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センチメンタル・ジャーニー、エンドレス・ヴォヤージュ

2009-08-03 22:04:16 | Art
毎日ぱたぱたしている間に8月。
7月の終わりにみた薔薇色の朝焼けは、遠い旅の記憶のように、彼方へ――

☆TCJF 2009

週末金曜、新丸ビルの丸の内ハウスで開催された[Tokyo Cross Over Jazz Festival 2009]の
プレパーティへ。夜風の心地よいテラス席でレイちゃん&ハカセと楽しい時間。

仕掛け人は毎度ダンディないでたちの沖野修也さん。DJ歴20週年になるそう。
SOIL&“PIMP”SESSIONSの“社長”やquasimodeのTakahiro“Matzz”Mitsuokaさんの選曲も
渋くてよい感じだった。本ちゃんは9/11@ageHa(年々開催が早まるのね)。

☆ウナドス

土曜は「ウナドス」のライブを聴きにキムリエさんと自転車2台連ねてクーリーズ・クリークへ。
ウナドスはバンドネオンの早川純さんヴァイオリンの江藤有希さん
エレキ&アコギの中西文彦さんの3人ユニット。ユニット名も音楽もラテンなイメージだけど、
実はウナドスとは「鰻どす(京都弁で)」なのだとか!!


1stステージはジョアンをタンゴ的に解釈したエレガントなベサメ・ムーチョではじまり、
2ndステージの冒頭はピアソラの甘美なリベルタンゴ、アンコールもピアソラの鮫。
パット・メセニーのカバーや3人3様のオリジナル曲も実に艶やかで、またもや鳥肌ものでした。
2年前のライブの感想blogはこちら

江藤さんの奏でるどこまでものびやかな音色は、幼少期に少しだけヴァイオリンをかじっていた頃の
憧憬にいざなってくれる。江藤さんのblogのライブスナップには最前列で聴き入るキムリエさんと私が。
私は完全に魂をもっていかれて背中が幽体離脱ぎみ(笑)。
ライブの後、キムリエさんちに寄ってキムナオさんと3人でちょっとわくわくするトリコ真夜中談義。
あ、スタジオトリコでは8/20から久々にナイトギャラリーを開催するそうなので、要チェックです。

☆ホームとアウェー

日曜午後は、日比野克彦氏のインタビューで池袋の東京芸術劇場へ。
多彩なアートプロジェクトを全国で同時多発的に行っている日比野さんのエネルギーの発露を伺う。
彼は生きている時間軸も空間軸も ゆったり大きい。でも決して大仰じゃなく、いいイミでゆるい。
いわく、300歳まで生きる予定とか?! 彼の生き方自体が旅であることに気づいた。
詳細は9月発売予定の『NODE』をご覧ください。

                                     ↑日比野克彦氏@池袋WGP
帰りに編集のみやざきさんと最近のアートや音楽の話を肴にパスタ&コーヒーブレイク。
ジーンズの品質と歴史についてのマニアックな話も興味深かった。

東京芸術劇場で開催中(~9/6)の日比野さんのアートプロジェクト
「ホーム→アンド←アウェー」方式[But-a-I]の詳細はこちらです


☆Sentimental Journey

先週、東京都写真美術館で開催中の「旅」をテーマにした所蔵作品展(全3部構成)の第2部
「異郷へ 写真家たちのセンチメンタル・ジャーニー」(7/18~9/23)を観てきた。


「写真術は旅の中で育まれ、その伝播は写真家という旅人たちによってなされた」という
観点で編集された同展の第2部は、旧国鉄が“ディスカバー・ジャパン”キャンペーンを始め、
アンノン族が流行った’70~’80年に発表された9人の写真家たちの旅を巡る写真で構成されており、
牛腸茂雄以外は森山大道、荒木経惟、秋山亮二、北井一夫、須田一政などALL昭和2ケタ世代。
冷徹な観察、残酷な発見、甘い憧憬、ゆるやかな崩壊、昏い彷徨・・・
凡百の観光写真とは一線を画する、鋭利な視線に貫かれた日本の光景に何度も魂をつかまれた。

柳沢信1972「片隅の風景」岩国より
ポスターにもなっている柳沢信のこの写真、ありがちな修学旅行の一コマが、かくも儚く醒めた
光景になるのかと絶句させられた。白く消し飛んだ背景とやや傾いだアングルが絶妙。


森山大道1978木古内「北海道」より
これは森山大道が写真を撮れなくなっていた数年間、北海道を旅した時の希少な作品のひとつ。
この時期のゴツゴツやるせない大道写真に無性に惹かれる。彼のスタイルを真似る輩も多いが、
こうした根源の葛藤が無いとすぐばれてしまう。一朝一夕にはあんなアレブレ写真は撮れない。

荒木経惟1971「センチメンタルな旅」より
処女作にして代表作でもあるアラーキーの新婚旅行の写真集「センチメンタルな旅」に漂う
抗いようもなくせつない空気感は、まさしく旅そのもの。


北井一夫1971「沖縄県石垣」いつか見た風景より
旅行雑誌のどんな素敵なカラーグラビアより、引き込まれる1枚。
ゼラチンシルバーの皮膜に、旅の本質が埋まっている。

*紹介したモノクロ写真4点はすべて公式ガイドブック「旅する写真」の掲載作品より

ああ 書を捨てて旅に出よう、と またしみじみ思う。
まあ 今この一瞬も 極私的エンドレス・ジャーニーの途上なのだと思うけど。


☆野菜力

夏が深まるほど 身体がみずみずしい野菜を求めるのは常だが、最近は特に野菜づいている。
先週、写美に行った日、オーリエさんと恵比寿で会い、彼女おすすめのレストラン「農家の台所」へ。
生で食べられる茄子やトウモロコシ、びっくりするほどジューシーなトマトetc…が並ぶサラダバーの
野菜をバーニャカウダで賞味。フレッシュな野菜や果実が詰まったドリンクも五臓六腑にしみわたる。
↓ピンクのハンチングがチャーミングなオーリエさん@サラダバー


その後オーリエさんちでまたもや夜明け近くまでお喋り。彼女と話していると、力のある野菜を
しゃきしゃきかじった後みたいに心が不思議とみずみずしくなる。

そして昨日は新丸ビルで食育関連のイベント取材。
場所は食いしん坊のはや先生にもご馳走になったことのある、野菜が絶品のイタリアンAWkitchen。
農家の方々に話を伺うと、まるで愛娘のように野菜を大切に育てているのがひしひし伝わってきた。



お洒落なレストランに比べれば、絵づらはかなりジミながら、
自分ちゴハンもここのところ、夏バテ予防の医食同源メニューづくし。
昨夜は雑穀&生姜ご飯に刻みエゴマをたっぷり。鶏胸肉とピーマン、クコの実、椎茸の
カシューナッツ炒めに黒豆などなど。胡瓜とジャコに生姜と茗荷をあえた酢の物も定番。
真夏は鰻とかガッツなメニューも食べるけど、基本は野菜中心の無添加な粗食で浄化したい感じ。


☆ENDLESS VOYAGE

原宿駅で電車を待っているといつも 明治神宮に面した無人の臨時ホーム側の緑に目を奪われる。
先日は終わりかけた紫陽花の足元で、1本の百合がたいそう好奇心の強い子供みたいに
ホームまで迫り出しており、ちょっと微笑ましたかった。電車に乗ってどこか旅したいのかも。


ちょっと早いけど、りんどうを見つけたので連れて来た。楚々と地味ながら、子供の頃から
なぜか心惹かれる花。黄色い小ぶりの花瓶は20日に9年目の命日を迎えたみるの贈りもの。
二つばかり蕾が零れ落ちてしまったので、旧い薬壜の口まで水を注ぎ、そこに仲良く挿してみた。


緑地のプリントは、夏パジャマにしているTシャツのひとつ。
エンドレス ヴォヤージュってコトバが目に入るたび、くらっとなる感じがたまらない。
今日は珍しく早いけど、おやすみなさい。夢の向こうのエンドレス ヴォヤージュ
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