たそがれオヤジのクタクタ山ある記

主に北関東の山を方向音痴で歩いています。山行計画の参考にされても責任は負いかねます。深慮せず軽く読み流してください。

金田峠、再び。

2010年07月11日 | 日光周辺の山
◎2010年7月11日(日)

 タイトルを「再び」としたが、実は三度目。ゴロが悪いので、「再び」としただけのこと。金田峠は、一回目は於呂倶羅山から刈込湖に下り、二回目は高薙山の帰りに通過した。峠にある石祠は、一回目の時はさほど興味もなく、探しもしなかったが、二回目の時は、残念ながら巡り会えなかった。そして、今日。今度こそはと意気込んで出かけた。天気も午前中なら何とか持ちそうだから、一切の無駄歩きは省き、於呂倶羅山も高薙山も刈込湖経由もなし。湯川橋からの往復に徹することにする。この間の太郎山でも、二兎を追ったばかりに、本命の寒沢宿跡を見逃した。でも、あれは、ただの根性なしか。

(石垣をいくつか越えて上に)

(踏み跡を追う)


 湯川橋の山王峠寄りのカーブに車を駐め、歩き出す。橋のすぐ横には工事用道路があった。前回下りて来た時は、金田峠はここから行くのかなと思ったが、その後、いろいろネットで調べて、林道の山王峠寄りの次のカーブ(ミラー付き)から入るようだ。結局は、この工事用道路といっしょになってしまうような感じがする。確証はない。もしそうなら、工事用道路から行った方がいいかもしれないが、あまり、時間的に節約にはならないだろう。早速、石垣が続く。住居跡だろう。ビンや缶、茶碗のかけらが落ちている。今日も、どうも雨上がりのようだからとゴム長歩きにしてしまった。ガラスに注意しないと大ケガをする。蛇足ながら、余計なものも持っている。ビニール傘。合羽を着るのが嫌で、金田峠往復程度ならと、傘をザックに結わえた。石垣をいくつか乗り越え、先ほどの工事用道路の延長?と思われる道に合流。先に、砂防ダムが3つほどあって、そのための道路だったのだろうが、今や、石もごろごろして廃れている。工事用道路は無視し、ひたすら、ササの間に細々とついている踏み跡を追う。やはり、土はかなりぬかるみ、滑る。

(不正解の沢筋を見下ろす)


 最初のうちはよかった。ルート通りに歩いていたのであろう。コンパスを金田峠に合わせてはいたが、南西方向を指しているから、順当に歩いていると錯覚していた。しかし、西側に張り出している高い尾根が絶えず気になる。そして、この沢筋が急でやけに長い。この前も、でたらめに歩いて尾根を一時的に下ったが、こんなに高い尾根ではなかったし、下の沢も狭いものだった。今、広い沢筋を歩いている。ここまで踏み跡をずっと追ってきた。不思議にこの踏み跡はケモノの足跡しかない。道間違いに気付いたのは1,800m付近だった。間もなく金田峠と同じ標高になる。絶対に間違っている。沢筋が、西側の尾根に乗り移れるくらいの高さになり、尾根に乗った。恥ずかしながら、自分のいる位置がようやく分かった。1,982mピークに向かう尾根上にいる。

(そして、雑木林の尾根)

(1,982mからの太郎山)


 じたばたしても始まらない。自分の位置が分かっただけでも幸いだ。問題は、このまま下るか、先に進むかだ。尾根の上には、確実に人が歩いた道型がある。ここは進んで、於呂倶羅山に行き、雨が降り出したら、山王林道に下りることにするか。このルート、雑木の尾根だが、踏み跡を辿れば、木がじゃまになることもない。さほど急でもない。ひたすら林間を登る。ようやくテープを見つける。後にも先にも、これ1巻きだけ。1,982mピークに着いたのは9時40分。出だしから1時間35分。やはり、このパターンになってしまったか。金田峠速攻往復がこの始末。こういう、いつもの道迷いのパターンも、今日だけは避けたかった。天気が気になる。1,982mはヤブ天の世界。遠巻きでピーク通過は避ける。どんなピークか見たかったが、シャクナゲとササが乱舞していて、中まで入れない。ちらっと見えた太郎山はもう雨なのか、霞んでいる。

(於呂倶羅山)


 踏み跡はしっかりして、スムーズに旧市町村境界に出た。後はテープも豊富。天気は何とか持ちそう。於呂倶羅山に向かう。山頂が近づくに連れて、ヤブが濃くなる。ズボンはびっしょりだ。10時5分、於呂倶羅山。長居はできない。一服もせずに金田峠に下る。ウイダーインを1つ含んだだけ。雨がポツンと落ちてきた。ヤバイ。ここから、ヤブもひどくなる。

(1,949mからの男体山)

(同じく於呂倶羅山と三岳)


 傘はついに杖代わりになった。倒木も多く、慌てて冷静さを欠きはじめているから、やたらと、足をとられる。転ぶ回数も多くなり、傘はあっという間に骨が折れ、無用の長物になってしまった。ゴミ箱があれば捨てたいくらいだ。10時33分、1,949mピーク。ここのヤブはすさまじく、ササヤブを泳いでピークに達した。下に三岳と刈込湖が見える。雨の降りが多くなったようだが、合羽を着るほどでもない。頭に手拭いを巻いただけ。ヤブがどんどん密になり、今度はシャクナゲ地獄の始まりかと思ったが、シャクナゲに乗っかったと同時に、スポーンと下に落とされた。下には、踏み跡があり、別の世界への入り口といった感じのシャクナゲ玄関だった。

(金田峠の金剛堂)

(金剛堂からの刈込湖は真下)


 大きな迷いもなく金田峠。10時45分。えらく迂回してしまったものだ。さぁこれからがメインディッシュといったところ。これで石祠を見つけられなかったら、泣きっ面にハチだね。西に向かう。ここもヤブ天だ。刈込湖に向かう踏み跡と分かれ、ひたすら西に行くが、ない、ない、ない。写真で見た祠は木の下。木の下を集中的に探すがない。とうとう、1,971mピークへの上りが始まる地点まで来てしまった。雨がメガネを濡らすまでになる。もうダメだな。お手上げ。また来ることになるのかねぇ。嫌だなぁ。ここでUターン。あきらめがつかず、別の踏み跡を行く。すると、Uターンポイントから20mほど進んだところに、鎮座していた。あんた、ここにいたの。中は空っぽで、外には、年代を記すものも刻まれていないが、1518年製だという。室町時代。年代を感じる祠。辺りを見回すと、刈込湖が一望だが、広いところにあるわけではない。本当に、宿がここにあったのだろうか。この石祠は市町村境に沿って設置されていて、迂回して歩いた高薙山からの下りでは、確かに出会えなかったわけだ。ようやく一服つける。晴れていたら、ここで大休止といきたいところだ。

(下り。突き当たりに砂防ダム)

(湯川橋。左に工事用道路。)


 ようやく満足した。金田峠に戻る。11時15分。ここからは前に下ったから楽勝というわけにはいかない。前回もいい加減なルートを下っている。また、別のルートを下ることになるだろう。ずっと林の中だから、合羽はいいか。一本、ずっと通った道型はない。踏み跡と遠くから見て、道がありそうだといった感じのところを選んで歩く。とはいっても、そうは問屋が卸さない。迷い歩きの連続。沢をかなり上流まで行き、そこからトラバースもした。ずっと先に、ほんのりと道型があるとほっとする。ネットで調べたルートのセオリー通りにはなっていない。踏み跡はやがて二股になった。尾根に登るコースと沢沿い。どっちも同じ程度の踏み跡。沢コースを選ぶ。しばらく行くと、砂防ダムが見えた。ここで、朝のルートミスを納得した。沢が微妙に二分するのを左側・東側に向かってしまっていたのだ。これでは、まさに、於呂倶羅山のエリアで歩いている。工事用道路を歩くと、下に、山王林道が見えた。石垣の上部に到着。尾根コースも、ここに下りるようになっている。12時40分、駐車地に到着。やはり、前回とはまったく違うルートを下った。次に歩くことがあれば、また違ったルートになるだろう。

 雨は小降りのまま。今日は本当に長かった。ワークマンで買ったズボンも限界になってしまった。スプレーを毎回かけているが、防水も効かずにヨレヨレ。そろそろ買い替えかな。靴もだ。張り替えを2回もした。これも型がなくなっている。せいぜい、あと2回履きくらいだ。ゴム長に逃げている理由もここにある。運よく梅雨時だからいいけど、真夏のゴム長はしんどい。

 帰りがけ、於呂倶羅山の登り口に車が1台あった。天気も良くないのに、あんたも好きだねぇと、我を忘れてつい思ってしまった。こちらはさらに輪をかけた歩きをしているのに。

コメント (2)    この記事についてブログを書く
« 梅雨時の三峰山詣ではかなり... | トップ | 尾瀬の裏通り、バテバテ山行。 »

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ぶなじろう)
2010-07-12 22:52:12
たそがれオヤジさん、連続攻撃お疲れ様でした。金田峠は、やはり並大抵ではないようですね。
ところで、湯川橋とは、西沢金山跡近くにあるのでしょうか?ズボラな質問で申し訳ありません。
おいらとしては、今回の記事で1982m峰が新たにクローズアップされてきました。山王林道「治山碑」から於呂具羅山のルートです。
行きたいところが増えすぎて、困ってしまいます。
返信する
ぶなじろうさん (たそがれオヤジ)
2010-07-13 06:01:41
おはようございます。
山王峠を北進すると、於呂倶羅山登山口があり、下りになります。しばらく行くと、カーブが連続した部分にさしかかります。最初の大きなカーブにあるのが治山碑。ここから、於呂倶羅山の北尾根に取り付けます。
湯川橋は、カーブの最終、下りきったところにかかっています。治山碑との距離はかなりあります。
私が、結果的に誤って歩くことになったのは、北尾根の西側にある小尾根です。
湯川橋から大きく迂回して、北尾根と小尾根の間の沢に入り込み、小尾根に這い上がったという形です。
1982m峰手前の合流点はよく分かりませんでした。知らない間に合流していました。
わけの分からないルートを歩くよりも、北尾根を忠実に歩いた方が無難かもしれません。ただ、ヤブの状況がどうか。私の誤りルートはヤブがありませんでしたが。
返信する

コメントを投稿

日光周辺の山」カテゴリの最新記事