秘書にゃんこ*ロシア気分 2

2015-12-22 | おでかけ
 テレビ ロシア語講座に出演した際、NHK から頂いたギャラは ではなく マトリョーシカでした。

     
     秘書にゃんこ、大きさではこの辺りですが、皆さん遥かに年上
     親戚のおばちゃんに囲まれているといったところです。


 インターネットなど無かった時代、マトリョーシカの包装紙の電話番号から所在地を調べ、

当時、新橋や銀座に在ったロシア民芸品店 『白樺』 へ。

重厚な調度品や食器、神秘的な琥珀などの伝統工芸品が並ぶ店内を歩くうち、

黒地に幻想的な花が描かれた 「ジョストボ・トレー」 に、目が釘付けになってしまいました。

「ジョストボ」 とはモスクワ郊外にある村の名前で、時代の波に翻弄されながらも受け継がれ、

人々を魅了し続けたその技術は、ソビエト連邦の崩壊を機に世界中へと広まってゆきました。


 時は流れ、日本でも正統なジョストボを学び、グレードマスターに認定された方がいると知り、

そのお一人である 渡辺洋子さんの展示会 に行って参りました。

初対面だったのですがお話が弾み、ジョストボに寄せる熱い思いを語ってくださいました。

パステルカラーを背景にした作品も素敵でしたが、私はどうしても黒地に目が行ってしまい、

可愛らしい花柄の小物入れを求めましたら、ハート型の飾りをプレゼントしてくださいました。


     
     昔 買い求めたジョストボ・トレー
     マトリョーシカの隣りは、ロシアの湯沸かし器 サモワールのミニチュア
     手前の丸い小物入れと、にゃんこの膝の上の飾りが渡辺さんの作品

 
 銀座まで出たついでに立ち寄ったのは、ロシア料理のレストラン 渋谷ロゴスキー

銀座なのに 「渋谷」 とは・・・長く渋谷で営業してきた頃からの屋号です。


     
     現在は、東京メトロ銀座駅から程近い 「イグジットメルサ」 で営業中


     
     色とりどりのマトリョーシカが出迎えてくれました


     
     本格的なサモワールなどが、ロシア気分を盛り立ててくれます


     
     私ひとりではもったいないくらいの、素敵なお席に案内されました


 「ロシア気分」 2回にお付き合いくださいまして、ありがとうございます。

忘れたくなくても、やがて忘れてしまう気がして、遠い日の記憶を呼び覚ましながら綴りました。


    ≪追記≫
     コメント欄に、渋谷ロゴスキーでの思い出をお寄せくださった方が、
     ロシアの伝統料理について触れていらっしゃいます。
     うふっ、あるんです・・・写真が


     
     「きのこと鶏肉の壺焼き」
     鶏肉とマッシュルームの濃厚ホワイトクリームソースをカップに入れ、
     パンをかぶせて焼いた、熱々のオーブン料理


     
     「ロシア紅茶」
     自家製の果実酒入り苺ジャムを入れた、ほどよい甘味と上品な香りの紅茶

 
 ご覧くださいまして、ありがとうございます。

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秘書にゃんこ*ロシア気分 1

2015-12-20 | おでかけ
  昔々、NHK 教育テレビの 「ロシア語講座」 に出演したことがあります。

夏休み期間に、一般の視聴者を生徒としてスタジオに招いて勉強するという企画で、

一応オーディションもあって5人が選ばれ、渋谷にある NHK 放送センターに通いました。

初顔合わせで分かったことは、5人のうち3人は、視聴者の目標となるようなタイプ。

そして私ともう1人は、ロシア語を学ぶ方々に優越感を感じていただく役回り。

いえ、NHK がそう言ったわけではありませんが、さすがバランスの良い人選。

と、感心している場合ではなく、往復の東横線は、さながら予習復習の勉強部屋

 番組では初歩的な会話を学びましたが、収録の合間にはネイティブな会話が飛び交い、

私が何かを尋ねれば皆さんが通訳となってくれて、たまに私が喋ると全員から拍手

当時、ソ連や NHK に対して抱いていたお堅いイメージが、回を重ねるごとに払拭され、

先生方やスタッフ、そして仲間に会えることが楽しくてしかたない日々を過ごしました。

講師の 「ジャージャ ワロージャ(ロシア語でワロージャおじさん)」 が日本を離れる日には、

NHK の皆さんと共に、生徒全員で成田空港まで見送りに行ったものです

 
 「ソビエト連邦」 の時代、日本人が彼の地に渡航するためには、

「インツーリスト」 という、唯一の国営旅行会社を通さなくてはなりませんでした。

一人旅など出来るはずもなかったのですが、問い合わせだけでもしてみようと、

覚えたてのロシア語で書き綴ったメモを片手に、勇気を振り絞って しましたら、

「あなたは、僕と一緒に旅行がしたいのですか?」 と、それはそれは流暢な日本語で、

金髪碧眼のイケメン氏(たぶん)に言われてしまいましたっけ


 幻のナンパから数十年。。。

先だって、小金井市にある 「江戸東京たてもの園」 を訪れた際に、

ロシアの湯沸かし器 「サモワール」 を見つけ、なんとも言えない郷愁を覚えました。


     
     江戸東京たてもの園 「田園調布の家 大川邸」 1925年(大正14年)

 
 久しぶりに、ロシア気分に浸ってみようかなぁ。。。


お読みくださいまして、ありがとうございます
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秘書にゃんこ*映画 『秋日和』

2015-12-12 | 映画が好き
 女優 原 節子さんを偲び、丸の内ピカデリーで懐かしい映画が上映されています。

小津 安二郎(おづ やすじろう)監督にとって晩年の作品となった 『秋日和』 は、

終戦から15年、東京オリンピックまで4年という 1960年(昭和35年) に公開されました。

 
     
     初めての母親役を演じた原 節子さん(右)
     娘役の司 葉子さん(左)と、その友人役の岡田 茉莉子さん(中央)は今もご活躍


     
     ご高齢の方々を多くお見受けする中、私より遥かに若い観客の姿もあり、
     献花台の前で立ち止まっては、手を合わせていらっしゃいました。
     

 
 職場では、お昼休みになるとバレーボールやバドミントンで体を動かし、

休日には仲間とハイキングに出かけ、ともに語り、ともに歌って親睦を深める

そういう健康的な生活の一方で、喫煙率の高さには驚くばかり

そして、原 節子さんを始めとする女優さんたちの、しとやかで品のある言葉遣いや所作。

良くも悪くも、男は男らしく、女は女らしく・・・という時代だったのでしょう。

スクリーンの隅々にまで、作り物ではない 「昭和」 が溢れていて、

あの風景、あの暮らしの中に、若かりし日の両親の姿を重ね合わせました。

丸の内ピカデリー では、12月22日まで 『東京物語』 が上映されています



 映画の帰り道、丸の内を散策しました。

このところ私にとって銀座より心落ち着く街も、今年は少しばかり遅い錦秋の候


     
     三菱一号館 は、かつて銀行として営業
     「半沢直樹」 や 「花咲舞が黙ってない」 にも登場した建物

 
 司 葉子さん演じるアヤ子が勤める 「東興商事」 は 「三菱本館」 でロケを行なったと推測され、

この界隈のビルの屋上から、東京駅を発つ電車を眺めるシーンがあります。

建物は既に解体されていますが、この作品の中では数少ないロケーション撮影でした

 
 東京駅に直結する地下道に入りますと、あら、どこかで見た紳士が。

三菱一号館の設計者であり、三菱本館建築の際には応募作品の審査を担当した ジョサイア・コンドル氏。


       
     寛いでいるのか、建築の構想を練っているのか・・・失礼して ごろにゃん。

ただいま丸の内エリアには、歴史上の人物や話題の著名人が座る、ベンチアートが設置されています。


お読みくださいまして、ありがとうございます。
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