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たそがれオヤジのクタクタ山ある記

主に北関東の山を方向音痴で歩いています。山行計画の参考にされても責任は負いかねます。深慮せず軽く読み流してください。

大小松尾根から地蔵岳まで周回してみた。

2011年05月15日 | 足尾周辺の山
◎2011年5月14日(土)

<大滝駐車場(7:00)……1152m(8:22)……大木戸山(8:42)……丸山(9:05)……薬師岳(10:20)……地蔵岳(11:29~11:40)……夕日岳(12:02)……分岐(12:26)……本沢林道(13:38)……駐車場(14:11)>

 この山域には課題が2つ残っていた。①落合の尾根突端から地蔵岳まで歩くこと。②夕日岳新道を蕗平から歩くこと。①は「日光稜線紀行」のSTARIONさんの二番煎じ。②は前回、途中からの合流であったためだ。そこに③が追加された。大小松尾根を歩いてみること。ぶなじろうさんが先日の日曜日に「大小松尾根」なる尾根を下られた記事を拝見したことによって追加された課題。下りにはなかなかの地図と地形読みのテクニックが必要なようで、自分にはそれほどのテクもない。だったら、上りに使えば、頭も使わないで済むだろうと考えた。取りあえず、この最新の課題を終えてしまおうか。併せ、②課題も同時に処理するつもりでいたが、蕗平に下り着いたとして、そこから大滝の駐車場までの車道歩きは長すぎる。大滝に向かう車から眺めたが、2時間歩きは強いられそうで、現地に至って、あっさりとやめにした。むしろ、②は①とセットにした方が無難かも。

(最初はこんな感じだったが)


 「大小松尾根」はネットで検索しても、ぶなじろうさんの記事くらいにしかヒットしない。『日光修験』にはその名称が出ているが、正直のところ、正式な名称なのかは不詳のままである。この尾根、大滝の側から北に1152mを経由し、1286.6mの大木戸山に突き上げる尾根である。大滝の駐車場に駐める。他に車はない。ハイトスさんの日曜日の記事にあったが、足尾の細尾峠ルートは今日も渋滞だろうか。大滝は周りの草木が生い茂り、かすかにしか見えない。大芦渓谷ヒュッテの脇を通って林道を少し上に歩く。別に焦げた臭いはしなかった。尾根の突端は擁壁になっていて高い。脇の切れ目から適当に入る。薄暗い杉林。右手に明るい尾根筋を見つけ、それに合わせて尾根に乗る。たいしたヤブではない。人の跡なのか獣が通った跡かは知らないが、踏み跡はある。尾根筋は大抵、こういうものだ。ヤセ案配の尾根だから、迷うこともない。ひたすら上に登って行く。しかし、傾斜はそれなりにあって、なかなかきつい。右に錆びた有刺鉄線が現れ、ずっと続いている。作業道としても使われていたのだろう。

(上に行くに連れ、尾根も展望が開け、気持ちの良い歩きになった)

(そして、稜線に合流)


 やがて展望が開ける。夕日岳が望まれる。夕日岳新道を断念した以上、ここから見えるいずれかの尾根から下らないといけないのだが、かなり急だ。振り向くと六郎地山。左から尾根が合流。途中から赤テープを散見するようになったが、この尾根を上りで使っている限り、あまり手助けになるものでもない。1152mに着く。小ピーク。ツツジがちらほら見えるが、見事と形容するほどでもない。この程度なら先の金原山の方がきれいだ。三ノ宿山から薬師岳への稜線が迫ってきた。また、左から尾根。そろそろバテてきた。ツツジは上に行くほど、密度も増して来る。だけど、もうお終いなのだろうか。花も落ち、残った花もくたびれている。そして稜線に合流。踏み跡はしっかりして、もう迷う心配はない。右に行けば金網デスマッチが待っている。左に入る。大木戸山到着。

(ぶなじろうさんはどこから出てきたんだ?)

(ヒノキガタァー)


 ここからはツツジ通りの風情になった。花が落ちてはいるが、まだ満開。確かに、花咲か爺が咲かせた花はツツジだと思いたくなるが、残念ながら、あれは桜だった。薬師岳まではツツジを見ながら、写真を撮りながらで時間もかかった。撮影休憩を繰り返しながらのダラダラ歩き。丸山(1242m)を過ぎ、ヒノキガタァー。いよいよ薬師岳への登り。これがまたきつい。夫婦者を抜く。どこから来たのか興味がある。このコース、細尾峠にチャリをデポし、やしおの湯から三ノ宿山に入って来る方が多いようだ。下山してから温泉でひとっ風呂か。いいだろうね。引き続き、単独のオッサンが下って来た。まさか金網をやるつもりではないだろうな。以前、細尾峠から薬師岳を経由し、三ノ宿山まで往復したことがあったが、かなり応えた。誘われることがあっても往復なら断わるルートだ。

(日光白根はまだ白い。ということは皇海山へのルートも雪が深いかなぁ)


 薬師岳山頂には7~8人いた。オバサンが興味津々に「どこから来たの?」と聞くので、「大滝から」と答えたら、「大滝って、大滝峠ってどこ?」と一般的な地図を広げて調べだした。これでは分からないだろうし、言っても無駄だと思い、返答も面倒にもなり「ヤブですよ。ヤブ歩き」と答えたら、一気に興味を無くしてしまった顔になったが、「ここよりもツツジはきれいですよ」と教えてやったら、その気になったみたいで、丸山の方に向かって下って行った。別のオバサンにもツツジ情報を聞かれた。夕日岳の山腹に見える赤の色付きも気になって迷っていると言っていたので、「両方行かれたら?」と答えたものの、その後どうされたのか。テント泊のような、でかいザックを背負っていた。山頂で休みたかったが、ちょっとハイになっている女性がいて、休憩の好条件ではないし、さっさと下る。どうせ夕日岳から下ることになる。天気も持ちそうだ。地蔵岳まで足を運んでみよう。風が出てきて、瞬間、瞬間で暗くなる。大丈夫だろう。

(こんな満開もあった)

(地蔵岳で目にした標識。随分古いものだろう)


 この先、ツツジは一気に減った。人も少なくなる。途中で休憩する。本日の歩き出し一本目を吸う。山でタバコを吸う方を次第に見かけなくなってしまった。何とも寂しい限りだ。身体によろしくないことぐらい喫煙者の方が重々に知っている。6人グループを抜く。この時間、向かう人よりも、下っている人の方が多い。三ツ目を素通りして地蔵岳。だれもいなかった。のんびりと休憩。南側の尾根をのぞき込む。傾斜は至って急。①課題になっている。2人組がようやくやって来たのを機に夕日岳に向かう。
(夕日岳の賑わい)


 夕日岳は混んでいた。やはり展望が良いからだろう。ざっと20人はいるだろうか。みんな、何かを食べている。ツツジもここはきれいだ。いつもここに来ると、天気に恵まれないことが多いが、今日はすっきりとしている。男体山や三ノ宿山から薬師岳にかけての稜線も目の前だ。「蕗平、本沢林道→」の標識があり、これを見たのだろうか、傍らで、「蕗平ってどこ?」「そんなところから歩く人なんかいねぇよ」という会話が聞こえた。立ち休みだけして、この標識に合わせて下る。去年、夕日岳新道側から登った際、途中に「本沢林道→」の標識を見て、下ればどこに行くのか気になっていた。せっかくだから、今日はそれを歩いてみよう。ここから満開のツツジはどんどん減っていく。

(本沢林道への尾根分岐)


 いやな岩場を通過する際に、ルートを間違えた。岩場から南側に危なっかしく下っていた。周囲を見渡し、どうも変だなと思い、コンパスと地形図を改めて見直しして、ようやく間違いに気づいた。あの岩場に戻るのも嫌で、トラバースしながら、先のコースに復帰。蕗平に向かう新道と本沢林道に向かうルートの分岐で休んでいると、新道からオッサンが一人で登って来た。かなりご苦労さん状態の顔付きになっている。話をしたかったが、なかなか上がって来ず、待ちきれずに分岐尾根を下った。さて、そのオッサンの後ろの方から、複数の若やいだ声が聞こえたが、あれは何だったのだろうか。夕日岳新道が一気に活用されるルートになったとは思えないが。

(こんな雰囲気の尾根)

(標識)


 本沢林道尾根は赤ペンキだらけだった。迷いそうなところも、先を見渡せばペンキが見えるといった具合だ。「夕日岳→」の標識も所々にある。ただ、快適な尾根下りとはいえない。大方がヤセ尾根で、傾斜はきつい。倒木も多い。そして、部分的にヤブ。こういうところでは、ペンキもしばらくなくなる。大小松尾根とは違って、上りで使いたくはない。ここにもワイヤーが束で放置されていたりするから、作業道だったのだろう。1時間も下ると、沢の音も高くなってきた。頭の中は、沢をどうやって渡るかということだけ。もうフィニッシュ段階だから、膝程度の徒渉になっても構わないが、出来れば濡れたくはない。ツツジはいつの間かもう消えていた。

(尾根の突端)


 左下に河原が見えているのに、ペンキはどんどんやせ細る尾根の先端まで誘おうとしている。危険を感じ、さっさと河原に逃げる。沢が2本合流していた。特に深みもなく、濡れずに2本の沢を渡りきる。ちょっと上がると、その先に林道が通っていた。林道もここから2分していて、広場になっている。さて、肝心のこの尾根ルートの案内板だが、どこを探しても標識はなかった。あったのは、木に巻かれた赤テープの目印だけ。山の中の賑やかな赤ペンキと標識、それでいて、この赤テープの素っ気なさといった組み合わせは何なのだろう。廃道ということか。

(林道から見た夕日岳)


 あちこちにクマ注意の看板のある林道を下る。暑くなっている。ようやく駐車場に到着。車が他に2台。釣りではないようだから、夕日岳新道でも歩いているのか、金網に引っかかってバトルをやっているのか。東屋でラーメンを作っていると、地元のオッサンがカミさんと犬4匹連れて散歩に来た。いろいろと聞かれた。いきなり、地蔵岳に行ったのかと言われたのには、何でここから?と思った。3つ回ったと答えると、ここからだとGPSがないととてもではないが歩けないと言い出す。地図とコンパスだけで歩けましたよとは言ったが、山が詳しいのかどうなのかよく分からない方だった。ラーメン作りに集中できず、気もそぞろだったためか、食べ終わってゴミをまとめていたら、具に入れたソーセージの賞味期限は7か月前に切れていたのに気づいた。味は何ともなかったが結果は明日になるだろう。

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Unknown (ぶなじろう)
2011-05-15 20:40:11
今晩は。
さすがに、早い行動ですね!グズなおいらは、真似できませんです。
歩きの距離も相変わらず長いので毎回感心してしまいます。
ツツジ(アカヤシオ)は、今週のほうが見事に見えます。おいらは、まだジャストミートした事がありません。
本沢林道への道は興味深く見させていただきました。
地蔵岳からの下降ルートは、以前から狙っていたのですが、すでにいかれた方がいるんですね(当たり前か・・・)。秋に遠目から見た限りでは、よく紅葉していましたから。たそがれオヤジさんの記事を見てから再考してみましょう。
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ぶなじろうさん (たそがれオヤジ)
2011-05-15 21:35:21
こんばんは。
歩きの距離が長いのは貧乏性なのでしょうか。ただ、自分には、往復5時間がちょうどいいコースになるのですけどね。それでいて、今回は7時間歩きでも短く感じました。満開ツツジのせいでしょう。

さて、地蔵岳へのルート、先人はこれを上りで使い、夕日岳新道を下っておられます。
そうですか。そのルート、紅葉の時期が色付きも良さそうですか。悩んでしまいますねぇ。12時間コースと見込んでいますから、その時期は日も短いし。どうしよう。
この時期、足尾の奥もまだ残雪の気配のようですから、その間のつなぎに考えていたのですけどねぇ。
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大小松尾根 (ハイトス)
2011-05-17 19:57:00
こんばんは。
夕日岳を巡る周回コース2つめですね。
ぶなじろうさんの記事を読んでいろいろな周回コースを考えていたのですが、早速そのうちの一つを実行されました。
私も大小松尾根を歩いてみたいです。
しかしたそがれさんの足で7時間だと・・・何か策(コース取り)を考えなくっちゃいけませんですよ。
話題でも出ていた地蔵岳の南の尾根ですが、ネット上で先人の記録が1件ヒットしますが、いかんせん長時間ですね。
とっても悩ましいですが、辿って見たいなぁ。
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ハイトスさん (たそがれオヤジ)
2011-05-17 22:48:10
こんばんは。
ハイトスさんには表と裏のお顔がおありですが、「大小松尾根を歩いてみたい」とは、裏のお顔ということでよろしいのですね。
先日の雲取山山行を拝見すると、表裏がごちゃ混ぜになっておりましたから。
で、肝心の大小松尾根、お薦めです。私と同じに上りに使ってください。ぶなじろうさんの下り使用はお薦めいたしません。からっとした気分をお求めならそうしてください。表裏合体で、おKさんでも楽しめます。
そして、下りはわざわざ地蔵岳を下るまでもありません。三ノ宿山経由の金網コースもお楽しみいただけますし、先日ぶなじろうさんが上りに使われたコースを林道に下りられるのもいいでしょう。

金網といえば、最近のブログで拝見しましたが、林道が見えた時点で、私は右手に迂回してデスマッチとなりましたが、その方は左に大迂回して、法面を避けて下ったようですが、やはり急で四苦八苦したようですね。いずれにせよ、お笑いルートになっていますね。

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