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春トリップ1 玉島編

2009-04-03 05:36:39 | Travel 国内外猫の目紀行
ハワイ島の溶岩にも似た広大な黒い迷路。これは瀬戸内にある夕暮れの玉島ハーバーランド。

先週末からちょっと西へトリップ。倉敷から直島、犬島、京都あたりをディープに。
長くなりそうなので何回かに分けて更新します。まずは、倉敷郊外の玉島から――


3月27日、弟のりゅうちゃん&はーちゃん夫妻が赴任している倉敷へ。
以前、母と大原美術館周辺の倉敷美観地区は十二分に堪能したのでスルーし、
今回は倉敷郊外にある玉島へ。ここは江戸時代から繁栄しつつ、1980年代末にはすっかり寂れ、
そのままそこだけ時計がフリーズしてしまったように残っている町。

とはいえ、その朽ち方には奇妙にそそられるものがあり。。
1960~70年代には大勢の買い物客で賑わったというアーケード街の入口には、
すべてを暗示するように浮かび上がる色褪せた「思ひ出」。


マックとかドトールとかスタバとかグローバルチェーン系の看板も一切なく、
閑散たるシャッター通りと化したアーケードを、猫が悠々と横切っていく。
たまに開いている店があっても、置いてあるものは相当年季が入っており、
かつては繁盛したらしい映画館跡も、つわものどもが夢のあと。


右を向いても左を向いても、あらゆるものが見事なまでに終わっている。

<町民ではなく、りゅうちゃん


所々にある街角コピーもナイス。隅々まで、昭和のドラマのロケセットみたい。


北前舟で賑わったという問屋街には、黒い板塀やなまこ壁の土蔵、老舗の造り酒屋などが並び、
これまたロケセットのような風情。土蔵の影からひょいと日傘の若尾文子とか現れたりしそうな。


これは「三丁目の夕日」のロケにも使われたという運河の側にあった港排水機場。
錆び朽ちた扉は、さながらヨゼフ・ボイスの作品の如し。


帰りに、瀬戸内海を埋め立てて作ったという玉島ハーバーランドへ。
遠くに臨めるのは水島コンビナート。なんだか、ヴェンダースの「パリ・テキサス」とか
ミケランジェロ・アントニオーニの「赤い砂漠」を彷彿する茫洋たる風景。。


かと思えば、タルコフスキー映画の世界のようでもあり。。


埋立地なので、方々に貝殻がみっしり。


膨大な埋立地にうねり吹きまく海風の冷たさにぶるぶるたそがれる私。。
それにしても、倉敷に居ながら、このマニアックな訪問地の選択はいったい…(笑)


この日の夜は、はーちゃん手製の絶品サムゲタンなど美味な手料理の数々を堪能し、久々に早寝。
そして翌朝には瀬戸大橋を渡って香川へびゅーん。イサム ノグチ庭園美術館から直島へ――(続く)


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大谷石~元湯~益子~栃乙女旅

2009-02-14 17:09:06 | Travel 国内外猫の目紀行
本日、春のような陽気。つい二日ほど前、雪景色を眺めながら温泉に浸かっていたのが夢のよう―

週半ば、kumiさんと大宮で取材した後、宇都宮でキムリエさんたちと合流し、栃木方面へ取材に。
宇都宮の夜はご多聞にもれず餃子。中国で食べた水餃子より美味しかったかも?!

翌日は、大谷石地下採掘場跡へ。大谷町に近づくにつれ、大谷石の塀や蔵の家並みが増え、
巨大ないきものの牙でがりごりえぐられたような岩肌が 所々むき出しになっているのが見えてくる。
まるで「隠し砦の三悪人」とか黒澤映画に出てきそうなロケーション。或いは児童向け戦隊ものとか。


地下採掘場跡も、映画ロケにもってこいな雰囲気。
資料などでは古代ローマ遺跡に似ているという記述を目にするけど、
エジプトのピラミッドとか神殿の内部にむしろ近い印象を覚えた。


坑内の温度は2℃。冷蔵庫の中に居るような寒さだけど、空気は不思議と澄んでいる。
大谷石は遠赤外線やマイナスイオンを放出しているらしい。防腐効果があるため、貯蔵にも最適とか。


舞台のように見える一角で、キムリエさんのリクエストに答えてポージングするカッシー。
坑内は音響がよく、コンサートや演劇、能、美術展、ファッションショーなども開催されている。
戦中には、秘密倉庫や飛行機の軍事工場にも使われていたようだけど。。


あくまでもツルハシや機械で石を切り出していた痕跡の集積なのだが、随所に謎のアート感がある。
坑内の奥で耳を澄ますと、幽かに水の滴る音が聞こえた。


岩肌には粉雪みたいにさらふわの白い結晶が。擦れるとコートも雪を被ったみたいに真白に。
正体は、大谷石に含まれる鉱物ゼオライト。空気が乾燥する冬だけに現れる風物詩らしい。


地下採掘場に隣接した大谷石資料館には、8世紀から始まった採掘の歴史などが紹介されていた。
関東大震災でも無事だったF.L.ライト設計の旧帝国ホテルにも大谷石が多用されていたよう。

けろけろ
お土産やさんの軒先には大谷石で造られたカエルがずらり。その昔、蜂の大群から村を守った
親子カエルの伝説にちなむそう。そんな果敢なカエルとはゆめゆめ思えぬ のほほん顔だけど。。
私はカエルくんではなく、大谷石で造られたキャンドルホルダーやカードホルダーなどを入手。



日本最古の巨大な石仏や縄文最古の人骨がある、奇岩に覆われた大谷観音を観た後、
車で少し行くと、長岡百穴古墳が。7世紀前半のものとか。 周囲は長閑な葱畑。
ガウディ作品のようでもあり、マテーラの洞窟住居群(サッシ)のミニチュア版のようでもあり。



夕方には、塩原温泉発祥の地にある元湯温泉に到着。山奥にあるので気圧も低く、耳がつんとなる。
渓流にちらちら舞う雪がいい感じ。宿泊はゲンセンカンならぬ元泉館。明治創業の秘湯宿。


渓流沿いには、大小のかまくらや雪だるまが。かまくらから出てきたキムリエさんをぱちり。
かわいい小動物が巣穴を出入りする瞬間みたいな。


みんなで宿の周辺を少し散策。滝を撮影するキムナオさん。さりげなく凄い写真を撮ってるはず。


しかし、散策中に高台に上ったはいいけど、つるつるに凍った急勾配の階段を下ることができず、
いいオトナ4人があわや遭難か?!と小パニックに(笑) まさに往きはよいよい帰りは怖い。。
結局、キムナオさんの誘導で、みな四つ這いでじりじり後ずさりしながら無事に下山。

その夜は、三種の源泉から引かれた硫黄泉の露天風呂や檜風呂が快くて溶け落ちそうだった。。
が、空気中に含まれた硫黄分のせいで、お湯に浸けたわけでもないのにシルバーの猫型指輪が
みるみる黒く変色(ちなみにホワイトゴールドのリングはなんともなかった)。

銀色の猫が、一夜でニキみたいな黒猫に…! しかも見る度に色がどんどん濃く。。
朝方にカッシーが「ニキどうなった?」と指輪をチェックするのが面白かった(笑)

翌日は、温泉を離れて益子方面へ。益子焼の窯や民芸店が並ぶ道をゆるゆる散策。


時間いっぱいで、いちご団地にて苺狩りをする計画は頓挫したけど、帰りに日本一の苺産地
二の宮あたりを通過する際、キャンピングカーの窓から、苺色を湛えた夕暮れが見えた。



翌金曜は、朝から浜松町にて超ロング打ち合わせ。
前日に温泉に浸かっていた自分が 既にはるか彼方に。。

夕刻、おやつにお土産の栃乙女をいただく。せっかくなので、益子から連れてきた
器(益子焼ではなく益子で修行した陶芸家・郡司庸久さんの作品)に盛ってみた。

あまずっぱく、清新。
あ、指輪も無事シルバーに戻りました。
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京都トリップ蝉時雨編

2008-08-22 01:22:21 | Travel 国内外猫の目紀行
ミンミンゼミ、ニイニイゼミ、ヒグラシ、ツクツクボウシetc…。
ここ数日は音楽も聴かず、蝉たちのアブストラクトなアンサンブルにまみれた日々だった。

先日、↑このアブラゼミが私のワンピースに飛んできてひしとしがみついた。写真を撮ろうとしたら
ふらふらっと傍らの老木に。が、羽も破れており、鳴くことすらもはやできない様子。
猫なら「いいこ いいこ」と頭を撫でてあげたい気分だった。35℃の京都でのおはなし。

そう、17日から20日まで『和福美』の取材で京都へ。
キムリエさん&キムナオさん、カッシーと4人での珍道中は、仕事も含め実に愉しかった。

取材の合間には、みんなで気になるお店やギャラリーを散策。
こんな信じられないほど細い路地奥に、恐ろしく素敵なお店があったりするから京都はすごい。

漬物やお菓子などの小店が小路に延々ひしめく錦市場も試食しながら漫ろ歩いた。
九條葱や賀茂茄子など京野菜は方々で賞味したが、見た目もフォトジェニック。


「有次」で見つけた京料理に使う型抜きは どっしりと重い。


小さな書画道具やさんの古棚に並んでいた顔料。


京都ならではの老舗お茶やさんやレトロ喫茶店もみんなでなにげにチェック。
初日は「一歩堂」の本店へ。取材の合間に芳醇かつクリーミーな抹茶で一息。


二日目は朝から「イノダコーヒー」本店へ。外観は渋い町家づくり。
オリジナルブレンド“アラビアの真珠”とレモンパイをいただいた。いずれも美味。


三日目は、やはり戦前からある「スマート珈琲」へ。そのネーミングも ゆるい佇まいも、ツボ。
珈琲の香り高さはもちろん、フレンチトーストも懐かしさ漂うやさしい風味。


京都は喫茶店同様、雰囲気のある古書店も多い。これは寺町通りの一角。
同じ通りに「黒猫堂」というマニアックな古書店があるとカッシーに教えてもらったので探したら
「黒猫のご主人、今年の春ごろ急に亡くならはってなぁ…」と別の古書店主。黒猫に合掌。。


これは古書店の倉庫 ではなく、ハイアット・リージェンシー京都の地下にある
Touzan Barの一角。背景は実際の古書古書古書。。。 


ハイアットのロビーも、町家の格子戸や障子越しに ぽっと灯ったあかりのような風情で心地よい。
デザインは杉本貴司氏。さすがお上手。いろんなハイアットを見たけど、このロビーは好み。


ハイアットの側には京都国立博物館が。三十三間堂も至近なのに、ぱっと見「ここはフランス?」

よく見ると、結構寄せ集め的な意匠がキッチュながら、片山東熊作品ならではの風格。
京都市役所もレトロだし、京都は寺社以外にも街中に建築探偵垂涎の物件が多い。

これは最終日に偶然見つけたのだけど、1928年竣工の旧 毎日新聞社京都支局。
いまはアートコンプレックス1928というギャラリーやカフェ、イベントスペースの入った空間に。

何やらビル正面がギャグ漫画のキャラみたいにも見えるけど★は毎日新聞の社章だそう。

☆☆☆
私の担当分の取材が終わった後も1日延泊し、みんなとお別れして単独で京都散策。
旅の詳細ルートをがっつり決めてしまうと、興味のおもむくまま寄り道できないので、
今まで訪れたことのない嵐山方面にでもぶらっと行こう ぐらいしか考えていなかった。が、
ランチ中に突然「そうだ、東福寺へ行こう♪」と思いつき、三条から地下鉄でさくっと東福寺に。

 どーんと潔い東福寺の通天橋。
紅葉の季節には数珠つなぎの行列になるらしいけど、夏は人も閑散。緑のもみじもいいのにね。

そしてこちらがお目当ての「八相の庭」。昭和のアバンギャルドな作庭家 重森三玲の代表作。
 有名な枯山水の南庭。

 一番見たかった北庭。
生チョコトリュフと抹茶トリュフではなく(笑) ウズマキゴケが日照りで枯れ、
日陰と日向でこんな2トーン市松模様に。まあこれも いとをかし。

井田市松の西庭。
四角い刈り込みはサツキ。満開となる春にはまったく別の表情になるのだろう。

本堂の天井には堂本印象の豪快な蒼龍図。
小さな覗き窓から斜めに撮っているので、迫力ある龍が圧縮されてちょいオモシロ顔に。

ここには猫のいる涅槃図もあるはずなのだけど、普段は非公開なので観られず残念。

東福寺の一角に咲いていた大きな白い蓮。蓮に遇うと一瞬、時が止まるような気が。


東福寺から四条大宮に出て、嵐電で一路 嵐山へ。世界遺産の天龍寺に行くと、入口に累々たる蓮池。


えっとこれは、民宿の大部屋で掃除機をかけるおばちゃんの図、ではなく。。
天龍寺のメインホールである大方丈。世界遺産もなんのその、普通にガシガシかけていらしたので
嵐山を借景にした漕源池庭園を睥睨する重文級の龍の画に 掃除機がぶつからないか どきどき。。


天龍寺の流麗な回遊式庭園を堪能した後は、北門からそのまま嵯峨竹林へ。
さらさらさら・・・風にそよぐ涼やかな笹音と竹林を縫う清浄な空気がなんとも快く。


清々しい小径の先に、風流な門が。ふらりと入ってみると、この方のお宅でした。

日活映画『丹下左善』でも有名な 昭和のキネマスター大河内傳次郎が
昭和初期から30年にわたりこつこつと創り上げてきた「大河内山荘」。

迷路のような借景回遊式庭園の高台にあった月香亭辺りから京都市内を一望。

世界遺産もいいけど、一個人の趣味に走った小宇宙もいとをかし。といってもなかなか広く
起伏に富んでおり、華やかな銀幕の世界と陰陽をなすような安らぎと静けさに満ちていた。

山荘の庵で美味しい最中と冷たい抹茶をいただき、亀山公園を下って桂川へ。
川に架かった渡月橋の下にシラサギ(?)発見。その瞬間、急にぱらぱらっと大粒の雨が。

桂川にざんざん降り注ぐ夕立をぽーっと眺めながら、茶屋でしばし夕涼み。

雨上がりの嵐山駅で電車を待つ間、ホームにある名物足湯で一服。旅疲れがすーっと引いていく。
そうこうするうちに、この時季限定の“嵐電 妖怪電車”が到着し、どっと どよめくお子さまたち。


なかにいらしたのはこの方。青坊主さん。(お隣の車輌はナマハゲだった)
ぬう
青坊主は江戸中期に活躍した鳥山石燕の『画図百鬼夜行』に登場する妖怪なり。
お子さまたちに握手や撮影をせがまれると愛想よく応じてくれたりして、案外いいやつだったけど
約1名だけ本気絶叫&大号泣していた男の子が。青坊主の中身は駅員さんなのに(たぶん 笑)

☆☆
去る京の薄暮に灯る蝋燭塔。悪名高きタワーにもいっぷくの風情かな。

久々の京都は、とっても愉しかった。また遊びにいきたいな(って仕事で行った筈じゃ。。)
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イタリアン・グラフティ

2008-06-28 15:11:47 | Travel 国内外猫の目紀行
最近お騒がせの事件現場、サンタ・マリア・デル・フィオーレ。(↑photoは2005年撮)
あまりに有名なルネサンスのアイコン的存在だけど
卒業旅行で初対面した時は、その恐るべき美貌に絶句したものだ。

世界遺産というブランドで語られがちだけど(そんな記事を雑誌に書いたこともあるけれど)、
実際ここに出で立つと、そんなお墨付きも、世界中から押し寄せる観光客の渦もなんのその、
その端麗な意匠を好むと好まざるに関わらず、目を奪われ息を呑む。

こんなとこに落書きしちゃおうと思いつくそのこころが、すごいなぞ。
メディチ家の時代だったら、パッツィみたいに処刑されてたかもなのに。
90年代にウフィッツィ美術館の一部がテロで爆破されたけど、破壊という意味では同じ。

しかし。イタリアの世界遺産都市がひたすら整然としているかというと、そんなこともない。
ここ数年の間にイタリア旅行で撮影した写真を見直してみても。。
これは3年前、やはりフィレンツェのポンテ・ヴェッキオのたもとにて。

鍵にふたりの名を書いて願掛けみたいにするのが流行っているらしく、
「Patrick+Gioia」とか「4ever Anna and Mike」とか書かれた鍵が絵馬よろしく掛けられ。。
(時々フィレンツェ当局の人が溜まった鍵を一掃しているらしいけど…)

かわって、ローマ。テヴェレ河の中洲にあるティべリーナ島。

CRISTIAN VIVE(クリスチャンここにあり)とか、TI AMO DANIELE(ダニエレ、愛してる)とか、
トイレの落書みたいな文字がびっしり。

これもローマの路地裏にある有名な落書き遺跡スポット。

こっちのは「GOVERNO LADRO!(泥棒政府)」とか、政治風刺が目立つ。

さらにこれはローマ郊外、ファシズム建築が並び立つエウルの一角にて。

↑「私の心の中にはいつも君が!!!」。ネオナチマークがまがまがしく意味深。。

ちなみにこの落書きの傍らにある端整なパラッツォは、大好きな映画『暗殺の森』にも登場する。
ジャン・ルイ・トランティニャンが、この階段を物憂げにのぼるのだ。


これはローマの下町トラステヴェレで目撃したFIATの水玉チンクエチェント。
もはや落書きというか、おしゃれというか。(ダミアン・ハーストの作品にあらず)


落書きも問題だけど、これはどうなの?

フィレンツェの切り売りピザ屋さんに居た、日本贔屓のラガーマン。日本人と見るや相好崩して
「日本と“ラグビィ”が大好きなんだ」と。その笑顔につい、真実を指摘する勇気が萎えた。。

話がそれにそれたけど、よいこはらくがきをやめましょう。世界中どこであっても。

☆☆☆
先週は締切りや校正やラフ作成やもろもろの手配が重なってあわただしく。
そんな間隙を縫って火曜夜は銀座へ。上海に移住した制作会社の羽田さんを囲み、
まいかさん、ちよさん、キムリエさんたちとみんなでゴハン。束の間のたのしい休息。

その翌日も銀座へ。
NODEで幸宏さんを撮影したフォトグラファー畠中和久氏の個展をCANNON Galleryで観た。
日本各地の城あとを追った視点がしぶい。まさに、つわものどもがゆめのあと。
7月は大阪、8月は仙台、9月は福岡を巡回するよう。

しかし畠中氏といえば、スタジオで幸宏さんの撮影中に大音量でムエタイの音楽をかけていたのが
印象的。今でもNODEの表紙を観ると、澄んだPUPAではなく熱いムエタイグルーヴの幻聴が(笑)

帰り、銀座から日比谷へと抜ける途中、ビルの解体現場にいくつも遭遇。
銀座の場合、“城あと”にもすぐに新しいビルがそびえるのだが。。

有楽町の駅前に近年できた広場に、青い木の実がいくつもなっていた。
その向こうに見える建設中の高層ビルの頂きでは、触覚みたいなクレーンが何機も蠢いていた。

ペニンシュラホテルからメトロに直結する
目立たないエレベータ前にひっそり咲いていたハーブたち。
この辺も、ここ数年で風景が随分かわったなあ。
東京は、落書きを憂う前に、街の輪郭自体が日々塗り替えられている。
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上高地へ

2008-06-17 02:23:39 | Travel 国内外猫の目紀行
先週末は急に思い立って実家に帰り、母と一緒に上高地へ。
↑は芥川龍之介の小説『河童』でもおなじみの河童橋の上から撮影した北アルプス。
10年ほど前の晩夏に 在りし日の父と訪れて以来の上高地は、絶好の晴天に恵まれた。

深い森の中には、清々しい潤みを湛えた湿原が広がっている。

ウグイスやカッコーのさえずりがしじゅう木霊する緑道には、
時々、道先案内人のように高山蝶がひらりひらり。

楚々とした山野草が大好きな母は、花を見つける度、その名を教えてくれる。
といっても種類が多すぎるので、「…かもしれない」と、ときどきどうも自信なさげ。。

これは(たぶん)レンゲツツジ。

ラショウモンカズラ。


ニリンソウ。


これは。。不明。

普段あまり目にしない山野草の名は、訊いても訊いても覚えきれない。
母の詠んだ短歌が、言い得て妙なり。

  上高地 めぐりて十の花おぼえ 五つ忘るるほどのしあわせ    

梓川の右岸沿いに約1時間の散策後、明神池の入口、穂高神社奥宮に到着。
まず手前の一之池に出ると、澄んだ水にたくさんのブラウントラウト(岩魚にそっくり?)。


池に浮かんだ神事用の御船上で母と一緒にぱちり。


奥にある二之池。神の降りたる池 と云われる通り、霊妙な気配が。


帰路は吊り橋を渡って、対岸の梓川左岸をてくてく。
苔むした巨大なシナノキが神々しく。信濃の語源にもなったのだとか。


林道にちらちらゆれる木洩れ日が描く一瞬の影絵にみとれ―


河童橋の袂にあるシックな上高地五千尺ホテルにて、美味しいケーキとコーヒーで一息つき、
平湯温泉にバスで下り、源泉かけ流しの露天風呂で、穂高の山並みを一望しながら、ふぅ~。

↓お土産に買ってきた「復刻版 絵葉書 懐かしの上高地」に載っていた昭和初期の封筒。

レトロな書体やデザインにしびれる。けど、「神秘の宝蔵造化の宝典」って。。
国立公園に選定された当時だけに、キャッチもキバってるなあ(笑)

☆☆
翌日曜、イタリア旅行をしていた姉が帰国。
ローマ郊外やプロチダ島の写真を見せてもらいながら、旅話で盛り上がり。
姉は数年前までローマ在住者だったので、旅行というより古巣に帰る感覚のよう。

↑これはお土産にもらったオランダ名物のワッフルとローマのカフェチョコ(今宵のおやつ)。


☆☆
週末の間隙を縫うプチトリップながら、すごくいい時間を過ごせた。

これは往きの車窓から眺めた 熟した桃みたいな夕陽。

帰りの車窓。今までは、海がみえてきたらニキに必ずみせてあげていた。


車窓をそっと眺める 在りし日のニキ。

彼女が膝の上でこんな風にしていたのは、ついこの前のこと。
明日はニキが逝ってちょうど1カ月。
母があの日のことを、こんな短歌に詠んでいた。

    華火あがる瞬電話鳴り 娘が告げる十六歳の愛猫の死を
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チュニジア回想

2008-04-15 04:37:40 | Travel 国内外猫の目紀行
先日、代々木上原の小さなGalleryで開催していたチュニジア雑貨さらはさんの期間限定 雑貨展へ。

チュニジアといえば、10年ほど前、当時ローマに住んでいた姉と小旅行で行った国。
ものすごーく懐かしくなって、アルバムを開くと遠い地中海の空気がふわっと。

↑カーテンが風でふわんと膨らんだ瞬間みたいな造形のチュニジアンウィンドウ。
↓街の至る所に、こんな鮮やかな地中海カラーのチュニジアンドアが。


首都チュニスの旧市街メディナの外れですれ違った学校帰りの少年少女たち。

もし旅先で満面の笑顔の子供の写真を撮れたなら、
その瞬間その旅人は胸の底から幸福なのだと思う。
なぜなら、異国の子供たちの瞳は、何よりも正直な<鏡>だから。

☆☆
チュニジア雑貨展には、スタジオトリコのキムリエさんと、
妖怪&小鳥好き(どんな組合せだ)なエディター カッシーの3人で遊びにいった。
3人集まれば女子雑貨天国。私が選んだのはこちら。

い草みたい素材でできた星型の籠と、ひとつとして同じ形のないハンドメイドの木製匙。
匙にはもう実がならなくなったオリーブの古木を利用しているのだそう。
たしかに、上質なヴァージンエキストラオリーブオイルを思わせるふっくらいい香りがする。
ベランダに茂っているオリーブの小枝を手折ってきて並べてみたが、小枝はまだまだ青二才な感じ。
テーブルクロス代わりに敷いている布は、フータというチュニジア布。涼しげストライプに一目惚れ。
「さらは」を主宰しているパリ在住の美波さんいわく、海辺でパレオみたいに巻いたり、
ビーチマットみたいにして使っているそう。すてきー

雑貨展の奥には厨房があり、やはり期間限定のチュニジアレストランに。
ヘルシーな前菜に、牛肉の煮込みとオーガニック野菜を添えたクスクス。


締めはデザートとチュニジア特有のほのかに甘いミントティー。美味しくて無限におかわり。

↑これはカルタゴ遺跡からそう遠くない、美しい海辺の町シディ・ブ・サイド(Sidi Bou Said)にある
世界最古のカフェ「Le Cafe des Nattes」で、その昔飲んだミントティー(the a la menthe au pignon)。
そのあまりの美味しさに、瞳孔が見開いている写真もアルバムにあった。。(載せないけどね 笑)

ああ、地中海行きたい熱がまたつのっちゃったなあ。。

☆☆Information!
スタジオトリコの木村直人さんが、写真展「Wind and Window」を開催!
2008.4.17~30 10:00-19:00@新宿「三井ギャラリー東京」

必見!
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