Opera! Opera! Opera!

音楽知識ゼロ、しかし、メトロポリタン・オペラを心から愛する人間の、
独断と偏見によるNYオペラ感想日記。

AIDA (Sat Mtn, Sep 29, 2007)

2007-09-29 | メトロポリタン・オペラ
すでにメトの定番メニューと化した観もあるFrisell演出によるアイーダ。
アイーダはCD、DVD共に名演が揃っているので、次回の”家で聴く~”はアイーダを勝手に予定していたにも関わらず、
シーズンが始まってしまい、忙しさにかまけて手がつけられずじまいです。
すみません。
実はそこで大フィーチャーしようと目論んでいた(そして今も目論でいる)メトのライブのDVDが1989-1990年シーズンの公演のものなのですが、
これがすでにFrisellによる演出なのです。
(頭の写真はそのDVD。)

ということは、少なくとも18年は生き延びてきたプロダクションというわけで、
いかに長きに渡って愛されてきたプロダクションかわかるというもの。
このDVDでは、私が偏愛するメゾ・ソプラノ、ザジックのまだデビュー間もない頃のアムネリスが聴け・見れますが、
ドミンゴやミッロすらもかすむほどの一生一代ともいえる気迫のパフォーマンスで、
特に第四幕の素晴らしさは筆舌に尽くしがたい。
生の舞台ではさすがに平土間の前方に座らない限り確認不能ですが、
彼女は意外と顔の表情、演技が上手なので、このDVDは、私の”無人島に持っていくものリスト”の一つなのです。
これを観ると、なぜ『アイーダ』の真の悲劇の主人公はアムネリスである、といわれるかが、本当によくわかります。

以前にも書いたことですが、その後、彼女のアムネリスは幾度か生で聴く機会に恵まれましたが、
その完成度の高い歌唱と、
上品さを失わないクリスタルを思わせる響きにとんでもないサイズを兼ね備えた声で、
毎回私を感嘆させてくださったのでした。

そのザジックがアムネリスを歌い、同じFrisellのプロダクションに、
この公演でメト・デビューを果たす大野和士指揮となれば、
期待がいやがおうに高まろうとも誰も私を責めることはできますまい。

大野和士、といえば、忘れもしない私の生オペラ・デビュー、
ハンブルク歌劇場の『リゴレット』の指揮者だったのも、感慨深いところですが、
しかし、あの頃の私はオペラの右も左もわからぬ超初心者。
はっきり言って、どんな指揮だったか、ぜーんぜん、覚えてません。すみません。
ということで、今日は大野氏の指揮をはじめて聴かせて頂くような気持ちで、
この公演に向かいました。

前奏曲。
この短い曲で一気に我々をエジプトの地に連れていっていただきたい!
いただきたいのだが、、、なんか、連れて行くのはいやいやですか?と問いたくなるほど、足どりが重い。
テンポが私の好みにしてはほんの少しおそい、というのもあるのですが、
テンポだけの問題ではなくて、なんというかやや鈍重な感じがする。

この前奏曲から始まって、凱旋の場の終わりまで、
一貫した印象は、ややもすると音楽にブレーキをかけてしまうことにもなりかねないほどの
この足どりの重さでした。
大野さんの個人的趣味なのか、そこかしこである楽器の旋律を強調する傾向があって、
その強調される旋律がいつもレガート気味なので、
常にだらだら~、だらだら~と聞こえがちになっていたのが残念。
もう少しめりはりがあってもいいかな、と思いました。

さて、ラダメス役のベルティ。
いやー、この人の声は、あの大きなメトのオペラハウスの中ですら、
思わず耳を覆いたくなるほど大きい。
一人でマイクロフォンをつけて歌っているのか?と思うほどです。
その尋常でない声のサイズのせいだと思うのですが、
特に、”Celeste Aida(清きアイーダ)”では、声のコントロールがままならない、という感じで、
一フレーズの終わりごとに、ぴょろん!と声が微妙にひっくりかえるのが気になりました。
Celeste Aida~ (ぴょろん)
forma divina~ (ぴょろん)

ひ弱なラダメスは論外なので、大きな声はまだよいとしても、
もう少し繊細な歌いまわしと特に立ち上がりでの声のコントロール、これが重大課題!とベルティに一方的に課題をつきつける私なのでした。
(後ろの方の幕では、コントロール面ではやや良くなっていたとはいえ。。)

ブラウンの声は、黒人女性独特のややくぐもった響きを有していますが、
決してアイーダ役には悪くない声質だと思いました。



特にえてしてスピント気味に走りがちで、上品さを欠いた歌唱が一部のアイーダ役の歌手に見られるように思うのですが、
(もともとアイーダを歌う予定にされていたグレギーナはそういった意味で、
私はこの役での彼女が好きではないのです。)
彼女の声にはどこかしらほわんとした上品さがあるのが、
エチオピアの女王という役柄にそぐわしくて、好感度高し。
ただし、今日は高飛車な気分の私から、ベルティに続いて課題を二つ。
一つ目は、最高音での土台がよわいこと。ピッチそのものは正確なのですが、
突然音の響きが弱くなる。
この欠点は絶対に何とかしないと、今後キャリアをふんでいくうえで命取りになる気がします。
二つ目は、これから経験次第でおおいに何とでもなると思いますが、
(まだ彼女は3年前にメト・デビューを果たしたばかりの若手)
もう少し声そのものの要素以外のものを巧みに使ってほしい気がします。
たとえば、間とか、演技といったもの。
演奏会形式ばりの直立不動の歌唱、またはまるで形式だけなぞったような演技だったのがやや気になりました。

さて、肝心のザジックですが、今日はおそらく今まで聴いたなかで最もコンディションが悪かったのです、残念なことに

ラダメスの”清きアイーダ”のあとの、
アムネリスの最初のフレーズ、
Quale insolita gioia
Nel tuo sguardo!
を聴いて、ああ、今日は厳しいなー、と思いました。
調子がいいときの彼女はもうここの部分だけで、豊かな響きで、うっとりさせられるのですが、
今日は、一枚スクリーンをはさんでむこうにいるのかと思うほど。




いつだったか、一幕を歌ったところでアレルギーがひどくなって、
ニ幕以降、アンダースタディと交代したことがありましたが、
その時をも思わせるような。。
多分、今日は今シーズンのアイーダのプレミアだったこともあって、
降板しにくかったのか、無理を押して歌ってくれたようですが、
後半に力を残しておけるよう、一幕目、ニ幕目と、かなりセーブして歌っていました。
そこは長年この役を歌って掌中におさめている彼女なのでなんとか無難にまとめていましたが、
彼女の実力はこんなものじゃありませんのよ!とほぞを噛む思いでした。

第一幕第二場の巫女のシーンでは、
リンデマン・プログラムの参加者のCourtney Millsが巫女役で頑張ってました。
この役で音がはずれる(結構難しいフレーズなのです)、声が小さい(舞台裏で歌う役なので客席までほとんど声が聞こえてこない人もいる)、などというのは当たり前によくあることを思えば、
声も十分通っていて、フレージングも丁寧で、なかなかよかったです。
新進のソプラノが起用されることも多いこの役、
カラスがアイーダを歌った公演で、なんと、サザーランドが巫女役だった例もありますし、
それにあやかって今後の活躍を期待します。

さて、王(アムネリスの父)役のKavrakos。
この人こそは、ちょっとやばいのではないでしょうか?
上のDVDでも同じ役を歌っていたのですが、あれから18年。
声にとてつもない衰えが見えます。
あまり出番がないとはいえ、エジプト王がこんな情けないの、私はいやです。

それにひきかえ、司祭役のコロンバーラは、
出すぎず、しかし要所をおさえた歌唱で安心して聞くことができました。

第一幕が終わったところで、お隣に座っていたご夫妻のだんなさんの方が、
はじめてメトでアイーダを鑑賞するとみえ、
”やー、すごいですねー”とおっしゃるので、”はい”と答えておきましたが、
このプロダクションの白眉は第二幕、まだまだいいところはこれからです!

第二幕第一場、
アムネリスがアイーダを罠にひっかけて、二人がラダメスをめぐって恋のライバルであることが明らかになる大切な場面。
少しザジックが声量を増やしてきましたが、まだまだ本領の半分くらい。
このシーンはアイーダ、アムネリスとも、もう少し熱くなってほしかった。
特に”戦況さえ違えば私だって王女なのよ!”とアイーダがアムネリスに口答えをするシーンは、
もっともっと緊張度があってよいはず。
一因は、ぬかるみに足を取られたようなオケの演奏にもあるのですが。
アムネリスの、mi segui e apprendrai se lottar tu puoi con me !
(私に刃向かったら、どんなことになるか思い知らせてあげるから)というとどめの言葉の、
最後のmeで、オペラハウスを震撼させたザジックの歌唱を知る私としては、
今日の彼女のこの場面はちょっと寂しかったです。

第二幕第二場、凱旋の場。

このシーンは何回見てもこのメトのプロダクションにはわくわくさせられます。
まず、頭がいい。
このシーンのセットを楽しむには、できればパーテール、グランド・ティア、バルコニーのいずれかで正面から見たい。
平土間では全体を満喫できません。
DVDでも、このシーンの出だしのわくわく感を十分に伝えきれていないのが残念。
ここのシーンはメトの舞台の高さを生かした設備とセットなのですが、
今テレビがいかに大画面になっているとはいっても、メトの舞台とは大きさが違う。
あのDVDからは舞台で何が起こっているのか、いまいちわかりにくい、
それがこのDVDの唯一の難点といえるでしょう。
(まるで、カメラのほうが上がっていっているような印象を与えますが、
あれは実はステージの方が動いているのです。)

メトの舞台は何面かがエレベーターのようにローテーション可能になっていて、
その仕組みを利用して、
一場のあと、あの凱旋の場冒頭の金管のメロディーをバックに二場のセットが上から降りてきます。
手前に観客に背中をむけて、やりをもって立つ数人のエジプト軍の兵士。
やがて、そのむこうに王の玉座とおびただしい数のエジプト市民、司祭たちの姿が見えます。
凱旋帰国したエジプト兵たちが下手から上手へ次々と行進し、
ついには馬まで!
ここでは私のお隣の例のだんなさまも”ほほほーっ!”と感心+あきれ返るのみでした。
だから言ったではありませんか!いいところはこれからだと!!
その方のリアクション、まさに、”よくもまあ、ここまで!”という感じだったのですが、
メトの良さは、そのよくもまあ、ここまで!というのを実現し続けているところでしょう。
オペラは絶対にエンターテイメントなのであって、それを忘れた自己満足的な演出が最近世界のオペラハウスの赤字経営に言い訳を得て
のさばっているのは私のような人間から見ると嘆かわしいかぎり。
このよくもここまで!というover the topさこそが、オペラの魅力の一つ。
メトには頑張り続けてほしいです。


(アイーダ役のアンジェラ・ブラウンとアモナズロ役のDobber)

しかし、残念ながら、指揮とオケの演奏が一番しっくり来なかったのも、
このシーン。
とにかく、重い!重すぎます!!!
ここは、最も大野氏のやりたいことがオケの人たちに伝わっていないように感じられた場面でした。
っていうか、私も何がやりたいか、よくわからなかったので、オケの人たちを責められますまい。
その微妙な迷いが、同じ楽器で複数演奏者がいるパートで音の出だしが完全には合っていなかったり(本当に微妙でしたが)、
あとはザジックの歌の入りが遅れたり、といった、細かい乱れの原因になっていたと思います。
あとは、少し表現がこじんまりとまとまりすぎているかな、という気もしました。
この場の最後の、何とびっくり、王の、
”ではラダメス君はご褒美にうちの娘アムネリスと結婚するがよい”という、
ラダメス&アイーダにとっては、超びっくり+大迷惑なご褒美宣言に、
二人が苦悩し、アムネリスが”おほほほ、そーれ御覧なさい、だから言ったでしょ!”と喜ぶシーンは、
このオペラの最大の見所の一つ、
大爆発してほしいところなのだが、歌唱陣、オケもおとなしすぎた。

さて、そんな指揮とオケでしたが、
三幕と四幕以降は、大変ソリッドな、いい演奏だったと思います。
特に、四幕第二場の、ラダメスとアイーダが一緒に墓室で死んでいくシーンの処理はなかなか。
アイーダとラダメスの唱和が終わって、
アムネリスがPace t'imploro(安らかに眠りたまえ)と歌うのに掛け合う
弦のメロディーでは、ヴァイオリンのセクションが鍛冶場の馬鹿力をだして、
ほとんど消えそうな弱音で美しくしめてくださって、
もう、ここだけでも私は満足でした。
また、アイーダとラダメスの対話のシーン(第三幕)でのトランペットの二人の掛け合い、よかったです。

ニ幕での登場場面でもあまりぴんと来なかったアモナズロ(アイーダの父)役のDobberですが、
第三幕でますますその感が強くなりました。
この役は短い出番の間に、とにかくその存在感で勝負しなければいけないのですが、
今まで見たどんなアモナズロよりも存在感薄し。
”お前は単なるエジプトの奴隷になりさがったのか!”と自分の娘アイーダを罵倒するシーンでも、
怒りが十分に伝わってこない。
それよりも何よりも、私が一番頭に来たのは、この人、どんな時にものらりくらりと動いて、
全然急いでくれないこと。
三幕の最後、アムネリス&司祭組の追っ手が、すぐそこに迫ってきているのに、
悠々と岩山を歩いて登ってる!!
少しは急いでくれよ!!!こういうストーリー・ラインを全く無視した演技、許せません。
おかげで追っ手は走るに走れず、”とっつかまえな!”と命令されているのに、
その場でおろおろするのみ。
一時期のパヴァロッティのように、太りすぎて動けません、っていうならまだしも、
どちらかというとひょろりとした体型なのに、怠惰なアモナズロ。。。ありえない。
別キャストの時に見れるポンスに期待することにしました。

第四幕第一場は、このオペラの中で私の最も好きなシーンで、
ザジックが本領を発揮していれば、素晴らしいシーンとなることは間違いなかったのですが、
今日は残念ながら熱く語ることができません。

と、こういうことで、前半のオケの演奏の重さと、歌唱陣の意外な苦戦で、
本来のこの作品の良さが生きていなかったのが本当に残念。
時に、立派なセットがこころなしか、疲れて、しかも数日前に見たルチアなんかと比べると古く見えたのは気のせいか?
いえ、どんな立派なセットも、素晴らしい音楽を伴ってこそ生きるというもの。
それを忘れてはいけませんでした。


Angela M. Brown (Aida)
Dolora Zajick (Amneris)
Marco Berti (Radames)
Andrzej Dobber (Amonasro)
Carlo Colombara (Ramfis)
Dimitri Kavrakos (The King)
Courtney Mills (A Priestess)
Conductor: Kazushi Ono
Production: Sonja Frisell
Grand Tier D Odd
ON

***ヴェルディ アイーダ Verdi Aida***

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8 コメント

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残念、大野さん! (yol)
2007-10-01 08:59:15
今回私が「アイーダ」を楽しみにしていたのは指揮が大野さんだったというところただ一点だけなのだけれど、結果があまり芳しくなかったということで残念。
彼は現代音楽の指揮はもう素晴らしいし、古典でもなかなからしい(実は古典はあまり聴いたことがない)ということで、メト・デビューも劇的なものを若干期待していたのだけれど、さすがにそうは問屋が卸さなかったようね。

なぜ大野さんだけが楽しみだったかというと、実は超入門者の私は「アイーダ」はまだまったく手付かずで、ストーリーもわからなければ曲も聴いたことなし。まったくわからないの。手探りでレポを読んだのだけれど、でもやはりそこは炸裂レポの大家のあなた、臨場感が伝わってきて舞台の様子がよーくわかりました。岩場をのろのろと這い上がってるところなぞも。
特に舞台装置の場面は非常にわかりやすくて、メトに足を踏み入れたことのあるひとならば容易に想像できるような説明がありがたい。っていうか更に古びてしまう前にそんなすごいセット観てみたいわ~。

今回はベストではなかったようだけれど、11月も「アイーダ」があるのよね、、、、。まず本当に行けるかどうか、ってところなんだけど、その時に少しでもキャッチ・アップ出来ているように早速あなたお勧めのメトのDVDを購入して勉学に励むことにします。

大野さんが次回指揮をされるのはいつかしら?ファンではないけれど同じ日本人ということだけでつい応援しちゃうわ。
返信する
水を差すようだが、、、 (yol)
2007-10-01 09:28:47
このザジックって人女性?
新宿二丁目のバーに行くと似たような人が結構いるかな、と思って。

ただそれだけ言いたかったの。
「ロミジュリ」も待ってるわ。
(決してプレッシャーではなくってよ)
返信する
ザジックは♀ (Madokakip)
2007-10-01 12:41:42
yol嬢、

私にとってはなによりもあなたが二丁目で見かけた呼ばわりしている
ザジックの不調がこたえたわー。
私のオペラ鑑賞の歴史は彼女とともにあり!だから、
その彼女が不調だなんて、もしたまたま風邪で、なんていうならともかく、
もっと長期的な徐々に押し寄せてきている年齢による衰退だとしたら、
かなりショックだわ。
そのリベンジを果たすべく、もう一度ザジックがアムネリスを歌う日に聴きにいきたいと思っているのよ。
この写真では2丁目っぽくても、
実際のDVDを見ると、むしろ、無防備な少女のように彼女=アムネリスが見えて、涙を誘うわよ。
必見です。

大野さんは、後の幕に行くほど、リラックスして、
よくなっていったみたいに思うので、
また次回見ると印象が違うかもしれないわ。
それに、演奏後の聴衆からの反応は概して好意的だったわよ。劇的なデビューとまではさすがにいかなかったけど。。
まずは、デビューの指揮としては良かったんじゃないかしら?
ただ、専属の指揮者じゃないから大変よね。
オケの癖、能力、限界をつかむところからはじめないといけないわけだから。。
もう幕がおりて挨拶にあらわれたときはへろへろでいらっしゃったわよ。
アイーダは今シーズン、全公演大野さんの担当なので、
あなたが11月にNYに来れればその雄姿を拝めるわよ。
是非いらっしゃって!
返信する
東京でもアイーダが! (yol)
2007-10-02 21:07:27
、、、と思ったら例の如くドイツ産不思議なプロダクション。
あなたのレポに載っている写真とちょっと様子が違うのよ~。
http://eplus.jp/sys/web/s/aida/index.html
なんで三角の帽子が頭に乗っているわけ?
なんでベレー帽なの?
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きゃーっ!やばい匂いがたちこめてるわねー。 (Madokakip)
2007-10-03 04:53:22
yol嬢、

でた!コンベチュニー氏!
ホモキ氏とともに、私が決して近寄りたくないタイプの演出。
なんでアイーダをコミカル調にしなきゃいけないのよ!
ほんっとーに、こういった、演出のための演出ってどうかと思うわー。

返信する
まったくね! (DHファン)
2007-10-03 16:35:07
私もこういう演出苦手です。
欧州、特にドイツは私からみるとかなりアブノーマルな演出が多いのでしょうかね?
以前二期会がケルンとの共同製作したという「ばらの騎士」を見ましたが、もうがっかり。初めて生で観るばらの騎士だったんですよ。オックス男爵はチロルハットに半ズボン、リュック背負ってるし、元帥夫人は汚い洋服着てるし、竹やぶやらアメリカ風のジュークボックスのある酒場が出てくるしで、「これはなんだろう?」と頭をひねるあまり、音楽に浸りきれませんんでした。そこへ行くと先日の新国立のばらの騎士はよかったわ。一応読み替えとのことですが、音楽の邪魔はしてませんし、きれいでしたもの。
ところで、今回の大野さんのことを聞いて、少々悲しんでます。是非頑張って欲しいです!
昨年、今年と彼のレクチャーコンサートですっかり楽しませていただきました。本当に素晴らしい方でしたよ。
モネ劇場を率いてのキーンリサイドとのドン・ジョヴァンニも・・・う~ん、オケはどうだったのかなぁ?実はキーンリサイドに夢中であまり印象に残ってないです。
でも、私はオペラ全くの初心者で(年はいってますけど)、チューリッヒのウェザーメストの「ばらの騎士」のオケがよかったと巷で言われていても「ふーん、そうなんだ」くらいしかわからないです。
返信する
悲しむ必要ないですよー! (Madokakip)
2007-10-04 05:38:46
DHファンさん、

ご心配なく!
NYタイムズのレビューでは、大野氏の指揮についてとっても好意的に書かれていましたよ。
(よくオケや合唱を掌握していたetc)

私は自分の好きな作品になると、ものすごく”こう演奏して欲しい!”という思いが強くなりすぎて、
厳しいコメントになってしまうようです。
でも、本文でも書きましたが、
三幕、四幕はよかったです。
あとは、凱旋の場だけ、もう少し前半うきうき、
後半3人のとぐろを巻く感情を表現していただけるとなおいいかな、と思います。
ザジックの不調があまりにショックだったので、
リベンジをかねて、10/25の公演もききにいくことにしましたので、
そのときに大野さんの指揮がどのように変わるのか(また変わらない部分はどこなのか?)
とっても興味があります。
またご報告しますね。

竹やぶにジュークボックス。。それは、きつそうですねー。
ほんとに、何度も見る演目でそういう演目に一度か二度出会うのならともかく、
最初に見るのがそういうのだと、本当にがっかり来ますよね。
全く同感で、そういった演出の最大の罪は、
観客に音楽に集中できなくさせてしまうことだと思います。
いろいろ批判はあっても、私はメトの極端なアブストラクトに走らない演出が好きです

でも考えてみれば、先日のロミ・ジュリは見ようによっては相当へんてこりんな演出ともいえるわけで、
それでも楽しんで見れましたから、
最後には音楽を邪魔していないか、というその一点につきるのかもしれませんね。
返信する
訂正 (Madokakip)
2007-10-04 11:12:41
上のコメント、次にアイーダを聴きに行くのは10/25ではなく、10/16の公演でした。
最近追加のチケットの購入が多くて、日にちを混同してしまいました
返信する

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