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数学

数学全般

簡単そうな計算(数列編)

2011-08-04 16:59:33 | 高校の数学
<問題>
1 + 2 + 3 + 4 + 5 + 6 + 7 + 8 + 9 + 10 = ?

と問題が出されたら、どのように解きますか?

1番初めに思いつくのは、左から順番に計算するやり方ですね。
1 + 2 + 3 + 4 + 5 + 6 + 7 + 8 + 9 + 10
= 3 + 3 + 4 + 5 + 6 + 7 + 8 + 9 + 10
= 6 + 4 + 5 + 6 + 7 + 8 + 9 + 10
= 10 + 5 + 6 + 7 + 8 + 9 + 10
= 15 + 6 + 7 + 8 + 9 + 10
= 21 + 7 + 8 + 9 + 10
= 28 + 8 + 9 + 10
= 36 + 9 + 10
= 45 + 10
= 55

力技で、左から計算する方法はありますが、1 ~ 100 までのたし算までなら、何とかなりそうですが。
1 ~ 10000 までのたし算だと、お手上げの感じです。

ある工夫をすると、かけ算だけで求められます。
A = 1 + 2 + 3 + 4 + 5 + 6 + 7 + 8 + 9 + 10
A = 10 + 9 + 8 + 7 + 6 + 5 + 4 + 3 + 2 + 1
とおきます。

A + A = (1 + 10) + (2 + 9) + (3 + 8) + (4 + 7) + (5 + 6) + (6 + 5) + (7 + 4) + (8 + 3) + (9 + 2) + (10 + 1)
2A = 11 + 11 + 11 + 11 + 11 + 11 + 11 + 11 + 11 + 11
11 が 10個あるので
2A = 11 × 10

A = 11 × 10 ÷ 2 = 11 × 5 = 55
よって A = 55


1 ~ N までのたし算は、次のように求めることが出来ます。
X = 1 + 2 + ... + (N - 1) + N
X = N + (N - 1) + ... + 2 + 1

X + X = (1 + N) + (2 + (N - 1)) + ... + ((N - 1) + 2) + (N + 1)
2X = (N + 1) + (N + 1) + ... + (N + 1) + (N + 1)
(N + 1) が N個あるので
2X = (N + 1) × N

X = (N + 1) × N ÷ 2

例えば、1 ~ 100 までのたし算だと
1 + 2 + ... + 99 + 100 = 101 × 100 ÷ 2 = 101 × 55 = 5555
1 ~ 10000 までのたし算だと
1 + 2 + ... + 9999 + 10000 = 10001 × 10000 ÷ 2 = 10001 × 5000 = 50005000

これは、高校で学習する数列に書いてあることです。

6 ÷ 2(1 + 2) から数学的とは

2011-05-18 19:52:40 | 一般の数学
mixi でも、6 ÷ 2(1 + 2) の話題は、今でも続いています。

私は、参加をしていません。
主な理由は、次の通りです。
1.法律系の資格の勉強が忙しい。
2.議論する意味がない。
3.別の視点から見ているため。


6 ÷ 2(1 + 2) = 9 or 1

<論点1>
数学基礎論という分野があります。
その分野で見ると、記号が曖昧ではないか?

数学基礎論というのは、ゲーテルの不完全性定理を用いた時の理論です。


<論点2>
定義の仕方によるため。

数列{an} (n ∈ Z)を考える。
添え字を、i = n (mod 10) (i ∈ Z) として an = ai
つまり、
a23 = a3
a46 = a6

a0 = 0、a1 = 1、a2 = 2、a3 = 3
a4 = 4、a5 = 5、a6 = 6、a7 = 7
a8 = 8、a9 = 9
とおくと

(演算を次のように定義する)
am + an ≡ am + n + 3
am × an ≡ am + n + 5
am ÷ an ≡ am + n + 2

6 ÷ 2(1 + 2)
= a6 ÷ a2(a1 + a2)
= a6 ÷ a2 × (a1 + a2)
= a6 ÷ a2 × a1 + 2 + 3
= a6 ÷ a2 × a6
= a6 + 2 + 2 × a6
= a10 × a6
= a0 × a6
= a0 + 6 + 5
= a11
= a1
= 1

よって、6 ÷ 2(1 + 2) = 1


<論点3>
6 ÷ 2(1 + 2) = 1 ならば
6 ÷ 2(1 + 2) = 6 ÷ 2・3 = 6 ÷ 6 = 1
6 ÷ 2(1 + 2) = 6 ÷ (2 + 4) = 6 ÷ 6 = 1

つまり、() の優先が外側に影響していること。
本来は、() の内側を優先する。
() の外側を優先すると、何か矛盾があるか?


<論点4>
6 ÷ 2(1 + 2) を(単項式)÷(単項式)と考えています。
6、2 は単項式、(1 + 2) は多項式です。
だから、(単項式)÷(単項式)(多項式)と考えいます。
なぜ、(単項式)÷(単項式)が議論されているのかが分かりません。


<論点5>
数学的というのは、広い意味がある。


<まとめ>
実数体の公理で考えれば、6 ÷ 2(1 + 2) = 9
数学的には、6 ÷ 2(1 + 2) = 不定。
不定は2つの意味があります、数学基礎論で考えると記号があいまい。 論点2のように定義をすると、不定です。

6÷2(1+2)=

2011-05-03 19:05:52 | 一般の数学
mixi で取り上げられています。

6÷2(1+2)= 9 or 1 のどちらなのか?


<私の説明は>
これは、簡単だけど面白い問いです。

A ÷ B(C + D) = A ÷ B × (C + D) は明らかです。
6 ÷ 2(1 + 2) = 6 ÷ 2 × (1 + 2) = 6 ÷ 2 × 3 = 3 × 3 = 9
が正しいです。

感覚的に面白いのは、
Z = C + D とおくと、式の意味が分からなくなるところです。

① A ÷ BZ = A ÷ (BZ) = A / (BZ)
② A ÷ BZ = A ÷ B × Z

とくに、B(= 2) が数字だとさらに意味が分からない。
③ A ÷ 2Z = A ÷ (2Z) = A / (2Z)
④ A ÷ 2Z = A ÷ 2 × Z

例えば、「A、Z」⇒「a、z」を小文字にして、「b、2」と比較すると
a ÷ bz = a ÷ b × z
a ÷ 2z = a / (2z)

実は、「÷」の後の「数、変数、式」をどうのように捉えるかが問題です。
a ÷ 2z = a ÷ 2 × z = az / 2
a ÷ (2z) = a / (2z)
明らかに、a ÷ 2z ≠ a ÷ (2z)
だから、①、③は間違いです。

z が単項式の場合は 2z を (2z) として扱って良いのであって、z = 1 + 2 の場合は多項式なので扱えないです。
つまり単項式(= z)では
z が単項式の場合である:a ÷ 2z = a ÷ (2z) = a / (2z)
z が単項式の場合でない:a ÷ 2z = a ÷ 2 × z = az / 2


この問題は、証明とか、計算の順番とか、定義とか、解釈とかではなく。
掛け算の×の省略ととらえると、式の意味が分からなくなり。
生徒に質問されると、教師も分かりやすく答えられないので、教師も考え込んでしまうことです。

結果を「1」にしたいのであれば、
6 ÷ 2(1 + 2) ⇒ 6 ÷ {2(1 + 2)} または 6 ÷ 2 ÷ (1 + 2) と書かないといけないです。

この式は議論する余地はないけど、改めて計算方法を見直すには、面白い問いです。



※補足
計算機の場合は、×、÷の記号を(コンパイラが)解析します。
この式は、「×」がないので、2(1 + 2) を1つの固まりで処理するため、「1」になります。

計算機の場合は
「×」がある場合は、6 ÷ 2 × (1 + 2) = 6 ÷ 2 × 3 = 3 × 3 = 9
「×」がない場合は、6 ÷ 2(1 + 2) = 6 ÷ (2 × 3) = 6 ÷ 6 = 1 (∵ 6 ÷ (2z))

台湾のYouTubeもありますが、これは、コンパイラの解析(記号の解析)に問題があるからです。
計算機のコンパイラは、「×、÷」の文字があるないかで判断して、それから計算法則に当てはめて計算します。


あなたなら、9 ですか 1 ですか?
9 は多数派、1 は小数派だそうです。

内積について

2011-05-03 18:53:58 | 高校の数学
mixi の話題になっていること。
ベクトルの内積について
そこで、高校生に内積を教えるならどう教えるかみなさんの意見を聞かせてください!

<私の意見>
a = (p, q)、b = (s, t)、ab のなす角をθとすると

ab ≡ ps + qt と定義する。
aa = p2 + q2 = |a|2 より aa = |a|2
ab = ps + qt = sp + tq = ba より ab = ba が成り立つ。

c = b - a と置くと
c = (s - p, t - q) より
cc = |c|2 = (s - p)2 + (t - q)2 = (s2 - 2sp + p2) + (t2 - 2tq + q2)
= (s2 + t2) - 2(sp + tq) + (p2 + q2) = |b|2 - 2ba + |a|2
= |a|2 - 2ab + |b|2 (∵ ab = ba
よって |c|2 = |b - a|2 = |a|2 - 2ab + |b|2 が成り立つ。

余弦定理より
|b - a|2 = |a|2 + |b|2 - 2|a||b|・cosθ
⇔ |b|2 - 2ab + |a|2 = |a|2 + |b|2 - 2|a||b|・cosθ
ab = |a||b|cosθ
よって、ab = ps + qt = |a||b|cosθ

あなたなら、どのように教えますか?

三角比の問題について

2011-04-22 13:55:11 | 高校の数学
スカイプの方より、次の問題が解けないので、教えて欲しいとありました。

<問題>
三角形ABCにおいて、BC=2、∠B=60、∠C=45 の時、外接円の半径を求めよ。 (範囲は数学Ⅰ・Aのみ)
※角度のX°の「°」は省略します。


<疑問>
∠A = 180-(60+45) = 75
∠A = 75 なので、これは数学Ⅰの範囲で解けるのか?

結論を言えば、やや技巧的だが、数学Ⅰの範囲で解けます。
しかし、数学Ⅱの範囲で解いた方が分かりやすいです。


===== 公式の確認 =====
(数学Ⅰ)
正弦定理 2R = a/sinA = b/sinB = c/sinC
余弦定理 a2 = b2 + c2 - 2bc・cosA

(数学Ⅱ)
加法定理 sin(A + B) = sinA・cosB + cosA・sinB
※覚え方:「咲いたコスモス、コスモス咲いた」と覚える


<数学Ⅱの解法>
sin75
= sin(30 + 45) = sin30・cos45 + cos30・sin45 (加法定理より)
= (√3/2)・(√2/2) + (1/2)・(√2/2)
= (√6 + √2)/4

正弦定理より
2R = 2/sin75 = 2/{(√6 + √2)/4} = 8/(√6 + √2)
R = 4/(√6 + √2) = 4(√6 - √2)/(6 - 2) = √6 - √2 ...Ans
※分母の有理化をしました。


数学Ⅰの範囲だと、2つの解き方があります。
<数学Ⅰの解法パターン1>
ポイント:余弦定理を用いる方法

正弦定理より
2R = 2/sinA = AC/sin60 = AB/sin45
AC/sin60 = AB/sin45
⇔ AB/AC = sin45/sin60
⇔ AB : AC = sin45 : sin60
⇔ AB : AC = √2/2 : √3/2
⇔ AB : AC = √2 : √3
AB = √2t、AC = √3t と置くと

余弦定理より
AC2 = AB2 + BC2 - 2・AB・BC・cosB
(√3t)2 = (√2t)2 + 22 - 2・(√2t)・2・cos60
⇔ 3t2 = 2t2 + 4 - 2√2t
⇔ t2 + 2√2t - 4 = 0
⇔ t = -√2 ± √(2 - (-4)) = -√2 ± √6 (係数が偶数の時の、2次方程式の解の公式より)
0 < t より t = -√2 + √6 = √6 - √2

===== 2次方程式の解の公式(1次の係数が偶数の場合) =====
ax2 + 2bx + c = 0
⇔ x = {-b ± √(b2 - ac)}/a

正弦定理より
2R = AC/sin60 ⇔ 2R = √3・(√6 - √2)/(√3/2) = 2(√6 - √2)
R = √6 - √2 ... Ans

<数学Ⅰの解法パターン2>
ポイント:補助線(AD)

点A から辺BCへ垂線Dを引くと
∠BAD = 30、∠CAD = 45

AD = h とおくと
BD : AD = 1 : √3 ⇔ BD : h = 1 : √3 ⇔ BD = h/√3 = √3h/3
CD : AD = 1 : 1 より CD = h

BD + CD = 2 より
√3h/3 + h = 2
⇔ (√3/3 + 1)h = 2
⇔ h = 2/(√3/3 + 1) = 6/(√3 + 3) = 6(3 - √3)/(9 - 3) = 3 - √3

AD : AC = h : √2h より
AC = √2h = √2(3 - √3) = 3√2 - √6

正弦定理より
2R = AC/sinB = AC/sin60 = (3√2 - √6)/(√3/2) = 2(3√2 - √6)/√3
R = (3√2 - √6)/√3 = (3√6 - 3√2)/3 = √6 - √2 ... Ans


<まとめ>
数学Ⅱの範囲の加法定理より解くと分かりやすい。
数学Ⅰの範囲で解くと、「余弦定理」と「補助線」よりやや技巧的に解けることが分かりました。

大学受験の理系の方は、数学Ⅱの範囲で解けるので、数学Ⅰの範囲で解く必要はないです。
大学受験の文系の方ならば、数学Ⅰの範囲で解く方法を知らないと困る問題です。

よって、学習する範囲によって、解き方が異なる問題です。


<ちょっと解説>
数学が得意で、ごく一部の方ならば、ひらめいて解ける問題です。(20人に1人ぐらいだろうか)
この問題は、問題集の類題を解いてから、本番に向かわないと解けない問題です。
問題を見て、どんな問題でもひらめいて解けるのが理想的ですが、類題を解いて問題パターンを理解する学習が求められる。

原子力の本

2011-03-20 18:18:44 | その他
数学が好きな私ですが、大学受験の時は、物理の勉強をしていました。
物理の数式は好きだけど、暗記の部分が苦手です。

福島の原子力(放射能)のことが気になって、自宅にある本を探してみました。

次のブルーバックの「プルトニウム(超ウラン元素の正体)」 がありました。
少しづつだけど、読んでみたいと思います。

高校の物理の参考書を読むと、「電流と電子」の「電子と原子」の原子核の崩壊(α線、β線、γ線)があるのを思い出しました。

原子力(放射能)は、数学、物理、化学、医学、政治などが複雑に絡んでいるので、難しいと感じました。

元素92:U(ウラン)
元素94:Pu(プルトニウム)

===== 2011/03/31 PM3:25 追記 =====
原子炉・放射能の基礎知識

京大の文系数学について

2011-03-06 14:11:01 | 大学受験
京大の入試問題が、Yahooの掲示板に投稿されて、予備校生が逮捕されました。
カンニングは悪い事です。

私は、家庭教師として、指導する立場として、考えさせられる事がありました。
高校生に、どのように数学を教えればよいのか?

私の場合は、文系の方、理系の方と、指導の方法は違うという認識を持っています。
さらには、理系の方でも、数学科と数学科以外の方でも、指導の方法は違うという認識を持っています。



さて、京大の第3問、第4問の問題を解説したいと思います。
※数学Ⅱが学習済みを前提に説明をしています。

難しい式は、置いておいて、大まかな問題の流れを知りたい方は次のタイトルの
<(一般の方向け)問題の大まかな流れ>
から読んでください。


<第3問>
実数 a が変化するとき、3次関数 y = x3 - 4x2 + 6x と直線 y = x + a のグラフの交点の個数はどのように変化するか、a の値によって分類せよ。

<解説>
x (x の関数) と a を分けるように考えるのが一般的です。
x3 - 4x2 + 6x = x + a
⇔ x3 - 4x2 + 5x = a

※文字定数a と、x の関数を分けることが出来た。

※初めの式を変形して、変形後の式でも、求める交点の個数が同じこと
初めの式は、y = x3 - 4x2 + 6x と y = x + a
変形後の式は、y = x3 - 4x2 + 5x と y = a


f(x) = x3 - 4x2 + 5x とおくと
y = f(x) と y = a の交点の個数を求めることと、同じである。

y = f(x) のグラフより
f(x) = x3 - 4x2 + 5x

<微分の公式>
y = xn ⇒ y' = n・xn - 1 (n は自然数)
y = a・xn ⇒ y' = an・xn - 1 (n は自然数)

<因数分解の公式>
acx2 + (ad + bc)x + bd = (ax + b)(cx + d)
組み立て除法を使う。

f'(x) = 3x2 - 8x + 5 = (x - 1)(3x - 5)
f'(x) = 0 ⇔ x = 1, 5/3

<増減表の書き方>
増減表は、y = f(x), y' = f'(x) よりグラフが書けるようにすること

増減表は、(ブログなので、ちょっと特殊な書き方をします)
f(x) | ↑ f(1) ↓ f(5/3) ↑ より

f(x) = x3 - 4x2 + 5x
f(1) = 1 - 4 + 5 = 2 ∴ f(1) = 2

3x2 - 8x + 5 = 0 ⇔ x2 = (8/3)・x - 5/3

f(x) = x・((8/3)x - 5/3) - 4((8/3)x - 5/3) + 5x
= (8/3)x2 - (5/3)x - (32/3)x + 20/3 + (15/3)x
= (8/3)((8/3)x - 5/3) - (22/3)x + 20/3
= (64/9)x - 40/9 - (66/9)x + 60/9
=-(2/9)x + 20/9
※次数下げと言われる方法です。 これだと、計算ミスが少ないです。

f(5/3) = -(2/9)・(5/3) + 20/9 = -10/27 + 60/27 = 50/27 ∴f(5/3) = 50/27

よって、増減表は
f(x) | ↑ 2 ↓ 50/27 ↑ より

1個 (a < 50/27 または 2 < a)
2個 (a = 50/27 または a = 2)
3個 (50/27 < a < 2)
..... Ans

<第3問のまとめ>
1)初めの式を変形して、変形後の式でも、求める交点の個数が同じこと
2)微分の公式
3)因数分解の公式
4)増減表が書けること
5)増減表より y = a の個数が分かること
以上の5点が問題を解くための必要な知識になります。



<第4問>
xy 平面上で、連立不等式
x ≦ |2| ・・・①
y ≧ x ・・・②
y ≦ |(3/4)x2 - 3| - 2 ・・・③
を満たす領域の面積を求めよ。

<解答>
<絶対値について>
絶対値は、数の大きさを表す
0 ≦ a のとき、x ≦ |a| ⇔ -a ≦ x ≦ a

①より
x ≦ 2 ⇔ -2 ≦ x ≦ 2


③より
y = |(3/4)x2 - 3| - 2 を考える。

<絶対値の関数について>
|f(x)| とは
f(x) ≧ 0 のときの x の範囲(範囲①) ⇔ y = f(x):①の範囲
f(x) < 0 のときの x の負の範囲(範囲②) ⇔ y = -f(x):②の範囲

(3/4)x2 - 3 = 0 を解くと
⇔ (3/4)x2 = 3
⇔ x2 = 4
⇔ x = -2, 2

() (3/4)x2 - 3 ≧ 0 ⇔ x ≦ -2 かつ 2 ≦ x
() (3/4)x2 - 3 < 0 ⇔ -2 < x < 2

よって
() x ≦ -2 かつ 2 ≦ x のとき
y = |(3/4)x2 - 3| - 2
y = (3/4)x2 - 3 - 2
y = (3/4)x2 - 5

() -2 < x < 2 のとき
y = |(3/4)x2 - 3| - 2
y = -((3/4)x2 - 3) - 2
y = -(3/4)x2 + 1

①、②、()、()より、グラフは次のようになります。



<因数分解の公式>
acx2 + (ad + bc)x + bd = (ax + b)(cx + d)
組み立て除法を使う。


②と() の交点は、
x = -(3/4)x2 + 1
⇔ (3/4)x2 + x - 1 = 0
⇔ 3x2 - 4x + 4 = 0
⇔ (x + 2)(3x - 2) = 0
⇔ x = -2, 2/3

<2次方程式の解と係数の関係>
ax2 + bx + c = 0 の解を、α、β(α≦β)とおくと ※数学Ⅱなので、α、βは実数として、不等式を書いています。
ax2 + bx + c = a(x - α)(x - β) と書ける
α + β = -b/a, α・β = c/a が成り立つ

<2次関数と直線の交点の関係>
y = ax2 + bx + c と y = mx + n の交点を、α、β(α≦β)とおくと
ax2 + bx + c = mx + n ⇔ ax2 + (b - m)x + (c - n) = 0 ⇔ a(x - α)(x - β)
上記の2次方程式の解と係数の関係より、解と交点が同じことを意味します。


<積分の定積分の公式>
∫ [β → α] a(x - α)(x - β)dx = |a|(α - β)3/6

次の積分の公式は、使わないが基礎知識として必要
∫ xndx = xn + 1/(n + 1) + C (n ≠ -1、C は積分定数)


求める領域を、面積 S とすると
S = ∫ [-2 → 2/3] {-(3/4)x2 + 1}dx - ∫ [-2 → 2/3] xdx
= ∫ [-2 → 2/3] {-(3/4)x2 -x + 1}dx

※解と係数の関係より
= ∫ [-2 → 2/3] {-(3/4)(x + 2)(x - 2/3)}dx

※積分の定積分の公式より
= |-3/4|(2/3 - (-2))3/6
= (3/4)・(8/3)3/6
= 64/27 ..... Ans


<第4問のまとめ>
1)絶対値についての理解
2)絶対値の関数についての理解
3)解と係数の関係について
4)積分の定積分の公式
以上の4点が問題を解くための必要な知識になります。



<(一般の方向け)問題の大まかな流れ>
とりあえず、難しい式はありますが、大まかな流れを説明したいと思います。

<第3問>
実数 a が変化するとき、3次関数 y = x3 - 4x2 + 6x と直線 y = x + a のグラフの交点の個数はどのように変化するか、a の値によって分類せよ。

(第3問の説明)
第3問は、2つのグラフから、変数a によって、交わる個数が異なるので、変数a は、どんな時に、交わる個数が異なるのか?
その時の変数a の条件を求めてくださいという問題です。

(解説)
まずは、式変形をします。
y = x3 - 4x2 + 6x と y = x + a

y = x3 - 4x2 + 5x と y = a

y = x3 - 4x2 + 5x のグラフの性質を微分法で調べます。
調べた結果が、増減表より分かります。
次の1)⇒2)⇒3)の順番です。

1)微分法
f(x) = x3 - 4x2 + 5x
f'(x) = 3x2 - 8x + 5
f'(x) よりグラフの凹凸が分かります。

グラフの凹凸より増減表が書けます。
2)増減表
f(1) = 2
f(5/3) = 50/27 より

f(x) | ↑ f(1) ↓ f(5/3) ↑ より
f(x) | ↑ 2 ↓ 50/27 ↑ より

1)、2)のグラフの性質より
3)増減表より個数が分かります。
a が1個、2個、3個と分かれることが分かります。


<第4問>
xy 平面上で、連立不等式
x ≦ |2| ・・・①
y ≧ x ・・・②
y ≦ |(3/4)x2 - 3| - 2 ・・・③
を満たす領域の面積を求めよ。

(第4問の説明)
不等式で表現することによって、領域がある面積になります。
その時の面積を求めます。

(解説)
絶対値の理解が必要ですが、次のグラフになります。


x = -2 ⇒ x = 2/3 の範囲の2つのグラフ、y = -(3/4)x2 + 1 と y = x の間にある領域の面積を求めます。
グラフの面積の領域を求める場合に、積分の定積分の公式を使います。
S = ∫ [-2 → 2/3] {-(3/4)x2 + 1}dx - ∫ [-2 → 2/3] xdx
S = 64/27

不等式から、ある領域が分かります。
グラフで領域を表すので、その領域の面積を、積分で求めます。



さて、京大の文系数学を「普通の解説」と「一般向けの解説」をしました。
このような数学が、社会ではどんなことに役に立つのかが分かりませんね。
社会に役に立たないなら、勉強をしない方がいいと思います。
実際に、文系の方ならば、高校で数学を学習したら、社会人になって使う機会は、ほとんどないと思います。

科学の発展している分野からすると、文系の数学は、基礎の基礎の程度しかありません。
重力の落下の速度を求める場合には、微分法の理論が必要になります。
ケプラーの法則(第2法則)のときに、太陽と惑星の関係を調べるとき、惑星の速度と、移動した時の面積が等しいという関係が成立します。
この時の面積を求める時に、積分を使います。

すごく、平たくにいうと、ロケットを打ち上げるのに、微分法、積分法の数学を使うということになります。
最近は、GPS の機能を色々な場面で目にすることがありますが、科学の発展に役に立っています。
GPS の衛星などを打ち上げるまでの理論では、微分法、積分法の理論が見えない部分で使われていると思います。

なので、文系数学のすごい発展の理論が、現在の科学の発展の一部だと考えれば、良いと思います。

センター入試の解説

2011-01-24 00:00:00 | 大学受験
センター入試の数学の解説です。

数学Ⅰ・A
第1問(数式・集合と論理)
第2問(2次関数)
第3問(三角比・平面図形)

数学Ⅱ・B
第1問(三角関数と指数・対数関数)
第2問(微分法・積分法)
第3問(数列)
第4問(空間ベクトル)

センター入試(数学Ⅱ・B)の解説(第4問)

2011-01-23 00:00:00 | 大学受験
<第4問>
四角錐OABCD において、三角形OBC と 三角形OAD は合同で、OB = 1、BC = 2、OC = √3 であり。
底面の四角形ABCD は長方形である。
AB = 2r とおき、OA = aOB = bOC = cとおく。

<条件より>
△OBC ≡ △OAD より
OA = OB = 1
OC = OD = √3

長方形ABCDより
AD = BC = 2
AB = CD = 2r

OD を、abc を用いて表すと
OD = OB + BD
OD = OB + BA + BC
OD = OB + (OA - OB) + (OC - OB)
OD = OA - OB + OC
OD = a - b + c ・・・(ア・イ)
である。

OD を 1 : 2 に内分する点をL とすると
OL = OD/3 = a/3 - b/3 + c/3

AL = OL - OA
AL = (a/3 - b/3 + c/3) - a
AL = -2a/3 - b/3 + c/3 ・・・(ウ・エ・オ・カ)
となる。


さらに辺OB の中点をM、3点A、L、M の定める平面をαとし、平面α と辺OC との交点を N とする。
OM = b/2

点N は平面α上にあることから、AN は実数s、t を用いてAN = sAL + tAM と表されるので、
AN = sAL + tAM
⇔ (ON - OA) = s(OL - OA) + t(OM - OA)
ON = OA + sOL - sOA + tOM - tOA
ON = a + s(a/3 - b/3 + c/3) - sa + tb/2 - ta
ON = (1 - 2s/3 - t)a + (-s/3 + t/2)b + sc/3 ・・・(キ・ク・ケ・コ・サ・シ)
となる。

一方、点N は辺OC 上にある。
これらから、ON = (1 - 2s/3 - t)a + (-s/3 + t/2)b + sc/3 
1 - 2s/3 - t = 0 ⇔ 3 - 2s - 3t = 0 ・・・①
-s/3 + t/2 ⇔ -2s + 3t = 0 ・・・②
① + ② より
3 - 4s = 0 ⇔ s = 3/4
より
ON = (3/4)・(c/3) = c/4 = (1/4)c ・・・(ス・セ)
となる。

また、
|AB|2 = (2r)2
⇔ |OB - OA|2 = 4r2
⇔ |OB|2 - 2OBOA + |OA|2 = 4r2
⇔ 1 - 2ab + 1 = 4r2
⇔ 2ab = 2 - 4r2
ab = 1 - 2r2 ・・・(ソ・タ)

|BC|2 = 22
⇔ |OC - OB|2 = 4
⇔ |OC|2 - 2OCOB + |OB|2 = 4
⇔ 3 - 2bc + 1 = 4
⇔ 2ab = 0
ab = 0 ・・・(チ)

|CA|2 = (√((2r)2 + 22)2
⇔ |OA - OC|2 = 4r2 + 4
⇔ |OA|2 - 2OAOC + |OC|2 = 4r2 + 4
⇔ 1 - 2ac + 3 = 4r2 + 4
⇔ 2ab = -4r2
ab = -2r2 ・・・(ツ・テ)
である。

よって、AMMNを計算すると
AMMN = (OM - OA)・(ON - OM)
AMMN = (b/2 - a)・(c/4 - b/2)
AMMN = (1/8)・(b - 2a)・(c - 2b)
AMMN = (1/8)・(bc - 2|b|2 - 2ac - 4ab)
AMMN = (1/8)・(0 - 2 + 4r2 + (4 - 8r2))
AMMN = (1/8)・(2 - 4r2)

AMMN = 0 より
2 - 4r2 = 0 ⇔ r2 = 1/2
r > 0 より r = 1/(√2)
AB = 2r = 2/(√2) = √2 ・・・(ト)
のとき、直線AM と直線MN は垂直になることがわかる。

センター入試(数学Ⅱ・B)の解説(第3問)

2011-01-22 00:00:00 | 大学受験
<第3問>
数直線上で点P に実数a が対応しているとき、a を点P の座標といい、座標が a である点P を P(a) で表す。

数直線上に点P1(1)、P2(2) をとる。
線分P1P2を 3:1 に内分する点を P3とする。
一般に、自然数n に対して、線分PnPn + 1 を 3:1 に内分する点を Pn + 2とする。
点Pn の座標を xn とする。

x1 = 1、x2 = 2 であり、
x3 = (1・x1 + 3・x2)/(3 + 1) = (1 + 6)/4 = 7/4 ・・・(ア・イ)
である。

数列{xn} の一般項を求めるために、この数列の階差数列を考えよう。
自然数n に対して、
yn = xn + 1 - xn
とする。

y1 = x2 - x1 = 2 - 1 = 1 ・・・(ウ)

線分PnPn + 1 を 3:1 に内分する点を Pn + 2より
xn + 2 = (1・xn + 3・xn + 1)/(3 + 1)
⇔ 4xn + 2 = xn + 3xn + 1
両辺に -4xn + 1 を足すと
⇔ 4xn + 2 - 4xn + 1 = - xn + 1 + xn
⇔ 4(xn + 2 - xn + 1) = -(xn + 1 + xn)
yn = xn + 1 - xn より
⇔ 4yn + 1 = -yn
⇔ yn + 1 = (-1/4)・yn ・・・(エ・オ・カ)
(n = 1、2、3、・・・)

したがって、yn = arn - 1 = 1・(-1/4)n - 1 = (-1/4)n - 1 ・・・(0)(キ)
(n = 1、2、3、・・・)

yn = xn + 1 - xn より

y1 + y2 +..... + yn - 2 + yn - 1 =
(x2 - x1) + (x3 - x2) + ..... + (xn - 1 - xn - 3) + (xn - xn - 1)
⇔ y1 +..... + yn - 1 = xn - x1
⇔ xn = x1 + (y1 +..... + yn - 1)
⇔ xn = x1 + (a + ar + ..... + arn - 3 + arn - 2)
⇔ xn = x1 + a(1 - rn - 1)/(1 - r)
⇔ xn = 1 + 1・(1 - (-1/4)n - 1)/(1 - (-1/4))
⇔ xn = 1 + (1 - (-1/4)n - 1)・(4/5)
⇔ xn = 9/5 -(4/5)・(-1/4)n - 1 ・・・(ク・ケ・コ・(0) サ)
(n = 1、2、3、・・・)


次に、自然数n に対してSn = Σ [k:1 → n] k|yn| を求めよう。
r = |-1/4| = 1/4
とおくと

|yn| = |(-1/4)n - 1| = (1/4)n - 1 = rn - 1


Sn = 1・|y1| + 2・|y2| + ..... + (n - 1)・|yn - 1| + n・|yn|
Sn = 1 + 2r + ..... + (n - 1)rn - 2 + nrn - 1
rSn = r + 2r2 + ..... + (n - 1)rn - 1 + nrn

よって、
Sn - rSn = 1 + r + ..... + rn - 1 - nrn
Sn - rSn = Σ [k:1 → n] rn - 1 - nrn ・・・(シ・ス)
であり、したがって
(1 - r)Sn = (1 - rn)/(1 - r) - nrn
Sn = (1 - rn)/(1 - r)2 - nrn/(1 - r)

r = 1/4 より
Sn = (1 - (1/4)n)/(1 - (1/4))2 - n(1/4)n/(1 - (1/4))
Sn = (1 - (1/4)n)/(3/4)2 - n(1/4)n/(3/4)
Sn = (16/4)・(1 - (1/4)n) - (n/3)・(1/4)n - 1 ・・・(セ・ソ・タ・チ・ツ・テ・ト・ナ)

センター入試(数学Ⅱ・B)の解説(第2問)

2011-01-21 00:00:00 | 大学受験
<第2問>
座標平面上で、放物線 y = x2 をC とする。
曲線C 上の点P の x座標を a とする。
点P におけるC の接線l の方程式は、
y = x2 より
y' = 2x

===== 公式 =====
y = xn
y' = nxn - 1
===== 公式 =====

===== 公式 =====
y = f(x) より y' = f'(x)
点(a, f(a)) の接線の方程式は
y - f(a) = f'(a)(x - a)
===== 公式 =====

y - a2 = 2a(x - a)
y = 2ax - a2 ・・・(ア・イ・ウ)
である。

a ≠ 0 のとき直線l がx 軸と交わる点をQ とすると、Q の座標は、
y = 0 より
2ax - a2 = 0 ⇔ 2ax = a2 ⇔ x = a/2 (∵a ≠ 0)
Q(a/2, 0) ・・・(エ・オ・カ)
である。

a > 0 のとき、曲線C と直線l および x軸で囲まれた図形の面積をS とすると

===== 公式 =====
∫xndx = xn + 1/(n + 1) (ただし n ≠ -1)
n = -1 は数学Ⅲ・Cの公式なので、割愛します。
===== 公式 =====

S = ∫ [0 → a] x2dx - ∫ [a/2 → a] (2ax - a2)dx
= [x3/3] [0 → a] - [ax2 - a2x] [a/2 → a]
= (a3/3) - ((a3 - a3) - (a3/4 - a3/2))
= a3/3 - a3/4
= a3/12 ・・・(キ・ク・ケ)
である。

a < 2 のとき、曲線C と直線l および直線x = 2 で囲まれた図形の面積をT とすると

T = ∫ [a → 2] x2dx - ∫ [a → 2] (2ax - a2)dx
= ∫ [a → 2] (x2 - 2ax + a2)dx
= ∫ [a → 2] (x - a)2dx
= [(x - a)3/3] [a → 2]
= (2 - a)3/3 ・・・①
= (8 - 12a + 6a2 - a3)/3
= -a3/3 + 2a2 - 4a + 8/3 ・・・(コ・サ・シ・ス・セ)

a = 0 のときはS = 0、a = 2 のときはT = 0であるとして、
0 ≦ a ≦ 2 に対して U = S + T とおくと。

U(a) = S(a) + T(a) より
U(a) = a3/12 + (-a3/3 + 2a2 - 4a + 8/3)
U(a) = -a3/4 + 2a2 - 4a + 8/3
U'(a) = -3a2/4 + 4a - 4  (a で微分)
U'(a) = 0 より
-3a2/4 + 4a - 4 = 0 ⇔ 3a2 - 16a + 16 = 0 ⇔ (a - 4)(3a - 4) = 0 ⇔ a = 4, 4/3

増減表より
a : 0 (-) 3/4 (+) 2 (+) 4 (-)

①より
U(a) = a3/12 + (2 - a)3/3

最大値は、a = 0、a = 2 のどちらか。
(i) a = 0 のとき
U(0) = 23/3 = 8/3
(ii) a = 2 のとき
U(2) = 23/12 = 8/12 = 2/3
よって、U(0) > U(2)

最小値は、a = 4/3 より
U(4/3) = (4/3)3/12 + (2 - 4/3)3/3
= 64/(27・12) + (2/3)3/3
= 64/(27・12) + 8/(27・3)
= (64/4 + 8)/(27・3)
= (16 + 8)/(27・3)
= (24)/(27・3)
= 8/27

最大値 a = 0 のとき U(0) = 23/3 = 8/3
最小値 a = 4/3 のとき U(4/3) 8/27

センター入試(数学Ⅱ・B)の解説(第1問)

2011-01-20 00:00:00 | 大学受験
<第1問>
[1] -π/2 ≦ θ ≦ 0 のとき、関数
y = cos2θ + √3sin2θ - 2√3cosθ - 2sinθ
の最小値を求めよう。

t = sinθ + √3cosθ とおくと
t2 = (sinθ + √3cosθ)2
t2 = sin2θ + 2√3sinθcosθ + 3cos2θ
sin2θ + cos2θ = 1 より
t2 = 2cos2θ + 2√3sinθcosθ + 1 ・・・(ア・イ・ウ・エ)
であるから、

2倍角の公式より
sin2θ = 2sinθcosθ
cos2θ = cos2θ - sin2θ = 2cos2θ - 1

よって、
2sinθcosθ = sin2θ
2cos2θ = cos2θ + 1
より
t2 = (cos2θ + 1) + √3(sin2θ) + 1
t2 = cos2θ + √3sin2θ + 2
より
y = cos2θ + √3sin2θ - 2√3cosθ - 2sinθ
y = (cos2θ + √3sin2θ) - 2(√3cosθ + sinθ)
y = (t2 - 2) - 2t
y = t2 - 2t - 2 ・・・(オ・カ)

また、合成関数の公式より
t = sinθ + √3cosθ = √(12 + (√3)2)sin(θ + π/3)
t = 2sin(θ + π/3) ・・・(キ・ク)
である。

θ + π/3 のとり得る値の範囲は、-π/2 ≦ θ ≦ 0 より
-π/2 + π/3 ≦ θ + π/3 ≦ π/3 ⇔ -π/6 ≦ θ + π/3 ≦ π/3 ・・・(ケ)

であるから、t のとり得る値の範囲は、
2sin(-π/6) ≦ t ≦ 2sin(π/3) ⇔ 2・(-1/2) ≦ t ≦ 2・(√3/2) ⇔ -1 ≦ t ≦ √3 ・・・(コ・サ・シ)

したがって、
y = t2 - 2t - 2 = t2 - 2t + 1 - 1 - 2
y = (t - 1)2 - 3
-1 ≦ t ≦ √3 より t = 1 ・・・(ス)

すなわち
t = 2sin(θ + π/3) より
2sin(θ + π/3) = 1 ⇔ sin(θ + π/3) = 1/2 ⇔ θ + π/3 = π/6 ⇔ θ = -π/6 ・・・(セ)

t = 1 のとき y = -3 より最小値 -3 ・・・(ソ・タ)
をとる。


[2] 自然数 x で、条件
12(log2√x)2 - 7log4x - 10 > 0 ・・・①
x + log3x < 14 ・・・②
を満たすものを求めよう。

まず、x を正の実数として、条件①を考える。
①は X = log2x とおくと
①より
12(log2√x)2 - 7log4x - 10 > 0
⇔ 12((1/2)・log2x)2 - 7・(log2x/log24) - 10 > 0
⇔ 3(log2x)2 - 7/2・log2x - 10 > 0
⇔ 3X2 - 7X/2 - 10 > 0
⇔ 6X2 - 7X - 20 > 0 ・・・(チ・ツ・テ)
となる。

この不等式を解くと
⇔ (3X + 4)(2X - 5) > 0
⇔ X < -4/3, 5/2 < X ・・・(ト・ナ・ニ・ヌ)
となる。
したがって、条件①を満たす最小の自然数x は、6 (ネ)であり、6 以上のすべての自然数 x は①を満たす。

次の、条件②について考えると、
x + log3x < 14
⇔ xlog33 + log3x < 14log33
⇔ log33x + log3x < log3314
⇔ log3(3x・x) < log3314
⇔ 3x・x < 314
⇔ x < 314 - x

x = 9(= 32) の時、9 < 35(= 243) 不等号が成り立つ
x = 27(= 33) の時、9 < 3-13 不等号が成り立たない

x = 10 の時、10 < 34(= 81) 不等号が成り立つ
x = 11 の時、11 < 33(= 27) 不等号が成り立つ
x = 12 の時、12 < 32(= 9) 不等号が成り立たない

②を満たす最大の自然数 x は、11(ノ・ハ)であり、11 以下のすべての自然数 x は②を満たす。

したがって、求める x は 6以上 11以下の自然数である。

センター入試(数学Ⅰ・A)の解説(第3問)

2011-01-19 00:00:00 | 大学受験
<第3問>
点O を中心とする円O の円周上に4点A、B、C、D がこの順にある。
四角形ABCD の辺の長さは、それぞれ、
 AB = √7、BC = 2√7、CD = √3、DA = 2√3
であるとする。

(1) ∠ABC = θ、AC = x とおくと、△ABC に着目して
余弦定理
※正確には第2余弦定理 数学Ⅰ・Aでは第1余弦定理は学習しない
x2 = AB2 + BC2 - 2・AB・BC・cosθ
x2 = (√7)2 + (2√7)2 - 2・(√7)・(2√7)・cosθ
x2 = 7 + 28 - 28cosθ
x2 = 35 - 28cosθ ・・・(ア・イ)
となる。
また、△ACD に着目して
∠ABC + ∠ADC = 180°より ∠ADC = 180°- θ
x2 = CD2 + DA2 - 2・CD・DA・cos(180°-θ)
cos(180°-θ) = -cosθより
x2 = (√3)2 + (2√3)2 + 2・(√3)・(2√3)・cosθ
x2 = 3 + 12 + 12cosθ
x2 = 15 + 12cosθ ・・・(ウ・エ)
となる。

よって、
35 - 28cosθ = 15 + 12cosθ ⇔ 40cosθ = 20 ⇔ cosθ = 1/2 ・・・(オ・カ)
x2 = 35 - 28cosθ = 35 - 14 = 21
x > 0 より、x = √21 ・・・(キ・ク)
であり、円O の半径は、正弦定理より
x / (sinθ) = 2R
sin2θ + cos2θ = 1 より
sin2θ = 1 - cos2θ ⇔ sin2θ = 1 - (1/2)2 = 3/4
sinθ > 0 より、sinθ = √3/2
よって、
2R = x / (sinθ) = √21 / (√3/2) = 2√7 ⇔ R = √7 ・・・(ケ)
である。

また、四角形ABCD の面積Sは、
S = (1/2)・AB・BC・sinθ + (1/2)・DC・DA・sin(180°-θ)
sin(180°-θ) = sinθより
= (1/2)・(√7)・(2√7)・sinθ + (1/2)・(√3)・(2√3)・sinθ
= 7・(√3/2) + 3・(√3/2)
= 10・(√3/2)
= 5√3 ・・・(コ・サ)

(2) 点A における円O の接線と点D における円O の接線の交点をE とすると、∠OAE = 90°(シ・ス)である。
また、線分OE と辺AD の交点を F とすると、∠AFE = 90°(セ・ソ)であり、
 △OAE ∽ △OFA より
 OE : OA = OA : OF ⇔ OE : √7 = √7 : OF ⇔ OE・OF = 7 ・・・(タ)
である。

さらに、辺AD の延長と線分OC の延長の交点をG とする。
点E から直線OG に垂線を下ろし、直線OG との交点をH とする。
∠OHE = ∠EFG = 90°より
4点E、G、(②H、F ・・・(チ)) は円周上にある。

したがって、
 △OHE ∽ △OFG より
 OE : OH = OG : OF ⇔ ⇔ OH・OG = OE・OF = 7 ・・・(ツ)

センター入試(数学Ⅰ・A)の解説(第2問)

2011-01-18 00:00:00 | 大学受験
<第2問>
[1]
a, b, c を定数とし、a ≠ 0, b ≠ 0 とする。 x の2次関数
y = ax2 + bx + c ・・・①
①を平方完成すると
y = a(x + b/(2a))2 - (b2 - 4ac)/(4a) ・・・(A)

のグラフを G とする。 G が y = -3x2 + 12bx のグラフと同じ軸をもつとき
(A) よりx軸は、x = -b/(2a) は、①を満たし、これは一般形なので。
x = -b/(2a) = - (12b)/(2・(-3)) = 2b ⇔ -b/(2a) = 2b ⇔ 4a = -1 ⇔ a = -1/4 ・・・(ア・イ・ウ) ・・・②
となる。
さらに、G が点(1, 2b - 1) を通るとき
①に代入すると
2b - 1 = a + b + c
②よりa = -1/4なので
2b - 1 = -1/4 + b + c ⇔ c = 2b - 1 - (b - 1/4) = b - 3/4 ⇔ c = b - 3/4 ・・・(エ・オ)・・・③
が成り立つ。

以下、②、③のとき、2次関数①とそのグラフG を考える。
G : y = -x2/4 + bx + (b - 3/4)
y = -(1/4)・(x2 -4bx + (3 - 4b)) ・・・⑤

(1) G が x軸と異なる2点で交わるような b の値の範囲は、
===== 公式 =====
ax2 + bx + c = 0 ⇔ 判別式 D = (b)2 - 4ac
ax2 + (2b')x + c = 0 ⇔ 判別式 D/4 = (b')2 - ac
===== 公式 =====

D/4 = (b')2 - ac
= (-2b)2 - 1・(3 - 4b) > 0
⇔ 4b2 + 4b - 3 > 0
⇔ (2b - 1)(2b + 3) > 0
b < -3/2, 1/2 < b ・・・(カ・キ・ク・ケ・コ)
である。
さらに、G と x軸の正の部分が異なる2点で交わるような b の値の範囲は
1)D/4 > 0 ⇔ b < -3/2, 1/2 < b
2)x軸 x = -b/(2a) = -(-4b)/(2・1) = 2b > 0 ⇔ b > 0
3)c = 3 - 4b > 0 ⇔ b < 3/4
1)、2)、3)以上より
1/2 < b < 3/4 ・・・(サ・シ・ス・セ)
である。

(2) b > 0 とすると
0 ≦ x ≦ b おける2次関数①の最小値が -1/4 であるとき、
①は⑤より
y = -(1/4)・(x2 -4bx + (3 - 4b))  ・・・⑤
y = -(1/4)・(x2 -4bx + 4b2 - 4b2 - 4b + 3)
y = -(1/4)・((x - 2b)2 - (4b2 + 4b - 3)) ・・・⑥

x軸は、x = 2b なので、 0 ≦ x ≦ b < 2b より
x = 0 のとき、最小値 -1/4 をとる。 ⑤より
-(1/4)・(3 - 4b) = -1/4 ⇔ 3 - 4b = 1 ⇔ b = 1/2 ・・・(ソ・タ)
である。

一方、x ≧ b における2次関数①の最大値が3であるとき、
よって、x = 2b のとき、最大値 3 をとる。
(1/4)・(4b2 + 4b - 3) = 3 ⇔ 4b2 + 4b - 3 = 12 ⇔ 4b2 + 4b - 15 = 0
⇔ (2b - 3)(2b + 5) = 0 ⇔ b = 3/2, -5/2
b > 0 より b = 3/2 (チ・ツ)
である。

b = 1/2, b = 3/2 のときの①のグラフをそれぞれG1、G2とする。
①は⑥より
b = 1/2 のとき
y = -(1/4)・((x - 1)2 - (1 + 2 - 3))
y = -(1/4)・(x - 1)2 ・・・G1

b = 3/2 のとき
y = -(1/4)・((x - 3)2 - (9 + 6 - 3))
y = -(1/4)・((x - 3)2 - 12)
y = -(1/4)・((x - 3)2) + 3 ・・・G2

G1 を x軸方向に 2(テ)、y軸方向に3(ト)だけ平行移動すれば、G2と一致する。

センター入試(数学Ⅰ・A)の解説(第1問)

2011-01-17 00:00:00 | 大学受験
センター入試の数学Ⅰ・Aの解説です。
ただし、確率・統計は苦手なので、解説はありません。
解説は、第1問-第3問を予定です。


<第1問>
[1]
a = 3 + 2√2, b = 2 + √3 とすると
1/a = 1/(3 + 2√2) = (3 - 2√2)/(32 - (2√2)2) = (3 - 2√2)/(9 - 8) = 3 - 2√2 ・・・(ア・イ・ウ)
1/b = 1/(2 + √3) = (2 - √3)/(22 - (√3)2) = (2 - √3)/(4 - 3) = 2 - √3 ・・・(エ・オ)

a/b - b/a = a・(1/b) - b・(1/a)
= (3 + 2√2)(2 - √3) - (2 + √3)(3 - 2√2)
= (6 - 3√3 + 4√2 - 2√6) - (6 - 4√2 + 3√3 - 2√6) ・・・①
= 6 - 3√3 + 4√2 - 2√6 - 6 + 4√2 - 3√3 + 2√6
= 8√2 - 6√3 ・・・(カ・キ・ク・ケ) ・・・②
である。

このとき、不等式
|2abx - a2| < b2
を満たす x の値の範囲は、

|a(2bx - a)| < b2
-b2 < a(2bx - a) < b2
-b2/a < 2bx - a < b2/a
a - b2/a < 2bx < a + b2/a
b = 2 + √3 > 0 より
(a/b - b/a)・(1/2) < x < (a/b + b/a)・(1/2)

①より(マイナスをプラスにかえて)
(a/b + b/a) = (6 - 3√3 + 4√2 - 2√6) + (6 - 4√2 + 3√3 - 2√6)
= 6 - 3√3 + 4√2 - 2√6 + 6 - 4√2 + 3√3 - 2√6
= 12 - 4√6 ・・・③

②、③より
4√2 - 3√3 < x < 6 - 2√6 ・・・(コ・サ・シ・ス・セ・ソ・タ)

[2]
実数a, b に関する条件p, q を次のように定める。
p : (a + b)2 + (a - 2b)2 < 5
q : |a + b| < 1 または |a - 2b| < 2

ここで、X = a + b, Y = a - 2b とおくと、次のような条件となる。
p : X2 + Y2 < (√5)2
q : |X| < 1 または |Y| < 2

(1) 次の0~3のうち、命題「q ⇒ p]に対する反例になっているのは。
√(12 + 22) = √5 に注意する。
命題「q ⇒ p] なので、 q ⊂ p

0:a = 0, b = 0 ⇔ X = 0, Y = 0
1:a = 1, b = 0 ⇔ X = 1, Y = 1
2:a = 0, b = 1 ⇔ X = 1, Y = -1
3:a = 1, b = 1 ⇔ X = 2, Y = -1 ・・・なぜなら p : √(22 + (-1)2) < √5
よって、反例は3である。 ・・・(チ)

(2) 命題「p ⇒ q」の対偶は「¬q ⇒ ¬p」である。
¬q ⇔ ¬(|X| < 1 または |Y| < 2) ⇔ |X| ≧ 1 かつ |Y| ≧ 2 ⇔ |a + b| ≧ 1 かつ |a - 2b| ≧ 2 ・・・④
¬p ⇔ ¬(X2 + Y2 < (√5)2) ⇔ X2 + Y2 ≧ (√5)2 ⇔ (a + b)2 + (a - 2b)2 ≧ (√5)2 ・・・⑦

よって、命題「p ⇒ q」の対偶は「¬q(④) ⇒ ¬p(⑦)」・・・(ツ・テ)

(3) p はq であるためとは、「q ⇒ p」より
p は q であるための必要条件(①)。 ・・・(ト)