月のmailbox

詩或いは雑記等/小林貞秋発信。

詩-Space ねころんだ

2021-07-16 00:15:45 | 

 

               ねころんだ

 

ねころんだ

それはネコのことか

ろんだとは?

 

noteの文字を見て

見つからない探しものの

尻尾

掴みにでるようなうごき

生ずるのを

感じる

 

時間が

痕跡を消す

という通り道があって

ねころんだの

ネコの

正体を疑う

 

思わぬところに

手がかり

転がっているものですね

ロンダ

ロンダを

転がして響く音

見る

 

ねころんだ

ねころんだ?        

 

 

                                                                   

                                       

 

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西脇順三郎 / 詩集「宝石の眠り」から「まさかり」

2020-07-15 23:28:34 | 文学

 

          まさかり

 

夏の正午

キハダの大木の下を通って

左へ曲って

マツバボタンの咲く石垣について

寺の前を過ぎて

小さな坂を右へ下りて行った

苦しむ人々の村を通り

一軒の家から

ディラン・トマスに似ている

若い男が出てきた

私の前を歩いていった

ランニングを着て下駄をはいて

右へ横切った

近所の知り合いの家に

立ち寄った

「ここの衆

まさかりを貸してくんねえか」

永遠

 

 

詩というと西脇順三郎。バッグの中に入れておきたいものが、その詩を読める文庫本、他の本。「宝石の眠り」は未刊詩集だったもので1963年に西脇順三郎全詩集が刊行された時に入れられたもの。この「まさかり」もなんとも言えず彼のものらしさがあって印象に残る。ウェールズの詩人ディラン・トマス(1914~1953)のイメージが出てくるのもそうだし、新潟弁も味を与えてくれている。というよりそれがあるから同県人の私には印象深いのかもしれない。この「ここの衆」は、「ここのしゅう」ではなくて新潟弁では「ここんしょ」。順三郎さんも表記の仕方を考えた筈。新潟弁では、「ここんしょ、まさかり貸してくんねえか」。彼は小千谷(おじや)の出身で、私はすぐ隣の地域の出身。だから彼への親近感も強い。この詩集の中にもう一箇所、新潟弁の言い方として出てきているものと思えるところがある。そしてそれは知らない人にとって捉えがたかったりするのでは?  そんな部分。

「ローマの休日」という130行以上の長い作品の中にあるこんな部分

 

黄色いキウリの花が咲いて

いるだろう

女は

「いいてえ」といっているだろう

河原に流れてきたアカシヤが

とげを出して砂利取りのトラックが

休んでいるだろう

 

「いいてえ」と女が言っているという部分。「いい」ということでgoodという意味にそのままとれれば良いけれども、「いいてえ」と訛りの言葉に変じているところで分かりにくくなっているということと思う。いずれにしても何に対して言われているのかは不明、だが順三郎さんの生まれた地方に深く関わる訛りの言葉がある。それが何かそこの空間ならではの地方的イメージを何かわからないままに通りすがりのように喚起する。彼の作品の中ならではの言葉のタッチの中で。

 

最後の言葉、「永遠」はもう彼の世界では不可欠のしるしとして置かれるべきもの。時空を超え向けられ繋がる現在現実イメージ。現在の中の永遠。永遠の中の現在。ということは途方もなくかけ離れた意味を持つそれぞれの言葉もまた、その間に距離はなく同じ次元で繋がり合うものと捉えることができる。順三郎さんの詩を読んでいてのたのしみは途方もなく遠い言葉の隣り合わせに触れること。イメージを味わうこと。その数行を読むだけで満足して本を閉じることもある。

 

 

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詩-Space This ia your time

2020-06-11 19:29:27 | 文学

 

                                          This is your time 

 

This is your time

質問X

時間は味が良いもの?

時間は齧れるの?

ズボンを攀じ登ろうとするシャムの子猫ヌックの爪が痛い

それは時間のせい?

質問B

時間は裏の部屋の硝子戸の外にあるもの?

つまりは桜の樹が立つ裏庭

絡まるの?

点在すると言われたという

嘘の時間

待てば来るものなので

敢えておいでとは言わない

質問D

時間は絞れるもの?

するとキリキリなどと行く先に

捻りを入れる

ズボンを攀じ登るキジトラの子猫ヴィックの爪が痛い

それは時間の冷たさのせい?

会わせたくないので

切り離した時間仕立てを要望す

サンドウィッチの形

質問F

十二色のうちどの時間を選べば良いの?

走る色は夕暮れに馴染まない

決定は神任せ

不在時間の象徴は髭

生やして

消費の日々へのアドバイスなどする

でも簡単に言えば

時間は下から攀じ登ってくるものではない

爪があるから痛いものでもない

 

 

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詩-Space  なので

2020-04-09 23:14:31 | 

                                                                       なので

 

なので

やってくるまで待つことにする時間

妄想の中に膨らんで

夜を抜けた

 

なので

叩いたら壊れる橋

キャランキャラン音して

七色の欠片

地に散るさま追う時

隙間など生じた

 

なので

歩くごとに

息吹きかけて

それは消すことを意味する

嘘の噂

掻き出す昼の先端

覗き見

 

繋げるのか

繋がるのか

視るところ切れ目なし

なので終わりのこと

語らない

 

なので

取り巻く空間に遍く

取り出せる鍵にあるの

右肩上げて

発言

しばらく止めないのだ

消えない宇宙

真似

 

              

 

 

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詩-Space  夜

2020-03-17 21:53:57 | 

                                                          

                                                  

 

知りたくなることの

重なりで夜を

言うと

昼が出る

どちらも知りたくない

宇宙には言う

恒星がある

だけれど

どこにも行かない

知りたくない

夜に

ポツンとはいない

億の数もいる

ポツンとしてもいい

トマトなど食べる

半分

あとは翌日の昼

生きていればそこに

いる権利が

ある

とかないとか

愚かに

 

 

 

              

 

 

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詩-Space  ゼロ

2018-04-05 15:37:48 | 文学

                 ゼロ


ゼロ

何も無し

階段そのものがないと

時間外して

所在に探査の眼

空のBig Bearまで伸長

接近すること

ひらめき

飛翔だったのか?

説明求むを宇宙掲示板に

message

出せば返信あったものか

抱えきれない

ゼロ

籠に入れてぶらん

ぶらんさせる

島国で

一億年は待つこと

已む無しと

最後

 

 

                         

 

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詩-Space  眼で舐める

2018-03-13 07:31:49 | Weblog

 

          眼で舐める


同じなのに

別のことを言う

別に思って

背中を転がる

頭の重さは計り知れないので

ついには突き抜けるものかと

柔らかな地の球

同じなのに

別のことを言う

元々同じではないから

針で刺しなどすれば別の反応

と見る次には薔薇色の

総体思い

ブランコ

揺れるにつれ位置ずれて

当たる壁はゼリー

真紅がかって耳ともなるので

沈められた声など忘れ難く

戻るのは

いつも同じ道

同じserenade

作り人は知らず

だが永遠のように永らえるエキス

ありて

当方そこに寄る

何処の当方かは解らない

ままに

そこに寄る

無数の唯一無二を

眼で舐める

                                                                  2014

 

                                         

 

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詩-Space  港

2018-02-18 21:51:35 | 文学

 

                          


どれだけ時間

置けば

仕込みたっぷりと

永久の彼方行く雲のこと

など

眼の上

指のせ

声ない声で

淡々

Taaaaaaaan

話せるんだろうね

乗るに

試しの日々重ねて数十年

なのだと書いた

記憶に残る

ひと

探れば見つけ出せそうな

この世

おおおおおおい

おおおおいと

夜明け時

放ちに

幻の

 

                     November 2015


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詩-Space  neighbor記  その七  

2018-02-13 00:01:03 | 文学

 

                                    neighbor記  その七



あの過ぎ去りし日彼ら誌上の語り合いした宇宙楼かなた薄紫に霞む

雨粒残る外円卓にてその向きに潜むもの探るも指かけること能わず


土手の下gun-gun永遠方向に曲がって走る黒猫見えて

あれH氏の袖下あの日通り抜けたMaryだよと脇で声する


交差点至近に引き寄せ伝統技法で織り合わせる手に慣れを見っ

やってきてくれたね永遠にここに留まるみたいにと山頂語


解明できるのか訊ねるのはそこを辿るひと再び逆方向に同時に走り出す

この流れは超時間事項なんだと振るのが帽子下変わらぬ空気頭

 

 

 

                      

                          

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詩-Space  neighbor記  その六

2017-12-31 06:00:02 | 文学

 

                                 neighbor記  その六

 

 

ただこの辺りにいたいだけだというこの辺りの白い地

そこに転がす転がされたい瑠璃色の球だとか意地悪少し

 

狙いはただ一つというわけではない数を言うとまた眼が回る

消えた軍隊さえ所属探る声受け幻の森向こう揺れて通り過ぎた

 

ついには中枢到達ならずmoan-moan巡る愉しみと変ずる

今日の温風昨日の妄流通り抜けるは後方に波打つ萌える毛髪

 

切り裂くように凡庸な走り書き抜けさせても良いのだ日中

御託宣のようにいただく夢のご褒美のなんと形薄いものかと

 

 

 

             

 

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詩-Space  heaven's library

2017-10-29 16:20:49 | 文学

 

 

        heaven's library

 

 

これからheaven's library

と書いたその行

赤文字にしたのは

と説明向きにはしたくない

ところで二行目は

皆勤

 

それを一転

説明向きに変えると

カフェalma corazon y vida

閉店まで耳に鍵

 

その先は誰も知らない

知らせん一言

約束破りの今日の清新な扉

いつもの指でしかと開いて

見え来るこの世

なればこその奇跡する空気に

瞬時

あなたに突かれる

という処に何故は禁句

infinityは透明

 

カフェ脇再び斜めに逸れつつ

まとめて全方位

読む脳究明

急いで

あの日はheaven's library

回転ドアーが

不可聴擬音

背中合わせに時過ぎ

 

 

           *alma corazon y vida/ラテン曲の"たましい、心、そして人生"

 

                                

                                                  

                         

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詩-Space 今何処にいる?

2017-10-11 20:17:46 | 

 

          今何処にいる?

 

 

今何処にいる?

問うに相応しい正座姿勢をとり

正午の刻

行方問うワタシは

あそこにいると思います

という可能性

千を数え

ついには遍く場所に

その痕跡みえてきたりなどする

拡大に

wuan-wuan

する

 

今何処にいるの?

宝の箱から取り出してる

initial

かなた惑星型風船のように浮かぶ

木星辺りまで

放って

全域に染み渡る

余韻の色

終日見とれたりなどする

 

柔らかな攻め日

記憶を引き連れ人類数百の世紀

渡るみたいな行進曲つき

われらの

run-run

合意

 

                                     

                                    

  

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詩-Space  neighbor記 その五

2017-09-06 23:04:25 | 文学

 

             neighbor記  その五

 

 

現れ出た言葉そのまま生かしては景色に縛られるの愚 

ありますかと問う外壁上の青ペンキ文字そのむかし見た

 

という景色何故にか変わらず叩くはhospitalの門

架空めいた黄薔薇の縁どり透けて見える奥の虹色噴水

 

どれほどの月空(から)振り状に過ぎたか浮き出し見えた

一切という言葉の中詰め込みすぎれば弾けて別の一切覗けた

  

流れゆく家閉めれば先はなしと夕陽に焼ける天に架けた鍵仰ぐ

伸ばせば届く地の上あるわけではないと浮いている訳も言う

 

 

 

                

 

 

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詩=Space  底抜けながらも上方に玉浮いて

2017-07-06 23:29:01 | 

 

                       底抜けながらも上方に玉浮いて

 

ひとつ転がす

それだけで今日は終えた

玉はvermillion?

 

つづかない日はないと

決めつけて立つものか一本足

 

そこで連想した

読みを外す投球の生む良い連鎖

(玉はひしがたの)

 

延長と園長の繋がりを言う

外野の逆方向に走る

 

今日は何も投げない足踏まない

なるスケジュールの如何

(キャベツに指かけて)

 

上昇時には切り札ともなり

淡青の眼帯して相手蹴散らす也

 

ふたつ転がす

終えることない今日もある?

(玉の色忘れ)

 

立てるのは此のいま

その姿鏡面の縁を

通り抜ける

 

                                              

  

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「いいだ・もも」さんにちょっとだけ触れてみたくなる

2017-06-27 14:55:10 | エッセイ

 たまたまのことで、界隈に行くといつも前を通る早稲田の古書「虹書店」の店先に並ぶ本の中で手にとったのが、hard coverの彼の1968年発行「転形期の思想」。あとがきによると彼は「私の領分」というタイトルも考えた一冊なのだということだけれども、文学青年・映画青年だった方の彼の領分ということのようで、政治の側とは一線を画した側の表現活動、と。私は彼のことは共産党系の人イメージと、せいぜい一枚の写真の記憶ということになるか、そんな僅かな印象によるものしかなくて、書けることもないはずだなのだが、店先に重ねられた一冊の表紙を開いたら彼の手書きのサインがあったのに関心を覚えたのと、開いた中のページが詩に触れた部分だったので、どういう捉え方をする人だったのかというのを見てみたくて、僅か50円也の一冊を購入。で、ちょっと何かしら書きたくなったというところで。

                         

 店先で開いた時に眼にした詩に触れた部分は、1967年6月「文芸」誌のもののようで、タイトル「"豊かな時代"の詩人。触れられているのが峠三吉や藤冨保男の詩作品、鮎川信夫「死んだ男」、吉岡実「僧侶」等々。表現は時代と共に変化する。ではさて、戦後からその60年代まではどうだったか、というところで時代背景からの変容を詩人たちの言葉にも見ることになるのだが、印象としていいださんの読みは普通に頷けるものだったし、その締めくくりのところでは、「とは異なった詩的空間の出現、とはいっても、私たちはまだ、縄のきれるまで宙ぶらりんのままなのです」と次へのプロセスにあることを言う。なにか大雑把に彼の見ている位置が分かれば良いという程度に読んでいるだけなので、伝わってくるもので足りたのだが、ひとつには彼を偏ったイメージで見ていたところがあったせいだろうと思う。                                                                    ところで、中でとりあげられていた藤冨保男(1928~)の作品がすこし印象に残った。

非常に背の高い女の                                                                                              そばに                                                                                           非常に平たい犬がいて

話はちがうが                                                                                         近頃は幸福でも                                                                                そうでもあって                                                                                すっかりそうである

庭園にはパラシュートが                                                                              ややもすると                                                                                       やるせないように咲き

そしてから                                                                                         そしてまた                                                                                      また                                                                                               あなたは                                                                                                                         僕がどの位好きだか

 

詩の表現に巧みになるとさまざまな素振りを言葉の出し入れに装わせ、つまりは何を仄めかせたいの? それもあるいは解からないかもしれない、自由。これはある意味"豊か"の側にしかないのではないか。戦時中にこのようなものを書くことはないだろう、ということは当然思われることであるし、この間延びのするような表現の中の時間、空間、気ままさ、だがまたそこで拘りたい何かしら、とらわれるものがあるという現実の界隈。さりげなく見せる。見せようとする。何処に届くのか解らない。

この機会にネットでいいださんのことを少しだけ調べてみて、本名が「飯田桃」ということを知り、男性として「桃」と名づけられたことにおどろく。希少。彼の学生時代の詩作品の一部もその時に読んだのだが、後で改めて読んでみようと検索をしてみるも、今度は見つけることができず、ともかく印象として感じたのはナイーヴな感性。その年代ならではの繊細さを見せた、後には覆いをかけてしまったような部分。そうした彼というのは少年時代から秀才校で学び東大の法学部も首席卒業というエリート。そしてこの書を出版した当時というのは、共産主義労働者党書記長に就任というようなことに重なる頃か。その後に議長、1969年に辞任。その後も共産主義に関わる活動と、私などには縁遠い方面の活動に邁進されたようで、都会育ちのエリートがその方面の行動に進んだのには彼独自の理由があったのだろうと、私などは思うしかない。

東大法学部で三島由紀夫が、同期。何でも後に彼は三島とは大親友などと言っていたらしいけれども、在学当時は面識がなかったということのようであるし、その後にしても親しくなるような者同士とも思われない両者の違いの印象。いいださんの方の何か殊更の思い入れのようなものを感じさせる。首席卒業秀才のプライド高いいいださんにとって、学生時代から作品を発表、20代の半ば前に「仮面の告白」を書いた三島への意識は相当なものだったのではないかと思う。おそらくは生涯、特別に意識から離れなかったような存在、ということになるのではないかと想像する。本書「転形期の思想」でも最初に書き下ろエッセイ「異質への転轍ー三島由紀夫氏の場合」。41歳でこれを書いている。触れずにはいられないということがあるのだろうが、通りすがりのような読者として読んだ感じからも、何か過分に攻撃的なところのある印象を受ける。

このエッセイというより評論のようにも思えるものの最後には、「危機における審美的国粋主義を克服する道は、審美上もまた、社会主義的インターナショナリズム以外にはありえないでしょう」。浅野晃(1901-1990)の詩集「天と海:英霊に捧げる72章」の朗読をその年1967年に三島がレコードに朗読を吹きこんだ、そうした思入れの強さに対して、最後の言葉にあるようなことを言いたいということがこの内容。因みに国粋主義に転じた浅野晃も同じ東大法の出身で1926年に共産党入党というような経歴を持つ。一方を国粋主義者と見、こちらが共産主義インターナショナリズムを掲げれば、この両極にある関係からして、攻めどころ満載という形になるのが当然。攻撃性となれば左翼のお得意。というような色合いがいやでも見えてしまう。というような主義的部分も印象に残るこの一冊での、少しだけのいいだもも体験だったということになるか。

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