たそがれオヤジのクタクタ山ある記

主に北関東の山を方向音痴で歩いています。山行計画の参考にされても責任は負いかねます。深慮せず軽く読み流してください。

西黒沢の白鷺の滝見物。沢歩きも決して涼しいものではなかった。とにかく暑かった。

2021年07月31日 | 近所じゃない群馬県の山
◎2021年7月22日(木)

谷川岳インフォメーションセンター駐車場(8:23)……西黒沢橋(8:28)……入渓(8:43)……白鷺の滝(9:00~9:11)……田尻沢合流(9:18)……四段の滝(9:49)……ようやくナメ床(10:16)……引き返し(10:34)……田尻沢登山コース(11:38)……駐車場(11:55)

 コロナ禍で群馬県内の歩きにこだわり続けているわけでもないが、太田からは遠い嬬恋やら長野原もいいが、たまには上越方面でもと、みなかみの西黒沢にある白鷺の滝を見に行くことにした。白鷺の滝そのものは、沢歩きの真似事で見られそうなので、さらに西黒沢を遡上してみることにする。ただ、そのまま先にまで行ってしまっては谷川岳の尾根に突き上げ、重そうなガチャ類やらロープが必要な沢屋さんの世界になってしまう。そこまでやる気はまったくない。白鷺の滝の上は、しばらくはゴーロ続きだが、その先はナメ沢を楽しめるらしい。満喫したところで適当に引き返すつもりでいる。

(谷川岳インフォメーションセンターの駐車場)


 スノーシェルターを出てすぐ右にある慰霊塔の脇の無料駐車場に車を入れるつもりでいたら、すでに閉鎖されていて、その反対側に「谷川岳インフォメーションセンター」なるものができていた。ここの駐車場がまた広い。そして無料。ベースプラザに500円を払ってまで車を置くつもりもなかったので、これには助かった。谷川岳方面はとんとご無沙汰だったが、こんな建物が出来ていたとは知らなかった。ここ、以前は個人の有料駐車場だったような気がしたが。
 休日のロープウェイは7時から運行している。ベースプラザに向かう車は多く、そのほとんどが県外の首都圏ナンバーだ。もはや有名無実化した緊急事態宣言だが、四連休で不要不急の外出は避け、家に閉じこもってエアコンつけてテレビでオリンピックでも見ていろというのも無理というもの。何度も宣言を出すまでに至らせた責任の所在がどこにあるのかはだれでも知っている。この群馬の地元ですら、一年前なら、他県ナンバー、特に東京ナンバーの車が群馬の観光地にやって来ることに対して嫌悪感があったが、今はほとんどない。緊急事態の様相はどこへやら。近所のブラジル人ファミリーは休日の都度に客を呼んでは庭でバーベキューをしながら踊ったり歌ったりのドンチャン騒ぎをしている。
 まぁ、そんなことはともかく、かんかん照りの中で準備をする。準備をしている間に汗がだらだらと流れ落ちる。早いとこ沢に入って涼みたい。今日は、普通の釣り用のフェルトの沢靴にした。ヘルメットは当然持ったが、ヘルメット用の汗吸いキャップがワークマンで500円もせずに売っていたから、ヘルメットの下にかぶるには都合が良い。日射しが思いのほか強いのでサングラスにした。

(西黒沢橋。カーブの左に入る)


(田尻尾根コースの出入口になる)


(西黒沢のきれいな渓相。すぐにも入りたいが我慢する。どうせ、また道が横切ることになる)


(やはり、こうして道に合流となる。この暑さではじらされている気分だ)


 谷川岳に登って、田尻尾根を下りに使うハイカーはいても、上りに使う方はあまりいないが、その田尻尾根への入口が西黒沢の入口になる。ベースプラザからは土合駅方面に戻って、西黒沢橋の脇から工事用道路に入る。歩いて間もなく、頭上を見上げれば、ロープウェイが動いている。しばらくは、このケーブルの下を歩くことになる。歩きながらロープウェイをボーッと眺めていたら、常に同じところで上下線が交差していて、何とも律儀なものだと感心した。考えずとも、そんなことは当たり前のことだが、熱くなりつつある脳には新たな発見に思えた。

(鉄板の渡し。もう我慢できずに左の沢に入る)


(簡単そうだが、自分にはそうでもなかった。ナメっぽい)


(小滝。このまま白鷺の滝まで行ければ気分も最高だろうが)


(この辺は水煙が漂っている)


(この短区間歩きでも気持ちは高まった)


(ナメの落ちも見られたし)


(だがこれだ。短いハッピー気分で終わり)


 西黒沢伝いの道路歩き。前述のようにさっさと入渓したい。すでに汗がだらだらだ。たまらずに、二つほど沢をまたいだ後の鉄板橋の左から流れ込むところで入渓した。日除けの帽子は脱ぎ、汗吸いキャップとヘルメットをかぶった。ここからではちょっと厳しいかなと思ったが、岩は丸いし、何とか行けそうだと判断したのだが、岩に上がる第一歩に往生した。大きな岩に足がかりはなく、力づくで這い上がる。小滝のある沢は水煙が上がるほどに水流はきついものの、そこには陽があたらず涼しい風が通っている。早々に沢に浸れただけでもう満足。汗だくの身体にはほっとする涼感だ。下流部だから水は深い。膝まで届く。ところどころがナメになっていて手頃な淵でもあれば、全身浸かりたい気分になる。

(結局、道を横断して)


(改めての入渓。まだ先ほどまでの余韻はあったが)


(ただのゴーロ沢になり)


(あっけなく白鷺の滝に着いてしまった)


 楽しめたのは5分くらいのものだろうか。放置の工事用らしき黒パイプを見ると、その先には、さっきまで歩いていた延長の道路が通っていて、そのまま西黒沢に再び入ったが、無駄なことをしたと言えばそれまでのこと。し直しの西黒沢入渓がコース定番の入口らしいが、鉄板橋の手前から入る短区間もまたお薦めだ。というのも、この先は普通の石ゴロの沢歩きでつまらなく、ほどなく白鷺の滝の前に出てしまい、これではあっけなく感じるかもしれない。

(正面の撮影エリアは狭い。一眼の広角レンズでもあったら見映えもしようが、自分にはこれで十分)


(下から落ち口)


(滝つぼ。これで終わりなら、今日の暑さではここで水風呂だろう)


(滝つぼの深さは肩高だろう。あの木っ端群が邪魔で、取り除きたい衝動にかられた)


 滝の落差は10mもない。勢いはあって見応えのある滝だが、やや水量が少ないのかもしれない。雨降り後でもっと期待したのだが。美滝の部類だから、名前の白鷺には見合っている。だが難点があった。南東に面していて、見物ポイントには日陰になる身の置き所がない。この滝は日陰になる時間帯がきれいだろう。暑くなった石に腰かけ、ヘルメットを脱いで、キャップを絞った。力を加えずともすごい汗が落ちた。キャップをかぶっていなかったら、ダラダラと汗が顔面に落ちていただろう。もういいやと、沢でキャップを洗ってかぶったらひんやりと気持ちがよかった。

(左から上がる)


(アップで)


(落ち口。ここはナメ)


 この滝は、左から簡単に上がれる。その斜面だけは日陰になって涼しく、滝の流れも間近に見られる。岩に、ハーケンと言うのかよくは知らないが、ロープを引っかける輪状の錆びた金具が一本、残置されていた。ロープを使ってまで登るほどのものではないと思うが、あるいは、氷瀑の時にでも打ち込んだのだろうか。

(その先はナメが続くかと思ったが、ゴーロがしばらく続く)


(田尻沢が左から入り込む。コンクリブロックの橋桁が見えている)


(西黒沢は、この景色がしばらく続くことになる)


 落ち口からしばらくはナメ床になったがすぐにゴーロ沢になった。後ろからガンガン、陽が照りつける。やがて、左から沢が合わさる。先の真上には道状のようなものが見える。この合流沢が田尻沢のようだ。木立の日陰があったのでそこで腰かけ、キャップをまた洗う。ザックからバナナを取り出すと、途中で何かにぶつかったのか、すでに半分黒くなっていたが、もったいないのでそのまま食べた。

(写りは悪いが、こんなところもある)


(でも、基本はこれ)


 ここからしばらく苦行が続く。とにかく暑い。最初のうちは小滝やら、沢の流れに飽きることはなかったが、もうろうとまではいかないが、次第に一時的に意識が半端になりかける。頭上のロープウェイのケーブルはすでになく、おそらく、田尻沢の方に移動したのだろう。木陰を見つけては暑さから少しでも逃れようと休んでは歩くの繰り返しになった。たまにフラッとすることもある。これはヤバイと、水を飲んで塩飴を口に入れる。今のところ水筒の水で間にあってはいるが、そのうちに切れたら沢水を飲むことになる。山中での熱中症だけは避けたい。

(変化を求めて)


(同じく)


(こうして、一枚岩がところどころにあって、その上に大石やら斜面の土砂が落ち込んでいる)


(これなんか、その典型だろう)


 沢床を見ながら気づいた。一枚岩がところどころにある。その上に大きな石がゴロゴロあるからゴーロ状になってはいるが、このあたり、元々は長いナメの沢だったのではなかろうか。長年にわたって上流から流されて来た石が堆積しているのだろう。専門的な知識には疎いので、この程度の推測しかできない。

(これが四段の滝かと思ったが…)


(きれいな流れ。谷川岳ならどこでもきれいな景色になる)


(そして四段の滝。これで見ると、確かに四段になってはいる)


(縦にして撮ってみる)


(四段の途中で)


(四段を上から)


(またゴーロが復活した)


 沢が幾分狭まってくると前方に段瀑が見えた。これが俗称「四段の滝」だろうが、近づくと、どの基準で四段なのかはわからず、見方によっては五段にも六段にも見えるし、いや三段だと言われればそれにも納得してしまう。滝を登るのにさしたる危険はなく、敢えて水をかぶりながら登った。この滝はナメの部分が多く、もしかすると、登り切れば、ようやくナメ床の沢かと思ったが、それは甘かった。まだずっと大石が続いている。いや、むしろ角張った石が密になったような気がする。これを見てがっかりしていたら、気分的にえらく暑くなってきた。

(ゴーロの中にもスポットはある)


(これも)


(シャッタースピード優先にしたら真っ白になったので、素人モードで)


(ナメになりつつあるような…)


(部分ナメか)


 小滝が続くようになり、何とか我慢して歩いて行くと、密は疎になり、ようやくナメゾーンに入った。岩を流れる水、樋状の流れ、そして川底が透けるように見えるきれいな水。水量が少なくなったような気はするが、見ていても、歩いていても飽きない。これが続く限り歩いていたいが、さっきまでのゴーロ帯に戻ることを考えれば、ある程度まで行ったら戻るしかない。その先は沢屋さんの世界なのだから。現に、地図を見れば、沢が南西から北西にカーブするあたりから先は岩マークが続いている。行く目安としてはそのカーブ部分までが自分の範囲かと思う。

(下流を見て。もうナメゾーン)


(岩が白いからどうも水流がきれいに撮れない)


(いくらか満足)


(これが続いたら極楽、極楽だが)


(日陰になっていれば横になりたい)


(曇り空ならきれいに撮れたろうな)


(樋の流れ。水も澄みきっている)


(水風呂で、マイナスイオンやらを受けながらさっぱりしたいところだ)


(ナメも終わりかと思い、ここで折り返しにしようとしたが、様子見で先に行くと)


(またナメになって)


(飽きない景色が続いていた)


(そして、今回のターニングポイントのナメ小滝)


(正面は分岐流れのコケ付きの滝)


(そして本流。沢が左にカーブするところ。あそこまで行けばよかった)


 戻りのゴーロのことは忘れ、先に行く。暑さに変化はないが、あまり感じない。まだ水筒の水も持参1リットルの半分以上は残っている。危険な所もなく歩いて行ったが、ナメが消えかかり、ゴーロになった。暑さがぶり返した。まだカーブ地点までは先があるが、この辺で引き返そうかと思ったものの、様子見くらいはしておこうとちょっと行く。
 ゴロ石の間にナメは続いていて、これならまだいいかと行くと、沢が方向を変えているところに出た。直進にはコケのある小滝が落ち、本流の右巻きは大きな緩いナメ滝が続いていて、その先の左に折れるカーブにある小滝から先は見えない。ここが予定のターニングポイントだ。左折れまで上がることはたやすい。その先を確認するくらいならいいだろう。どうするか迷った。手頃な言い訳を考える。ない。疲れてもいない。強いて言えば暑さだが、これでは弱いが、行くのはやめた。予定通りに、ここを終点とする。しばらく休みたいが、ここには木陰も日陰もない。じっとしていると無風の熱気を感じる。キャップを洗って下りにかかる。

(下る)


(極楽、極楽といきたいが、その先にゴーロ帯があるのを知っているから、今ひとつ楽チン気分になれない)


(振り返って)


(もうゴーロ帯)


(改めて四段)


(ここも楽しかった)


(枝沢を下から覗く)


 下りながら、カーブの小滝くらいは行ってもよかったかなと後悔の念が出てくるが、遠くから見ただけでもそれでいいだろうという気持ちも対抗する。せいぜい数分で済むことだった。今になって後悔はしているが、今さらのことだ。
 下りは、ナメのうちは楽しいものだったが、ゴーロ帯に戻ると、どうしても慎重になり、四段の滝越えは、簡単だった往路時に比べれば、結構気を遣って下ることになった。やはり、少しでもナメ床のある沢では、それに比べてしまうからか、ゴーロ歩きにはうんざりしてくる。なまじナメがなければ、その沢はそんなものだと何も感じずにいられる。

(そろそろフィニッシュだ)


(ロープウェイが見えて)


(田尻沢が合流)


 右上にロープウェイが見えてきた。間もなく田尻沢との合流だ。このまま白鷺の滝を改めて見てもいいが、田尻尾根コースを下ることにしよう。コースとはいっても、作業道を歩くだけだから、歩く区間もまた短い。
 田尻沢の合流部でヘルメットを脱ぐ。ついでに顔と頭を洗い、普通の日除け帽子にチェンジ。ついでに手ぬぐいで身体を拭いたら、幾分すっきりした。髪の毛が少ないから、ドライヤー不要ですぐに乾く。一服したいところだが、アイコスすら持って来ていなかった。

(道に上がる)


(のんびりとはならず、とにかく暑苦しい)


(半端だったが、最初の入渓地点)


(車道に出る。この暑さでは白毛門に登るのは苦痛かも)


(谷川岳インフォメーションセンターの駐車場に戻った。しかし、本日はまったくの無風だった)


 田尻沢合流部すぐ先を上がると道に出た。右に行けば田尻尾根に至る。帰路は左。どんどん暑くなる。車道に出ると、車も多くなっていて、地元ナンバーは走っていない。やはりほとんどが首都圏ナンバー。
 駐車場に到着。ここの駐車場もまたかんかん照りだ。ヤマビルにたかられることはなかった。そして、沢屋さんはともかく、白鷺の滝は魅力に乏しいのか、道中でだれにも会うことはなかった。谷川岳周辺では珍しい。もっとも、谷川岳に登っている方が涼しいのかもしれない。さて、12時にもなっていない。照葉渓あたりにでも行こうかと思ったが、娘と孫たちが間もなく家に着く頃だ。そちらは後日でいいか。そちら方面に見たい滝もあるから、いずれまた来ることになるし。帰路に就く。

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