『せみ』

　善福寺川のほとりを散歩した。


　子どもたちが夏休み中ということもあってか


　陽射しが暑い日中だけれど


　ジョギングしている人や自転車に乗っている人などたくさんの人とすれ違う。


　自転車の後ろのシートで、ヘルメットをかぶって、まっかな顔をしているこども。


　道路から反射してくるお日さまの熱量に苦しみながら、舌をだして体温調整している犬くんたち。


　バーベキューコーナーで盛り上がるグループとゴミの山。


　球場では、小学生の軟式野球の大会。同じＴシャツをあつらえて、子どもたちの何倍もチカラが入っているサポーターの親。


　カラカラでパキパキになって歩道に転がっている


　せみ


　気がつくと


　せみが鳴いている。


　せみって、たしか成虫になって地上に出てきて活動できる期間が約１ヶ月ほどだったはず。


　幼虫でいるときには、地中に潜んでいるのだけれど、


　その期間が、短くて３年、長ければ１６、７年だったよな、などと記憶を探りながら歩いている。


　せみは、鳴いている。


　なぜ鳴いているのかな、といまさらながら思う。


　擬人化して考えてみれば


　「ようやく地上に出てこられた。やった～。」と歌っているのか


　自らの寿命を知っていて


　「ぼくはここにいるよ～。ぼくはここにいるんだよ～。」ってアピールしているのか。


　もしかしたら


　「やだよ～、たすけて～。」って叫んでるのか。


　季節のスポークスマンとして


　「いまは、夏なんだよ～。」って誇らしげに広報していたりして。





　すずめがやってきて


　なんらかの役目を終えて


　カサカサになったせみをつついている。




　歩きながら


　いろいろな考えや感情が、浮かんでは消え、を繰り返している。




　せみが鳴いている。





　神に感謝。
Ｃｏｐｙｒｉｇｈｔ©　２００９　Ｌｕｋｅ８４８８

『眠りに』

　月曜日までに仕上げなければならない、ガツンと気合いの入った仕事があって


　先週の後半５～６日間は、一日の平均睡眠時間が２時間を下回っていた。


　土曜の夜から日曜日の朝にかけてもほとんど徹夜状態で


　ようやくゴールが見え始めてきたので、起きていた勢いで


　朝ミサに与ることにした。


　夏の終わりを感じさせる清々しい朝。


　でもやっぱり眠い。緊張感があるので、疲労が積み重なっている感じはないのだけれど、カラダは正直です。


　聖堂に入って、イスに座り、神さまに向き合って


　こんな風に話しかけた。


　「ごめんなさい。今日のごミサ、眠りにきました。」


　ごミサがはじまります。


　もちろん、意識レベルで、寝ているわけではありませんが


　気持ちよく、まどろんでいると


　神さまは言われました。


　「夫（おっと）たちよ、キリストが教会を愛し、教会のためにご自分をお与えになったように、妻を愛しなさい。」


　なるほど


　先ず足元から固めろと。





　足元


　いろんな意味での足元





　神に感謝。
Ｃｏｐｙｒｉｇｈｔ©　２００９　Ｌｕｋｅ８４８８

『なす』

　レンタカーのクーポン券やなにやらが結構あったので


　ドライブに出かけた。


　いわゆるお盆の初日、帰省ラッシュのど真ん中に


　いつも通り明確な計画もなく


　そうはいっても午前３時半に起きて、４時半に出発。


　とりあえず東北自動車に向かった。


　車を持っていないのに、以前に作ったＥＴＣカードはあったので、たぶん高速料金も安いはず。ルールもよく知らないから、まあとにかく行ってしまえってな感じです。


　首都高に乗ってＥＴＣを通過。「只今の領収金額は５６０円です。」と機械的な声に教えてもらったのだけれど安いんだかどうなんだかわからない。


　東北自動車道にはいるといきなり「この先６０ｋｍの渋滞」の表示。


　娘は、車に乗っていることが好きなので、渋滞ウェルカムで、ぼくも運転することが好きなので渋滞もさほど気にならない。今回は、時間を気にするようなコンセプトではないし。


　昔は、渋滞大嫌いでイライラしたこともあったのですが、波乗りをはじめてからオフタイムはスローライド、スローライフの楽しさを知って「ありゃりゃ混んじゃってるのね。」くらいに考えられるようになりました。


　とにかく先に進めであります。


　とりあえず、那須のアウトレットモールにいってみるという方向性が出てきたのですが、佐野あたりのインターチェンジ前までかなりの渋滞だったので、佐野にあるアウトレットモールで帳尻を合わす気持ちも湧き上がりましたが、渋滞はいつか解消するのです。


　途中パーキングエリアに寄って、３０分近く休憩をして


　目的地に到着したのが９時４５分。５時間ちょっとの道のりでした。


　特に何かを買うために来たのでもなく、それでもウロウロと午後２時４５分頃まで探索をして、でもなんだか物足りなくて帰っていく方向にある宇都宮で餃子を食べましょうということになり、一般道か高速道路か悩んだ結果、せっかくのＥＴＣなので高速をチョイス。


　東京方面に向かって順調に走り始めた途端の最初の掲示板に


　「この先６ｋｍ９０分の渋滞。」の文字。しかも事故渋滞らしい。


　そういえば、行き帰りの東北自動車道で５回追突事故の処理をしていました。寝不足注意です。


　なんとなくこの渋滞は気持ちが良くなかったので、途中のインターチェンジで高速を降りて一般道へ。これが大正解で、国道４号線はスイスイです。


　午後４時半すぎに宇都宮駅周辺に到着して、車を止めてまたまたあてもなく駅周辺で餃子屋さんを探索します。


　とりあえず「美味屋（うまいや）」さんに入り１２個を食べ


　続いて「餃天堂（ぎょうてんどう）」さんに入り１０個を食べて


　最後に「宇都宮餃子館」さんで１７個を完食し


　帰路につきました。


　ふたたび高速道路を選択し、渋滞もなく、新宿でビールと食材を少しだけ購入し帰り着くと午後９時。


　ガソリン代は３５００円くらい。


　お盆休みとかとは無縁で、今日も仕事ですが


　良い気分転換の一日となりました。





　神に感謝。
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『涼しく』

　今度の土曜日は、月に一度の


　「おやじの会」です。


　差し入れにいただいた


　「盛岡冷麺」を


　美味しくいただいてしまおうかと思っています。


　みなさんも


　何か１品持ち寄って（飲み物でも食べ物でもデザートでも大歓迎です）


　集まって


　飲んだり、食べたり、語ったり、ウトウトしたり


　何の理由もなく


　特別意味もない


　そんな


　ゆる～い空間に


　ふらりと


　立ち寄ってみてはどうでしょう。


　大体


　午後７時くらいからはじまっています。


　時間もおおよその感じで良いのです。


　おなかだけいっぱいにして帰ってしまってもだいじょうぶ。


　これといって


　参加費も集めてません。（しつこいようですが差し入れは大歓迎ですし、お金払わないと気持ちが悪い方は、次回運営費にプールさせていただくことも可能です。）


　涼しくなるか


　アツくなるかは


　明日のお楽しみってことです。


　毎年送ってもらっている「盛岡冷麺」


　激ウマです。


　さあ、さあ


　どうぞどうぞ。





　神に感謝。
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『アンバランスな』

　都営大江戸線に乗っていた。


　都営大江戸線は、車両のサイズが小さい。


　雨の降っている日だった。


　ぼくの立っている目の前に


　お母さんと小学校２、３年生くらいの男の子が座っている。


　男の子は、折りたたみの傘を伸ばしたり、縮めたり、楽しそうに遊んでいる。


　その子は楽しそうだけれど、隣に座っている人や前に立っているぼくも含めた周りの人に、その傘がぶつかって、いわゆる迷惑な状況になっている。


　カッコウつけるわけではないけど、ぼくは、自分に多少傘が当たろうが、子供のすることだからそれほど目くじらはたてない。それほどは。


　隣に座っているお母さんは、大きなひさしの帽子を深めにかぶって、ひたすらケイタイデンワと格闘している。


　一度だけ、自分の子供に向かって


　「傘で遊ぶのやめなさい。」と言って、傘を取り上げるようなフリをしたが


　いやがる子供に抵抗されると簡単にあきらめた。


　その子は、引き続き傘を伸ばしたり振り回したりして遊んでいる。


　お母さんは、何も言わずひたすらケイタイデンワで何かをしている。


　自分の相手をしてくれないその子は、傘でお母さんを突きはじめた。


　お母さんは、その子の顔も見ずに


　「やめなさい。」とひと言だけ発した。


　なおも食い下がる子供に向かって


　「これ、あなたのためにやってるんでしょ。」と言った。


　どうやらケイタイデンワのゲームか何かを真剣にやっているらしい。


　そしてケイタイの画面を子供に見せながら


　「○○が△△になったのよ。」みたいなことを伝えると


　その子は、「お～」だったか「わ～」だったか忘れたけど


　とにかく驚きと感謝と尊敬と


　実はどうでもイイのに


　の入り交じった声を上げた。


　実にアンバランスなコミュニケーションの現場。


　その子は再び折りたたみ傘で遊びはじめた。


　集中したり


　真剣になるところが違うと思ったが


　伝えるすべもないし


　大きなお世話というやつなのだけれど


　気持ちの悪さが残った。


　そのお母さんは


　現実逃避をしていたのだろうか。


　単純に「自分の子供のため。」という大義名分のもと真剣に遊んでいたのか。


　子供の集めているコレクションを自分のことのように探し回っている親がいる。


　子供のかわりに新作ゲームソフトの発売日前日から徹夜で行列に並んでいる親がいる。


　理由は不明だけれど、一桁の受験番号を取りたいからと受付に競って並ぶ親がいる。


　すべては親心というものが姿を変えて現れてくることなのだろうけれど


　実は、いちばんおいしい部分


　苦労して集めたとか


　やり遂げた達成感のプロセスの


　いちばん美味しいところを


　大義名分のもと


　ほとんどが自己満足のために


　奪い取っている。


　親心は


　相手にほめられたいとか


　誰かに感謝されたいとか


　ましてや自己満足とは


　無縁なところにあるはず。


　自分の子供はカワイイ。


　できるかぎり苦労やストレスや危険や心配の無いような環境に整えたい


　しかし


　プロセスを割愛しすぎると


　ありがたみや


　感謝の気持ちを持つことのない


　人の痛みのわからない


　コミュニケーションがむずかしい


　そんなさびしく、おそろしい社会になっていってしまうようで


　コワイ感じすらする。


　子供はいちばん身近な親を見て育つ


　アンバランスに気がついていたい。


　だって、誰も面と向かっては


　指摘してくれないのだから。




　天の父の


　親心に


　気づいたぼくたちに


　いま


　できること。






　神に感謝。
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『前傾』

　たまに


　前傾というか


　前のめり


　な


　イメージというか


　印象が残っている


　ごミサの後があります。


　「一直線に前のめり」に


　なっている


　ごミサがあります。


　もちろん、ぼくの極めて個人的な感覚なので


　それが、ヘンな、伝わりづらい表現であるかもしれない。


　イエス様の十字架に向かって


　ぼく自身が、背負えきれないと勝手に思っていることを


　そう、海にある、波を打ち消す


　テトラポットのように


　ドスンと


　ズシンと


　そんな重苦しい


　息苦しさをも感じるような


　さまざまなモノを


　ねんどを引きちぎるようにして


　イエス様の十字架の上に投げつける。


　「いまだけ、ぼくの分も、お願いします。」と。


　わがままを言ってしまう。


　信じているからこその


　わがまま。


　すると神さまは言われた。


　「わたしが命のパンである。わたしのもとに来る者は、決して飢えることがなく、わたしを信じる者は決して渇くことがない。」


　天からのパン。


　天からのまことのパン。


　フッと


　軽くなって


　さらなる


　信頼と感謝のココロが


　力強く


　湧き上がってきます。


　前傾


　アゴを上げて


　仰け反ってるんじゃなくて


　かといって


　ネガティブに


　うつむいてるんじゃない。




　一直線に



　前のめり







　神に感謝。
Ｃｏｐｙｒｉｇｈｔ©　２００９　Ｌｕｋｅ８４８８


　

『何の現れか』

　鉄コン筋クリートというアニメの映画がモノクロになったような世界の


　さびれた映画館の薄暗い路地。


　皆既日食とも


　夕立の前とも言える


　どんよりとした暗さ。


　その映画館の隣の坂道を下ってきたら


　突然、情報としてアタマに飛び込んできたことがあった。


　「ぼくの母が、再婚する。」って。


　ラジオでも、テレビでも、電話でも、人伝えでもなく


　突然、インスピレーションのように


　しかし、とんでもなく確実な事実として


　認識しなければならないこととして


　疑う余地など微塵もなく


　知ることとなった。


　母の再婚の相手は


　三遊亭円楽師匠。


　結婚披露宴は


　位置的には、佐渡島のようなところにある


　映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」に出てきそうな島。


　披露宴当日は、参列者がぞろぞろとその島に上陸し


　港ではなく、白い砂の広がる浜辺から上陸して


　吊り橋を渡って披露宴会場があると思われる方向へ進んでいく。


　ぼくは、その吊り橋の少し前の砂の丘で


　「そういえば、息子のぼくに、母はまだ、再婚相手である円楽師匠のことを紹介してないな。」と思った。


　場面が変わり


　披露宴を間近にした円楽師匠が


　「そうそう、そろそろタイミングですね。」と言った。






　そんな場面で、日曜日の朝


　目が覚めた。


　眠りから覚める直前の夢だったので、異様に覚えていて


　先ず、妻に話した。


　反応は、無かった。


　教会に行って、このことをみんなに少しだけ話した。







　最近、夢を覚えていることが多い。


　ロシアにいる頃から


　鮮明に記憶しているパターンにシフトしている。






　しかし


　母の再婚とは


　深層心理の現れだとしたら


　なんの現れなのか。


　夢


　夢


　いまは、ちょっと手が届かないけど


　必ずたどり着ける場所


　ポジティブな目標


　夢


　ちょっとおかしな


　自由時間


　何でもできる


　天国のような場所


　夢


　必ずかなう。






　神に感謝。
Ｃｏｐｙｒｉｇｈｔ©　２００９　Ｌｕｋｅ８４８８