インスパイア

自然を通して心をみつめる。言葉をとおして人生を見つめる。

日本の稜線をつなぐ

2012-09-26 09:59:13 | Weblog
今年はまだ日本アルプスへ行っていない。
雪の赤岳や尾瀬、沢ではナルミズとか東沢と、まずまず充実はしているが、1年に一度も日本アルプスへ行かなくてよいのか。
日本の稜線をつないで歩き通すという生涯目標のためにも、少しは縦走しておきたい。
というわけで、この連休を利用して鹿島槍と五竜へ行ってきた。

扇沢から入って遠見尾根を下るので、夜行バス利用を考えたが、様子を見ているうちに満席になってしまった。
夜行電車も考えたが、息子が群馬の実家に行くのと合わせて自動車で行くことにした。
扇沢に車を止めて、鹿島槍を超えてキレット小屋に一泊、翌日、五竜から遠見尾根を下り、神城から電車バスを乗り継いで車を回収するプランだ。

夜中に息子の運転で実家に行き、そのまま自分は扇沢へ、6時半頃ついてすぐに登り始める。
駐車場は満杯でかろうじて登山口に1台の空きがある。
柏原新道は人が多い。着実に登ってほとんどの人を追い抜く。一組トレラン風の男女に抜かれる。
2時間25分で種池山荘へ到着。 出発が予定より遅れたので、少し休んですぐに歩き始める。天気は晴れ曇りでまあまあだ。東京では雨が降っているようだ。
稜線の信州側に雲が湧いている。立山連峰と剣岳が見える。

冷池山荘で昼食後に軽く昼寝。朝、チキン3個とイナリ小5個を食べたのがややもたれる。昼はおさえるべきだったがパンを食べてしまった。鹿島槍には1時過ぎに到着。ここでも思わず横になって寝てしまう。昨夜あまり寝てないこともあるが、高地で長時間行動すると頭が痛くなる。
小屋泊で荷物も少ないのにかなり肉体的にこたえる。

鹿島槍からは人がいなくなる。キレットの難所が続く。3時半に小屋に到着、こんなところによく小屋が立ったものだ。

1泊2食で9100円とやや割高。客は40名くらいか、布団はちょうど1人一枚だった。
夕食後はそのまま横になって寝てしまった。

翌日は小雨。
カッパを着込んで5時40分に出発。難所が続き、慎重に進む。
雨はさほどでもないが、結構寒い。小屋の寒暖計は6度だった。
特に手袋が濡れて、握りしめると水が垂れ落ちる。手袋の雨対策の必要性を痛感する。使い捨てのビニール手袋を上にかぶせるか、冬用のアウター手袋を利用するかだ。

五竜では何も見えない。小屋に入ってコーヒー200円を頂く。今回の失敗はバーナーを持たなかったことだ。軽量化を考えたのと小屋泊なのでそこで暖かいものが飲めるから。だけどやはりバーナーは必要。特に寒い体を温めてくれる。今回の体調不調の原因のひとつは行動中に暖かいものをとれなったこともあるだろう。

遠見尾根をくだりテレキャビンで1時には下山。電車の時間は3時50分で非常に接続が悪い。風呂でゆっくりして電車バスを乗り継ぎ車を回収する。車がちゃんと待っていてくれてありがたかった。

1000年前の世界

2012-09-03 14:40:48 | Weblog
大河ドラマの「平清盛」は不評のようだが、結構楽しんでみている。

視聴率が低いのは、とにかくわかりにくい。人物関係がだれがどうなっているか、わからない。
韓国ドラマ(イサン)と比べると対照的だ。
韓国ドラマはストーリー展開が早い、わかりやすい、現実からはかけはなれている(全くのつくりもの)、一方の清盛は、映像を現実に近く表現しようとしている(暗いとの批判も)、史実にある程度忠実に、セリフや背景に意味を持たせた演出をしている。

吉川英治の「新平家物語」を並行して読んでいるのと、一部、古典の平家物語を読んだり、源義経(司馬遼太郎)を読んで歴史的背景を理解しようと努めている。
1000年近く昔の出来事だけど、人間をめぐる喜怒哀楽とかは今の我々とかわらないものを感じる。
昔はテレビも映画も電気的娯楽も無く、和歌とか今様などで心や人生を表現したのだろう。ささやかだけど、深く心にしみるものを感じる。
一方、戦場での殊勲に命をかける男の戦いは、現代のビジネスマンにも通じるのだろうか。

自分が1000年前の世界に生まれたならどのように生きたのかな。