The collection of MARIBAR 

マリバール 文集・ギャラリー

6月19日 チョン・ソンイル編著『キム・ギドクの世界 野生もしくは贖罪の山羊』

2007-06-25 03:10:51 | 抱茎亭日乗メモ
 図書館で借りた『キム・ギドクの世界 野生もしくは贖罪の山羊』(チョン・ソンイル編著)をやっと読み終わって、1週間遅れで返却。
図書館から催促の電話がかかってくるかととビクビクだった。

この本は全世界初のキム・ギドク オフィシャル・ブックをオリジナル編集した日本版。
韓国版は500ページを超えるものだが、289ページに削られている。
それでも重かった。これを持ち歩いたせいで腰を痛めたのかもしれない。

面白かった。キム・ギドクが好きな理由が少しわかった。

インタビュアーのチャン・ジョンイルがキム・ギドク映画を「連帯がない、展望がない」と言っていて、ああ、だから私は好きなんだと思った。
『悪い女~青い門~』など、個と個の連帯を感じさせるものはあるが、集団の連帯ではない。

キム・ギドク映画に最も多く出演している俳優チョ・ジェヒョンの話は非常に重要だった。

以下引用。

―ひとりの観客として、キム・ギドク映画をどう見ているのか?

彼の世界をよく理解しているとは言えない。キム・ギドク映画を高く評価もしない。これが限界だと思える地点も見える。だが人が、ここが限界だと思う地点から突破するのが、キム・ギドク監督でもある。生身をえぐって、足の爪の方向を変えたように。

引用終り。

キム・ギドクは足に合わない靴を履き続けて膿が靴に溜まり、足裏に張り付いて靴が脱げないぐらいになってしまった。医者に手術が必要だと言われたが、自分で治すと言って爪を剥がして方向を変えたというのだ。

キム・ギドクも「突破者」なんだ。
コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« クレーム運動 | トップ | 6月19日 『反省』刊行記念 鈴... »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
FLCW (Jason)
2007-06-25 13:51:35
Mari-san,

I really enjoyed the walk in the park and the exhibit yesterday. Most of all, I enjoyed our dinner and conversation about writing. Thank you!

Your new site design is fantastic! Wow!

-Jason

返信する
FLCW? (Sakurai Mari)
2007-06-26 00:23:24
Jason san,
Thank you for your comment.
By the way, what is FLCW?
Sorry about my poor English!
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

抱茎亭日乗メモ」カテゴリの最新記事