⭐️⭐️浅野まことのここだけの話⭐️⭐️

浅野まことがここだだけの話をブログで大公開!!

辺野古の海 「監視」の現場から見える暴力

2015年07月04日 | 政治

波間に揺られながら、私は沖縄タイムスの記者の言葉を思い出していた。

「権力者がその力を行使する場合、民衆にばれないようにこっそりとやるものだ。沖縄では違う。

権力はむき出しだ。隠そうとしない。それは沖縄県民は下に思われているからだ」

ただちに意味が理解できなかった私だが、漁船に乗り込み、沖へ出て、初めて分かった気がした。

確かに本土とは違っていた。

まばゆい陽光をよそに張り詰める空気、感情を消した色のないまなざし。ここは新基地建設の埋め立て

工事に向けた準備が進む沖縄県名護市辺野古。

立ち入り禁止の境界を示す浮具を挟み、巡視船から向けられたデジタルカメラのレンズがこちらを

執拗に追い掛けていた。

漁船の船長が船上アナウンスを使い、日本記者クラブの取材団であることを告げる。

撮影をやめる気配はない。海上保安庁のゴムボートからもカメラを向けられた。

本当に撮影しているのだろうか。だとすれば何のために。撮影のための撮影。そんな言葉も頭に

浮かんだ。つまり監視対象であることを思い知らせるために-。

胸にざらりとしたものを覚え、思わず口走った。
「何のために撮っているんですかっ」
すぐに悔いた。

傍らで船長は言った。

「今日は報道陣相手だからか、おとなしいよ。今年に入ってから、基地建設に抗議する人たちの船に

体当たりしてくるようになった。高速でぶつけられた船は大破し、カヌーは転覆させられた。

乗っていた人は海に投げ出され、救急車で運ばれた。暴力が一線を越え、異常な事態になっている」

数時間その場にいただけで知った気になった自分を恥じた。

■差 別
日米同盟の名の下、基地を造るという国家の意思とこれ以上、新たな基地は造らせないという

沖縄の民意が鋭く対立する最前線の海。別の漁師は言った。

権力がここで行っているのは、監視ではなく恫喝であり、警戒ではなく暴力であり、監視活動という

名の下の弾圧だ、と。

そして分断という見えざる暴力も、また。

沖縄防衛局の巡視船に地元の漁師の姿が見えた。

「国が雇った。金で黙らせたのさ」

同じ漁師仲間、こちらは取材団を乗せてチャーター料を手にした漁船の船長は言った。

「海底でボーリング調査が始まり、辺野古ではほとんど漁ができなくなった。船を買ったり、

修理したりで借金を抱えている。漁師が漁もできず、船の上で監視役として一日中、ぼーっと過ごすしかない」

基地建設の推進側に立つか、反対する側に立つか、選んだのではなく、選ばされるという抑圧。

やはり昨年10月、沖縄キリスト教学院大の知念優幸さんに聞いた言葉がよぎった。沖縄のことを

知ってもらうために休学して全国各地を巡っていた。横浜市内での講演で知念さんは「差別」という言葉を使った。

「他国の侵略から守るため、沖縄には米軍基地が必要だという人がいる。それは、日本のためなら、

沖縄が犠牲になっても仕方ないという発想にほかならない。沖縄の人間ならそれを差別と感じる」

ぴんとこないどころか、差別という強い言葉に抱いた違和感が苦い痛みとなってよみがえった。

胸に広がった不快感は後ろめたさに変わっていた。


■同 化
辺野古の海に出た翌日、日本記者クラブの主催で沖縄防衛局長の会見が行われた。私は聞いた。

「辺野古の警戒監視活動で、ビデオカメラで撮影をしているのはなぜか」

もうわずかな違和感もそのままにしたくない、という思いからだった。

職員は答えに窮した。戸惑いぶりは思いも寄らない質問だ、といった反応だった。

井上一徳局長は「もう一度、確認する」とだけ答えた。

会見後、地元の県政記者クラブ所属の全国紙記者が声を掛けてきた。

「ここではビデオ撮影は日常茶飯事。東京から来た僕も当初は驚いたが、毎日、当たり前に

行われ過ぎていて、もはやおかしいとも感じなくなってしまった」

慣らされてゆくという、これも暴力に違いない。そしてその先に待つものを見た思いがした。

取材の最終日、沖縄戦の悲劇を伝えるひめゆり平和祈念資料館の見学を終え、昼食を取っていたときのことだ。

目の前に座った、全国紙の論説委員の男性はゆっくりと、それでいて威圧的な口調で言った。

「先日あなたがビデオ撮影について沖縄防衛局長にした質問は、防衛省の記録に残るだろう。

むちゃなことはしないほうがいい。安倍政権を甘く見ないほうがいい」

この物言いなのだ。沖縄の側に立ったとみなされた途端に向けられる、見下ろすまなざし。

そして、かくも権力と一体化できる本土メディアの暴力性に、そこに属する一人として私は身震いを覚えた。

6月9日から13日まで日本記者クラブの沖縄取材団に参加した。対立の最前線に身を置き、感じたことをつづる。

◆辺野古新基地建設問題
 沖縄県宜野湾市の市街地にある米軍普天間飛行場の移設をめぐる問題。

1995年の米兵による少女暴行事件を機に、国土面積の0.6%にすぎない沖縄県に国内の74%が

集中する米軍基地の整理縮小を求める声が高まり、日米両政府が96年4月、普天間返還で合意した。

日本政府は99年12月に名護市辺野古への移設を閣議決定、2013年3月に辺野古沿岸部の埋め立てを

県に申請した。仲井真弘多知事(当時)が13年末に埋め立てを承認し、沖縄防衛局が14年8月に

海底ボーリング調査を始めた。この問題が争点になった選挙では、同年1月の名護市長選で辺野古反対派の

稲嶺進氏が再選し、9月の名護市議選でも反対派が過半数を占めた。11月の知事選では仲井真氏を破って

反対派の翁長雄志氏が初当選した。翁長知事は、前知事による名護市辺野古沿岸部の埋め立て承認の

取り消しや撤回の判断を8月上旬にする方向で調整している。


企業年金の積み立て前倒し 解禁 確定給付型で厚労省検討 運用環境の悪化に備え

2015年07月02日 | 政治
企業年金の積み立て前倒し 解禁
確定給付型で厚労省検討 運用環境の悪化に備え
2015/7/2 3:30 日経朝刊(トップ)

 厚生労働省は企業が確定給付年金を維持しやすいよう規制を緩める検討に入った。企業が翌年以降の掛け金を前もって積むことを解禁し、最大5割多く出せるようにする方針だ。今は決められた単年度の所要額しか拠出できない。景気の悪化時に積み立て不足が起きやすく、穴埋め負担の重さから確定給付年金をやめる企業が増えている。規制緩和で公的年金を補う私的年金を下支えする。

 厚労省が今夏の税制改正で要望する。早ければ2016年度にも実施する方針だ。確定給付企業年金は、企業が従業員のため任意で用意する私的年金の一つ。企業が年2~5%程度の利回りで掛け金を運用すると約束し、年金を支給する。運用がうまくいかず積み立てが不足すると、企業が穴埋めしなければならない。制度を設けるのは大企業が多く、800万人弱が加入する。
 企業は年金給付に必要な額を計算し、それに見合う掛け金を毎年積み立てている。年100億円必要なら、掛け金も年100億円になる。例えば運用不振などで掛け金の積み立てが20億円不足すると、企業は一定の年数をかけて穴埋めする。追加負担が重く、賃金や設備投資の抑制など企業活動に影響が出ていた。
 厚労省の検討案では、将来の運用悪化に備え、景気が良い年に企業が必要額以上の掛け金を積むことを認める。例えば、必要な積立金が年100億円の場合、120億円を拠出できる仕組み。翌年に運用環境が悪化しても、積み立て不足が起きるリスクは小さくなる。
 今は企業年金の運用益が膨らんだ結果、積立金が年金支給に必要な額を5割上回るのは容認している。この5割を上限に企業が前倒しで積める掛け金額を調整する。
 企業が拠出する確定給付年金の掛け金は損金扱いで非課税となる。無制限に掛け金の前倒しで積み立てを認めると、企業が法人課税を逃れる狙いで剰余金を企業年金の積み立てに回す可能性もある。税逃れを招かないよう歯止めをかける。
 今は財務負担が重くなるリスクを避けるため、確定給付年金をやめる企業が増えている。加入者が運用の責任を負う確定拠出年金に移行するケースが増え、導入企業は2万社を超えた。

安保法案反対165万人分署名 国会に提出(NHKニュース)

2015年07月01日 | 食品

安保法案反対165万人分署名 国会に提出

6月29日 16時45分 NHKニュース
 
安保法案反対165万人分署名 国会に提出
集団的自衛権の行使を可能にする安全保障関連法案などに反対するおよそ165万人分の署名が29日、国会に提出されました。
署名を集めたグループが開いた会見では自民党の勉強会で報道機関を批判する意見が相次いだ問題について、
権力を持つ者としての自制の意識が感じられないといった指摘が相次ぎました。
提出されたのは、集団的自衛権の行使を容認した政府の閣議決定の撤回を求め安全保障関連法案などに反対するおよそ
165万人分の署名です。
提出に先立って署名を呼びかけたメンバーが記者会見し、評論家の佐高信さんは「与党の政治家は、
国民がどのような思いでいるかに耳を傾けるべきだ」と述べました。また、会見では、自民党の勉強会で
報道機関を批判する意見が相次いだ問題について指摘が相次ぎ、このうちルポライターの鎌田慧さんは
「戦後の日本では一人一人の戦争体験が平和への意識を形づくってきた。
勉強会に参加した議員らは『戦争を知らない恐るべき子どもたち』という感じで、権力を握っている者としての自制の意識が
感じられない」と述べました。

骨太の方針決定 財政再建、成長重視で  歳出抑制「目安」どまり、18年度赤字幅GDPの1%に

2015年07月01日 | 政治
骨太の方針決定 財政再建、成長重視で 
歳出抑制「目安」どまり、18年度赤字幅GDPの1%に
2015/7/1 3:30 日経朝刊

 政府は30日夕の臨時閣議で経済財政運営の基本方針(骨太の方針=総合2面きょうのことば)と成長戦略、規制改革実施計画をそれぞれ決定した。骨太の方針に盛り込んだ財政健全化計画は2020年度の財政の黒字化目標を堅持したが、歳出額の上限を設定せず、緩やかな「目安」にとどめた。経済の好循環による税収増で財政を立て直す成長重視の姿勢を鮮明にした。








 国と地方の財政の健全性をあらわす基礎的財政収支について、20年度に黒字化する従来目標を守る。達成に向けては、経済成長による税収増や歳出改革を重視する。17年4月の消費税率10%への引き上げを前提にしているが、10%を上回る増税は想定しない。
 歳出改革は社会保障が中心だ。骨太の方針は新薬より割安な後発薬の使用割合引き上げ、外来受診料や介護保険料の個人負担増、高所得者の年金給付見直しなどを例示した。安倍晋三首相は具体策を記した工程表を年内にまとめるよう、甘利明経済財政相に指示した。
 財政再建を促すため、18年度までを集中改革期間と位置づけ、2つの目安を設けた。
 第1の目安は、18年度の基礎的財政収支の赤字幅を国内総生産(GDP)の1%程度にすることだ。内閣府試算によると、15年度は3.3%の赤字幅。実質2%以上の成長を実現できても、18年度はGDP比2.1%(12兆円)、20年度も同1.6%(9.4兆円)の赤字が残る。18年度の目安をクリアするなら、内閣府試算よりも6兆円程度の赤字圧縮が必要だ。
 第2の目安は、国の政策経費である一般歳出の伸びに設けた。安倍政権がこの3年間で一般歳出の増加を1.6兆円に抑えた基調を、18年度まで守る。高齢化で社会保障費の年1兆円増が見込まれるなかで、抑制された水準ともいえる。
 ただ目安には幅を持たせ「経済・物価動向等を踏まえる」と物価上昇による歳出上振れを認めた。18年度に検証し必要なら「歳出、歳入の追加措置を検討する」とした。
 骨太の方針は規制改革をはじめとした成長戦略も柱に据えた。税収増をもたらす成長戦略は、財政健全化と密接に絡む。
 成長戦略では労働力不足による供給制約を解消するため、企業の生産性向上を後押しする方針を示した。規制改革実施計画は農地集約に向けた耕作放棄地への課税強化、医薬分業や理美容などの規制見直しを列挙した。
 法人実効税率の引き下げや「岩盤」といわれる農業、労働分野の規制改革を目玉とした14年の成長戦略に比べると、15年はやや小粒だ。首相は「未来への投資を行い、生産性革命を実現しなければならない」と説くが、企業の背中を押すには力不足との指摘もある。