インスパイア

自然を通して心をみつめる。言葉をとおして人生を見つめる。

明るいガン

2021-05-24 14:54:58 | Weblog
先月、父が救急車で入院した。低血糖を起こしたので3,4日で退院できると思っていたら、なかなかできない。
コロナで面会もできず、状況がよくわからないが、まあしばらく入院していてもらってもいい。

退院できそうになって病院に行くと、医師から病状説明。腹水があって大腸カメラを行った結果、ガンができている。
高齢なので手術も無理、余命は6か月だった。

まったく考えてもいなかったのでショックではあったが、まあ、こういうこともあるというか、歳を考えたら仕方ないというか。
本人には医師から伝えてもらうことにして翌日退院の迎えに妹と来る。

看護師がいうには、医師からの説明は大腸にできものができているといったらしい。
できもととガンではちょっとイメージが違うし、あとで変な錯覚をされても困るので、自分と妹から改めてガンであることを告げる。

その反応は、
「そうだろうな、俺もがんだろうとはおもってたんだよなあ」
その口調はいたって明るい。本当にわかっているのかなあ。

家に帰って父は母に「ガンができてるんだって」
母の反応は「そうなん」
母には伝えていたけどシンプルな反応。淡々としすぎて妻もおどろいていた。

父にとってはガンだろうが、糖尿病だろうが、緑内障だろうが、死ぬのは明日かもしれないし、数年後かもしれないし、同じことなのだろう。
退院するやいなやトマトの世話を始める。入院中も気になっていたようだ。
気持ちのハリがあるのは周囲にとっても救いだ。

変な言い方だけど予定がわかったことで、すべき対応もとりやすくなった。
それと寝たきり介護とかはなさそうだし、かえってよかったのかもね。