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2015決断(5)岡田民主代表 野党結集しかない

2015年12月31日 | MAトラスト
2015決断(5)岡田民主代表 野党結集しかない
2015/12/31 3:30 日経朝刊

 酒を飲まない2人が和食を前に淡々と箸を進めた。8月27日夜、都内にある
老舗の日本料理屋。民主党の岡田克也代表は維新の党の松野頼久代表と向き合った。
この日、維新の創始者である橋下徹前大阪市長が離党。維新の先行きを憂う松野氏
が発した言葉に、箸を動かす岡田氏の手が一瞬、止まった。「大阪組と別れること
になると思います」




 会合後、岡田氏は側近を通じて、水面下で維新の幹部に統一会派の結成を持ち
かける。「安倍政権に近い大阪組が抜けた維新となら、統一会派を組める」。
岡田氏は確信した。
 政府が安全保障関連法案を閣議決定した5月14日以降、岡田氏は巨大与党に対抗
する野党勢力をどう結集するかで悩んでいた。対案か対決か――。集団的自衛権を
巡る岡田氏が下した結論は後者だった。賛否が割れる党内を一つにまとめるには
安保法案反対で足並みをそろえるしかなかった。
 11月16日朝、永田町の国立国会図書館の一室。岡田氏はひと目を忍んで細野豪志
政調会長と会った。水一杯ない狭い小部屋に重い空気が流れた。「民主党はいったん
解党し、維新と合流して新党をつくるべきです」と進言し、外交・安全保障など
基本政策が一致する議員を集めて新党結成を模索すべきだと訴える細野氏に、
岡田氏は淡々と説いた。「中では大いに議論するが、外への発信は幹部の一人である
ことを踏まえてほしい」
 岡田氏は野党勢力が政策の一致を見つつ、数を増やすのが理想と考える。解党の
声が大きくなると党内が分裂し、少数政党の乱立を招きかねない。岡田氏の狙いは
巨大与党に対抗できる野党を慎重に構築することだ。
 細野氏に先立ち、12日に赤坂御苑で開かれた「秋の園遊会」では解党を唱える
前原誠司氏が岡田氏と立ち話をした。この時、前原氏は悟った。「統一会派はホップ、
ステップ、ジャンプの第1段階。岡田さんの思いは我々と同じだ」
 実は岡田氏には苦い経験がある。新進党時代の1997年、当時の小沢一郎党首が解党
を宣言したときだ。岡田氏は徹夜で反対ビラを作って抵抗したが結局、解党は避け
られなかった。「有権者への裏切り行為だった」と振り返る岡田氏。政権交代可能な
二大政党の樹立が頓挫したトラウマは今も忘れない。個々の議員の離党についても
複雑な思いだ。
 「我々は政権交代する政治をつくるという強い気持ちで野党にいる。松本さんにも
頑張ってほしかった」。外相経験もあるベテランの松本剛明氏が10月に民主党を離党
した際、岡田氏は唇をかんだ。事情を聞くためギリギリまで面会を求めたが松本氏から
連絡はなかった。党の将来に失望し、かつての同志が背中を向ける姿は代表を預かる
身として耐えがたかった。
 民主党政権時代のように「過大なマニフェスト(政権公約)」を掲げれば国民受け
はいいかもしれない。だが岡田氏の脳裏には、外相として当時の鳩山由紀夫首相を
支えていた悔恨の記憶が今も蘇(よみがえ)る。
 11月の早稲田大での講演。聴衆から沖縄県の米軍普天間基地(同県宜野湾市)の
移設問題について「なぜ民主党は今も新しいビジョンを示さないのか」と厳しく批判
された岡田氏は率直に答えた。「安易に(移設先を)『県外』と言ってしまった
トラウマなのかもしれない。我々の力量が足りなかった」
 基本政策の一致、そして、数合わせでも風でもない、現実路線の強い野党――。
維新との統一会派の結成は「岡田ビジョン」の長い道のりの、小さな一歩にすぎない。


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