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マリバール 文集・ギャラリー

クレーム運動

2007-06-24 23:39:22 | 抱茎亭日乗メモ
 学校荒廃などが問題になると「挨拶をしよう」と集団声かけ運動をやったり、公共マナーについて新聞の投書欄に問題提起したりするのを見掛けるけど、私は個別声かけ運動。
高校からの友人たちも黙ってはいないタイプだ。

 先日はちょっと恥ずかしい思いをした。
池袋駅で前を歩く若い女の子が、ベージュピンクのブラウスを上下逆様に着ていた。
女の子を追い抜いて確実に上下逆様であることを確認して「これはわざと逆様に着ているんですか?」と聞いてみた。
女の子は笑顔で「ハイ! これもスカートなんですよ!」と言って胸を張って、ロングスカートのボタンを外しファスナーを全開して胸の上までずり上げて着ているのを見せてくれた。
「ああそうなんですか。良かった。ごめんなさい」と赤面する私。
「いいえ」と嬉しそうに隣の男の子と笑う女の子。

そそくさと去って、余計に恥ずかしくなる。
それは若者の「オシャレ」なのだった。
私もオバサンになったのだなあと深く実感。
間違って着ているのかと思ったことを詫びるより、心意気を誉めてあげるべきだった。
「そうなのね! 素敵ね!」と言ってあげればよかった。だっせー私。

私も、若い頃電車の中でオバサンに「それはわざと後ろ前に着ているの?」とか「わざと裏返して着ているの?」とか聞かれたことを思い出した。
私も胸を張って「ハイ!」と答えていたなあ。

でも、わざとじゃなくて、酔っ払ってコートを裏返しに着ていたこともあった。
誰も指摘してくれなくて、家に帰って気付いたり。あれは恥ずかしかった。

 今の時期だと傘を下に向けずに横にして持ったり、振り回すように持っている人が大変気になる。怖い。
隣や前にいれば「その持ち方は危ないですよ」と言う。
突然話しかけられて「何のこと?」みたいな顔をする人もいるが、たいてい「ああ」と言って持ち方を変える。

 ゲームとかケータイの操作音を鳴る様にしているのも五月蝿いので、隣にいたら「音が出ないようにできないんですか?」と言ってみる。
「あ、スミマセン」と言ってメールを止める人もいるし、私から離れて続ける人もいる。
でも少しぐらい離れても、あの電子音は耳障りになる音で作られているから五月蝿いんだけど。
そもそも、あの音は何のために必要なんだ?

昨日のおばあさんはすごかった。
お年寄りには珍しくものすごい勢いでメールを打っている。ピッピッピピピピピ。
私「音が出ないように出来ないんですか?」
ばあさん「できますよ」
と言って打ち続ける。驚く私。
「ピッピッて五月蝿いんですけど」
「はあ」
じっと私を見詰める。暫く止める。また打ち始める。挑戦してるのか?

私が降りる駅でおばあさんも席を立つ。
ドアの前に立つおばあさんを追いかけて
私「ピッピ五月蝿くて、すごく迷惑ですよ」
ばあさん「聞こえますか?」と言ってじっと私を見詰める。
私「はい」

しばし、ポカン。
このババア……! 聞こえるよ! 聞こえるから言ってんだよ! と怒鳴りたい衝動に駆られる。
が、これからデートなので、そんなことで鬼の形相になりたくない。
ドアが開いて私は改札に走る。

今ふと思う。おばあさんには電子音が聞こえないのかもしれない。
私の声は聞こえても。

だからね、ケータイメーカーは操作音オフに初期設定して頂戴!
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