秘書にゃんこ*旧 古河邸と庭園 ジョサイア・コンドル

2022-05-27 | 建築が好き
 東京都 北区 西ヶ原のこの地には、かつて陸奥宗光のお屋敷がありました。

宗光の次男が古河家に養子として入って2代目当主となり、

大正時代には、3代目である古河虎之助が隣接する土地を買収して1万坪の敷地に。

バラの季節にニュースで取り上げられる庭園と邸宅は、大正6年に建築家 ジョサイア・コンドルが設計。


春バラが見頃を迎えた先週、久しぶりに行ってきました。


 邸内では、コロナで延期になっていた特別展『ジョサイア・コンドルと古河邸』が開催中。(~9月30日)

庭園には何度も訪れていますが、実は建物の中に入るのは今回が初めて。

につきお見せできないのが残念ですが、マントルピースにバラのモチーフをあしらうなど、

バラをこよなく愛したコンドルならではの意匠が各所に施されていました。

 コンドルは、イギリスから招かれて現在の東京大学で教鞭をとる傍ら、日本画家 河鍋暁斎に師事。

特別展では、暁斎から「暁英」の号を受けたコンドルが、師匠の姿を描いた作品を鑑賞しました。

とかく外国人が描く日本人は、私などには妙に西洋風で日本人らしく見えないのですが、

畳に肘をついて絵筆を揮う師匠の顔つきや浴衣の着崩れは、日本人の感性そのもの。

数多くの建築作品を遺し、この国を終の棲家としたコンドルならではと感嘆しました。


邸宅の横にある芝生広場では、5月28日(土)と29日(日)に
「春バラの音楽会 サックス四重奏」が3年ぶりに開催されます



「この平和のバラが人々の胸に世界平和を永久に印象づけることを希望する」
黄色に桃色を帯びた大輪のバラ「ピース」は、第二次世界大戦の終結を機に名付けられました。

 
 旧 古河庭園と邸宅は、ジョサイア・コンドルが67歳で亡くなる3年前に竣工した晩年の作品です。

次回は少し遡って、コンドルの遺した建物にご案内します。


お読みくださいましてありがとうございます。
バラのドレスでちょっと気取った秘書にゃんこと
Princess of Wales にクリックをよろしくお願いいたします。
にほんブログ村 資格ブログ 秘書検定へ
コメント (2)

秘書にゃんこ*明日館 ローズナイト

2022-05-22 | 建築が好き
 池袋の喧噪を逃れて閑静な住宅街に入った所に、自由学園 明日館(みょうにちかん)は佇んでいます。

1921年(大正10年)アメリカ人建築家 フランク・ロイド・ライトの設計により建てられた女学校は、

やがて生徒数が増えて学園が他の地に移転するまで、少女たちが集う学び舎となりました。

幸いにも関東大震災や太平洋戦争の被害は免れたものの、時を経て建物は傷み解体が危ぶまれましたが、

卒業生や建築家らの存続を願う声により大規模な改修が行われ、1997年、国の重要文化財に指定。

現在は 使いながら文化財価値を保存する「動態保存」のモデル として運営されています。



この日は月に一度の夜間見学日
さらに、春バラが見頃とあり、3年ぶりに「ローズナイト」が開催されました
まだ明るい中、秘書にゃんこは一番乗りです。


フランク・ロイド・ライトの帰国後、愛弟子の遠藤新が仕上げただけあって、
高橋一生さん主演の NHK ドラマ『岸辺露伴は動かない』のロケ地である加地邸に似ています。



明日館の顔とも言える、ホールの大きな窓。
バラが飾ってある2階から



全校生徒が集まって手作りの温かい昼食をとることが、創業者夫妻の教育の基本。
そのため食堂が校舎の中心に位置しています。



毎年ボジョレーヌーボーが解禁される頃、この暖炉に火が入ります



この日は「ローズナイト」とあって、スパークリングワインのロゼをいただきました
バラのジャムをあしらったローズクッキーとフランボワーズのクッキーという、まさにバラ尽くし。
クッキーの左に写っているのは秘書にゃんこの靴ではなくて、スタッフが添えてくださった花びら


前庭でのビアテラス  暖炉にあたりながら味わうボジョレーヌーボー

コルドンブルーのシェフが腕を奮う季節ごとの明日館レストラン

いずれも中止が続きましたが、これを機に再び人々が集う憩いの場となりますように。


お読みくださいまして、ありがとうございます。
家具類も建物の一部と考えた ライトのライト
お手数ですがクリックをお願いいたします。
にほんブログ村 資格ブログ 秘書検定へ
コメント (2)

日々の暮らし*『点と線』(著者:松本 清張)

2022-05-17 | 本が好き
 昔、ビジネス客から「新聞か雑誌が空くまで、何でもいいから活字が読みたい」と所望され、

「あいにく国鉄の時刻表しかございませんが・・・」

「時刻表って登場人物もストーリーも無いからなぁ」

「お客様、松本清張はこれで小説を書き上げますわ」

と苦し紛れに申し上げたところ、雑誌をお持ちするまで熱心にご覧になっていたような??


 今年は、社会派推理小説家 松本清張の没後30年にあたります。

先日 NHK の深夜ドラマ『天城越え』を観て以来、私は氏の作品を読み始めていますが、

ご存知の通り映画化されている作品も多くあり、図書館では DVD も貸し出してくれるので、

原作と共に借りてきては、昭和30年代の映像も併せて楽しんでいます。

また松本清張の作品では犯人も刑事も全国津々浦々、実によく移動するため、

日本地図があれば分かりやすいと思い、『地図で読む松本清張』(帝国書院)も借りてきました。


左から『地図で読む松本清張』 『点と線』(昭和32年) 同 DVD (昭和33年)

 以下、テレビで再生した DVD の映像を撮ったものです。


新幹線が走る前の東京駅 


横須賀線13番ホーム  目撃者として利用される女性二人


昭和33年頃の国鉄函館駅


何年か前にひとり旅で訪れた JR 函館駅


札幌市時計台
私が子どもだったからか、周囲にビルが無かったからか、当時は大きく感じたものです。
(訂正)この真向かいに登場人物が宿泊した「丸惣」という旅館が実際にあったのを記憶しています。


最近の時計台(重要文化財)
「丸惣」は他の町に移築された後に解体されたそうです。

追記
2枚の時計台は建物の形が異なっていますが、昔の写真は南側から撮影したものとご教示いただきました。
現在の写真は西側から撮影したもので、「旅館 丸惣」は時計台の西側に在りました。



札幌駅構内のポスター
これを見て刑事は移動手段を見直しアリバイを崩します。
当時の航空運賃は初任給より高かったので、当初は思い至らなかったのでしょう。


この場面では、ストーリーそっちのけで昔の空港や飛行機に見入ってしまいました


 本のどのページも、そして映像の隅々まで、作り物ではない昭和が満載の清張作品。

いま手元には『眼の壁』と『ゼロの焦点』が控えています

 
お読みくださいましてありがとうございます。
肌寒い日が続く中 咲いたひまわり
お手数ですがクリックをよろしくお願いいたします
にほんブログ村 資格ブログ 秘書検定へ
コメント (2)

日々の暮らし*栞

2022-05-12 | 本が好き
 本好き達の聖地とも言える神保町で、141年間も店を構えてきた「三省堂書店」が一時閉店。

現在の建物(昭和56年)の老朽化だけでなく、コロナ禍による客足の減少、活字離れなど、

書店にとって混迷の時代を迎えています。


いったん、しおりを挟みます。 
句読点に萌えています


 かくいう私も、最近は専ら図書館で借りるばかりで、本を買うことが少なくなりました。

場所をとること、譲られた人も迷惑じゃないかと思うこと、いちいち売るのが面倒なこと、

捨てるに忍びないこと、読む量が多いので出費が嵩むこと等々。

それでも、手元に置いておきたくて買う本も結構あるんですけどね


 読書に欠かせない「栞」

図書館の本は多くの人が読みますし、中には指を舐めながらページをめくる人も

ページは1回ずつしか触れませんが、その指で紐の栞を何回も使うことを想像すると無理かも

というわけで、図書館の本には専用の栞を用意しています。


『村上朝日堂』(著:村上春樹)
スズランの押し花がパウチしてある栞は ANA の CA の手作り

勤めていた に「スズラン慰問」で来院されたときに頂いたもので、大きくて使いやすいんです。

左のページはエッセイ
「三省堂書店」で考えたこと

村上春樹さんが三省堂書店を訪れたときに見かけた光景。

レジに並んだ女性が購入したのは氏の作品ともう1冊。

自分の著書がどのような本と組み合わせて購入されるのか、とても気になるというお話。

 閑話休題。

 書店で買い求めて長く読みたい本には、昔から包装紙でカバーをつけることが多く、

そのためにタイトルが見えなくなっても、私には分かるんです。


とっておきの本にはとっておきの栞。
建築家フランク・ロイド・ライトのデザイン



ひと休みしようと立ち寄った「ミロンガ」(昭和28年)は休業日。



「さぼうる」(昭和30年)は行列。
思いっきり昭和に浸れる喫茶店に入りたかったんですけどね。


 建て替えが終わる3年後、今までのように建物全体が本で埋め尽くされますように。


お読みくださいましてありがとうございます。
本屋さんらしいシャッター に、
お手数ですがクリックをよろしくお願いいたします。
にほんブログ村 資格ブログ 秘書検定へ
コメント (6)

日々の暮らし*『高矢禮』の思い出とチャプチェ

2022-05-07 | 日々の暮らし
 今年のゴールデンウィークはお天気も の飛び石でしたね。

あ、お若い方には馴染みが薄いかも知れませんが、昔は GW を「飛び石連休」と呼んでいました。



雨上がりのスパニッシュ・ビューティーと秘書にゃんこ

 
 さて、今から16年ほど前、白金高輪(港区)に韓国料理のお店「高矢禮」(ゴシレ)が誕生しました。

時あたかも空前の韓流ブーム、しかもヨン様プロデュースのレストランとあって鳴り物入りで登場。

ヨン様ファン(「家族」と呼ばれていましたっけ)のみならず韓流ファンが熱い視線を送るお店は、

ランチが数千円、ディナーに至っては1~5万円にも関わらず、半年先まで予約が取れない状態でした。

そんな中、大韓航空に勤めていた知人が個室を用意してくれて、友人共々 望外のランチタイム。


左:お店の看板(横に立つ私の姿は自粛)   
中央:店内は「宮廷女官 チャングム」の世界
右:開店時のセレモニーで挨拶するヨン様(列席した知人が撮影)

 このとき知人の招きでランチに同席してくださったのが、古家正亨(ふるや まさゆき)さん。

韓流ブームより前から韓国の大衆文化に関わり、日本にいち早く K-POP を広めた方です

その後も韓流スターのファンミーティングでの MC や TV 出演などご活躍は存じていましたが、

つい最近、図書館で本を2冊発見


韓国人アーティストの奥様との共著
日本で手に入る材料で拵える家庭料理『韓式ふたりごはん』
女子旅にありがちなコスメやグルメとは一線を画する街歩き『ふたりソウル』

 すぐに影響されやすい私、本を片手に早速「チャプチェ」(雑菜)に挑戦しました。


韓国の春雨は日本や中国のものより少し太くて、色はグレーがかっています。
彩りになる人参を買い忘れ、代わりに糸唐辛子で赤い色を添えたものの、
椎茸も用意すれば良かったとかタマネギが高いとか、
拵える前から助手にゃんこ相手に愚痴やら反省やら



できあがり~~
お箸とスプーンは縦向きで、お箸(チョッカラ)が右、スプーン(スッカラ)は左に置きます。


 高矢禮はわずか4年半で閉店となり、あれは夢の出来事だったのかも、、と思いつつ、

街歩き本を眺めては、気分だけソウルに飛ぶゴールデンウィークです


お読みくださいましてありがとうございます。
小さな蕾をつけた ひまわりの苗
クリックをよろしくお願いいたします
にほんブログ村 資格ブログ 秘書検定へ
コメント (2)