goo blog サービス終了のお知らせ 

ライオンミドリ la cantine du lionmidori

気の利いたつまみ、おいしいナチュラルワイン、ちょっと珍しいお酒、幸せなチーズ、明日も頑張れる気持ちになるデザート。

ミドリさんのブログ 3

2012-11-14 22:29:11 | ミドリさんのブログ

ご無沙汰しておりました。

お久しぶりのミドリです。

フランスに行った際の写真を、少しずつ紹介していきたいと思います。

シャンパーニュ地方まで足をのばしてワイン蔵見学に行ってきました。

パリからシャンパーニュまで、ミドリ一人旅です。

シェフは、パリ滞在中は忙しい。

仕入のために食材店や市場も廻らないといけないし、おもしろそうな若手シェフのお店も行かなきゃだし、新しくできたスポットも見ておきたい、そしてせっかくだからパリ在住の友人とも会って情報交換したい。あぁ、馴染みのポスター屋にも顔出さなくては!

そう、一年であっという間に変わって行ってしまうパリの街を、可能な限り見ておきたいのです。

なので、シェフは事前にかなり準備をして旅に出ます。

何日も前から明け方まで起きて、インターネットを駆使し、何冊も積み上げた雑誌をパラパラめくり、今までの旅行の時に持ち歩いて記録したノートを出してきたりして、何やらスケジュールを立てるわけです。

限られた日程の中で効率よく動けるように、目的を絞り込み、大方のタイムスケジュールを頭に叩き込んで、沖縄を出発します。

・・・それなのに、それなのにですよ。

同行したミドリさんが、途中平気で

「なんか疲れちった」

「トイレ行きたい」

「急にお腹すいてきた~」

「寒すぎる、もうダメかも」

などと言い出すので、

あっという間にスケジュールに穴が開くわけです。

前回フランスから帰った後、

「・・・我ながらさすがにこれはまずいよな」

と思い始め、「叱られる前になんとかしよう」

と考えました。

私だって、やる気はあるのです。

滞在中のホテルでは毎朝、

「そうだ、パリに来ていたんだった・・・」

とほんわりとした感動に包まれながら目覚め、

「あぁ、今日もパリの街を歩くんだ」

とうっとりとした気持ちで熱いコーヒーをすすり、

意気揚々でホテルを出発します。

それなのになぜあんなにもへっぴり腰?

考えた結果、私の敵は時差でした。

一応気は張っているのでしょう、眠くはならないのですが、

さっき食べたばかりなのに急にお腹がすいてきたり、そんなに食べたわけじゃないのに胃が痛くなったり、ワインを一杯飲んだだけで目の前の景色が霞んできたり、普段ではあり得ない現象が起きます。

そして、冬のヨーロッパのこれが底冷えです!と言わんばかりのあの寒さ。

それだけで体力が奪われているという事も忘れて、

朝から「あ!ちょっと待って!向こうも写真取りたい!」と走り出し、

「これも食べたいしあれも捨てがたいよね、よし両方食べよう」とおやつを買い込み、

ちょっと休もうかと提案してきたシェフに「大丈夫!まだ全然歩けるよ~」

などと言って調子に乗っていると、

午後にはスーーっと意識が遠くなってくるわけです。

さすがに今回は4度目の滞在。

もう少し大人の旅にしたいと。

ちゃんと勉強しようと思えば、ついて廻るのが一番なんです。

フランスには何十回も訪れ、失敗したり、がっかりしたりしながら色んなものを見てきた人が、夜も寝ずに考えて選んだ所に行くのです。

びっくりするくらいおいしいものが食べられるし、おもしろい人に出会えるし、あぁここはフランスなんだと感動できる場所にたどり着く事ができます。

そしてそこには行くべき理由・過程がちゃんとある事も(いちいちしつこく聞けば)知ることができます。

しかし、

時差にめっぽう強いうちのシェフ。

もうあなたの邪魔をするわけにはいかないわ。

私は私なりの旅をしてみるの。

もしかしたら私、メトロの匂いが苦手なのかも。

なるべくバスで廻ってみるとか。

一人で具合悪くなっても困るしワイン飲み歩いたりしないほうがいいのかな~。

え~、それもまたつまんないかも~。

はっ!っていうかフランス語・・・、英語で乗り切るしかないわね。

とりあえず行っちゃいけないところだけ教えて!

などと言っていたら、

「それなら、日帰りのバスツアーがありますよ。」

と、シェフ。

そう、パリを拠点に、モンサンミッシェルやロワール城、ベルサイユ宮殿など、観光地へ日帰りで行けるバスツアーが色々出ているのです。

東京でいうと「はとバス」みたいなものでしょうか。

「シャンパーニュ、見てきたらどうですか。そんなに遠くないよ。試飲もできるし。」

「試飲もできる」

その一言で決まりました。

ミドリはシャンパーニュ地方へ旅に出ます!

・・・日帰りで。

写真は、出発時のバスの中から撮ったミドリ一人旅の記念すべき最初のショット。

フランスの朝日です。

沖縄出身の私にとって、針葉樹林の林だけでも心に染みる、冬の風景です。

2 1


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ミドリさんのブログ 2

2012-04-18 01:00:05 | ミドリさんのブログ

Photo_2

フランス

1月に,フランスに出張で行ってきました。

これは,私達が滞在中に何度も足を運んでしまったお店の写真です。

ここは,とにかくなんともいえないくらいいいお店。

私もフランスは今回で4回目,色々なお店に連れて行ってもらいましたが,

・・・ここはやばいです。

このお店の何がいいかって、私にはうまく言葉に表せないのでシェフに聞いたところ、

とにかく、やっている事がかっこいいとの事。

ここは,「ホテル・ル・レ・サンジェルマン」というホテルの,

「ル・コントワール」というレストランに併設された,

ウェイテイングバー?的な立ち飲み,立ち食いクレープ屋さん?

しかしつまみ的な小皿料理も色々ある,

そしてなんでもかんでもおいしい!

そんなお店です。

パリで流行っている店なので、まだまだ全然素人な私には、

「うん!すごい!ワインが進むわ~、最高!!」

と感じるのは当然といえば当然なのですが、

もう少し掘り下げてインタビューしたところ、

ひとつ、

出している料理の量感がかっこいい。

との事。

パリでは、質の高い料理を少量で食べられる所が今までなかったそうです。

きちんとしたレストラン、愛情を持って安くていい料理を出しているビストロ、

パリにはそんな素敵なお店がたくさんあります。

でもやはり「ゆったりと座って、今日の食事を楽しむ」ためのもので、

それなりのクオリティーを持っている料理の舞台はそこにありました。

それが常識だった。

しかし、ここはそれをあっさりすっ飛ばした?

時間がちょっとしかなくても、なんとなく立ち寄って一杯飲みたいだけでも、

どうせならいいものを食べて欲しい。

いいよ、ちょっとだけ食べたいんだったら、食べていったら。

そういう量感が伝わってくる。

料理をしていて、それなりの技術を持っていて、経営を任されているような方にはお解かり頂けるのではないでしょうか?

結構勇気のいる事だと。

ふたつ、

あのクオリティーでしかも立ち食い!

との事。

この辺からは面倒くさがってあまり説明してくれませんでしたが、

私の見解では・・・

フランス人の遊び心に、震えたのではないでしょうか。

「これはこだわりの最高のものです」

「どこそこのブランド食材を使用しております」

いいものはそうやって売り出すのが主流の日本ですが、

ちゃんとした食材を、確かな技術で料理しておきながら

「立ち食いだけどおいしいでしょ。」

というスタンスがどうにもかっこいいのではないかと。

そして、それをちゃんと受け取れる、パリの人々も。

みっつ目は、

スタッフのキャラが最高。

との事。

カウンターの中で料理しているシェフは、

Tシャツ(しかも豚のかわいい絵の入った、おちゃめなやつ)で体格もよくて、

どぼどぼワインをついでくれるような、気前のよさそうな親父さん。

でも、繊細な技術をちゃんと持っている、腕のいい料理人。

他のスタッフも、肩に力にが入っているわけでもなく,でも決して気を抜いているわけではない立ち居振る舞いが感じられるのだそう。

それは、私も感じました。

目の前の仕事を集中してやっている人、謙虚に好きな仕事をしている人というのは、伝わってくるものですよね。

パリに行くと、そういう人達に出逢えることがかなりの頻度であるので、

私はパリが好きです。

さてさて、

紹介が遅れました。

写真は,

ブーダン・ノワールという料理。

豚の血が入ったソーセージです。

添えられているのは,りんごのコンポート。

ブーダンにはりんごを付け合わせとすることが多く,絶妙の組み合わせと言われています。

ワインにはたまらない一品。

うふ。

最後に、私が感じたこのお店の魅力。

私達が立ち食い&立ち飲みを満喫している最中に、一人のおばあさんが店に入ってきました。

ちょっと汚れたスカートを着て、

歯が何本か欠けている、小さなおばあさん。

スカートは小さな花柄で、頭にはきれいなグリーンのスカーフを巻いていて、

日本人の私からみると、ヨーロッパのかわいいおばあちゃん。

しかし、隣のレストランには入れてもらえないような感じの方です。

そのおばあちゃんが、幸せそうに甘いクレープを買って出て行きました。

天気のいい日で、出て行く小さな後ろ姿がまぶしく見えて、

あぁ、やっぱりパリっていいなぁと思いました。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ミドリさんのブログ 1

2012-04-08 23:56:38 | ミドリさんのブログ

こんにちは,はじめまして。

私はライオンミドリでフロアを担当しております・・・ミドリです。

私の名前はミドリではないのですが,よくお客様から,

「あなたはもしかしてミドリさんですか?」と聞かれる事があり,わりと気に入っているので,こ

こでは,ミドリさんとして時々参加させていただきます。

「当たり前のことを,ただただきちんとこなしていく」

突然ですが,

私達ライオンミドリが,毎日ひたすら繰り返している作業です。

私自身,この仕事に就くようになって,もう10年以上が経ちました。

今はフロアを担当させて頂いていますが,元々は厨房に立っていました。

頭にバンダナを巻いて,フライパンを振ったり,粉をまぜたりこねたり。

その前は,栄養士として働いていたこともあります。        

「当たり前のこと」

その基準というのは,料理人にとって様々です。

どんな店で働いてきたか,

どんな人に就いて仕事を覚えてきたか

どんなお客様と共に歩んできたか

それだけで料理人一人一人の当たり前は格段に変わってきます。

ライオンミドリのシェフと出会ったのは,なんとなく「できる気がする」ようになってきた頃。

お金ができれば,自分のお店をやってみてもいいかも。

最低限のことはできる,恥ずかしくないくらいには。

そう思い始めていた頃でした。

おもしろいお店がある!

そう思って雇ってもらった店の店長が,ライオンミドリのシェフです。

しかしそこで,私の「当たり前」はもろくも崩れ去ったのです。

この仕事をしている人たちはみんな,自分がおいしいと思うものを信じて,

それに向かって,日々努力を重ねています。

「これはおいしい」

そう信じた瞬間から,この一皿の完成に向かうには何が必要か,

全ての工程において,ひとつひとつ最善の方法を探っていきます。

その過程というのは,

厨房に入って正しい方法できちんと手を洗うことから,

冷蔵庫の中の野菜の並べ方,

はい今逃すともうアウトです,というところでミキサーのスイッチを切ること,

オーブンの中の肉の焼き加減を見極めることまで,

全てです。

私が当たり前に身につけていたはずのそれらの作業は,それらに対する認識は,

・・・甘かった。

とにかく,甘かったのです。

たしか3日目くらいに,

「すいません,私何もできないんです」と,自己申告しました。

「そうみたいだねー」と言われました。

シェフは笑っていましたが・・・辛かった。

苦い思い出です。

ここでは,私がその頃叱られまくった数々の失態,

・・・ではなく,

私が驚いている横で,

「いや,当たり前の事ですよ。この方がおいしくなるし。」

とシェフがふつうにやっていた,食材への愛があふれる作業のひとつひとつ,

たぶんこれが技術と呼ばれるものなんだと思わずにはいられなかった,

一皿へ向かうひとつひとつ,それらにまつわるいろいろを,

少しずつ紹介していきたいと思っています。

そうですね,何よりも,一仕事人としての,私自身の成長のために(笑)。

あれから7年が経とうとしています。

私は少しは成長したのでしょうか。

旅はまだ続いています。

皆様,いつもライオンミドリをご愛顧くださり,本当にありがとうございます。

ライオンミドリは本日で2周年を迎えました。

お客様がワインを飲みながら幸せそうにしている姿に、私達はいつも支えられています。

今後とも,どうぞライオンミドリをよろしくお願いいたします。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする