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◎2022年2月23日(水)
上鉢石無料駐車場(8:26)……化地蔵・憾満ヶ淵(9:01)……独標(10:17~10:35)……合峰(11:25~11:30)……鳴虫山(11:51~12:21)……神ノ主山(13:17~13:23)……国道(14:14)……駐車場(14:28)
別に自分で鳴虫山を選んだわけではない。息子が鳴虫山に行くというので同行した。車の運転を期待されたところもある。気になったのが積雪。先日の子持山は予想外の積雪だった。まして日光だ。市街地の延長というか、里山ともいえる鳴虫山ですら積雪は多いような気がした。それよりも、自分の今の体力で、マニアックな修験道コースでもない普通のハイキングコースですら歩ける自信はなかった。息子が雪山歩きに慣れているはずもなく、道具類の準備でそこまでしなきゃいけないのかという顔つきをされながらも、オレの軽量シューを持たせ、自分はワカンにした。アイゼンは、息子はそれしか持っていない10本爪。オレはこれで十分と6本爪。チェーンスパイクでは絶対に無理と思っていた。
(上鉢石駐車場)
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(神橋)
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日光に着いてびっくりした。そもそも、一般道で行けば足尾の凍結路は避けられまいと遠回りながらも有料道路にした。それが想像とはまったく違っていた。確かに男体山方面は強風で山の姿もすっきり見えていないのに、市内に雪はなく、路面の凍結もなかった。風が冷たくはあるが、強くはない。そして陽も出ている。かなり拍子抜けした。だが、市内といっても山は山。どういう状況かも知れず、アイゼンとワカンだけは持参した。今回初めて使う、無料の上鉢石の駐車場には駐車スペースの1/4も車が入っていたろうか。
慣れないところに駐車したから、方向音痴が露呈した。含満公園の方に行くべきなのに、正反対の霧降高原の方に歩いてしまい、息子に言われてようやく気づいた。神橋周辺の長い信号待ちも含め、出発時早々に10分以上のタイムロス。
(残雪あり)
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(地蔵の前を通って)
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(憾満ヶ淵)
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(ここまではよかったが、その先で右に行ってしまった)
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(こんなところを通ってしまう)
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化地蔵、憾満ヶ淵にはだれもいなかった。川沿いだけあって道は凍結していて、所々で太い筋状になっている。ここでアイゼンを装着。標識に従って車道下をくぐる。出ると、鳴虫山のハイキングマップ看板が置かれていた。ここで二回目のミス。左に行くべきところを右に行ってしまった。息子が左じゃないのと言ったのに、こちらからでも行けるよと知ったかぶりをしたら、左に何かの大きな施設があり(案内看板には発電所とあった)、それを回り込む形になってしまい、狐山稲荷神社なる聞いたこともない神社の前を通って、ハイキング道に合流した。ここでも10分はロスした形になった。どうも出だしから調子が悪い。どうせ息子はさっさと登って行くだろうしと、息子を先行させた。それが間違いなさそうだ。年寄りのボケに付き合わされたのではたまるまい。
(この辺は雪もなかったが)
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(雪が出てくる。雪は日陰のため堅い)
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(きつい傾斜。この3日後にとんでもなく長い急坂を登ることになる。それに比べたらやさしいのだが)
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(独標到着。きつかった)
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植林の中をくねくね登って行くと長い急登が待っていた。きつい。ところどころで階段状になっているところもあるが、歩幅が合わず、その脇を行く。足跡を見ると、階段を登る人はあまりいないようだ。息子との距離は離れ、そのうちに見えなくなった。先にピークがあったらそこで待つようにと言ってはあるが、過去の経緯からしておそらくスルーしてさっさと行っているだろう。ただ、彼も仕事で疲れているのか、いつもより歩く元気はなさそうだった。それ以上にこちらの足は鈍い。
本当に「何とか、ようやく」といった形容が似合ったようにヘトヘトで独標に着いた。息子は待っていた。ここの標高は925mとあるが、この先、合峰1084m、鳴虫山1103.5mと続く。その間に登り返しはあるだろう。まだ先が長いのにすでにかなりバテている。うんざりする。
雪が靴の中に入るようになっていたので、スパッツを付ける。息子にも促したが忘れたとのことで、そのまま行くらしい。ズボンの裾が長く、靴にかぶっているから問題はないだろうが、こちらは隙間がある。そのスパッツ、持っていないと言う息子に渡したのは自分の履き慣れたスパッツだったが、自分用の代用スパッツはしばらく使わずにいたぶ厚いゴワゴワのもので、装着に手間取った。その間に息子は下って先に行った。改めてアイゼンを付けようとしたところでトラブル。アイゼンのヒモを通すゴムが切れてしまった。おそらく劣化だろう。これでは固定ができない。いつも持ち歩く麻縄をここのところ忘れていて、今日もまたザックの底をあさってもなかった。仕方なく、ヒモはスパッツの金具に括りつけた。これでは応急処置にもならないが、幸いに6本爪は前後の移動はなく、靴の左右にフィットしている幅になっていたから、この先、一回は外れたものの、何とか最後までこれで通した。その代わり、用心して歩きはさらに遅くなった。
(寒々とした光景が続く)
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(ここを登って来たわけだが、ここもまたつらかった)
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(合峰)
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こんなことで独標でモタモタしてしまい、20分近くはロスした。さて、アイゼンについてだが、今日は反対側から登って来る10人ほどと出会ったが、皆、アイゼンではなくチェーンスパイクだった。ずっと凍結しているから滑り止めなしでは危険だが、アイゼンにするほどのものでもなかったようで、まして息子の10本爪は鳴虫山では大げさだったかもしれない。
急な登り返しを耐えながら独峰から50分かけて合峰に到着した。息子が寒そうにして待っていた。30分待たせたらしい。独標との区間は雑木、植林で薄暗いところがあり、まして遠くに見える山並みもまた白く寒々としている。律儀に上り優先で待機するハイカーに先行して下ってもらい、その都度に息継ぎをしながら登った。タイミングが悪く、一時的に陽も陰っていた。寒い合峰で弱い父親を待ち続けた息子に気の毒なことをしたと思った。しばらく休みたかったが5分の休憩にとどめた。
(鳴虫山に向かう)
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(陽がまた出てきてくれた)
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(鳴虫山が正面に)
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(この階段には記憶がない。前にもあったかなぁ)
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(鳴虫山到着)
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(三角点標石と山名板)
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尾根上の雪は深くなったが、せいぜいくるぶし程度のもので、まして歩くハイカーも多く、ここのところの降雪はないようだ。ただ、雪の下は凍結していて、油断して歩いていると、アイゼンでも滑る。目の前に鳴虫山の山容が現れる。大げさではない。自分はあそこに登れるのかと思った。息子の後ろ姿はかなり離れていった。
山頂間近に、自分には記憶のない手すり付きの階段があった。楽ではあるが、アイゼンの爪が引っかかって歩きづらい。チェンスパであっても少しはまし程度だろう。階段を避けて脇を通りたいところだが、トレースも何もないので我慢して階段を使う。これが終わるとただの階段になってようやく山頂。合峰から20分。独峰、合峰区間に比べたら、短時間で済んだものの、これでもかかり過ぎのような気がする。幸いに陽がまた出てきたが、風は結構強い。息子はさほどに待たなかったようで、山頂の三角点やら標識をスマホで撮っていた。
(奥日光方面は荒れている感じ)
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(男体山)
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(至・火戸尻山)
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ここで、息子がガスを出して煮炊きを始めた。風が強いので湯はなかなか沸かない。何だか知らないが、家に帰れば一人BBQをやったりしているから、そちら方面は好きなのだろうが、ぬるま湯のままで調理して、無理やりに雑炊のようなものを腹に収めていた。こちらは、いつもの菓子パンとポットの湯でのスープ飲みで済ませているし、息子が何を食べようが興味も関心もない。ただ、好きだなぁと感心しただけのこと。
栃木百名山に趣味を持つ息子は火戸尻山には行ったことがない。かつて自分が火戸尻山に登ったついでに鳴虫山まで来たことを話し、ここからの尾根を使えば火戸尻山に行けるよと教えはしたが、様子見にはついては来なかった。一人で尾根を見られるところまで行ってみた。15年前と同様に「この先キケンなため通行禁止」看板があって、ロープが張られていた。トレースもない。確かに火戸尻山から鳴虫山に登るにはたやすいが、下りは急過ぎて恐い思いをした記憶がある。息子にとっては栃百もカウント積みをすればいいだけのことだろうし、ここまで登って来る必要はないし、鳴虫山と結んだりすることに興味がなくとも仕方がない。息子にまでマニアックな歩きを薦めはしない。現にこちらはそんな歩きで岩場から転落して骨折し、3年経っても後遺症を引きずって山歩きをしている。「山歩きが趣味」それだけで十分だ。ただ心配なのは、大佐飛山に付き合ってくれと言われたらどう答えていいものやら…。残雪期ならトレースが豊富らしく容易に行けるだろうが、長時間歩きはもうできない。せいぜい4~5時間が限度。元から興味もない山域だし、せいぜい、黒滝山から一人で戻って車で待機のパターンだろう。健脚な山仲間が何人かいるらしいし、連中と行けばいい。息子といえど巻き込まれたくはない。
(下山)
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(あのコブ二つを通るのだろうな)
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鳴虫山での休憩は30分。息子がオレに気遣ってさっさと食事を終わらせた感があったが、とにかく下山。息子は東武日光駅から電車でアパートに帰る。明日は仕事だろうし、あまりノロノロと時間を費やすわけにもいかない。さて、この先、神ノ主山というピークがある。下り専門なら、自分にも負担はないが、登り返しだろうなと思うとげんなりする。このコース、初めて歩くコースでもないのに、多少でも雪があると、初めて歩く気分になってしまうし、まして、今日は、体力の衰えが如実に表れた歩きになっている。
下って行くと、先にコブが二つ見えた。いずれかが神ノ主山だろう。地図を見ると、下りの登り返しは三か所。1058m、892m、そして842m標高点の神ノ主山。どれも20m程度の登り返しだから耐えられよう。ところで、今回のコースは駅側からすれば反時計回りの周回だったが、行き会った方はすべて時計回りだった。これは、駅から出発という観点からすれば自然にそうなるだろうが、ここを駅側に下りながら、むしろ、時計回りの方が幾分は楽かなと思った。時間は長そうだが、独標までの急な登りに似たようなところはなかった。
(かなり悪路になっている)
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(神ノ主山への登り。ここの標識は「神ノ主山」)
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(神ノ主山山頂。山名板には「神主山」)
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下り主体とはいえ、結構手間取った歩きで、下るにしたがい雪の下の土が出てきて、これが泥状になったり、日陰では凍結していて歩きづらかった。目の前を歩く息子も、ストック先をアイゼンに引っ掛けて何度か転びそうになっていた。何でそうなるのか理屈は理解できないが、単にストックの持ち方が悪いか、アイゼンヒモの端が切ればいいのに長いままにしているからかと思う。これも、常識的には切ってライターで焼けばいいだけのことだが、それをしてしまうと、今回の自分のように、アイゼンに不備が出た場合、ヒモの遊びがないばかりに苦肉の策でスパッツに括りつけたりすることになる。そんなことはどうでもいいが、神ノ主山には鳴虫山から一時間ほどかかってしまった。
山頂の山名板には「神主山」とある。読みは「こうのすやま」だが、地理院地図や山と高原地図では「神ノ主山」となっている。気になって、帰ってから山名事典を確認すると、こちらも「神ノ主山」。余計なことだが、「鳴虫山への登路にある」と付記され、やはり時計回り歩きが正式かのようだが、それはともかく、地元では「神主山」で通っているのだろうか。「かんぬしやま」と読めなくもなくなるわけだが。つい気になってしまう。
(日陰はガチンガチン)
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(左に鳥居が見えたので行ってみると)
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(こんな山名板が目に入った)
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下る。街並みが眼下に近づく。乾いた土が出てきたのでアイゼンを外そうと思うと、また雪。どうも日向と日陰で残雪の量が違い過ぎる。土の上のアイゼン歩きは不快そのものだがしかたがない。左に鳥居が見えた。息子は素通りした。気になって寄ってみる。木の社があって、脇の樹に「天王山」の山名板が括りつけられていた。
(鳥居をくぐって)
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(終了)
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軒並みが真下に見え、車道に出た。車道にはまだ雪がある。ハイキングマップ看板を見ると、日光駅に誘うコースは明瞭な赤線だが、それ以外はアバウト。駅には右だが、駐車場は左に行くべきで、雪の車道を左に向かう。
(こんな氷柱が続き)
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(釣り堀の池かと思うが)
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(車道に出たのでスパッツとアイゼンを外す)
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(結局、一周しただけだった)
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何だかよくわからない個人所有の釣り堀らしきところに出た。無人。川沿いで、右側にすごい氷柱がずらりと並んでいる。息子はためらったが、侵入禁止の看板もなかったので様子見で行くと、左に雪が全面にかぶった池らしいのがあり、それで釣り堀かと思ったのだが、先は柵があり、簡単に外に出られた。待っていた息子を呼んだ。ここで公の車道に出て、雪もなかったのでアイゼンもスパッツも外した。その先、結局は左のままには行けず、戻ることになってしまう。
(神橋の方に向かっている)
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(駐車場は、この天海さんの裏になる。この天海が明智光秀だというおかしな説があった)
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(駐車場到着)
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市内に出て神橋まで国道沿いに歩く。観光客はこの時世でもいつもよりは少ないが、それなりに多く、人気の羊羹家やレストランは外で並んでいる。神橋までは結構な坂道だなと初めて知った。本日最後の息切れをした。
上鉢石の駐車場に到着。ここでもあらぬ方向に行きかけて、息子にこっちだよと言われる始末。駐車場は満杯になっていて、止められないとわかると素通りしていく車も何台かあった。こちらはそのままでいいが、息子は電車に乗るので着替えをして、寒い中で上半身裸になり、こちらが寒くなった。
(地蔵滝)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/28/46/63bd9017ec38806d68397022c0e7e075.jpg)
東武日光駅まで息子を乗せ、足尾経由で帰る。路肩に少しばかり雪は溜まっていたものの、路面の凍結もまったくなかった。日足トンネルを出て、駐車場に車を置いて地蔵滝を見に行った。ここは元から水量のある沢だから滝が完全に凍っているわけではなく、氷結した表面の内部では水が流れていた。何とも冬枯れの殺風景な光景だった。
今日も疲れた。余計な歩きが多かった。半端な雪にはがっかりだったが、中禅寺湖まで上がり、例えば社山にでも登ったら、果たしてコース歩きでも歩ききれるか怪しいものだ。「その気」だけは衰えていないのに身体がなぁ…。
上鉢石無料駐車場(8:26)……化地蔵・憾満ヶ淵(9:01)……独標(10:17~10:35)……合峰(11:25~11:30)……鳴虫山(11:51~12:21)……神ノ主山(13:17~13:23)……国道(14:14)……駐車場(14:28)
別に自分で鳴虫山を選んだわけではない。息子が鳴虫山に行くというので同行した。車の運転を期待されたところもある。気になったのが積雪。先日の子持山は予想外の積雪だった。まして日光だ。市街地の延長というか、里山ともいえる鳴虫山ですら積雪は多いような気がした。それよりも、自分の今の体力で、マニアックな修験道コースでもない普通のハイキングコースですら歩ける自信はなかった。息子が雪山歩きに慣れているはずもなく、道具類の準備でそこまでしなきゃいけないのかという顔つきをされながらも、オレの軽量シューを持たせ、自分はワカンにした。アイゼンは、息子はそれしか持っていない10本爪。オレはこれで十分と6本爪。チェーンスパイクでは絶対に無理と思っていた。
(上鉢石駐車場)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5c/12/85aaf1779d0d11618db62bd17a799113.jpg)
(神橋)
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日光に着いてびっくりした。そもそも、一般道で行けば足尾の凍結路は避けられまいと遠回りながらも有料道路にした。それが想像とはまったく違っていた。確かに男体山方面は強風で山の姿もすっきり見えていないのに、市内に雪はなく、路面の凍結もなかった。風が冷たくはあるが、強くはない。そして陽も出ている。かなり拍子抜けした。だが、市内といっても山は山。どういう状況かも知れず、アイゼンとワカンだけは持参した。今回初めて使う、無料の上鉢石の駐車場には駐車スペースの1/4も車が入っていたろうか。
慣れないところに駐車したから、方向音痴が露呈した。含満公園の方に行くべきなのに、正反対の霧降高原の方に歩いてしまい、息子に言われてようやく気づいた。神橋周辺の長い信号待ちも含め、出発時早々に10分以上のタイムロス。
(残雪あり)
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(地蔵の前を通って)
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(憾満ヶ淵)
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(ここまではよかったが、その先で右に行ってしまった)
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(こんなところを通ってしまう)
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化地蔵、憾満ヶ淵にはだれもいなかった。川沿いだけあって道は凍結していて、所々で太い筋状になっている。ここでアイゼンを装着。標識に従って車道下をくぐる。出ると、鳴虫山のハイキングマップ看板が置かれていた。ここで二回目のミス。左に行くべきところを右に行ってしまった。息子が左じゃないのと言ったのに、こちらからでも行けるよと知ったかぶりをしたら、左に何かの大きな施設があり(案内看板には発電所とあった)、それを回り込む形になってしまい、狐山稲荷神社なる聞いたこともない神社の前を通って、ハイキング道に合流した。ここでも10分はロスした形になった。どうも出だしから調子が悪い。どうせ息子はさっさと登って行くだろうしと、息子を先行させた。それが間違いなさそうだ。年寄りのボケに付き合わされたのではたまるまい。
(この辺は雪もなかったが)
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(雪が出てくる。雪は日陰のため堅い)
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(きつい傾斜。この3日後にとんでもなく長い急坂を登ることになる。それに比べたらやさしいのだが)
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(独標到着。きつかった)
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植林の中をくねくね登って行くと長い急登が待っていた。きつい。ところどころで階段状になっているところもあるが、歩幅が合わず、その脇を行く。足跡を見ると、階段を登る人はあまりいないようだ。息子との距離は離れ、そのうちに見えなくなった。先にピークがあったらそこで待つようにと言ってはあるが、過去の経緯からしておそらくスルーしてさっさと行っているだろう。ただ、彼も仕事で疲れているのか、いつもより歩く元気はなさそうだった。それ以上にこちらの足は鈍い。
本当に「何とか、ようやく」といった形容が似合ったようにヘトヘトで独標に着いた。息子は待っていた。ここの標高は925mとあるが、この先、合峰1084m、鳴虫山1103.5mと続く。その間に登り返しはあるだろう。まだ先が長いのにすでにかなりバテている。うんざりする。
雪が靴の中に入るようになっていたので、スパッツを付ける。息子にも促したが忘れたとのことで、そのまま行くらしい。ズボンの裾が長く、靴にかぶっているから問題はないだろうが、こちらは隙間がある。そのスパッツ、持っていないと言う息子に渡したのは自分の履き慣れたスパッツだったが、自分用の代用スパッツはしばらく使わずにいたぶ厚いゴワゴワのもので、装着に手間取った。その間に息子は下って先に行った。改めてアイゼンを付けようとしたところでトラブル。アイゼンのヒモを通すゴムが切れてしまった。おそらく劣化だろう。これでは固定ができない。いつも持ち歩く麻縄をここのところ忘れていて、今日もまたザックの底をあさってもなかった。仕方なく、ヒモはスパッツの金具に括りつけた。これでは応急処置にもならないが、幸いに6本爪は前後の移動はなく、靴の左右にフィットしている幅になっていたから、この先、一回は外れたものの、何とか最後までこれで通した。その代わり、用心して歩きはさらに遅くなった。
(寒々とした光景が続く)
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(ここを登って来たわけだが、ここもまたつらかった)
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(合峰)
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こんなことで独標でモタモタしてしまい、20分近くはロスした。さて、アイゼンについてだが、今日は反対側から登って来る10人ほどと出会ったが、皆、アイゼンではなくチェーンスパイクだった。ずっと凍結しているから滑り止めなしでは危険だが、アイゼンにするほどのものでもなかったようで、まして息子の10本爪は鳴虫山では大げさだったかもしれない。
急な登り返しを耐えながら独峰から50分かけて合峰に到着した。息子が寒そうにして待っていた。30分待たせたらしい。独標との区間は雑木、植林で薄暗いところがあり、まして遠くに見える山並みもまた白く寒々としている。律儀に上り優先で待機するハイカーに先行して下ってもらい、その都度に息継ぎをしながら登った。タイミングが悪く、一時的に陽も陰っていた。寒い合峰で弱い父親を待ち続けた息子に気の毒なことをしたと思った。しばらく休みたかったが5分の休憩にとどめた。
(鳴虫山に向かう)
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(陽がまた出てきてくれた)
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(鳴虫山が正面に)
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(この階段には記憶がない。前にもあったかなぁ)
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(鳴虫山到着)
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(三角点標石と山名板)
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尾根上の雪は深くなったが、せいぜいくるぶし程度のもので、まして歩くハイカーも多く、ここのところの降雪はないようだ。ただ、雪の下は凍結していて、油断して歩いていると、アイゼンでも滑る。目の前に鳴虫山の山容が現れる。大げさではない。自分はあそこに登れるのかと思った。息子の後ろ姿はかなり離れていった。
山頂間近に、自分には記憶のない手すり付きの階段があった。楽ではあるが、アイゼンの爪が引っかかって歩きづらい。チェンスパであっても少しはまし程度だろう。階段を避けて脇を通りたいところだが、トレースも何もないので我慢して階段を使う。これが終わるとただの階段になってようやく山頂。合峰から20分。独峰、合峰区間に比べたら、短時間で済んだものの、これでもかかり過ぎのような気がする。幸いに陽がまた出てきたが、風は結構強い。息子はさほどに待たなかったようで、山頂の三角点やら標識をスマホで撮っていた。
(奥日光方面は荒れている感じ)
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(男体山)
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(至・火戸尻山)
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ここで、息子がガスを出して煮炊きを始めた。風が強いので湯はなかなか沸かない。何だか知らないが、家に帰れば一人BBQをやったりしているから、そちら方面は好きなのだろうが、ぬるま湯のままで調理して、無理やりに雑炊のようなものを腹に収めていた。こちらは、いつもの菓子パンとポットの湯でのスープ飲みで済ませているし、息子が何を食べようが興味も関心もない。ただ、好きだなぁと感心しただけのこと。
栃木百名山に趣味を持つ息子は火戸尻山には行ったことがない。かつて自分が火戸尻山に登ったついでに鳴虫山まで来たことを話し、ここからの尾根を使えば火戸尻山に行けるよと教えはしたが、様子見にはついては来なかった。一人で尾根を見られるところまで行ってみた。15年前と同様に「この先キケンなため通行禁止」看板があって、ロープが張られていた。トレースもない。確かに火戸尻山から鳴虫山に登るにはたやすいが、下りは急過ぎて恐い思いをした記憶がある。息子にとっては栃百もカウント積みをすればいいだけのことだろうし、ここまで登って来る必要はないし、鳴虫山と結んだりすることに興味がなくとも仕方がない。息子にまでマニアックな歩きを薦めはしない。現にこちらはそんな歩きで岩場から転落して骨折し、3年経っても後遺症を引きずって山歩きをしている。「山歩きが趣味」それだけで十分だ。ただ心配なのは、大佐飛山に付き合ってくれと言われたらどう答えていいものやら…。残雪期ならトレースが豊富らしく容易に行けるだろうが、長時間歩きはもうできない。せいぜい4~5時間が限度。元から興味もない山域だし、せいぜい、黒滝山から一人で戻って車で待機のパターンだろう。健脚な山仲間が何人かいるらしいし、連中と行けばいい。息子といえど巻き込まれたくはない。
(下山)
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(あのコブ二つを通るのだろうな)
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鳴虫山での休憩は30分。息子がオレに気遣ってさっさと食事を終わらせた感があったが、とにかく下山。息子は東武日光駅から電車でアパートに帰る。明日は仕事だろうし、あまりノロノロと時間を費やすわけにもいかない。さて、この先、神ノ主山というピークがある。下り専門なら、自分にも負担はないが、登り返しだろうなと思うとげんなりする。このコース、初めて歩くコースでもないのに、多少でも雪があると、初めて歩く気分になってしまうし、まして、今日は、体力の衰えが如実に表れた歩きになっている。
下って行くと、先にコブが二つ見えた。いずれかが神ノ主山だろう。地図を見ると、下りの登り返しは三か所。1058m、892m、そして842m標高点の神ノ主山。どれも20m程度の登り返しだから耐えられよう。ところで、今回のコースは駅側からすれば反時計回りの周回だったが、行き会った方はすべて時計回りだった。これは、駅から出発という観点からすれば自然にそうなるだろうが、ここを駅側に下りながら、むしろ、時計回りの方が幾分は楽かなと思った。時間は長そうだが、独標までの急な登りに似たようなところはなかった。
(かなり悪路になっている)
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(神ノ主山への登り。ここの標識は「神ノ主山」)
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(神ノ主山山頂。山名板には「神主山」)
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下り主体とはいえ、結構手間取った歩きで、下るにしたがい雪の下の土が出てきて、これが泥状になったり、日陰では凍結していて歩きづらかった。目の前を歩く息子も、ストック先をアイゼンに引っ掛けて何度か転びそうになっていた。何でそうなるのか理屈は理解できないが、単にストックの持ち方が悪いか、アイゼンヒモの端が切ればいいのに長いままにしているからかと思う。これも、常識的には切ってライターで焼けばいいだけのことだが、それをしてしまうと、今回の自分のように、アイゼンに不備が出た場合、ヒモの遊びがないばかりに苦肉の策でスパッツに括りつけたりすることになる。そんなことはどうでもいいが、神ノ主山には鳴虫山から一時間ほどかかってしまった。
山頂の山名板には「神主山」とある。読みは「こうのすやま」だが、地理院地図や山と高原地図では「神ノ主山」となっている。気になって、帰ってから山名事典を確認すると、こちらも「神ノ主山」。余計なことだが、「鳴虫山への登路にある」と付記され、やはり時計回り歩きが正式かのようだが、それはともかく、地元では「神主山」で通っているのだろうか。「かんぬしやま」と読めなくもなくなるわけだが。つい気になってしまう。
(日陰はガチンガチン)
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(左に鳥居が見えたので行ってみると)
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(こんな山名板が目に入った)
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下る。街並みが眼下に近づく。乾いた土が出てきたのでアイゼンを外そうと思うと、また雪。どうも日向と日陰で残雪の量が違い過ぎる。土の上のアイゼン歩きは不快そのものだがしかたがない。左に鳥居が見えた。息子は素通りした。気になって寄ってみる。木の社があって、脇の樹に「天王山」の山名板が括りつけられていた。
(鳥居をくぐって)
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(終了)
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軒並みが真下に見え、車道に出た。車道にはまだ雪がある。ハイキングマップ看板を見ると、日光駅に誘うコースは明瞭な赤線だが、それ以外はアバウト。駅には右だが、駐車場は左に行くべきで、雪の車道を左に向かう。
(こんな氷柱が続き)
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(釣り堀の池かと思うが)
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(車道に出たのでスパッツとアイゼンを外す)
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(結局、一周しただけだった)
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何だかよくわからない個人所有の釣り堀らしきところに出た。無人。川沿いで、右側にすごい氷柱がずらりと並んでいる。息子はためらったが、侵入禁止の看板もなかったので様子見で行くと、左に雪が全面にかぶった池らしいのがあり、それで釣り堀かと思ったのだが、先は柵があり、簡単に外に出られた。待っていた息子を呼んだ。ここで公の車道に出て、雪もなかったのでアイゼンもスパッツも外した。その先、結局は左のままには行けず、戻ることになってしまう。
(神橋の方に向かっている)
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(駐車場は、この天海さんの裏になる。この天海が明智光秀だというおかしな説があった)
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(駐車場到着)
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市内に出て神橋まで国道沿いに歩く。観光客はこの時世でもいつもよりは少ないが、それなりに多く、人気の羊羹家やレストランは外で並んでいる。神橋までは結構な坂道だなと初めて知った。本日最後の息切れをした。
上鉢石の駐車場に到着。ここでもあらぬ方向に行きかけて、息子にこっちだよと言われる始末。駐車場は満杯になっていて、止められないとわかると素通りしていく車も何台かあった。こちらはそのままでいいが、息子は電車に乗るので着替えをして、寒い中で上半身裸になり、こちらが寒くなった。
(地蔵滝)
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東武日光駅まで息子を乗せ、足尾経由で帰る。路肩に少しばかり雪は溜まっていたものの、路面の凍結もまったくなかった。日足トンネルを出て、駐車場に車を置いて地蔵滝を見に行った。ここは元から水量のある沢だから滝が完全に凍っているわけではなく、氷結した表面の内部では水が流れていた。何とも冬枯れの殺風景な光景だった。
今日も疲れた。余計な歩きが多かった。半端な雪にはがっかりだったが、中禅寺湖まで上がり、例えば社山にでも登ったら、果たしてコース歩きでも歩ききれるか怪しいものだ。「その気」だけは衰えていないのに身体がなぁ…。
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