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数学

数学全般

教える大変さ

2009-09-29 14:34:33 | 指導数学
家庭教師をして、教える大変さを感じています。
それは、生徒がまっさらな状態で教師の話を聞くという点です。

例えば、高1の教科書の展開と因数分解の公式より
(a + b)3 = a3 + 3a2b + 3ab2 + b3
は教科書に載っています。

しかし、
(x + a)(x + b)(x + c) = x3 + (a + b + c)x2 + (ab + bc + ca)x + abc
(a + b + c)(a2 + b2 + c2 - ab - bc - ca) = a3 + b3 + c3 - 3abc
教科書によっては、教える所と教えない所がある公式です。

x2 + y2 = (x + yi)(x - yi) (i は虚数単位)
(x + y)7 = 7C0x7 + 7C1x6 + 7C2x5 + 7C3x4 + 7C4x3 + 7C5x2 + 7C6x + 7C7
は教科書の範囲外ですよね!

なので、教科書の範囲を把握して教えることが、自分が教えてもらった時と異なるので、教科書の範囲を確認して教えるように心がけています。
またある意味、どこまで教えるのかセーブしながら教えないといけないので大変です。
※文系、理系では教える範囲も異なりますよね! 微分の y = (ax + b)n ⇒ y' = a(ax + b)n - 1 が1例です。

生徒は白紙の状態なので、間違ったことは教えられないことは、非常に注意しています。

教えることは、しみじみ大変だなあと思いました。

リー代数

2009-09-22 07:45:04 | 一般の数学
数学セミナーを読んでみたら、リー代数について書いてありました。

リー環とは、次の定義です。
リー環 g はある体 k 上のベクトル空間であって、括弧積と呼ばれる双曲型な積
g × g → g
(X, Y) → [X, Y]
が与えられており、次の条件を満たすときに言う。

(1) [X, X] = 0
(2) [X, [Y, Z]] + [Y, [Z, X]] + [Z, [X, Y]] = 0 (Jacobi律)

これが、19世紀末のSophus Lieによって考えられたリー環の定義です。


私はリー環をときどき耳にしますが、具体的にはどんな物までは知らなかったです。
環の1つだろうの認識です。
今でも、リー環の定義を見て、すぐには分からないです。


①体 k 上のベクトル空間とは

===== ベクトル空間の定義 =====
集合 V が条件「Ⅰ」「Ⅱ」を満たすとき、V をベクトル空間という。

「Ⅰ」任意の ab ∈ V に対して、和 a + b ∈ V が定義される。
(1) (a + b) + c = a + (b + c)
(2) a + b = b + a
(3) a + 0 = a (∃0 ∈ V)
(4) a + x = 0 (∃x ∈ V)

「Ⅱ」任意の a ∈ V、任意の t ∈ V に対して、スカラー倍 ta ∈ V が定義される。
(5) t(a + b) = ta + tb
(6) (t + u)a = ta + ua
(7) (tu)a = t(ua)
(8) 1a = a

これがベクトル空間の定義です。


② g × g → g とは
===== 環の直積の定義 =====
環 R, S の集合として、直積 R × S = {(r, s) | rt, ru ∈ R, st, su ∈ S}
(rt, st) + (ru, su) = (rt + ru, st + su)
(rt, st)(ru, su) = (rtru, stsu)

これが環の直積の定義です。

③ (X, Y) → [X, Y] とは
括弧積とは、
集合 V が環 g をなすとき
[ΣαiXi, ΣβiYi] = Σαiβi[Xi, Yi]
i, βi ∈ g, Xi, Yi ∈ V)

これが括弧積の定義です。

2)、3)を満たすとき、双線形写像であります。


ここまでの、①、②、③を整理していみると
集合 V は、体 k 上のベクトル空間であって、環 g でもあります。
任意の ab ∈ V なので、
環の直積は
a + b = b + a
ab = ba

なので g × g → g とは、
この「→」の部分が何を意味しているのかが分からないです。
====== 疑問 ======
g × g は直積を表していると思います。
環 x, y に置いて、写像 f を考えて、f: x → y とすると
「→」が写像を表していると意味が通じないです。
====== 疑問 ======

(X, Y) → [X, Y] とは、
a, βb] = αβ[a, b]
(α, β ∈ g, ab ∈ V)


===== 整理 =====
リー環 g はある体 k 上のベクトル空間であって、括弧積と呼ばれる双曲型な積
g × g → g
(X, Y) → [X, Y]
が与えられており、次の条件を満たすときに言う。

つまり集合 V は、体 k 上のベクトル空間であって、環 g あります。
任意の ab ∈ V 、g × g → g より
「?」
a, βb] = αβ[a, b]
(α, β ∈ g, ab ∈ V)
を満たすこと

この他に、次の条件を満たすこと
(1) [X, X] = 0
(2) [X, [Y, Z]] + [Y, [Z, X]] + [Z, [X, Y]] = 0 (Jacobi律)

これが、リー代数です。

[X, X] = 0 と [X, Y] = -[Y, X] が同値であることをどのように導くのでしょうか?
ベクトルの外積を考えれば、自明でした。(自己解決をしました。)
a×a = 0
a×b = -b×a
がベクトルの外積の定理でした。

リー代数は、難しいです。

速さ(速度)

2009-09-15 14:14:28 | 一般の数学
===== 速さについて =====
速さ = 距離 ÷ 時間 (小5の範囲)
で表すことが出来ます。

時速40(40km/h) は、1時間に 40km 走る意味です。
時速60(60km/h) は、1時間に 60km 走る意味です。

では、100km には、40km/h と 60km/h ではどれくらいの時間がかかるのか?
速さ = 距離 ÷ 時間 から 時間 = 距離 ÷ 速さ なので、
40km/h:100 ÷ 40 = 5/2 = 2 + 1/2 つまり 2時間30分
60km/h:100 ÷ 60 = 5/3 = 1 + 2/3 つまり 1時間40分

世界陸上では、ウサイン・ボルト選手が、100m を 9.58秒、200m を 19.19秒を記録しました。
では、時速に直して計算をしてみましょう!
===== 100m =====
1km = 1000m より 0.1km = 100m
1時間 = 60分 = 60 × 60 秒 = 3600秒 より 9.58 / 3600時間
速さ = 0.1km ÷ (9.58 / 3600 時間) ≒ 37.58km/h
※小数第3位を四捨五入しています。

==== 200m =====
1km = 1000m より 0.2km = 200m
1時間 = 60分 = 60 × 60 秒 = 3600秒 より 19.19 / 3600時間
速さ = 0.2km ÷ (19.19 / 3600 時間) ≒ 37.52km/h
※小数第3位を四捨五入しています。

仮に、100m を 10.00秒 で走ると。
速さ = 0.1km ÷ (10.00 / 3600 時間) = 36km/h

時速に直すと、車のメーターをイメージが出来るので、その速さが少しだけイメージ出来ますね!
ボルト選手は (37 + α)km/h で走っていることが分かります。


===== 音速について =====
音の速度は、ご存知ですか?
音速は、「331.5 + 0.61t(tは摂氏温度)」です。
※1次関数は中2の範囲

-20度:331.5 + 0.61 * (-20) = 319.3 m/s
-10度:331.5 + 0.61 * (-10) = 325.4 m/s
0度:331.5 + 0.61 * 0 = 331.5 m/s
10度:331.5 + 0.61 * 10 = 337.6 m/s
20度:331.5 + 0.61 * 20 = 343.7 m/s
30度:331.5 + 0.61 * 30 = 349.8 m/s
40度:331.5 + 0.61 * 40 = 355.9 m/s

10度違えば、0.61 * 10 = 6.1 m/s 異なります。
20度の時は、343.7 m/s なので、1秒に 343.7m 進むことを意味します。


===== 対数について =====
対数について学んでみましょう! (高校の数学Ⅱの範囲)
10m の m の部分に注目をします。
log10A について、log10 を常用対数と言います。

log1010 = log10101 = 1
log10100 = log10102 = 2
log101000 = log10103 = 3
log1010000 = log10104 = 4
log10100000 = log10105 = 5
となります。

log10(A * B) = log10A + log10B
log10(A / B) = log10A - log10B
10A * 10B = 10(A + B)
10A / 10B = 10(A - B)
から成り立つのが分かります。
これ以外は、細かい計算のルールは、割愛します。

logBA の B の部分を底(てい)と言います。
底を省略すると2つの意味があります。
log10A(常用対数)、logeA(自然対数)です。
高3以上の数学は場合は、自然対数を意味します。
天文学では、常用対数を意味します。

これは、何に便利かと言いますと、天文学の数字を扱う場合に便利です。


===== 光速について =====
光の速度をご存知ですか?
光速は、299,792,458 m/s(≒30万キロメートル毎秒)です。
「1秒間に地球を7回半回る速さ」とも言われます。

地球と太陽の距離は、1億4959万7870 km です。

光速を1km に直すと、299,792,458 / 1,000 = 299,792.458 km/s となります。
では、太陽の光が地球に届く時間は、149,597,870(km) / 299,792.458(km/s) = 499.0047815 秒 ≒ 499秒 = 8分19秒


常用対数で表して見ましょう!
光速:log10(299,792.458)(km/s) = 5.476820703(km/s) ≒ 5.48(km/s)
太陽と地球の距離:log10(149,597,870)(km) = 8.17492541(km) ≒ 8.17(km)
※Excel の log10 関数より計算をしました。

では、太陽の光が地球に届く時間は、log10(A / B) = log10A - log10B より
8.17 - 5.48 = 2.69
102.69 = 489.7788194 ≒ 490秒 = 8分10秒 (9秒の誤差)

正確に計算をしますと
8.17492541 - 5.476820703 = 2.698104707
102.698104707 = 499.0047814 ≒ 499秒 = 8分19秒

常用対数で計算をすると、なんとなくイメージがしやすいですね!


===== 1光年について =====
1光年とは、光が1年で進む距離です。
1光年 = 1(年) * 365(日) * 24(時間) * 60(分) * 60(秒) * 299,792.458(距離) = 9,454,254,955,488 km

常用対数で表して見ましょう!
log10(9,454,254,955,488)(km) = 12.97562731(km) ≒ 12.96(km)

101 = 10(0 が1つ)
102 = 100(0 が2つ)
103 = 1000(0 が3つ)
なので、12.96 ≒ 13 と考えて、0が13個ある訳ですね!

アンドロメダ星雲は、約230万年光年の距離にあります。
log10(2300000) = 6.361727836 ≒ 6.36
log10(A * B) = log10A + log10B より
6.36 + 12.96 = 19.32

なので、km で表すと、0が19個ある距離に、アンドロメダ星雲があります。


===== 物理の速度について =====
速度 v、距離 x、時間 t とすると(大学1年の範囲)
関係式は、v = dx/dt と微分の形で表現が出来ます。

加速度 a とすると
関係式は、a = dv/dt = d2x/dt2


※ボルト選手の記録、音速、光速、太陽と地球の距離は、ウィキペディアからの数値です。