カトリック高円寺教会ANNEX

2004年に晴佐久昌英神父様により成人洗礼をうけた『おやじ』の[信仰告白]風コラム

『46』

2010-09-24 22:22:22 | Weblog
 ありがたく涼しい雨とともに


 46回目の誕生日がやってきました。


 これからの一年のテーマは


 「老化をかすかに受け入れながらも進化し続ける」


 ということもあって誕生日を迎える前に東京マラソンにエントリーしていました。


 32,000人の枠に294,469人の応募。


 抽選をくぐり抜けられるかどうかは、それこそ神さましかわかりません。


 でも準備をしておくことにしました。


 そうそう


 この


 「準備をしておく。」こと


 が


 どれだけ大切なことなのか


 この歳になって


 あらためて


 身にしみたりしています。


 行き当たりばったりでもたいがいのことは


 どうにかなります。


 でも


 やっぱり


 その結果みたいなものには


 理由があって


 いまままでの


 人生経験が


 というか


 46年間の人生の中で経験したことだけが


 知らず知らずのうちに何かに対応するときのために準備されていて


 出番を待っています。


 だから


 いろいろなことに興味や好奇心を持って


 できる範囲で


 挑戦、いや、挑戦というとハードルが高いうようなイメージがあるから


 試してみる。


 もっといろいろな人とふれあってみたり、話してみたりする。


 神さまという圧倒的なバックボーンは揺るぐことがないから


 思いきってみたりする。


 でも周りの人に迷惑をかける自分勝手はしない。


 これが、自らに枠を作っているとかって考える時期は過ぎ去った。




 誕生日に


 カラオケに行って


 食事をして


 ジュリアロバーツの最新作「EAT PRAY LOVE」(邦題「食べて、祈って、恋をして」を観ました。


 その映画の中で気になるセリフがあった。




 「まず、自分をゆるす。」




 なんだそんなこと、信仰生活の中で普通にやってることじゃんって思えなかった。


 これって意外とっていうか、ど真ん中の盲点じゃんみたいな感じ。


 バランスというキーワードが何度も出てきて


 ただの食べて歩きの恋愛映画って感じがしなかった。




 自分をゆるす。




 自己満足と毎日毎晩顔をつきあわせているぼくには


 永遠のテーマのような気もするが


 この涼しさを運んできてくれた雨が


 いつもでも続くはずのない夏の終わりと


 まだまだ続くであろう自らの人生のリアルを


 教えてくれている感じがする。






 神に感謝。
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『なじむ』

2010-09-21 05:05:05 | Weblog
 今回は、帰りの飛行機10時間が、非常にタフな時間だった。


 おとなりさんは、初海外旅行で、ロンドンにて1週間ホームステイをしていた一人旅の某有名大学の1年生のお嬢さん。


 実は、訳アリさんで、前日にロンドンからの飛行機が遅れてトランジットに失敗してモスクワに一泊するはめになった約20人の日本人のうちの一人。


 当然ロシアへの入国ビザがないから指定されたホテルに缶詰め状態だったらしく、帰国できることをとても喜んでいた。


 缶詰めのホテルでは、当然外出などできるわけもなく、警察官が張り付いていてなんだか物々しい雰囲気だったらしい。


 初の海外旅行で、しかも一人旅。よくぞ乗り越えたねと、イイ経験だったねと話しをした。


 そんな話をしながらもブロイラーのように機内食を食べたり、映画「セックス・アンド・ザ・シティ2」と「アイアンマン2」を観たりしながら10時間を何とか乗り切った。


 いまさら外国かぶれでもないが


 日本は、蒸し暑い。帰ってきてから体調が戻らないこともあるが、頭の芯がカ~っと熱いような気がしている。


 景色にもなじまなければならない。


 バカみたいかもしれないけど、ヨーロッパ顔から日本顔にとてつもなく景色が変わったことにすごく違和感を感じている。


 前回の極東ロシアでは、日本風なお顔立ちの方々がたくさんいたのでそんなことはなかったのだけれど


 今回なんだかアウェイのような、自分こそ純日本風なのだけれど、すっごくヘンな感じがする。


 それからスピード感。


 時間に追われている感がすごく強い。


 もちろんロシアでルーズにぼけぼけしていたわけではないのだけれど、全体の流れに乗れない。


 ぼくのそんな感覚には関係なく、ぼくの不在だったこともそれほど関係なく、物事は進んでいって、スケジュールはどんどん埋まっていって、教会からの手紙なども来ていたりして、なにげなくもとのペースに戻っていくのだけれど


 なんだかしっくりこない。


 「それって時差ぼけなんじゃないの。」


 とりあえず、そこに着陸させてもらおう。


 人ごみで歩幅があわないって感覚。


 流れに乗り切れないって感覚。


 なんだかダサいが


 しかたない。




 炊きたての白いごはん




 ほんわか湯気のむこうに



 家族の笑顔





 ただいま。





 神に感謝。
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『無きゃ無いで』

2010-09-18 20:45:13 | Weblog
 海外にはいつもティッシュペーパーをボックスでもってくるのだけれど


 今回は忘れた。やっぱり忘れたものが多い。


 鼻水は、気力ではコントロールできない。


 今回の3ヶ所の中でいちばんの田舎町で、最もティッシュペーパーが必要になった。


 トイレットペーパーで代用していたのだけれど、そのトイレットペーパーは日本のそれとは違って硬い。若い人はわからないかもしれないけど、いわゆるわら半紙っぽい質感なのである。


 あるレベル以上の施設や建物だと柔らかいところもあるのだけれど、それを巻き取ってきてキープしておく勇気は無い。やっぱりトイレットペーパーは、トイレットペーパーだから。


 もちろんコンビニエンスストアなどありませんから、売店的なお店で、鼻をかむための紙を買うわけです。


 見た目は、レストランに行ったときにフォークやナイフが置かれる、そう、あの紙ナプキンです。見た目だけではありません。触った感じも紙ナプキンそのものです。


 しかもデザインが入ってます。


 日本の某有名デパートの紙袋の図柄あるでしょ。その図柄で、白地に緑色。


 どう考えても紙ナプキンそのものなのです。でも鼻をかむのです。選択肢は、硬いわら半紙かこれかです。


 何を悩むものですか。


 すっかり慣れました。 


 あと、無くて困ったものが2つあります。


 ひとつは、洗面台の水をためるための栓です。


 お風呂の水をためるためのあの黒いゴム製とかのあれです。


 いまのホテルは、浴槽が無いので、洗面台に水を張って洗濯をしなければなりません。


 そういった工夫は、あまり得意では無いのですが、そんなことは言っていられません。


 持参した爪楊枝の丸い入れ物がなんとなく、ジャストサイズに思えたので、さっそくトライします。


 たしかにサイズは、悪くないのですが、材質のためかツルリと外れてしまいます。


 そこで登場したのが、あの紙ナプキンです。


 何枚かを重ねて栓の形に成型します。そして水を湿して紙ねんどのようなイメージでさらに形を整えます。


 そして栓をしてお湯をためてみます。


 お湯は、たまりますが、紙ですから少しずつ溶けてきます。細かい紙のクズがヒラヒラと浮かんできます。これでは、洗濯の意味がありません。


 その紙ナプキン成型栓を持っていたナイロン袋で包んで、さあ出来上がり。


 少しずつ水はもれていますが、無事洗濯は完了です。漬け置き洗いです。


 まさに奇跡の生還を果たした


 アポロ13号の乗り組員の心境です。


 もうひとつは、ヘアワックスでした。





 神に感謝。
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『きゅうりをしぼった』

2010-09-16 02:36:49 | Weblog
 通訳の彼とは、仕事をするのは今回で2回目で


 いわゆる気心が知れた仲といえる。


 彼はどう思っているかわからないが、いわゆる相性はイイ。


 彼は、冗談が好きでいつもロシアン・ジョークを教えてくれる。


 もちろん、十分に笑える内容で、今度機会があったら日本でも話してみようと思う。


 冗談だけではなくて、いろいろなロシア風の対処方法やらやめておいたほうがイイことを教えてくれる。


 たとえばお酒の飲み方、ウォッカの飲み方とかを教えてくれたりする。


 実は、ニジニー・ノヴゴロドに到着してから体調がすぐれない。


 セミナーでは、体調が悪いことを気づかれてはいけない。


 それでは、プロフェッショナルではないから。


 もちろん、ぼくの代わりもいないし。


 人前で話すことは緊張することは無いが、仕事であるから緊張感を持ってやっていることは間違いない。だから一日のスケジュールが終わるとどっといや~なだるさが襲いかかってくる。


 専用の送迎車を用意してもらっていて、大変恵まれていて、運転手さんも愛想が良くてありがたいのだけれど、皮製のシートのアメリカ車は、マニュアルで、それをほめた途端に非常に運転が激しくなってしまって困った。車酔いとは縁遠いのだけれど、体調がすぐれないから気持ちが悪くなる。


 その車に乗りながら、通訳の彼に質問をする。


 「ねぇねぇ、あそこにいる赤い服の女の子かわいい顔してると思うんだけど、どうなの?」


 彼は、答える。


 「中の中(ちゅうのちゅう)。」


 「え~、そうなんだ~。モデルさんみたいに見えるんだけどなぁ。」


 「顔は、中の中だけど、体型がきゅうりしぼったみたいでしょ。」


 「・・・」


 日本人の女性があこがれるような容姿と思える感じの女性を何人かピックアップして同じ質問をするたびに


 「きゅうり、しぼったみたいでしょ。」


 人の好みは、人それぞれだからわからないけど


 「きゅうりをしぼったみたい」ってのは、妙に伝わる。


 彼が体調の悪いぼくに

 
 食事の席で、即席に唐からし入りのウォッカにエゾウコギの濃縮液を加えた、特効薬をつくってくれた。


 ショットグラスに入ったそれを一気に飲み干せ、飲み終わったら呼吸をしないで、サラダか何かを食べろと言う。


 わらにもすがるような思いのぼくは、彼の指示に従った。


 次の日も、同じように。


 そのとき彼は言った。


 「ウォッカみたいに強いお酒を飲んだ後に、ビールのようなアルコール度数の低いものは、飲んではいけない。絶対に悪酔いするから。」


 へ~、そういうものなのかなと半分納得しながらも食事のあと、部屋に戻って、よせばイイのに具合が悪いのにも関わらず、どうにも気になって試したくなってしまった。


 体調が悪くなる前に近くのお店で買ってきたチェコのKozelというビン入りの黒ビールをひとくち、ふた口と飲んでみた。




 あ~、気持ち悪い。



 現地人の言うことは、素直に聞くものである。






 神に感謝。
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『ロシアのことば』

2010-09-14 03:13:11 | Weblog
 最終目的地に到着した。


 生まれてこのかた聞いたことの無い文字が並んだ地名


 ニジニー・ノヴゴロド


 たぶん、誰ひとり記憶にとどめることができないだろう。


 そういえば、ロシアの地名やロシアの著名人をいくつ挙げられるだろうか。


 ロシアのことばをいくつ知っているだろうか。


 ガガーリン、ピロシキ、ペチカ、ゴルバチョフ、ハラショー、スパシーバ、ゴーゴリー、ピョートル、エカテリーナ、シャラポア、ボルシチ、サハリン、イクラ、プーシキン、ドストエフスキー、チャイコフスキー、オカネガスキー、プーチン、エリツィン、ビーフストロガノフ、キャビア、スメタナ、ウォッカ、マトリョーシカ、チェブラーシカ、オカシーカシラなどなど


 これら以外でいますぐに、何も見ないで合計で30以上挙げられる人はほとんどいないのではないか。


 そもそも上に挙げたロシア語の中にいくつか間違いを紛れ込ませたが、そう言わなければ、きっと誰も気がつかないだろう。


 アメリカの大統領は誰だか知っていても


 ロシアの今の大統領の名前を答えられる人が何人いることだろう。


 それくらいロシアの情報が日本には無い。


 このインターネットの時代にも関わらずだ。


 興味が無いからではなくて、興味をそそられる情報が提供されていないのが、原因だろう。

 よく自分たちの周りの情報を思い出してみるとすぐに気がつくはずだ。


 日本が戦争でこっぴどい目に遭わされた、原爆まで落とされたどこかの国は常にヒーローで、そのヒーローがやっつけるの相手がロシアという図式。


 現地に来てみるとわかることがたくさんある。


 その場所に行かないとわからないことが、山のようにある。


 ロシアの人たちは、アメリカに憧れ、日本をリスペクトしている。


 ロシアにいるので、ロシアの肩を持っているのでは無くて


 これが、リアル。


 だいたいにおいて日露戦争ではどちらが勝ったのか知っている人がどれくらいいるのだろう。


 カッコウいいことを言いたいのではない。


 ロシアの人たちは、日本のことを良く知っている。


 政治だとか情報制限などでイメージが作りあげられてしまっているが


 間違いなく


 ロシアの人たちと日本の人たちは


 仲良くなれる。


 もっと興味をもって互いに向かい合えれば


 しあわせになれる。


 ぼくは、そうなれることを確信している。






 神に感謝。
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『ぼくを待っていた1枚の絵』

2010-09-12 15:45:08 | Weblog
 スケジュールを勘違いしていて


 ありがたい時間がコロリと目の前に現れた。


 海外出張での勘違いは、どちらにしてもよろしくない。


 準備不足か油断かおとぼけか


 そういえば、昨日の夜、部屋のドアに鍵をかけないまま寝ていたことに今朝気づいた。





 良いほうに時間ができたので


 早く起きて、テストの答えあわせやら成績評価表の作成など仕事をひと段落させて


 エルミタージュ美術館に向かった。


 外国人の入館料400ルーブル(およそ1200円。ちなみにロシア人は、100ルーブル)プラス館内の写真撮影許可料200ルーブル(希望する人だけ)を支払って、いよいよ足を踏み入れた。


 冗談の好きな通訳の彼は言った。


 「この写真撮影許可料金は、正直な日本人のために設定されているようなもの。」


 最初は、意味がわからなかったのだけれど、館内に入ってすぐにその意味がわかった。


 誰もチェックしていない。というかチェックのしようが無い。


 それでもいいのだ。たった200ルーブルが、このすばらしい世界遺産の保全につながることになるのだから。


 ぼくは彼に言った。


 「とにかくレンブラントのエリアに最初に行こう。」




 たくさんの観光客の流れに乗りながら二階に上がり、回廊のような、迷路のような、そして圧倒的な展示品の数々の中を進んでいくと


 その絵は


 間違いなく


 ぼくを待っていた。




 「放蕩息子の帰還」




 放蕩息子のぼくは、瞬間的に絵の中にいた。


 父の前にひざまずき


 何ともいえない安堵感と後悔の気持ちをあわしている息子の表情


 少し首を左に傾けて両方の手を背中に置いて


 よくぞ帰って来たと


 息子をいつくしむ父の表情。


 心配になるほどみんながフラッシュをたいて写真を撮る中


 ぼくもフラッシュはOFFにして写真を撮った。


 手ぶれしてうまく撮れない。


 


 放蕩息子の邂逅





 現地での


 リアルに


 これまでの道のりに


 人生という道のりの奇跡に


 さまざまな出会いに


 あらためて


 感謝したい。





 神に感謝。
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『最近どうよ』

2010-09-11 23:23:23 | Weblog
 「最近どうなの?」


 そんな風によくたずねられる。


 もちろんぼくのことを聞きたいのではない。


 高円寺教会が、最近どうなのかと聞きたいらしい。


 ぼくは、決まって答えることは


 ただ一言


 「何も変わってないよ。」


 ウソでもなんでもない、ましてや強がりなどというものも微塵もない。あるわけがない。


 何を聞きたいのか?


 およその見当はつくが


 何も変わってないのだから、それ以上にどんな答えやリアクションを求めて質問してくるのか。


 海外にいて、たまたま偶然のようにミサに与って、聖体拝領して、しあわせな気持ちになる。


 そういうことじゃないのかなぁ。


 それ以上を求めるのか。


 たとえは良くないかもしれないけど


 バブルを経験した人たちが、「あのころ良かったな。」と言い続けていつまでも幻想を追っているのって、全くもってポジティブじゃない。


 バブルな時期であっても、すべての人がハッピーだったわけでは無い。


 でも、経験しないより、経験したほうが良かったというか、いい目に遭ったり、痛い目に遭ったりした、リアルが目の前にあったのだ。


 いまだって、いつだって


 教会自体は、何も変わらない。


 いつの間にか「信じます。」を忘れて


 アツく、赤々と燃え上がっていた信仰という


 決して消えることのない炎が


 消えそうになっていると


 自分の都合のイイように


 色の濃いサングラスをかけて目を閉じ


 携帯音楽プレーヤーで、自分の好きな曲だけガンガン音楽をながして耳をふさぎ


 自分の都合の良い情報だけアンテナに引っ掛けて


 自分の都合の良いように勝手に判断しようとしている。


 時は流れている。


 人も物事も動いていく。





 変わったのかって?


 変わらないものを信じきれない


 自分が変わることにベクトルを向けることが先だということを忘れてしまうと


 誰かのせいにし続ける


 つまらない人生になってしまう。


 ぼくは、明日の日曜日


 もう一度、ロシアでごミサに与ろうと思っている。




 

 神に感謝。
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『存在感を認められたい欲求』

2010-09-06 23:52:09 | Weblog
 「海外に出るとさびしいからブログの更新頻度が上がるわね。」


 友だちからの手厳しいエールというか、もちろん冗談半分なのだけれど


 あながち間違っていない。


 これだけインターネットのインフラが整備されていると、日本の情報はリアルタイムにわかるし、家族とのコミュニケーションも何ら不満は無い。


 スカイプの機能を使えば、リアルタイムな様子がカメラを通じて垣間見ることもできる。


 極端な話しをすれば、ネット上での会話の最中に「いま、おならしたでしょ。」ってなものだ。


 ただし、例えば、妻がぼくの出張スケジュールをよく知らなかったり、帰国予定日を間違っていたりするとかなり凹んだりする。


 冷静に考えれば、たいしたことではないし、このところ出張が多いこともあるし、それこそインターネットさえつながれば、ということもあるし。


 自分の仕事が忙しかったり、ぼくが不在の間に気遣いをしなければならないこともたくさんあるから、ただひたすら、ぼく個人の自意識過剰である他の何者でもないことは、百も承知の介なのだけれど、なんだか、そんなことすらちょっぴりさびしかったりする。


 こちらでは、「先生」などと呼ばれ、日本から来た得体の知れない人間の言葉なのにも関わらず、ロシアの方々は、真剣にメモを取り、隙あらばと質問をしてくる。


 そのコミュニケーションで、存在感を認めてもらっているのに、やっぱりわがままで、さびしがりやの顔が、日ごろ見ることのできない月の裏側からニコリとぼく自身に笑いかけてくる。


 逆に、そんなことに敏感になっているので、日本いたら忘れてしまうかもしれない、本当は忘れてはいけない「記念日」などを思い出したりするからおもしろかったりする。


 今日9月6日は結婚記念日なのである。


 今朝、フッと思い出して、彼女にメールを送った。


 17回目だったか18回目だったか、曖昧だったことはご愛嬌というやつで勘弁してもらって、とにかく、言葉で伝えたかった。


 こちらは、日本より5時間後ろを生きている。


 だから、微妙に直接話せる時間が無い。


 そちらが、朝の8時なら、こちらは夜中の3時。


 仕事が終わって、食事を取って、ホテルに戻ってくるのが、こちらの午後7時過ぎ、ということは日本では真夜中の12時過ぎ。


 ブログ自体、久しぶりの更新をして、訪問者が2倍以上になっていると


 なんだかホッとしたりする。


 そして、日本にいながら、こんな風になんだかわからない、なんともえないさびしさの中で、さびしさを抱えて生きている人がたくさんいるのだろうな、なんて、そんなところに意識が行ったりするのだ。


 だから、ぼくは、やっぱり恵まれていることにも気づく。


 気づくというよりも


 実感させられる。


 それは




 圧倒的な


 神さまの





 愛





 ちょっと、カッコウつけすぎかな。






 さびしいけど


 さびしくない。






 人は、ひとりじゃない。





 そして、妻の、彼女の存在そのものがぼくを何度も救ってくれている。




 結婚記念日




 お互いの存在をあらためて尊重しあう日。





 神に感謝。
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『日曜日のサンクトペテルブルク』

2010-09-05 16:23:53 | Weblog
 今回は、とにかく準備時間がなく、いや正確には、時間はあったのだけれど余裕というか、準備にその時間を割くことができなかったというところか。


 家を出る5分前まで、スーツケースに必要な荷物が用意されていないというような忙しさで

 まぁ、パスポートと必要経費とセミナー用の資料とパソコンと携帯電話さえあれば何とかなるとたかをくくっていたこともあって

 
 現地の情報という部分では非常にチープな、というか日本語のガイドブックすら用意することなく、ほとんど無知のまま出張のスケジュールを進行させている。


 サンクトペテルブルクは、モスクワから約800km北上した街で、昔の首都。日本でいえば、さまざまな環境は違えど、歴史的には、京都の位置づけだと考えるのがわかりやすいと思う。


 猛暑の東京では、もっともイメージしづらいだろうが、最高気温10~15℃くらい、最低気温は3~9℃で、風が吹くと肌寒いのを簡単に通り越して


 寒い。


 通常のスーツとワイシャツにもう一枚スプリングコートかインナーにカーディガンやセーターまたはマフラーとか欲しいよねと話ながら通訳さんと街中に出かけます。


 ここサンクトペテルブルクは、平地だけで、運河が通っていて放射線状に広がる整備された道路をベースに世界遺産の建物が満載のとても美しいロシア第二の都市です。


 滞在しているホテルは、いわゆるメインストリート沿いにあって、グレードはお世辞にも高いとはいえませんが、場所の優位性だけは抜群です。


 出かける前にネットで情報を得ます。


 どうやらカトリック聖カタリナ教会が歩いて2分くらいのところにあるようです。


 日曜日には、ロシア語、英語、ドイツ語、スペイン語でごミサが執り行われていると書いてあった。


 通訳の彼に「ぼくは、これから教会に入っていくけど、もしもタイミングが悪いとかさまざまな理由で止められるようだったら、「この人は、日本から来たカトリック信者で、どうしてもごミサに与りたいと言っている。」と説明して欲しいと言ってロシア語で入り口と書いてあるらしい大きな木製のドアの前まで進んでいった。


 やはり、いきなりドアを開けることは、気が引けて耳を澄ましてみると、美しい聖歌が聞こえてきた。


 するとドアが開いて中から人が出てきた。


 これは良いタイミングだと聖堂内に入った。誰も止める人などいなかった。


 正面に金色の大きな十字架、緑色の祭服を身に着けた神父様が二人


 まさに聖体拝領に人々が列をなしているタイミングだった。


 ぼくは、はじめからごミサに与れなくて申し訳ない気持ちを抱えながら、少しだけ逡巡したけれど、やっぱり聖体拝領の列に並んだ。


 ご聖体が御血に浸される両形態で、ぼくは「アーメン」と言い、キリストの体を拝領した。

 この偶然のような必然


 「つながっている」ことの神秘に


 何ともいえない感動とパワーをいただいた。


 「イイことがある」という予感が、こんな素敵な形で突然目の前にあらわれるのだから


 サンクトペテルブルク


 聖ペテロの街


 これ以上言葉は必要ない。






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『モスクワにいるのです』

2010-09-04 23:54:00 | Weblog
 ロシア語のアナウンスのあとに英語が続きます。

 
 「当機は、あと約17分でシェレメチェヴォ空港Dターミナルに到着します。


  現地の気温は、11℃です。」


 ぼくとたまたまとなりに乗り合わせた


 日本語を勉強するために日本に留学していたイケメンロシア人の若者は


 顔を見合わせて、互いに驚いたような顔をしたあとに笑った。





 彼は、絵に描いたようなヨーロッパ風の面構えで、色白で顔が小さくて、七三分けっぽいけどサラサラにナチュラルな金髪で


 そのままビバリーヒルズ高校生白書に出ていても何の違和感も無いような


 とにかくかわいい顔をしている。


 成田で飛行機に乗り込み、彼がとなりに来たときに、ぼくは、ロシア語はしゃべれないのだけど、これからおよそ10時間となり同士になるのだからと思い、手を差し出して英語で挨拶を仕掛けた。


 もちろん彼はこころよくぼくの手を握って挨拶を交わしてくれた。


 ここまで話の進み方がなんだか妙にへんな感じをかもし出ているかもしれないが、ぼくにはそういった趣味は無い。


 


 程なくして、飛行機は離陸し、雲の上に出た。


 そういえば、ロシアの飛行機は、運転、いや、操縦が上手いと思う。


 前回もそう感じて、通訳に聞いたら、「空軍あがりの人が多いからかもしれない。」と言っていたが、冗談が好きな彼の言うことだから、鵜呑みにはできない。


 


 安定飛行がはじまると各席のモニターで映画や音楽、ゲームなどができるようになった。


 となりの彼もリモコンをさわりながら、好みの映画を選択しているようだ。


 ぼくも好みの映画をチョイスして、さて見始めようと思ったときに


 となりの彼が言葉を放った。


 「すみません。窓の扉を閉めてもいいですか。」


 窓側に座る彼は、飛行機が雲の上に出たこともあって、太陽の光がまぶしくて、モニターが見づらかったようだ。


 それは、ほんの少しのつたなさを感じたが、しっかり聞き取れる、我が母国の日本語であった。


 「いいですよ。日本語上手ですね。」


 そこから、日本語でのコミュニケーションがはじまった。





 そういえば、今回の娘の渡米で、こんな話があった。


 出発前に、「アメリカでは、日本人と中国人は同じに見るらしいから中国語で話しかけられるかもしれないよ。積極的に英語でコミュニケーションをとるようにチャレンジしよう。」


 「それから、入国審査で、目的を聞かれるから「サイトシーイング」(観光)って言うんだよ。」


 娘は、「サイトシーイング」の発音をいっしょうけんめいレッスンしていた。


 帰国した彼女にどうだったのか聞いてみた。


 「先ずね、アメリカに行く前に成田の出国審査時に、一緒に連れて行ってもらった女の子の家族には、係員に日本語で「○○番に進んでください」って言われたんだけど、私には№19って英語で指示されたんだよ。日本人に見えなかったのかな。」


 「それで、ロスの空港に到着して、いよいよ練習の成果を発揮しようと意気込んでいたら、いっしょに行った友だちの女の子が、ペラペラペラって答えちゃって、ちょっとがっかりだった。」だって。




 モスクワのシェレメチェヴ空港に着いてからずっと頭の中を同じ音楽がヘビーローテーションしている。


 その昔ディスコでかかっていたあの曲だ。


 「♪モスコ~♪モスコ~なんとかかんとか、なんとかかんとか、オホホホホ、ヘイ!」





 一日約6時間連続4日間、40人のロシアの方々の前で話をしている。


 座ることも無く、声を張り上げ


 とにかく


 せっかくの出会いを


 少しでもよろこんでもらおうと


 かなりいっしょうけんめい


 パフォーマンスしている。




 二ヶ所目の


 サンクトペテルブルクに着いた。


 サンクトペテルブルク


 英語では、セント・ピーターズバーグ


 日本語では、聖ペテロの街


 きっと何か


 イイことが待っていてくれるだろう。






 神に感謝。
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