こんにちは,はじめまして。
私はライオンミドリでフロアを担当しております・・・ミドリです。
私の名前はミドリではないのですが,よくお客様から,
「あなたはもしかしてミドリさんですか?」と聞かれる事があり,わりと気に入っているので,こ
こでは,ミドリさんとして時々参加させていただきます。
「当たり前のことを,ただただきちんとこなしていく」
突然ですが,
私達ライオンミドリが,毎日ひたすら繰り返している作業です。
私自身,この仕事に就くようになって,もう10年以上が経ちました。
今はフロアを担当させて頂いていますが,元々は厨房に立っていました。
頭にバンダナを巻いて,フライパンを振ったり,粉をまぜたりこねたり。
その前は,栄養士として働いていたこともあります。
「当たり前のこと」
その基準というのは,料理人にとって様々です。
どんな店で働いてきたか,
どんな人に就いて仕事を覚えてきたか
どんなお客様と共に歩んできたか
それだけで料理人一人一人の当たり前は格段に変わってきます。
ライオンミドリのシェフと出会ったのは,なんとなく「できる気がする」ようになってきた頃。
お金ができれば,自分のお店をやってみてもいいかも。
最低限のことはできる,恥ずかしくないくらいには。
そう思い始めていた頃でした。
おもしろいお店がある!
そう思って雇ってもらった店の店長が,ライオンミドリのシェフです。
しかしそこで,私の「当たり前」はもろくも崩れ去ったのです。
この仕事をしている人たちはみんな,自分がおいしいと思うものを信じて,
それに向かって,日々努力を重ねています。
「これはおいしい」
そう信じた瞬間から,この一皿の完成に向かうには何が必要か,
全ての工程において,ひとつひとつ最善の方法を探っていきます。
その過程というのは,
厨房に入って正しい方法できちんと手を洗うことから,
冷蔵庫の中の野菜の並べ方,
はい今逃すともうアウトです,というところでミキサーのスイッチを切ること,
オーブンの中の肉の焼き加減を見極めることまで,
全てです。
私が当たり前に身につけていたはずのそれらの作業は,それらに対する認識は,
・・・甘かった。
とにかく,甘かったのです。
たしか3日目くらいに,
「すいません,私何もできないんです」と,自己申告しました。
「そうみたいだねー」と言われました。
シェフは笑っていましたが・・・辛かった。
苦い思い出です。
ここでは,私がその頃叱られまくった数々の失態,
・・・ではなく,
私が驚いている横で,
「いや,当たり前の事ですよ。この方がおいしくなるし。」
とシェフがふつうにやっていた,食材への愛があふれる作業のひとつひとつ,
たぶんこれが技術と呼ばれるものなんだと思わずにはいられなかった,
一皿へ向かうひとつひとつ,それらにまつわるいろいろを,
少しずつ紹介していきたいと思っています。
そうですね,何よりも,一仕事人としての,私自身の成長のために(笑)。
あれから7年が経とうとしています。
私は少しは成長したのでしょうか。
旅はまだ続いています。
皆様,いつもライオンミドリをご愛顧くださり,本当にありがとうございます。
ライオンミドリは本日で2周年を迎えました。
お客様がワインを飲みながら幸せそうにしている姿に、私達はいつも支えられています。
今後とも,どうぞライオンミドリをよろしくお願いいたします。