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レントゲンネコと黒猫夜話

2008-03-22 06:29:34 | Cat 猫族の甘い生活
ニキ、1泊入院の末、金曜の夜に祝!退院。励ましてくれた方々に感謝!

ニキ初のレントゲン写真を公開。名づけて、ニキボーン↑ (結石などもなくて ほっ)
ふだん、ふわふわの被毛に紛れてついゆるい感じの輪郭を思い浮かべがちだが、
そこはやはり けもの。以前、朝倉彫塑館で猫の骨標本を見たことがあるけど、
猫の骨格って、精緻で流麗なマシンのよう。(胴体だけだと流線型の魚みたいにも見える?)

それにしても。病院に行くと豹変する(豹も猫ながら)ニキをよくレントゲン撮影できたなあ。。
私なんて、病院で再会した瞬間、ニキに「×∞★*!(放送禁止用語)」と
右手を本気噛みされ(いまだにPC打つ手がずきずき…)、
さらにキャリー用トートに入れる瞬間、右頬に痛烈な猫パンチ!
獣医さんにその場で消毒してもらい、今も私の右ほっぺには絆創膏が。。

でも、帰宅したとたん けろっといつものゆるゆるしたニキに。(ある意味)化け猫。

ヴィヴィッドなピンクのアームカバーは、今春のキャットお洒落アイテム
ではなく、24時間点滴の痕に巻かれた止血用包帯。痛々しい(涙)。。。
。。けど、ショッキングピンクがなにげに似合うねニキ。

☆☆☆黒猫夜話

ニキは、黒ペルシャの父と、シャム×チンチラ×日本猫のハイブリッド母の間に生まれた。
ニキ母と二キ兄弟をチラ見したことがあるが、みんなふわふわの白チンチラもどき猫だった。
私が初めてニキに逢った時、ニキはまるで、赤い金魚の群れの中で
微妙にあぶれて所在が無い黒出目金みたいな感じだった。


ティアラをつけて藤田嗣治に抱きしめられ、コクトーにちょっかいを出されそうになっている
このふわふわ黒猫卿。ニキ父って、こんな風貌だったのでは、と勝手に妄想(笑)

フジタもコクトーも 猫好きにしか描きえない猫名画の数々を残しているが、
アラーキーも 愛すべき猫観察者にしか撮りえない天才的猫ショットをたくさん撮っている。
(名作『さっちん』の子供たちも、私には戯れる仔猫たちのようにみえてしかたがない)
←アラーキーの『東京猫町』より。
東京の猫をひたすら撮りためた写真集『東京猫町』は、表紙をはじめ珠玉の黒猫スナップが多々。

私もニキと出逢うもっとずっ以前から、無意識によく黒猫を撮っていた。
←中野で出逢った黒猫一家。
黒猫って、ぱっと見、妙に深遠でミステリアスに見える。
(よくよく付き合うと、案外おばかだったりして。そこがまた魅力なんだけど)

子供の頃は、ポーの『黒猫』の影響もあり、黒猫がなんだか怖かった。
魔女裁判が盛んだった中世ヨーロッパでは、黒猫は魔女の手先として駆逐されたかなしい歴史も。
今でも黒猫は不吉という汚名のもと、虐待されることもあるという。それに抗議し、
昨秋、ローマで動物愛護団体が主体となって「黒猫の日」なるイベントが開かれたよう(Bravo!)

↑これはローマの遺跡アレア・サクラ(ブルータスが殺された神殿跡)で以前撮った黒猫。
ここには400匹以上の捨て猫が、愛猫団体の保護のもと アンタッチャブルな遺跡のしじまを
特権的に悠々と闊歩している。「Area Sacra(聖なる空間)」という名の通り、
奇しくも猫の聖地になっているのだ。ローマの喧騒の只中に、ふっと存在するその光景は、
まさに異次元のサンクチュアリ。私がローマに魅かれてやまない理由の一つでもある場所。

☆☆
「黒猫でも白猫でも、鼠を捕る猫がよい猫だ」と云ったのは、確か小平。
ニキは「指が月をさすとき 愚者は指を見る」を、まさに地でいく猫。
明け方、西の空に浮かんでいた橙色の満月を指さした時も、その指をじっと。。
指が月をさすとき、愚者は指を見る―世界の名科白50
四方田 犬彦
ポプラ社

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