たそがれオヤジのクタクタ山ある記

主に北関東の山を方向音痴で歩いています。山行計画の参考にされても責任は負いかねます。深慮せず軽く読み流してください。

黒坂石から地蔵岳

2008年08月15日 | 足尾周辺の山
◎2008年8月15日(金)─1人

 8月に入ると、毎年のことではあるが、休みなしの生活になる。明日からの土日も仕事。世間では盆休みなのに、こちらはガラガラの通勤電車で勤務先に向かう。意地で代休をとって、山遊びに出かける。日帰りで、翌日に疲れを残さない。そして、ほどほどに疲れる山といったら限られている。ここしかなかった。雪の柏尾峠から地蔵岳を歩いたことはあるが、黒坂石からのルーはまだ経験がない。根本山から熊鷹山に向かって歩くと、この地蔵岳の表示が出てくる。ずっと気になってはいた。いつかは、この県界尾根を歩いてみたかった。

 黒坂石キャンプ場の先の林道を進む。「椀名条山登山口」の表示が、階段コースの先にも取り付けてあった。以前、木と見当をつけて入った登山口そのものだが、椀名条山も、それだけ、ポピュラーな山になったということか。しばらく行くが、通行止めにもなっていず、どこまでも車で入って行ける気配。帰りは椀名条山経由の下山予定だから、あまり先に車も置けない。適当なスペースを見つけて、車を駐める。何となく見覚えのある風景。数年前に、大萱山と石倉山を歩いた時に駐めた場所だった。

 7時15分出発。しばらく林の中の林道を歩く。1か所崩壊している。車だったらここまでなら可能か。橋を渡る。やがて山神参道の石碑。ここから勾配も次第にきつくなる。林の藪の中で、動く黒い物体に気づく。何なのか分からない。クマでないことを願いながらも、ラジオのスイッチを入れる。あまりラジオをつけての歩行は好きではないのだが、鈴の鳴りが悪いので仕方ない。オリンピック中継をやっている。飽きないからいいだろう。オニギリを1個食べる。しかし、きつい道だ。防火帯のためか、道は広いが、真ん中がえぐられて、そこを歩くと、靴が泥んこになる。

 8時15分、県界尾根に出る。ここからは東に向かうが、アップダウンが結構続く。すぐに石倉山との分岐。テープが何種か垂れている。薄暗くて、展望のきかない尾根道。頼りは、県境の境界石だけ。はっきりとした道がないので、これを忠実に辿るしかない。2か所で標石を見失い、元に戻って、探しまわる。今日の天気はいいのやら悪いのやら、林が続くから分からない始末。目標の地蔵岳も、木々の間から、何となく見えるのだが、周囲を見渡せないので、どうも釈然としない。風通しも悪く、汗がボタボタ落ちてくる。帽子をかぶるとうっとうしいので、頭に手ぬぐいを巻くが、あっという間に、汗が絞れるくらいになってしまった。さらに悪いことに、休憩したくとも、立ち止まると、小型のハエが群がり、アブも寄って来る。最悪な山歩きといった感じ。

 突然、林道がかすめる。黒坂石の方から来ているのだろうか。地図にはない。これに入ったら、どこに行くか分からないので、踏み跡を忠実に歩いて行く。林道周辺は境界石も消えている。ようやく前地蔵岳。このコース初めての表示板だ。少し下って上って地蔵岳。10時丁度に着。また、ハエとアブの攻撃。ハエの数は半端ではなく、腕にいっぺんに、20匹はついていて、昔見たビアフラ難民の子供の写真を連想してしまう。オニギリを食べながら、アブにはとうとう6か所ほど刺されてしまい、左耳も大きくふくらんでしまった。ムヒを何度もすりこんでも、蚊と違って、アブ刺されの痒みは強烈で、しばらく後をひく。

 そそくさと山頂を退散するが、県界を氷室山方面に向かうには、地形図を見る限り、一旦、前地蔵岳に戻り、南東に下るようだ。しかし、これがよく分からない。前地蔵岳周辺をグルグル回ったが、急斜面の下りしかないし、踏み跡もない。もうあきらめることにした。帰宅してからネットで調べたら、ここからの県境尾根は林道が入り組んでいて、明瞭なルートを見つけるのは困難なようだ。本当にそうなのか、いずれ、氷室山の方から歩いてみたいものだが。

 来た道をダラダラと戻る。暑さも手伝って、しゃきっとしない。相変わらず執拗なハエとアブ。ようやく県境尾根から下りる。来る時以上に、上りが多かったような気がする。防火帯に出てほっとする。ハエとアブも激減。最後のオニギリを食べる。ラジオでは、戦没者の追悼。暑い夏か。

 急斜面を抜け、川音が聞こえてきた。どこか、手頃なところで泳ぎたいところだが、川幅も狭く、浅く、行水すら出来そうにない。メガネを外し、頭をそのまま川の水に浸す。気持ちはいいが、すこしばかりぬるい。それでもさっぱりした。

 車に着いたのは12時45分。疲れて、しっくりしない山歩きだったなぁ。下のキャンプ場は家族連れで賑わっているのに、山ではだれにも行き会わなかった。そうだろ、こんな時期、こんな山に来るのは、余程の物好きだ。車に入り込もうとするアブの大軍を必死に食い止め、しばらく、エアコンで身体を冷たくする。だれもいないことをいいことに、近くの日陰で、下着はすべて取り換えた。少しばかり気持ちがすっきりした。帰り道、林道に「関係者以外進入禁止」のゲートが置かれていた。来る時はなかったもの。幸い、持ち上げができたから、寄せて車を出す。暑さとともに、耳が無性にかゆくなり、大間々の麹屋薬局に寄って、キンカンを買い、その場で塗った。かなりしみた。

 木は夫婦でテント2泊の大雪だと、メールが昨日届いていた。昨日の木曜日は何とか天気はもったようだが、今日は雨だろう。心いやしくも、心底、雨に見舞われることを願っていたが、やはり大雨に遭い、テントを運んだだけだそうだ。本当に安堵した。

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1 コメント

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夏真っ盛り (Yossy)
2008-08-18 23:31:12
この猛暑の中、山はどうしているかなと開いてみました。行っていましたね、アブとハエとの戦いみたいな所へ!何か巣とか、好みの臭いとかがあるのかしら?読んでいて、私までかゆくなってきました。
その後はどうなったのですか?腫れて、熱を出していたりして。もし、山でアブに出会ったら、どうしたら良いかも教えておいてください。

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