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マリバール 文集・ギャラリー

2月26日 香山リカゼミ「ハッピー孤独死マニュアル」第2弾 ~天国へのお引っ越し、手伝います

2009-04-20 07:49:43 | 抱茎亭日乗メモ
 第2回の講師は吉田太一氏(「遺品整理屋」キーパーズ社長)。
映画『おくりびと』ブームで「遺品整理屋」本も売れているらしい。
吉田氏も関西弁の面白い人だった。
「『遺品整理屋は見た!』『おひとりさまでもだいじょうぶ。』『遺品が語る真実』、タイトルは全部売れてる本のパクリです。二匹目のドジョウ狙い」

吉田さんによれば遺体の損傷は3日目でも進んでいる、夏場などは24時間以内に発見されることが望ましい、とのこと。
会場に衝撃が走る。「24時間しかない!?」
丸1日連絡が取れなかったくらいで、心配してくれる人がいるだろうか。
1日音沙汰無いからって自宅に来られて大騒ぎになってもなあ。
「なんだ、生きてたの!?」とがっかりされたりして。

実際「遺品整理屋が見た」データによると、キーパーズが扱う年間約1800件のうちおよそ95%が独居。約300件が腐乱。大半は病院で亡くなる。
孤独死はほぼ8割が男性。またキーパーズと生前契約をしてる人が20人ほどいるそうだが、全員女性。
先のことを考えて準備するのは圧倒的に女性が多い。

男には野垂れ死にの美学があるのか?

・お金も必要だが(独居の遺品整理で30万円程度)友達を多く。親友は「親友なのに」となって難しい。親戚家族は義務的になりがち。
・孤独死の食品は期限切れが多い。電球切れたら切れっぱなし、潰れっぱなし、ほったらかしは徐々に死ぬ。
・エンディングノートを書く人は孤独死しない。孤独死の人は日記をつけている。
・死臭を取るのは大変で、およそ2週間35万円かかる。ゴキブリ臭(どんなの?)は何万匹といても、徐々に(隣近所に消えて行って!)なくなる。

なども面白かったのだが、ゴミ屋敷とゴミマンションの話は興味深い。
「ゴミ屋敷はいいんです。行政が入るから。大型ゴミが多くて、本人はゴミだと思っていない」
「ゴミマンションは、ゴミだとわかっているんです。ものすごく増えている。仕事の都合で決められた時間にゴミが出せないけど、社会的にはちゃんとした偉い人だったりする。掃除代に100万円とか。『すみません、すみません』と金を払う。」
そして、ゴミマンションのコンビニゴミは臭わない。
だから外の人に知られる事無く溜められるだけ溜まって、天井近くまでとか、雪の回廊のようになる。その下で死んでいた人も。

コンビニがあるからゴミマンションが増える。
遺品整理屋があるから、これまで近所の人や親戚、友人がやってきた事をやらなくなってしまうのでは、と悩んだこともあるという吉田さん。
それでも困っている人をとりあえず助ける、目の前のことを100%やるだけ、と言っていた。

フォーラム神保町のレポート
http://www.forum-j.com/report/20090226.html

1月29日 香山リカゼミ「ハッピー孤独死マニュアル 第1弾 飯島愛は幸せだったのか?」

2009-04-20 07:21:54 | 抱茎亭日乗メモ
 精神科医香山リカさんの「ハッピー孤独死マニュアル」という勉強会に参加している。
昨年夏の同い年友人Aの自死も興味のきっかけだが、
第1回の講師:神林広恵(「噂の真相」元編集者)と テーマ:飯島愛は幸せだったのか?
に惹かれた。

第1回の様子
毎日新聞
http://mainichi.jp/select/wadai/everyone/news/20090202mog00m040022000c.html
フォーラム神保町レポート
http://www.forum-j.com/report/20090129.html

面白かったのは、神林さんの友人の「お別れの会」は香山さんも出席した、非常にいいパーティーだったとか。
遺品オークションが盛り上がり、「SOGI」という雑誌(税別5,040円、葬儀屋さんが購読する業界誌)が取材に来たそうだ。
「遺品オークションスタイルは、これから流行るかもしれませんね」と香山さん。

何年も前、私が母に「お別れの会やってね!」と言ったら「やる」と言ってくれたが、無理だろう。
そんな期待は今はない。

生前「お墓がない、家がない」と不安がっていた友人Aのお墓がどうなっているか、本人が心配していたから私も非常に気にはなっているが、追求しないのは私自身がお墓にほぼ関心がないから。

飯島愛の遺体発見が死後1週間経っていて、傷んでいた、と聞いた時は可哀相に、と思ったし、それは避けたいと思った。
死後3日以内に発見されれば遺体の傷みはそれほどでもないらしいので、メールや電話連絡はまめにして、「返信ない、おかしい」と思ってもらえるようにしよう、と決めた。

この回に参加して、飯島愛が幸せだったかどうかはわからないが、「孤独死=悲惨、可哀相」ではないんだ、と気づいた。