Addicted To Who Or What?

引っ越しました~
by lotusruby

DVD鑑賞 ~『女は男の未来だ』~

2006-05-11 23:36:11 | K-Movie Notes


監督はホン・サンス。この作品は、2004年カンヌ国際映画祭コンペティション出品作品。翌年も連続して、ホン・サンス監督の『映画物語(劇場前)』はカンヌ出品、とヨーロッパでは評価が高いらしい。監督自身、アメリカ(カリフォルニア・シカゴ)留学経験、フランス(パリ)滞在経験を活かして、欧米的エッセンス を韓国映画にちりばめているようにも思われる。

酒とおしゃべりとセックスを軸に、大学の美術講師ムノ(ユ・ジテ)、アメリカ帰りの映画監督ホンジュン(キム・テウ)、この2人と付き合うソナ(ソン・ヒョナ)の、微妙な三角関係を描く。

ムノとホンジュンが久しぶりに再会するところから、話は始まる。7年前に2人と付き合っていた女ソナの話題で盛り上がり、2人してソナを訪ねる。2人が突然現われ、特別驚いた様子も見せず、ソナは2人を受け入れる。

この男2人はソナを巡る恋のライバルなんだろうか? 
というより、この3人を結ぶものは、恋愛、恋心なんだろうか?
男2人は真剣なんだか、いい加減なんだか。
男2人を受け入れるソナは、淡白なんだか、寛容なんだか。
3人の間に明確な駆け引きはないのに、女は男2人を翻弄する。
一体、ソナの気持ちはどうなっているの?

と、こんな感じで話が進む。確かにフランス映画風なアンニュイでファジーな男女関係。
エンディングが、あれれ、これで終わりなの・・・ 
一体この3人、どうなるの? いや、どうもならないか・・・

『女は男の未来だ』は、フランスの詩人ルイ・アラゴンの詩の一節だそうで、監督はこのフレーズが気になって、作品を書き上げたそうだ。仕込んだばかりのプチネタだが、未来は存在しない時間であるから、未来である女も、男の未来も存在しない、つまりこのフレーズは「無」を意味しているとか。
へぇぇ、そういわれるとあの3人の関係だって、「無」なのかもしれない・・・

ムノ役のユ・ジテは、『オールドボーイ』や『美しき野獣』とはまったく違った、ごくごく平凡な男を演じていて、そのギャップが面白い

ホンジュン役は、おっ、キム・テウ? 『JSA』では、Brian とともに韓国側の兵士役で出てたよね。彼も『JSA』とは、まったく雰囲気が違ったので、最初は分からなかった。
キム・テウ記者会見の模様はこちら(link to)。