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1月2日 年賀メール,新座,Video『まぼろし』

2007-01-27 05:41:01 | 抱茎亭日乗メモ
 夕方起きる。年賀状を頂いた方に、年賀メール返信。
HPとBBSにもアップしたら、「2006年 元旦」になってるよ! と指摘される。
冷汗。殆ど寝ながらやってたってことか。一応私「校正者」なのだが。ガハハハ。
ああ、郵送してなくてよかった。かっこ悪過ぎる。

 19:30、新座の実家へ年始挨拶。
「19時に着く」と言っていたので、母に「すき焼きが煮詰まっちゃったわよ」と言われる。
申し訳ございません。

母は全く元気がない。
母は激しく攻撃的なマシンガントークか、どっかり落ち込んでいるかのどちらかで、いずれの状態しても、私は母といると元気を吸い取られる。

多分母も私に会うと元気を吸い取られると思う。
私は攻撃されれば激しく反撃するし、落ち込んでいるからと言って特別優しく接したりしないから。

テレビが新しくなっていた。薄型大画面。
「大き過ぎて気持悪いのよね」と母。
ヴィデオデッキも買ったらしい。全く使わないのに。
今時VHSのデッキを買うかね?! CDラジカセもあった。一度も使ってないという。
「バカじゃないの。電気屋にいいように買わされて」と私。

テレビの横には大量のヴィデオテープ。100本以上あったかもしれない。
老人会で近所のお爺さんが処分するというのを、叔父を呼び出し車で取りに行ったとか。
一本も見てないという。
「バカだね。そんなのわかりきってんじゃん。絶対見るわけない」と私。
「もらうんじゃなかった。すごい恩着せがましい事言われて」
「当たり前でしょう。きっちり見出し作って、自慢のコレクションだったんだよ」
「返したい」

引きこもりなのに洋服は仕立ててるし。
「お金を使うのは気分がいいからね。チヤホヤされて、必要ないのに買っちゃうんでしょう」
と言ったら話を変えられた。
ヴィデオテープだってきっとそう。
「あら!私映画大好き!もらうもらう!これもあれも、見る見る!ああ嬉しい!」
などと言って盛り上がっている様が眼に浮かぶ。

そして今、母が悩んでいるのはNHKと地デジ。
「NHKが督促始めるって。どうしよう」
「すりゃあいいじゃん。見てないから払わなくていいの」
「でも間違って払っちゃったことがあって。随分な金額になると思うの」
「過去の分まで払えなんて、言ってこないよ!」
「そうかしら」
「当たり前じゃん!そんなこと出来る訳ないじゃん!」
「でも新聞に出てた」
「そんなこと決まってない。聞いたことないよ。督促が来てから悩めば?!」
「あとね、もうすぐテレビが映らなくなるってチラシが入っていて」
「地デジになるから? そんなの先の話でしょう。見られるように新しいテレビ買ったんでしょう?」
「そうなの?」
「そう言われて、そのために買ったんじゃないの?」
「……」
「チラシってどんなの?」
なかった。アホか。
「それ、詐欺だよ。騙されないでよ。振り込め詐欺にお金振り込んでないでしょうね? 泣きながら電話掛かって来るらしいよ。『おかあさぁーん』って。大丈夫かね」
もう、心配だ。

 映画『まぼろし』のヴィデオを母と見る。綺麗だった。
1967年生まれ、30代半ばでこの映画を作ったフランソワ・オゾンは自身も恐ろしく美男子だが、老いも若きも、とにかく女性を美しく描く。
女優なら誰でも撮って欲しいだろうなあ、と思う。

女が男に言う。夫と比べて「なんか軽いのよね」とか「重みがないのよ」とか。
可哀想なことを言うなあ、と思いつつ可笑しくもある。
美しさを保った、大人の女の貫禄だ。
「うぐぐ、重い」とか「軽! フワフワ」とか、言えないもの。

 恋人から、ちょっと大変そうな電話。心配だがなかなか会えない。涙。
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