月のmailbox

詩或いは雑記等/小林貞秋発信。

詩-Space  顔

2010-08-18 17:41:30 | Weblog
        どの曲がり角 
        あるいは平原で見たのか
        探り出そうとする
        顔
        そこを外すわけにはいかない
        手を淵に向けて差し込もうとする
        どこを開いても場面を超えて
        影に段差はない
        奥へと沈んでいこうとする
        平面なので
        動きはとれないのである
        時間はどちらに向けても滑る
        顔も音立てずに滑る
        空は見ていながら知らぬ顔をする
        訳はなかなか見えてこない
        それゆえ一個の重石を選ぶ
        忽ちにして底が抜けて道が見えなくなる
        僅かな手がかりもおそらくはない
        とうに消失していて
        微笑ませるのは苦しい
        顔
        食い下がることを選ぶ
        攪乱された言葉並べる
        伝えたいことおそらくは山ほど
        だがてっぺんだから見えるわけではない
        辺りを長々と辿る
        シンプルな一言など下る
        白と黒の真ん中に
        延々と浮かぶ
        顔


                        from Six Poems No.12 2007   

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