紅茶が好き*5 ソーサー

2019-02-27 | 紅茶が好き
 ヨーロッパに紅茶が伝わったのは意外に遅く、17世紀に入ってからです。

当初、ティーカップには持ち手が無く、日本の湯呑み茶碗のような形をしていました。

しかし紅茶は熱いので持ちにくく、そのためにソーサー(受け皿)が誕生したようです。

とはいえ、カップが熱いことに変わりはありません。

そこでオランダの人々は、カップの紅茶をソーサーに入れることを考えました。

そしてピチャピチャと音を立ててすするのが、当時は正しい作法だったようです。

今ならお店の方が飛んできそうな飲み方ですが、持ち手がつくのは17世紀末のこと。


 紅茶を移すには、今のような浅いソーサーでは溢れてしまいます。

そのため、当時のソーサーは深く、「お皿」というより「器」に近い形だったようで、

移すことを前提に、ティーカップとソーサーは同じくらいの容量でした。


 それでは(持ち手はついていますが)、今より深いソーサーをご覧いただきましょう。


     
     ロイヤル・アルバート(イギリス)のヴィンテージです。


     
     もちろんカップの底には保温のための「スカート」があります。


     
     現代のソーサー(右)比べて、深さがあるのがお分かりでしょうか?


     
     実験用にはもったいない、ウェッジウッドの紅茶です


     
     ティーマットにこぼさないよう慎重に。。
     溢れることなく移し終えました・・・が、
     秘書にゃんこはビックリして避難したため、空席です(笑)
     そして、私、、さすがに飲めませんでしたわ


     
     再び熱い紅茶を淹れて、ショートブレッドと共にティータイム


 1杯の紅茶、ひとつの器の向こうに見える、遠い国の人々の工夫と長い歴史。

知れば知るほど奥深い、紅茶の世界です。


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紅茶が好き*4 ティーポット

2019-02-22 | 紅茶が好き
 徐々に日が長くなり、各地から早春の便りが聞こえてきます。

とはいえ、朝晩の寒さには温かい紅茶が美味しい時期。

忙しい時間には手軽なティーバッグが便利ですが、

何人かで飲む時などはティーポットが重宝します。


 紅茶の葉をポットに入れて、沸騰したてのお湯を注ぐと、

ポットの中で「ジャンピング」と呼ばれる茶葉の対流が始まります。

「ジャンピング」については、また別の機会にお話ししますが、

ジャンピングすることで茶葉がよく開き、味や香りが抽出されます。

そのためには、丸い形のティーポットが理想的とされています。


     
     「テーブルウェアフェスティバル 2019」(東京ドーム 会期終了)

丸味を帯びていると、それだけで紅茶が美味しくなる予感がします


     
     40年近く前のローラアシュレイのティーポット

こちらは私が長年愛用している品です。   

昨秋、日本から撤退したローラアシュレイが、まだ日本で展開される前、

割れないように丁寧に梱包して、アメリカから持ち帰りました


 ところで、日本茶を淹れる際には、片手で急須を持ち、もう片方の手で蓋を押さえますよね。

これは急須を傾けた時に、蓋が湯呑み茶碗に入ったり下に落ちたりしないようにするためで、

両手で扱う所作は、見た目にも美しくお行儀よく見えるものですが、

ティーポットの場合は、片手だけで持ちます。

そのため、蓋が落ちないように、急須と違って蓋の内側に ストッパー が付いています。


     
     蓋の右下に、小さなストッパーが出ているのがご覧になれますか?


     
     ストッパーのおかげで、このくらい傾けても蓋は外れません。


     
     こちらはティールームで使用している金属製のティーポット。
     蓋と持ち手の間に蝶番(ちょうつがい)が付いていて、
     蓋が外れる心配がありませんので、最後の1滴まで注げます。


     
     『ケンジントン・ティールーム』(西武池袋本店 3階)
     注文したのはダージリン。
     上質の茶葉+丁寧な淹れ方で、とても美味しくいただきました。


 さて、今日は2月22日 にゃんにゃんにゃんこの日
 世界中のにゃんこが幸せになりますように

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紅茶が好き*3 ティーカップ

2019-02-14 | 紅茶が好き
 バレンタインデーはいかがお過ごしになりましたか?

秘書にゃんこは今日が blog スタート記念日

熱い紅茶を淹れて、札幌の友人から届いたお菓子を味わいながら、

blog を綴った日々を思い起こし、故郷に思いを馳せて過ごしました


 さて、今日はティーカップの形についてお話しいたしましょう。

デパートの食器売り場に限らず、身近なお店でも見かけるティーカップ。

色や柄やお値段など、お好みに合わせて選んでいらっしゃるでしょうが、

コーヒーカップとティーカップは、厳密に言えば異なるということをご存知でしょうか?


 それでは、写真をご覧ください。

30年以上前の古い品ですが、愛用の「ノリタケ スタジオコレクション」です。

同じシリーズでコーヒーカップとティーカップが揃っていますので、比較してみましょう。


     
     (左)コーヒーカップ  (右)ティーカップ


 コーヒーカップは飲み口が狭く、ティーカップは広いのがお分かりでしょう。

理由としては、コーヒーはご存知のように抽出に時間を要すため、

カップに満たされる頃には適温で味わえるので、狭くして冷めにくくする。

一方、紅茶は沸騰したお湯で淹れて、熱々の状態でサービスされます。

更に、ティーコゼー(ポットカバー)で覆えば、20分位は熱いままですので、

飲み口が少し広いくらいの方が、美味しく味わえるということです。


 もうひとつ、ティーカップの方が浅いことにもお気づきでしょう。

これは、紅茶の水色(「みずいろ」ではなく「すいしょく」と言います)は、

浅いカップの方が色鮮やかに、更にカップの内側の絵柄も美しく見えるためです。


     
     コーヒーカップとティーカップに紅茶を注いでみました。
     同じポットで同時に淹れたとは思えないほど、コーヒーカップはまるでコーヒー色。
     (手前のお菓子は「白い恋人」でお馴染みの石屋製菓「美冬」


     
     カップを裏返してみました。     

 このように正式なティーカップの底には、スカート(またはフット)と呼ばれる部分があり、

カップとソーサー(受け皿)の間に空間が出来ることで、紅茶の温度を保つと言われています。


     
     別の角度から、ティーカップのスカート(フット)を写してみました。


 今はそこまで厳密に区別しなくても、兼用のカップや大きなマグもあります

ちょっと正式にティータイムを愉しみたいという方や、

お客様を招いてティーパーティーをお考えの時に、参考にしてみてくださいね

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紅茶が好き*2 「茶」 という呼び名

2019-02-02 | 紅茶が好き
 「お茶でも飲みませんか?」と、見知らぬ男性から声を掛けられた経験はありませんが、

もし誘われて応じたとしても、実際に喫茶店で注文するのは、ほとんど「コーヒー

メニューを見て「残念ながらお茶は無いようです」と恐縮する人はいないでしょうし、

「お茶って言ったじゃありませんか」と、そこにこだわる女性もいないでしょう。


 日常生活においても、「そろそろお茶にしましょうか」と言って休憩するなど、

必ずしも「お茶=日本茶」を意味するとは限らない場面が多々あります。

このように、気軽に使う「お茶」という呼び名。

ちょっと調べてみましたら、いくつかのパターンはあるものの、

「お茶」って万国共通語ではないかと思えるくらい、似たような呼び名なんですね。


 発祥の地「中国」では、もちろん「チャ」。

近隣の国である日本や朝鮮半島、そしてインドでも「チャ」。

中国の北に位置するモンゴルやロシアでは、なぜか「イ」が付いて 「ツァイ」「チャイ」。

これとて、飲むジェスチャーをしながら「チャ」と言えば、伝わりそうな気がします。


 ヨーロッパに移りますと、オランダ・フランス・ドイツ・イタリア・スペインが、

文字や綴りは異なりますが、いずれも「テ」。

そして、イギリスやアメリカではご存知「ティー」。


 言語は全く違うのに「お茶」という呼び名が似ていて、しかもいずれも短くて言いやすい。

それだけ世界中の人々の暮らしに、深く優しく入り込んでいるということなのでしょう。

そんな「お茶」を愛しく思いながら、午後の紅茶をいただきます


     
     マリーアントワネットでおなじみ NINA'S (横浜みなとみらい)


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