
◎2008年6月14日(土)
梅雨の晴れ間に山に行きたくて、一昨日の木曜日に代休をとった。ところが晴れるはずの予報が前夜に急変。当日は雷雨の音で3時半に目を覚ました。休暇の取り消しも嫌で、雨の中、子供の送迎やら床屋に出かけて時間をつぶしたものの長い一日だった。手持ちの代休はこれでなくなった。ずっと、足尾の法師岳か、四郎岳のいずれかに行きたいと思っていたのだが、やはり梅雨の時期、好天も長持ちはしないし、予報もあてにならない。今回は、結局、短時間で往復できる四郎岳にした。四郎岳は、昨年、物見山に登る途中、正面に見えた三角定規のような山容が印象深く、以来、行ってみたい山だった。しかし、日光とはいえ、県境を越えた側の丸沼からの出発。かなりアクセスが悪い。高速を使って、沼田から120号線経由で行くのが早いだろう。
4時半に家を出て、丸沼の駐車場に着いたのは6時半。片品に入ってから、天気が崩れ、青空どころか、暗くなり、いつ雨が降ってきてもおかしくない空模様。半端は嫌だけど行けるところまで行こう。駐車場に着く前に、丸沼の南岸から確認したが、四郎岳、燕巣山ともに見えてはいた。6時40分出発。川を越え、登山道に入る。いきなり、タヌキが目の前を横切って行った。ある程度までは四郎沢に沿って進むようだ。いくつかの砂防ダムを越える。表示板やテープも多いし、沢以外では踏み跡もしっかりしているから、見落とさずに行けば、迷うことはない。沢そのものは、たいしたものではない。徒渉を続けていても問題はなく、迂回路に上がる必要はさほど感じられなかった。ただ、沢が二股になるところでは、必ず目印があるから、要注意。新しい踏み跡がある。今日のものか、昨日のものかは分からないが、上りの足跡だ。ロープも出始める。しかしながら、何と倒木の多いところだろう。太い倒木に、新緑の草が群生している。相当に古い倒木。
沢から離れ、山道になる。道ははっきりしている。無風。しきりに汗をかく。今までは沢の音があったものの、まったくの無音の世界。時たま、ウグイスの声が聞こえるぐらい。空はどんよりしていて、不気味な感じがする。四郎峠着7時45分。駐車場から1時間少々。サンドイッチを食べる。ここまで何も食べていないから、腹が空いていた。ここから、急登が予想される。標高差は300m。物見山から見た時は、この尾根が、直角三角形の短い辺に当たるので、かなりの勾配だろう。さっきまで見えていた燕巣山の山頂には雲がかかってきた。登れるだろうか。この道は東電の巡視路らしく、ほぼ50mおきぐらいにコンクリ表示が置かれている。これは、燕巣山方面でも同じ。
確かにきつかった。中盤から後半にかけては、傾斜が特に急。ロープも付いている。普段ならつかまないのだが、つい手が出てしまった。危険な所が無いのが救い。ようやく先の樹林が切れてきた。残雪。その残雪の先の四郎岳のピークに、ガスでかすんではいるが人の気配。やはり先行者がいたんだ。感心してしまった。山頂到着は8時35分。年の頃は60歳台の後半だろうか。しばらく話し込む。同じルートを辿るようだ。ただ、違うのは、燕巣山から湯沢峠へのヤブを歩くつもりでいるらしいこと。オレはまた四郎峠に戻って、元来た道を下る予定。山頂の西側に道が続いているがと、オレが問うたら、やおら、25,000分の1の地形図を出して、先に送電線があるから、やはり東電の作業道でしょうとのこと。このジイサン、結構なヤブヤかもしれない。先に下って行ったのを機に、ミニ三脚を出し、三角点表示をバックにセルフ撮影。ここに、青年が登って来た。頑丈そうな沢靴を履いている。何となく自衛隊系。話しの相手としては不具合そうなので、そそくさと下山する。さて、あの西側に続く山道は、ペンション村からの登山ルートではなかろうか。
これから向かう燕巣山は、さらに中腹まで雲が降りて来ている。風が出はじめ、寒く感じる。ジャンパーを出して着る。後ろからの物音。さっきの青年が、かけ足で下ってくる。道をゆずる。そして、目の前に、さっきのジイサン。あの青年は、何かトレーニングをしていて、上りもかけ足だったんじゃないですか、などと会話を交える。別れ際、「お先に失礼します。燕巣山でお待ちしていますよ」なんて言ったら、何とも慎ましく、「いゃ、私は遅いから、もう、お会いすることもないでしょう」なんて返事がかえってきた。ユーモアあふれるジイサンだねぇ。
9時5分、一旦、四郎峠着。ここから燕巣山ルート。最近まで、この山を音読みして「エンソウ山」とばかり思っていたが、ネットで調べ、さらに山名事典を調べたら、素直に訓読みすればいいみたい。「つばくろす山」もしくは「つばめす山」なのだそうだ。序盤はなだらかに歩き、一旦、下る。そこからが四郎岳以上につらい上り。何せ、四郎岳よりも標高が70m高い。急登が続き、休む回数も頻繁になる。天気は相変わらずだが、幾分、雲も薄くなってきた。雨の心配はないだろう。振り返って、四郎岳を見ると、山頂はやはり隠れている。正面に見える日光白根も、山頂は雲がかかっているが、流れは速い。
間もなく山頂だろうかと思しき直下。上を見上げると、オッサンが下りて来た。立ち止まっていたので、つい、「私も休みたいので、先に下りてください」とお願いして、すれ違う。これ本心。何でも理由をつけては休みたい連続。このオッサンは、私とは逆に、燕巣山を先行し、四郎岳は「余力次第」とのこと。実は、四郎岳のジイサンが言っていた、湯沢峠方面が気になっていた。状況次第では、オレも湯沢峠を下って見ようかなと思ったりなんかして。このオッサンにそのことを聞いてみたら、山頂に、湯沢峠方面のテープがあったそうだ。だったら、テープに導かれても可能かななんて安易な気分に。今、山頂にはだれもいないとのこと。あれっ、あの自衛隊系はそのまま燕巣山に登らないで下ったのかなぁ。もしかして、その前に登ってしまっている可能性はあるな。あのスピードじゃ。しかし、下野弁なまりながらも、話好きのオッサンだった。
何だかしらないが、いきなり晴れてきた。案外、ジイサンが雨男で、さっきのオッサンが晴れ男だったりして。急に暑くなる。残雪を進むと、ぽっかり、山頂に出た。10時15分。青空が広がり、風が気持ち良い。山はこうでなきゃ。ジイサンが来る前に先ずはセルフ撮影。こういう場面は1人でいる時に限る。まずはオニギリを2個食べる。食後は周辺を探索する。北の方面を見ると、燧ヶ岳も山頂は雲。東方面、オッサンが言っていたテープは確かにあった。しかし、その先を歩いてみると、キジ場になってはいるが、これは物見山へのルート。オッサンの言う方向は全然、見当違い。湯沢峠方面はまったくの笹ヤブ。眺めると、背丈を越えているだろう。これでは到底に無理。2083mピークまで一気に下っている。複数なら考えるが、1人ではと、簡単にあきらめた。ジイサンを待っていても、いつになったら来るんだか分からない。かすかに、ジイサンを巻き添えにすることも考えていた。
10時35分、下山。残雪のところで、ジイサンが立ち止まっている。湯沢峠方面の状況を知らせてやった。どうも、あきらめきれない様子が伝わる。もしかして、思い切って下った可能性はあるな。だったら、さっさと来ればよかったのに。オレも付き合ったのに。これから戻って、ジイサンの休憩に付き合わされていたら日が暮れる。晴れ渡り、四郎岳がはっきりと見える。ここから見る四郎岳はピラミッド形の三角形。やはり、直角三角形の特異な姿がいいなぁ。男体山も見え、白根山もはっきりと顔を出した。遠くには残雪の武尊山。さっきから気になる山がある。丸沼の遠方、白根の右奥にある山。まだ雪がついている。立派な山容。あれは、もしかして錫ケ岳だろうか。本当にそうなら、感激ものだなぁ。あれだけ苦労して登った山なのに、白根からのルートでしか大きな姿を見ることは出来なかった。
四郎峠11時9分。暑くて、日差しも強くなり、あとはダラダラの下降。もうだれも登って来ない。本日の山中出会いは3人か。沢を渡りきり、何も考えずにボーッとして歩いていたら、いきなり、倒木の切り株に左膝上を激打。声を上げてしまった。後で見ると、腫れて血がにじんでいた。駐車場近くになってから、ようやくシカの警戒音を聞いた。陽が出ていたせいか、新緑がまぶしいほどに鮮やかになっている。今日の山行、充実した山歩きではあったが、何となく物足りなかった。もっとクタクタになりたかった。と言いながらも、左右の腿が痛い。きつい上りだったからなぁ。
帰りは、日光、足尾経由で帰る。たっぷりと3時間はかかった。白根山、金精峠、男体山とも、メジャーなところの駐車場は満車の状態だった。刈込湖、切込湖はガラガラ。光徳で、山王林道の偵察に行ったら、やはり、7月まで通行止めだった。於呂俱羅から高薙山を歩いてみたいなと。暑い盛りは無理だから、紅葉の時期かな。
梅雨の晴れ間に山に行きたくて、一昨日の木曜日に代休をとった。ところが晴れるはずの予報が前夜に急変。当日は雷雨の音で3時半に目を覚ました。休暇の取り消しも嫌で、雨の中、子供の送迎やら床屋に出かけて時間をつぶしたものの長い一日だった。手持ちの代休はこれでなくなった。ずっと、足尾の法師岳か、四郎岳のいずれかに行きたいと思っていたのだが、やはり梅雨の時期、好天も長持ちはしないし、予報もあてにならない。今回は、結局、短時間で往復できる四郎岳にした。四郎岳は、昨年、物見山に登る途中、正面に見えた三角定規のような山容が印象深く、以来、行ってみたい山だった。しかし、日光とはいえ、県境を越えた側の丸沼からの出発。かなりアクセスが悪い。高速を使って、沼田から120号線経由で行くのが早いだろう。
4時半に家を出て、丸沼の駐車場に着いたのは6時半。片品に入ってから、天気が崩れ、青空どころか、暗くなり、いつ雨が降ってきてもおかしくない空模様。半端は嫌だけど行けるところまで行こう。駐車場に着く前に、丸沼の南岸から確認したが、四郎岳、燕巣山ともに見えてはいた。6時40分出発。川を越え、登山道に入る。いきなり、タヌキが目の前を横切って行った。ある程度までは四郎沢に沿って進むようだ。いくつかの砂防ダムを越える。表示板やテープも多いし、沢以外では踏み跡もしっかりしているから、見落とさずに行けば、迷うことはない。沢そのものは、たいしたものではない。徒渉を続けていても問題はなく、迂回路に上がる必要はさほど感じられなかった。ただ、沢が二股になるところでは、必ず目印があるから、要注意。新しい踏み跡がある。今日のものか、昨日のものかは分からないが、上りの足跡だ。ロープも出始める。しかしながら、何と倒木の多いところだろう。太い倒木に、新緑の草が群生している。相当に古い倒木。
沢から離れ、山道になる。道ははっきりしている。無風。しきりに汗をかく。今までは沢の音があったものの、まったくの無音の世界。時たま、ウグイスの声が聞こえるぐらい。空はどんよりしていて、不気味な感じがする。四郎峠着7時45分。駐車場から1時間少々。サンドイッチを食べる。ここまで何も食べていないから、腹が空いていた。ここから、急登が予想される。標高差は300m。物見山から見た時は、この尾根が、直角三角形の短い辺に当たるので、かなりの勾配だろう。さっきまで見えていた燕巣山の山頂には雲がかかってきた。登れるだろうか。この道は東電の巡視路らしく、ほぼ50mおきぐらいにコンクリ表示が置かれている。これは、燕巣山方面でも同じ。
確かにきつかった。中盤から後半にかけては、傾斜が特に急。ロープも付いている。普段ならつかまないのだが、つい手が出てしまった。危険な所が無いのが救い。ようやく先の樹林が切れてきた。残雪。その残雪の先の四郎岳のピークに、ガスでかすんではいるが人の気配。やはり先行者がいたんだ。感心してしまった。山頂到着は8時35分。年の頃は60歳台の後半だろうか。しばらく話し込む。同じルートを辿るようだ。ただ、違うのは、燕巣山から湯沢峠へのヤブを歩くつもりでいるらしいこと。オレはまた四郎峠に戻って、元来た道を下る予定。山頂の西側に道が続いているがと、オレが問うたら、やおら、25,000分の1の地形図を出して、先に送電線があるから、やはり東電の作業道でしょうとのこと。このジイサン、結構なヤブヤかもしれない。先に下って行ったのを機に、ミニ三脚を出し、三角点表示をバックにセルフ撮影。ここに、青年が登って来た。頑丈そうな沢靴を履いている。何となく自衛隊系。話しの相手としては不具合そうなので、そそくさと下山する。さて、あの西側に続く山道は、ペンション村からの登山ルートではなかろうか。
これから向かう燕巣山は、さらに中腹まで雲が降りて来ている。風が出はじめ、寒く感じる。ジャンパーを出して着る。後ろからの物音。さっきの青年が、かけ足で下ってくる。道をゆずる。そして、目の前に、さっきのジイサン。あの青年は、何かトレーニングをしていて、上りもかけ足だったんじゃないですか、などと会話を交える。別れ際、「お先に失礼します。燕巣山でお待ちしていますよ」なんて言ったら、何とも慎ましく、「いゃ、私は遅いから、もう、お会いすることもないでしょう」なんて返事がかえってきた。ユーモアあふれるジイサンだねぇ。
9時5分、一旦、四郎峠着。ここから燕巣山ルート。最近まで、この山を音読みして「エンソウ山」とばかり思っていたが、ネットで調べ、さらに山名事典を調べたら、素直に訓読みすればいいみたい。「つばくろす山」もしくは「つばめす山」なのだそうだ。序盤はなだらかに歩き、一旦、下る。そこからが四郎岳以上につらい上り。何せ、四郎岳よりも標高が70m高い。急登が続き、休む回数も頻繁になる。天気は相変わらずだが、幾分、雲も薄くなってきた。雨の心配はないだろう。振り返って、四郎岳を見ると、山頂はやはり隠れている。正面に見える日光白根も、山頂は雲がかかっているが、流れは速い。
間もなく山頂だろうかと思しき直下。上を見上げると、オッサンが下りて来た。立ち止まっていたので、つい、「私も休みたいので、先に下りてください」とお願いして、すれ違う。これ本心。何でも理由をつけては休みたい連続。このオッサンは、私とは逆に、燕巣山を先行し、四郎岳は「余力次第」とのこと。実は、四郎岳のジイサンが言っていた、湯沢峠方面が気になっていた。状況次第では、オレも湯沢峠を下って見ようかなと思ったりなんかして。このオッサンにそのことを聞いてみたら、山頂に、湯沢峠方面のテープがあったそうだ。だったら、テープに導かれても可能かななんて安易な気分に。今、山頂にはだれもいないとのこと。あれっ、あの自衛隊系はそのまま燕巣山に登らないで下ったのかなぁ。もしかして、その前に登ってしまっている可能性はあるな。あのスピードじゃ。しかし、下野弁なまりながらも、話好きのオッサンだった。
何だかしらないが、いきなり晴れてきた。案外、ジイサンが雨男で、さっきのオッサンが晴れ男だったりして。急に暑くなる。残雪を進むと、ぽっかり、山頂に出た。10時15分。青空が広がり、風が気持ち良い。山はこうでなきゃ。ジイサンが来る前に先ずはセルフ撮影。こういう場面は1人でいる時に限る。まずはオニギリを2個食べる。食後は周辺を探索する。北の方面を見ると、燧ヶ岳も山頂は雲。東方面、オッサンが言っていたテープは確かにあった。しかし、その先を歩いてみると、キジ場になってはいるが、これは物見山へのルート。オッサンの言う方向は全然、見当違い。湯沢峠方面はまったくの笹ヤブ。眺めると、背丈を越えているだろう。これでは到底に無理。2083mピークまで一気に下っている。複数なら考えるが、1人ではと、簡単にあきらめた。ジイサンを待っていても、いつになったら来るんだか分からない。かすかに、ジイサンを巻き添えにすることも考えていた。
10時35分、下山。残雪のところで、ジイサンが立ち止まっている。湯沢峠方面の状況を知らせてやった。どうも、あきらめきれない様子が伝わる。もしかして、思い切って下った可能性はあるな。だったら、さっさと来ればよかったのに。オレも付き合ったのに。これから戻って、ジイサンの休憩に付き合わされていたら日が暮れる。晴れ渡り、四郎岳がはっきりと見える。ここから見る四郎岳はピラミッド形の三角形。やはり、直角三角形の特異な姿がいいなぁ。男体山も見え、白根山もはっきりと顔を出した。遠くには残雪の武尊山。さっきから気になる山がある。丸沼の遠方、白根の右奥にある山。まだ雪がついている。立派な山容。あれは、もしかして錫ケ岳だろうか。本当にそうなら、感激ものだなぁ。あれだけ苦労して登った山なのに、白根からのルートでしか大きな姿を見ることは出来なかった。
四郎峠11時9分。暑くて、日差しも強くなり、あとはダラダラの下降。もうだれも登って来ない。本日の山中出会いは3人か。沢を渡りきり、何も考えずにボーッとして歩いていたら、いきなり、倒木の切り株に左膝上を激打。声を上げてしまった。後で見ると、腫れて血がにじんでいた。駐車場近くになってから、ようやくシカの警戒音を聞いた。陽が出ていたせいか、新緑がまぶしいほどに鮮やかになっている。今日の山行、充実した山歩きではあったが、何となく物足りなかった。もっとクタクタになりたかった。と言いながらも、左右の腿が痛い。きつい上りだったからなぁ。
帰りは、日光、足尾経由で帰る。たっぷりと3時間はかかった。白根山、金精峠、男体山とも、メジャーなところの駐車場は満車の状態だった。刈込湖、切込湖はガラガラ。光徳で、山王林道の偵察に行ったら、やはり、7月まで通行止めだった。於呂俱羅から高薙山を歩いてみたいなと。暑い盛りは無理だから、紅葉の時期かな。
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