりするが、それほどの厳しさはない。ただ、今のところロープもクサリ場も見あたらない。経験不足な方にはちょっと恐いところかもしれない。ここの踏み跡も随分と分岐している。横道コースにつながる中腹の巻き道だろうか。
(烏帽子岳がはっきりしてくるが、何と言うか貧弱と言うか…)

次第に烏帽子岳がはっきりしてくる。やはり小さな尖塔ピークだ。あんなところに登れるのか? 手前のピークがマルという山だろう。途中、岩を巻くのかなと直進すると、ロープが張ってあって進入禁止。結局はピーク越え。狭い岩の間の下降もある。なかなかのバリエーションだ。
(ようやくロープが出てくる)

ここを下るとマルとの鞍部というところで、ようやくロープが現れた。ここは紛らわしいところで、危うい岩場のトラバースかと思って踏み込んだが、とてもじゃないが渡れない。元に戻って下をしっかりと見ると、ピンクテープとロープがあった。ここが本日のコースの唯一の難所だったろうか。
(マルに続くひと時、安堵の尾根)

(巻いて)

(近づく)

鞍部着。横道コースの標識はここまで延びていた。ちょっと尾根上を歩く。ところどころで狭くなる。このままマルのピークを越えてもいいが、帰りにでも寄るとして、マルは右から巻く。樹はうるさくもなく、樹間からちらちらと烏帽子岳が見える。やはり接近したとて威圧感のあるピークではない。これなら登れるか。
(烏帽子岳の山頂へ)

(烏帽子岳山頂)

(西上州の雰囲気)

(山頂付近もまだきれいだ)

烏帽子岳直下。手書きの標識を見ると、山頂には行かず、このまま大仁田に下れる道もあるようだ。この先は山頂までロープが続いている。ロープを使わずとも難なく烏帽子岳に到着。ここにも石祠が一基あった。
ここからの眺望はすこぶるとは言わずともなかなか良い。紅葉もきれいだからのんびりできる。ちょっと陽が陰ってきたのが残念だ。おにぎりを一個食べて一服、二服。
15分ほど休憩して下山開始。下る途中、件の彼が登って来てすれ違う。
(マル山頂)

(マルを下る)

登り返してマル。ここは展望がよろしくない。一息入れただけでパス。何となくではあるが、春になればこの山もツツジが咲き乱れるスポットかもしれない。山頂には西に下る道が続いている。
先ほどのマルの巻き道地点に出た。尾根をちょっと歩いて、コース分岐。この先は横道コースを下ることにする。岩場からオッサンが下りて来た。駐車場で一緒だったもうお一方の単独氏。
(横道コースで1)

(横道コースで2)

(横道コースで3)

横道コースを歩いたのは正解だった。やや起伏の多い横道だったが、うるさいくらいの紅葉が続いていた。休憩しては写真を撮るの繰り返しで、遅々として先に進まない。陽が出ていたらさらに時間もかかったろう。紅葉、そしてツツジの時期を逃したら、ここの横道コースも、展望のないただの退屈なコースでしかないかもしれない。
こんな紅葉時にだれにも会わないのが意外なくらいだと思っていたが、シラケ山分岐に2人組が立っていて、上に行くかこのまま行くかで迷っているようだった。問われて、特にきわどい危険はないと答えたのだが、その後、どうされたのか。
天狗岩の下にさしかかる。ここでも上から数人の声が聞こえた。ここも天狗岩には戻らず、そのまま沢沿いに下る。
しっかりした道を下って行くと「おこもり岩」の標識が出てきた。ここも修験の山なのだろう。せっかくだから見ていくことにする。
(おこもり岩)

途中から「順路→」方向に分かれた。行った先、大岩の下には穿ったような穴があり、覗いて見ると石祠があった。石祠の年代は昭和4年。ちょっとがっかりはしたが、考えてみれば、この石祠も年月80年以上の代物なんだなと感心してしまう。昭和も過ぎ去りし時代になった。子供の頃、江戸時代に生まれた長寿がテレビ等で結構紹介されていたが、いまや明治生まれも珍しい。
(あとは下って)

(避難小屋に出た)

(陽が陰ってしまった)

(駐車場に到着)

登山道に戻って下る。道は蛇行して、ところどころで崩れてもいる。沢沿いだが、水は伏流。ようやく水が見え出してから合流ポイントの避難小屋に到着した。
後は来た道を下るだけ。出だしは朝日を浴びて紅葉もキラキラしていたが、陽が隠れた今の紅葉に鮮やかさはない。単独氏が上がって来た。これからかよと思ってもまだ午前中だ。今日はもう晴れないのではなかろうか。
植林を抜けて車道に出る。駐車場に着くと車が8台になっていた。
(林道から桧沢岳)

さて、帰りはどうしようか。来た道を上野村に下ってもいいが、南牧村側に出るとしよう。どうせ舗装道が続いているだろう。
カラマツ紅葉の見事な斜面を目にしたが、路肩スペースもなく、写真撮りもできないままに通過。何とも残念だ。塩ノ沢峠を通過。やがて右手に桧沢岳が見えてくる。下の駐車スペースには車が一台とまっていた。あの山も登ったことがない。ここからの標高差はさしてないようで、短時間で往復できそうだ。いずれ登ってみよう。
(本日の軌跡)

「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図200000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)、数値地図25000(地名・公共施設)、数値地図250mメッシュ(標高)、数値地図50mメッシュ(標高)及び基盤地図情報を使用した。(承認番号 平24情使、 第921号)」
西上州の山々は岩がちなイメージがつきまとい、ただの一度も訪れた事がありません。
紅葉が綺麗で、なおかつこう言った雰囲気ならば行ってみようかと、思った次第です。
ぶなじろうさんは、西上州の山、未体験でしたか。意外ですね。
西上州の山は、私、食わず嫌いというか、実際は食い嫌いのようなところがありまして、やはり、岩場の多さに辟易とする理由なのですが、、山を選べば、スリリングな思いをせずとも楽しめます。
今回のコースもそんなところですね。
ただ、紅葉がなかったら、軽いといえども岩場が続く様にはうんざりしていたかもしれません。
西上州の山は、自分には依然として地味な存在です。好きな方には失礼ですが、たまにはいいですし、これからの冬枯れの季節にはおすすめですね。
ご出張、お疲れ様です。近くならもうちょっと行くんですけどね(笑)未踏が一杯です。土曜日は天気でそっち方面に行く気も多少あったんですがね。
続きはなさそうなのでこの辺りで。
お疲れ様でした。
緊張するほどではないけれども少し嫌みな岩尾根歩きと云った所なのでしょうかね。
シラケは結局未踏のまま残っております。
そのうち三岩にヤシオ見物に行くときにリベンジしてみたいと思います。
この時季の西上州、赤や黄色の紅葉が綺麗でいい雰囲気ですね。思わず西上州のガイドを見てしまいました。シラケ山の岩稜ルート歩きたくなります。あと人が少なくていいですね。
西上州に今年はまだ一度も訪れておらず、近いうちに行こうかと目論んでおりますが、どうなることやらです。
出張といったって半分観光ですから昼間から酒飲んでいますよ。これからまた夕食で飲むのかと思うとうんざりです。
そうか、みー猫さんにはちょっと遠いエリアでしょうね。
でも、ちょくちょく行かれる新潟に比べたら近いんじゃないですか。
西上州は岩場の山だらけで、紅葉もたいしたことはないのではと思っていましたが、意外にきれいなものですね。再認識しましたよ。
シラケ山はハイトスさんが一旦向かわれた山で、どんな山なのか興味はありましたね。
確かに危険なドキドキ感はありませんが、私のような高所恐怖症にはそれなりの緊張感はありましたよ。
でも、シラケ山から見る烏帽子岳は何というか、たいした存在感には見えませんね。形であれが烏帽子岳かとは分かりますが存在感には欠けるというか・・・。
残念ながら続編はないでしょう。新しい記憶はさっさと消えますからね。写真を見ても、これどこだっけ?でしょう。やはり新鮮さは2、3日ですよ。
西上州の山のガイドブックをご紹介いただいたHIDEJIさんには、そういえば今年は西上州のお山はありませんね。
別にシラケ山を目標にしたわけではなく、烏帽子岳だったのですが、このコースのハイライトはシラケ山周平でしょうね。たいしたことはありませんから、岩場歩きの得意なHIDEJIさんには、こんなものかといったところかもしれませんよ。
西上州の山は、やはり玄人向けの山でしょうね。ツツジの頃は賑わうでしょうが、あんなきれいな紅葉の時に出会ったのはわずか9人でしたね。 もったいない紅葉と言うべきでしょう。
HIDEJIさん、軽い岩場歩きはいといませんが、これからの時期にとっておきのコースをご紹介くださいよ。
やっぱり、西上州の山は楽しいですね。たそがれさんも、次は、三ッ岩岳と大津を攻めてみてください。
NYAAさんは西上州の山、お好きですか?
私もまた再認識しつつあります。
三ツ岩山も行きたかったのですが、何せ時間がなくて。
反対側から登れば行けたのでしょうけどね。
大津ですか…。どこでしょうか。これから調べてみます。
情報ありがとうございます。