カトリック高円寺教会ANNEX

2004年に晴佐久昌英神父様により成人洗礼をうけた『おやじ』の[信仰告白]風コラム

『涙 二夜連続』

2006-10-18 07:37:21 | Weblog
 子供の時以来だと思う。



 二日連続で泣いた。



 夕方検査を終えた頃を見計らって、母に電話をした。



 「ちょうど会計待ってるところだよ。病院はケイタイいけないからちょっと待ってて。」



 場所を移動したのだろう。その後、興奮気味に母は口を開いた。



 昨日今日の検査がとても苦しかったこと。



 やはり手術をしなければならない状況であること。



 手術に耐えられるカラダであるかの確認の為、あと三項目くらい検査を受けなければならないこと。



 家族を交えて11月1日に病状説明と手術内容の話を聞く(インフォームド・コンセントってやつ)ことになったこと。



 検査費用が異様に高かったこと。



 ぼくはどうせ同じ内容のことしか説明を受けられないことを承知で主治医の先生の連絡先を聞いて電話をした。



 予想通り忙しいらしく、代わりに電話対応してくれた看護婦(看護士か)さんが懇切丁寧に同じ説明をしてくれた。



 「良性、悪性の結果も含めてとにかく11月1日に」とのことだった。



 父のときもこんな風に病院に呼ばれた。



 「息子さん、これ膀胱の断面図です。ここにタマゴ大と思われる腫瘍があります。スキルス性の可能性もありますが、リンパ節転移もみられませんので大丈夫です。取ってしまえば完治します。」



 手術自体は成功だったらしい。しかし、もともと糖尿病を患っていた体は手術に耐えられず、術後二週間程であっけなく、ほんとうにあっけなく亡くなった。



 父は田舎の悪名高い、いわゆる超ド級のヤブ医者がお気に入りで、どうしてもそこでなくては嫌だとゴネた。



 ぼくは不安を抱えながらも初めての体験に冷静さを欠いていて、父の意見に従った。ぼくの父は頑固でもなく、ぼくがもっと強く進言していれば状況は変わっていたかもしれない。



 家に帰ってから電話で励ます娘と妻から受話器を受け取って



 「余計なこと考えなくてイイから。心配しなくてイイから。ぼくが絶対治してやるから。」



 何の根拠も無い自己満足の意思表明をした途端に



 声が詰まり、涙があふれた。



 「おかあさん、だから今度だけはぼくの言うこと聞いて。」



 こんな不本意な形で母を上京させることになるなんて。。。





 電話を切った後、教会の仲間から別件で電話がかかってきた。



 気持ちの入ってない、素っ気無いような対応になってしまったと思う。



 ごめんね。ほんとはこのことも話そうと思ったんだけどグズグズになりそうだったんで。





 祈ります。





 ぼくに親孝行する時間をください。




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