秘書にゃんこ*映画『小さな恋のメロディ』

2022-10-27 | 映画が好き
『小さな恋のメロディ』(1971年)

1年遅れの「50周年特別上映・舞台挨拶」に行って参りました

この情報を facebook で知ったとき、果たしてどのくらいの人が関心を寄せるのかと思いましたが、

ネットで受付が開始されるや、まるで椅子取りゲームで音楽が鳴り止んだときのように、瞬く間に【満席御礼】

久々にスリリングな時間を味わって、無事に予約が取れました


 1971年(昭和46年)といえば、私は札幌の中学生。

同級生と二人で観に行き、ジャック・ワイルドのファンになった彼女が「もう一度見たい」と言うので、

ビデオなど無かった時代、翌週再び映画館に足を運んだものです。


当時のパンフレットとレコード


 上映後の舞台挨拶は、当初メロディを演じたトレイシー・ハイドさん一人の予定でしたが、

マーク・レスターさんが花束を持ってサプライズで登場し、場内から歓声が上がりました


「ロケ現場にビー・ジーズが来てくれたけれど、その当時は彼等の偉大さが分からなかったわ」
トレイシーが子役あるあるのもったいないエピソードを語れば、
「僕はもともとビー・ジーズのファンで、初めて買ったレコードが『マサチューセッツ』だったよ」
と、マーク。
映画のラストシーンでトロッコを漕いだ二人が、長年に亘って連れ添ったような息の合った様子に、
まるで映画の続きを観ているような錯覚をしてしまいました。



トレイシーの笑顔と美しさに、その人生を垣間見る思いがしました。
すっかり貫禄のついたマークは、目元に美少年の面影が残っていましたよ。


 会場には、仕事や家庭で一区切りをつけたと思しき当時の少年少女たち。

半世紀の間には、世界にも日本にも、そして個人にも実にいろいろな出来事があったけれど、

こんなふうに願ってもいなかった時間を過ごせるなんて、お互いに頑張ってきてよかったねと、

なんだか同窓会のような雰囲気で、ひととき十代に戻った気分でした。



劇場近くの喫茶店「茶亭 羽當」(ちゃてい はとう)



コーヒーとかぼちゃのプリンを味わいながら余韻に浸りました


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すっかり様変わりした 銀座線の渋谷駅 に、
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日々の暮らし*『お探し物は図書室まで』(著者:青山 美智子)

2022-10-22 | 本が好き
 図書館といえば「本を貸し出してくれる所」で、私など週に2回は返却かたがた借りに行っていますが、

実は「レファレンスサービス」もまた図書館の役割であることを、恥ずかしながら最近知ったしだいです。

「レファレンス」とは「参考・参照」であり、図書館においては「調べもの相談」といったところでしょうか。

もちろん、個人のプライバシーに関わる調査や骨董品の鑑定、学校の宿題を手伝ってもらうなどは ですが、

興味を持って調べたい事柄を膨大な数の書籍から探す際に、的確なアドバイスがあれば助かります。

そのようなときの心強い味方が、調べ物のエキスパートである「図書館司書」

何年も前になりますが、東京の自治体から依頼されて「お箸」についてレクチャーすることになったとき、

司書さんにご相談していたらもっと効率よく準備ができたのではと、今になって思います。


 さて、今日お薦めする本は、司書さんのアドバイスを受ける図書館利用者たちの物語。


『お探し物は図書室まで』(著者:青山 美智子)
タラヨウの葉っぱについてお伝えしたときの『猫のお告げは樹の下で』と同じ方の作品です。
この本に登場する司書さんは本を探すだけでなく、その人に必要なことを羊毛フェルトに託して手渡します。


 私が本を読むのは基本的に自宅ですが、家に居るとあれこれ用事を思い出して落ち着かないことも。

その点、喫茶店は読書に専念できるので魅力的ですが、周囲が騒がしいのは困りモノ。

で、見つけました。お客様が皆さん読書に集中していて、コーヒーの美味しいお店


黒澤文庫(日本橋高島屋 新館)
仙台の青山文庫、秋田の赤居文庫に次ぐ文庫カフェが東京初出店。



内装が見渡す限り「昭和」なんです。
秘書にゃんこは平成生まれなのに、なぜかしっくり。



テーマは「本と珈琲とインクの匂い」
日本橋に行く機会があれば再訪したいお店です


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帝国ホテル 今月のロビー装花 に、
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秘書にゃんこ*九段から神保町へ

2022-10-17 | 建築が好き
 九段会館テラスがオープンしたと聞き、秋晴れの一日に出かけて参りました



千鳥ヶ淵:桜の季節には辺り一面ピンクに染まります
左の木の陰は昭和館(昭和の歴史的資料を展示する国立博物館)
中央(秘書にゃんこの頭の上):九段会館
右:九段会館テラス



昭和館から見上げる九段会館テラス
手前:九段会館(昭和9年竣工の旧 軍人会館 東日本大震災による天井崩落で休館)
奥:九段会館テラス(令和4年に九段会館の一部を保存して17階のビルに建て替え完了)
オフィスビルとして開業し、宴会場や も入居。
九段会館については、歴史的価値ある建物を改修し、
人々が立ち入ることができる方法で保存した選択を喜ばしく思います。



前庭から望む日本武道館



所変わって、こちらは神田の学士会館(旧 帝国大学出身者の親睦と知識の交流を目的として発展)
右の4階建てが旧館(昭和3年建造) 左が新館(昭和12年増築)



レストランへと続く廊下
写真は撮りませんでしたが、廊下の右手に談話室があります。
談話室とはいえ会話は無く、学者さんと思しき方々が静かに読書や調べ物をなさっていました。



格式あるレストランも、ランチはお手頃価格
この日いただいたのは、セブンズハウスの新クラークカレー
帝国大学のひとつ北海道大学(札幌農学校)に赴任したクラーク博士が、
寮生の栄養バランスの改善を目的として考案されたと伝えられています。



神保町シアターで映画『氷点』(昭和41年公開)を観た後は、古書店街の路地裏にある喫茶店へ。
戦後まもない昭和24年創業の「ラドリオ」



ウィンナーコーヒーは、このお店が元祖。
学生運動が盛んなりし頃、議論が白熱する中でもコーヒーが冷めないようにというお店の心遣い。


『氷点』はご存知のように深刻なストーリーですのに、
船越英二と森光子が語り合うシーンで「時間ですよ」を思い出してしまいました
今にもマチャアキや美代ちゃんが登場しそうに思ったのは私だけかしら??
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日々の暮らし*デパートの思い出

2022-10-12 | 本が好き
 日曜日にデパートに連れて行ってもらえると思うと、何日も前からワクワクした昭和の子供です

ちなみに土曜日は「半ドン」といって、少なくとも午前中は学校も会社も休みではありませんでしたし、

祝日も今よりずっと少なくて日曜日と重なろうが振替休日などなく、GWは暦通りの「飛び石連休」でした。



『あのころのデパート』(著者:長野 まゆみ)
大食堂や屋上遊園地など、当時の子供たちに共通する懐かしい思い出話や、
やがて二つのデパートに勤務することになる著者が語るデパート裏話。

 進物用にとお願いしたとき、職人技とも思えるテクニックにしばし見とれることがありませんか?

この本によりますと、店員さんの中には、途中で仮留めをせず最後の一箇所だけテープを貼る方や、

食品やこわれ物など箱を上下に引っくり返すことなく、包装紙をくるりと動かして包む方など

ラッピングの達人がいらっしゃるそうで、ぜひ間近で拝見したいものだと思いました

また、購入した品を自宅に配達してもらう場合、配送伝票の依頼人の欄に「本人」と書きますが、

ベテラン店員さんになりますと、あとで「御」を書き添えて「御本人」とするとか。

接客業の奥の深さを感じつつ、私だったら、そこまでするなら更に「様」を付けて完成させるかも?



銀座三越の屋上
平成の初め頃、遊具で子供たちが遊び、ステージでイベントが開催されたのを覚えています。
和光の時計塔や真珠のミキモトに手が届きそう



日本橋三越の屋上
以前よく立ち寄った英国チェルシーガーデンが、今は日本庭園に。



『にっこり、洋食』(文筆家32名によるエッセイ)
遠い日の大食堂の思い出と重なります


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秘書にゃんこ*郵便局の木

2022-10-07 | 本が好き
 「はがき」を「葉書」と書くということは、紙のなかった昔は葉っぱに文字を書いていたのかしら。

ずいぶん前にそう思ったものの、それっきり忘れていたら、読んだ本が教えてくれました



『猫のお告げは樹の下で』(著者:青山 美智子)
神社に出没するネコさんが、人生に迷った人にタラヨウの葉っぱを1枚授けます。
葉っぱに書かれたお告げはその人にしか見えず、受け止め方やその後の生き方もその人しだい。



タラヨウ(多羅葉)の木
20センチほどの葉っぱの裏に、書くというより針先などで傷をつけて文字を書き残します。


 紙が稀少だった戦国時代に情報のやり取りに用いられたのが「葉書」の語源という説もあり、

1997年(平成9年)に、当時の郵政省がタラヨウを「郵便局の木」と定めました。

多くは静岡以西に分布する常緑樹ですが、シンボルツリーとして東京中央郵便局にも植樹されていて、

タラヨウの葉っぱに所定の料金の切手を貼れば、定形外郵便として郵送することができます



東京駅丸の内南口にある KITTE(東京中央郵便局)


 丸の内で開催されている「ブックフェス」を覗いた後、有楽町方面に歩くと東京国際フォーラム。

広場では、何台ものキッチンカーがランチタイムのビジネスマンを迎えます



帝国ホテルのキッチンカーはこの日が出店初日。
「写真を撮っても構いませんか?」「どうぞ!」と、ホテルで交わすよりカジュアルな雰囲気。
助手席に料理長スヌーピーが座るキッチンカーは、来年の3月まで平日のランチタイムに営業



ミートボールのパオサンド マデラソース(週替わり)にコーヒー、おまけのチョコレート


 この日は夏の日差しと暑さでヘトヘトになりましたが、その後、一気に冬の寒さに見舞われるとは。

明日からの三連休も天候が安定しないようですので、お体の調子を崩されませんように。


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