ライア-(竪琴)大好き!~Tomoko Leier Salon へようこそ♪~

ライアー(竪琴)奏者の三野友子です。ライア-や日常生活のこと、あれこれを気ままに綴ってます♪

スープの準備をするように・・・

2012年08月19日 | 2012年ドイツライアー大会
(写真:ぺトラ・ローゼンブルク先生の教室)

私がドイツでライアーに出会って早いもので
かれこれ14年近く前のことですが・・・

ライアーを習った最初の先生が
オランダで音楽療法の勉強をした先生だったので
ライアー教本として使っていた楽譜が
オランダのものが多数ありました。

その楽譜の中でシンプルだけれど
ほんとに心にしみいる、
弾いていてほんわかハッピーになれる
短い、短い曲がありました。

楽譜の編集者は Petra Rosenburg と書いてあります。
このぺトラ・ローゼンブルクさんは
たくさん、たくさんの楽譜を出版していて
いったいどんな方なんだろう・・・って思っていました。

6年前の国際ライアー大会が
北アイルランドのベルファストで開催された時に
開講講座の中にぺトラさんのお名前を発見して
早速受講・・・!
「ああ・・・この方だったんだ・・・」としみじみ。

今年も是非、ぺトラさんの講座を・・・と思い
張りきって申し込みました。

テーマは
「高齢者および病気の人のための音楽」でした。

ぺトラさんの教室にはキャンドルがしつらえてあり
授業の間は必ず明かりが灯してありました。
そして、授業の最初に
輪になって座っている受講生に

「キャンドルの光に向けて、
  あいさつのメロディーを弾きましょう~」

かわるがわる、受講生は
キャンドルの光に向かって
心を込めて、短いあいさつのメロディーを奏でます。
言葉にすると、なんだかアヤシイ感じなのですが
本当に心がやすらぐ素敵な時間でした。

ぺトラさんの年齢は多分・・・70歳くらい?
もともとフルートを演奏していたらしいのですが
息子さんが1歳のお誕生日を迎えたときに
ご主人からコロイライアーをプレゼントしてもらったのが
ライアーとの出逢いだったそうです。(なんて素敵!)

それからライアーと関わって40年以上・・・!
ぺトラ先生はパソコンを駆使して
楽譜もパソコンで作ってました。(スゴイ~っ!)

「なんでも、私は準備を入念にします。
 ほら、スープを作るときに下ごしらえなどの準備をするでしょう?
 おいしいスープを作るには入念な準備がいるんです。

 だから、私は患者さんに接する前にいっぱい準備します。
 でも・・・その時にその人に必要な音楽を演奏するので
 準備したものを全く使わない場合のほうが多いのです。
 でも、そのような『判断』ができるのも
 やっぱり準備をしたから・・・こそなのです。」

授業の時にぺトラさんから毎回配られる楽譜は
ばらばらにならないように
きちんとセロテープで一枚一枚止めてありました。

受講生が、「これ先生がやったんですか~?」

「もちろんよ! 
  こういう講座の時に楽譜がばらばらになるのは嫌だからネ」

授業の前に20名分の楽譜を一枚、一枚ばらばらにならないよう
セロテープでとめているぺトラさんのお姿が目に浮かびました。

ぺトラさんの「たたずまい」は私にとって格別でした。
ただそこにいる「たたずまい」だけで
なんともいえない
「安心」「やすらぎ」「やわらかさ」を感じました。



そのたたずまいはきっと
ぺトラさんは真摯にいろんなことに向き合ってきたからこそ
醸し出されるものなのでしょう。

そして・・・年齢を重ねていつか・・・
私もそんな「たたずまい」の女性になれればな・・・と。

講座ではたくさん曲も弾いて、歌もたくさん歌いました。

4日間の授業の最後に歌った曲
「Alles ist eitel(すべては幻の中に)」
が、本当に美しくて
ぺトラさんの雰囲気とともに
とってもやさしい空気が教室を漂い
思わず泣いてしまいました・・・

「私たちはこの世界に属すると同時に
  これから行く世界にも属しているのだから
   そのことを忘れないようにね・・・」と、ぺトラさん。

ぺトラ先生、
またお目にかかる日を楽しみに致しております・・・
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