たそがれオヤジのクタクタ山ある記

主に北関東の山を方向音痴で歩いています。山行計画の参考にされても責任は負いかねます。深慮せず軽く読み流してください。

バテバテでようやく歩いた烏帽子岳と湯ノ丸山周回。

2024年07月29日 | 長野県の山
◎2024年7月26日(金)

地蔵峠(7:54)……キャンプ場(8:04)……1825m中分岐(8:17)……烏帽子・湯ノ丸鞍部(8:44)……小烏帽子岳(9:21)……烏帽子岳(9:35~9:52)……鞍部(10:27)……湯ノ丸山南峰(11:19)……北峰(11:32~11:52)……鐘分岐(12:34)……地蔵峠(12:56)

 湯ノ丸山には過去に二回登っている。一回目は16年前。二回目は14年前の残雪期。二回目の時は何ともお粗末な話で、鹿沢温泉から角間山を目指したつもりなのに、地図も標識も見ずにトレース頼りに歩いたばかりに、角間山と思って到着したのは湯ノ丸山で、角間峠から下り、角間山は後日、改めて行きなおした。一回目の時は4人のグループで行った。自分の頭には烏帽子岳も組み入れていたが、メンバーの歩きからして無理のようで湯ノ丸だけでやめにした。烏帽子岳はいずれ行こうとして16年が経ってしまった。烏帽子だけでは物足りないだろうと湯ノ丸山も加えたが、実のところ、両山ともに2000m超えだし、涼しく歩けるだろうという目論見の方が強く、たまたま烏帽子岳のことを思い出したといったところだ。

(湯ノ丸先行ならゲレンデを登るのだが、車の数の割にはだれもいない)


(烏帽子に向かう道)


(この花、霧降高原でも見ていた。この先、いろんな花が続く)


(キャンプ場)


 地蔵峠(標高1732mらしい)での車載気温計は18℃。外に出た途端、これは涼しい。休暇をとって長距離運転で長野までやって来て正解とほくそ笑んで出発。行っていない烏帽子岳を先行すべく、キャンプ場方面に向かう。キャンプ場では何組かのグループが朝食中。10分も歩いていないのに、なぜか汗をかいた。軽トラがガソリンの排気臭をまき散らして登って行ったが、さほどの登り坂ではなかった。風がなかった。この先も、風が通るのは樹林帯の中だけで、その樹林帯とてコース上は極めて少なく、大方は陽射しを直接に受けて歩いた。気温は低いのに、直射日光で暑い。そこまで頭にはなかった。

(湯ノ丸山)


(樹林の中は風が流れて涼しい)


(中分岐。ここを湯ノ丸方面に行けば鐘分岐に至る)


(烏帽子が見えてきたところで)


(<鞍部>に到着。烏帽子からは一旦、ここに戻らないといけない)


 それでもしばらくは助かった。烏帽子岳と湯ノ丸山の鞍部まではほぼ平坦だったこともあり、これが登りだったら早々に大汗だろうが、そこまではならなかったし、短い樹林歩きもあった。鞍部まではコースタイム一時間ほどで、花の写真を撮りながらのゆっくり歩き50分は遅い方ではあるまい。

(烏帽子へ)


(結構、歩いた気がする)


(湯ノ丸山。剥き出しのところが分岐。この時点では。登るのがしんどそうだなといった程度の感想だった)


(烏帽子の稜線が見えてきた)


 ここから烏帽子までは登りなのは承知。さほどにきつい登りではなかったが暑かった。しばらく登ると、稜線が見え、その直下に3人のハイカーがいるのが見えた。10分ほどの距離だろうか。ここまで、キャンパー以外に会う人はいなかった。それにしても、振り返り続きで登っているが、真後ろの湯ノ丸山は大きく、やさしく丸い形ながらも、あそこを登り返しになるのはきつそうで威圧感さえ覚える。鞍部からの無風の陽射しの中、すでに汗拭きの手拭いは交換している。

(小烏帽子岳)


(八ヶ岳。左にうっすら見えるのは富士山じゃないの?)


(やはり)


(小烏帽子への登り)


(アルプス方面だが、この雲では特定ができない)


(小烏帽子岳に到着。何だか急に暑くなった気がする)


(ドーンと烏帽子岳が構えている)


(この辺も花が多く)


(途中で出会ったオバちゃんが、「いろんな花が見られて楽しい」とおっしゃっていた)


(意味もなくチョウとハチ)


 稜線に出てほどなく小烏帽子岳。先ほどの3人は女性で、先行させていただいたが、ここからの展望は良く、ぼんやりながらも富士山が見えた。それも大きめ。しばらく見入ってしまい、そして、八ヶ岳は雲をかぶりながらも山塊になって見えている。さらに右手には北アルプスや南アルプスも見えているようだが、上部に雲があって山名は特定できない。瞬間、あれは槍ヶ岳かなと眺めても、すぐに尖頭は雲に隠れた。こうして写真を撮ったりしていたら、さっきの3人に追い越されてしまった。この先、烏帽子岳の方を眺めると、3人以外にも歩いているハイカーの姿は多いようだ。

(烏帽子岳)


(北側の山並み)


(やはりアルプス方面はすっきりしない)


(湯ノ丸山。これを見て、登れる自信をなくした)


 烏帽子岳到着。出発から1時間40分。昭文社マップのCTは2時間5分。鹿沢インフォメーションセンター情報のそれは2時間10分だから、それに比べたら速いだろうが、頭の中では、湯ノ丸山に行くかどうかで悩んでいた。この先、この暑さの中で、あの山に果たして登れるだろうか。ゼーゼーしながら、繰り返し休んでは登る己の姿がチラチラする。昭文社マップでは、鞍部から湯ノ丸山まで50分とある。鹿沢IC版では40分だ。自分なら最低でも1時間はかかりそうだ。決して万全ではない今の体調での1時間はつらい。ここまではともかくとして、問題は、じわじわと上がってきているこの気温だ。風がない分、里山を歩いているような気分すらする。実は、外仕事の関係で、夏バテ気味の状態になり、病院に行ったついでに処方してもらった漢方薬を服用している始末だ。水曜日に来るつもりだったのが天気が悪そうなのでやめ、代わりにチョイ日光とも思ったが、起きると体がだるく、これもまたやめた。年々、異常な暑さが続いていて、情けなくも、これから本格化する夏の暑さを乗り切る自信はない。

(下る。前方は小烏帽子)


(小烏帽子からの下りで。あちらに行ってみたかったが)


(ロープで遮られていた。ムダな体力を使いたくもないので左に下る)


 くどくど記した。烏帽子岳で20分ほど休んだ。無性に汗だけは流れた。食欲はなく、水だけで済ませたが、その水もまたかなりぬるくなっていてすっきりしない。石に腰かけてぼんやりと景色を眺めているだけ。とにかく暑い。周囲には10人以上はいた。さてと、腰を上げる。休んでいる間に、ともかくも湯ノ丸山には行くことは決めていた。すでに富士山は消えている。富士山そのものに気づいた人はいるだろうか。聞き耳を立てたわけではないが、途中で「富士山」という言葉は聞こえなかった。
 下りにかかると、ハイカーが散発的に登って来る。この人たちはどういうルートで登って来たのだろうかと気になる。湯ノ丸山経由だとすれば、ここが最後の登りでうらやましくもなる。

(鞍部へ)


(鞍部で。木陰に入ったが、ちっとも涼しくない)


(湯ノ丸へ)


 鞍部到着。立ち休みをしていると一人が脇を通った。彼はキャンプ場の方に下って行った。烏帽子往復だけかもしれないし、早朝のうちに周回かもしれない。また悩んだが、わざわざ長野まで来たからには無理してでも湯ノ丸山に登ろう。
 想定通りにいきなりきつかった。標高差は250m程度のもので、減退した体力ながらも、いつもならたいしたことはない。何人か下って来る。「どうぞ」と待ちの態勢で立ち休みを繰り返す。ここは樹林ではなく低い木立がずっと続く。空が見えているから、とにかく暑い。ましてここもまた無風。

(途中から烏帽子。標高の割には格好が良い)


(やけに先が長く感じてきている)


(烏帽子全景。少しはさっきよりも上がっているようだ)


(山頂が見えてきた)


(湯ノ丸山山頂到着。いやぁきつかった)


 あそこまで行ったら立ち休みの状態が続く。急坂にすら思えた。二本目の手拭いも汗ダラでダメになり、滅多に手をつけないタオルまで出した。一人に追い越された。健脚そうだった。こちらはもう標高10mほどを登っては立ち休みをする。ここのところ途絶えていた息切れが頻発する。
 ようやく、ぽっかりとこの先が見えた。切れた空が覗いている。そして、座っているハイカーの姿も見えた。山頂のようだ。それでいて足運びはノロく、一気には登れない。何回か休んで、ようやく山頂に着いた時にはほっとした。鞍部から52分。ここでCTから2分から12分遅れのガタ落ち。おそらく、ここのCTは両者ともに甘いはずだ。それは烏帽子岳までのCTで分かっている。52分では遅すぎだ。
 お門違い、いや言い訳とも思えるおかしなことを記す。最近、足裏の臭いがきつくなり、その原因が、足裏の角質が厚くなっていることだとわかり、一月ほど前から、風呂に入れば、週2回の割で、貝印のT字カミソリで角質を削げ落としていた。おかげで、角質は薄くなって臭いは消えたが、その分、足裏の皮膚に負担がかかったのか、日常の歩行でも、足裏の痛みが伴うようになった。湯ノ丸山に着いた途端に、足裏の痛みがうずきはじめた。

(北峰へ。日陰があるかと思ったがなかった)


(浅間山)


(沼だか湖のようなものが見える)


(これが三角点標石かと思ったが)


(こちらだった)


 湯ノ丸山そのものは石だらけの殺風景な景色なので、素通りして、そのまま北峰に向かった。足裏が滅茶苦茶に痛くて平坦な道すらきつかった。足を引きずって歩いている。とにかく、北峰に樹は見えないが、岩の間に日陰があると思った。日陰で休みたい、足裏の痛みは、下りの地蔵峠まで続くことになる。それはさておき、南峰、北峰にしても、ここまでの斜面とは違って、樹々を含めて陽をさえぎるものはなく、北峰の平らな岩に座って休んだが、腹ペコの意識だけはあったので、ぬるい水で、大福を2個、ようやく飲み込んだ形で腹は満たした。ラストのタオルももうぐっしょりだ。下りで、まさか熱中症で倒れなければいいが。本気でそう思った。ハイカーは多い。だれか通報をしてくれるだろう。頭はボーっとしている。

(角間山、鍋蓋山へと続く稜線。奥は四阿山と根子岳、草津白根だろうか)


(そろそろ下ろうかと南峰に戻る)


 ここの山頂、烏帽子岳と違って展望はあまりよろしくはないが、烏帽子岳から湯ノ丸山に遮られた部分、つまりは東側と北側の展望は良く、噴煙を上げる浅間山辺りや角間山方面ははっきりと見える。数日前にNHKで流していた。前にも記した。白根山の湯釜と同様に、ここのところ、浅間の火口までYAMAPで写真アップするのがいるらしい。オレなら、それをやったとしても、火口上まで行ったことは隠す。失礼ながら、YAMAP利用の軽いハイカーはそんなレベルなのだろうか。中には、自己PR目的もいるだろう。自分も会員登録はしているが、投稿したことは一度もない。山行記録と写真を並べて記事にするだけなら、スマホ一つで簡単にできるようだ。

(下りは楽かと思ったが、石がゴロゴロして、さらに足裏が痛くなった)


(いやらしい上りがありそうな気がするが。実際はかなり緩かった)


(鐘分岐。標識を見る限り、14年前のミス歩きはここに出て湯ノ丸山に登ってしまったらしいが、その際、この標識には気づかなかったのだろうか。山頂に立つまでずっと角間山に向かっているとばかりに思っていた)


(湯ノ丸山を振り返って。南峰の方が高いようだ)


 下るのが嫌だなと重くなった腰を上げる。下り道のしばらくは石がゴロゴロして歩きづらく、下りである分、足裏にも刺激が強くて痛かった。それをかばおうとして歩くから、ふくらはぎに負担がかかり、足の攣りが起き、芍薬甘草湯を二回ほど服した。かなりの体たらくだ。前を何人か下っているが、抜かれはするものの、抜くことはない。いや、抜いてしまったら、また抜かれそうなので、前の遅い二人連れとは距離を保ってゆっくりと下った。

(東屋が見えた。ラッキー。日陰で休めるとほっとしたが、先行する二人に入られてしまった。抜かしておけばよかったと後悔)


(リフトの最高地点。ここは直進せずに左巻きで下った)


 鐘分岐を過ぎると前方に東屋が見えた、ようやく日陰になっているから、休みたいと思ったが、二人連れに先着されてしまい、がっかりしてそのまま下る。リフトが見えた。ゲレンデの最高点だ。女性3人が休んでいた。日陰でもないのに暑いだろうに。標識によれば、ここから地蔵峠までコースが二つあった。それぞれ峠まで600mだが、ゲレンデを下るのは避け、脇のコース斜面を選んだ。これには訳があって、ゲレンデコースは急で、足がさらに痛くなるだろうと懸念したためだが、結局はどちらにしても同じようなものだったかと思う。とにかく、足裏の痛みは増した。貝印で深く削ったところに靴の婉曲部があたっている。途中、気になって足を見たが、血は出ていなかった。草の上を裸足で歩いた方がむしろ快適だったかもしれない。

(篭ノ塔山かと思う)


(終点が見えてきた。足の痛みはピークになっている)


(こちらを下って来る人の姿は見えない)


(ヤレヤレ)


 駐車場にようやく到着。湯ノ丸山からのCT70分よりは6分早く帰着したが、もう、CTはどうでもよく、とにかく日陰で休みたかった。こだわったのは、自分の体力がどの程度落ちているのか知りたかっただけのこと。車にザックを放り込み、自販機でアクアを買った。ポカリは売り切れになっていた。日陰で足を投げ出して座り込み、しばらく休んだ。飲み終わっても足裏とふくらはぎの痛みで立つ気がせず、よいこらしょとようやく車に戻り、着替えを持ってトイレに入った。厄難はこれで終わりではない。おそらく、ここのトイレでやられたのだろうか。着替え中に背後の腹から背中にかけて虫に刺されたようだ。その時は、買った直後に洗いもせずに着てしまったTシャツだったから、化繊負けしたかなと思っていたが、痒さは続き、家で風呂上りによく見ると、数か所、虫に刺された痕があって腫れていた。ダニだったかもしれない。
 今回は、涼しい山歩きを期待して散々な状態になってしまった。歩きにかかった時間は5時間2分と、コースタイムの5時間5分に比較すれば相応かもしれない。うち40分以上は休んでもいるから、時間的には不満はないが、帰路で足を引きずり、這う這うの体で戻ったことを考えれば、自分としては、かなりみじめな歩きになってしまったと思っている。16年前に湯ノ丸山に同行した高木は、下山した直後、「ちっとも、山歩きをした気分にならねぇ」とこぼしていたが、その時は自分もまたそう思った。今回はそんな感覚の次元とは違って、暑さと苦痛が伴った。
 この後に、途中にある五郎の滝を見て帰る予定でいたが、その気はまったく失せていた。ここの下り道沿いに点在する石仏も一つ一つ見たかった。かなりくたびれ、さっさと家に帰りたかった。

 車のエンジンをかけると車載気温は30℃から28℃で落ち着いた。修理したばかりのエアコンはなおっているが、高速から降りた伊勢崎インターではすでに39℃になっている。その間、オートマながらも、ブレーキやらアクセルを踏むのが煩わしかった。たまに足が攣ることもあった。極めつけは近所のガソリンスタンドに入った際、足元がふらついたことと、暑さでクラクラしたことだった。
 家に着き、シャワーを浴びて冷たいビールを飲んで横になりたかったが、犬の散歩もあると思えば、それもできず、写真整理をして散歩に連れ出すと、10分もしないうちに遠雷とともに雨が降り出し、結局は濡れネズミになってしまった。何だか、散々な一日だった。

 スカッとした山歩きにしたかった。風さえあればそうなったかもしれない。それなのに、読み返すと、何だか後味の悪い山歩きになってしまった感がある。これも意思どおりにいかない体力の衰えと暑さへの弱さに対するあがきのようなものだろう。文章を軽快調に訂正すべくもなく、そのままに出すことにした。次回の山行はこんなものにしたくはないが、この暑さ続きの中では同じ結果になりそうな気もする。もしくは、紅葉時季まで山歩きはやめようか。とにかく、暑い中の長い歩きは体に悪いことは十分にわかった。その後の二日間は犬の散歩すら苦痛で、それ以外は何もせず、冷房の中で本を読んでは寝ていた。酒は飲めるのに、食欲はまったくなかった。完全に夏バテ状態だ。月曜日の最高気温は40℃の予想になっている。どうしても仕事を休むわけにはいかない月曜日だ。外働きだし、少しは体力も回復していればいいが、40℃ではなぁ(実際は42℃になっていた)。嫌だねぇ、この猛暑続きは。

(今回の歩き)

この地図は電子地形図25000(国土地理院)を加工して使用しています(令和元年手続改正により申請適用外)

コメント (1)    この記事についてブログを書く
« 再び野反湖へ。ノゾリキスゲ... | トップ |   

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ふみふみぃ)
2024-08-04 18:10:39
こんばんわ。某山アプリユーザーです(笑)。
たそがれさんの記事を見て、私も浅間山西部の県境・中央分水嶺を歩かないとなあと、昨日地蔵峠から車坂峠の間を歩いてきたのですが、標高の割に暑くて汗だく、ぐったりになりました。
曇り気味だったためたそがれさんが苦しめられた直射日光による暑さはなく、しめしめと思ったのですがとにかく蒸し暑くて。ガスで展望がない分損をしました。
涼しかったら今度また地蔵峠から湯ノ丸山・鳥居峠へと続きを歩くつもりでしたが、たそがれさんの記事を見る限り日差しを遮る木々もないし真夏に行くのは酷ですね。秋に行くことにします。
返信する

コメントを投稿

長野県の山」カテゴリの最新記事