インスパイア

自然を通して心をみつめる。言葉をとおして人生を見つめる。

猛暑日に大雪渓

2013-08-13 16:32:24 | Weblog
記録を更新する猛暑日が続いている。
沢登りにとっては絶好の天気だ。

今回は湯檜曽川本谷を一泊二日でMさんと行く。

登山口に駐車し新道を行く。武能沢出会いで装備を付け沢に降りる。5人パーティと夫婦連れに会う。

自分で渓流靴のフェルトを張替え、先週の釜の沢西俣に続き2回目となる。
水は冷たいがウェットスーツ的な上着を着たので保温効果があるようだ。

うなぎ淵を泳ぐが、ザックとメットにつかえて頭が水上に上げられず、亀のような泳ぎになってしまう。シュノーケルを使うと便利かもしれない。

ところどころで雪渓が現れる。下界は猛暑なのに信じられないって感じだ。

有名な十字峡に到達。向かいの滝は100M近くありそう。ここを遡行する記録もあった。

いよいよ大雪渓が立ちはだかる。霧がでて天然の冷蔵庫の中にいるよう。雪渓の上を行くが、大小の倒木が大量に横たわる。こんなにたくさんの木がなぎ倒されるのか。
雪渓の末端近くは割れが入り危険そう。ここで3人パーティもやってくる。おじいさんと女性もいる。こんな人たちが沢にやってくるのか。

雪渓から斜面にずり降りて、雪渓のトンネルを抜ける。そこで後ろで大きな音がし、見ると雪渓が崩れたようだ。3人は大丈夫だったか心配になったが、しばらく待つとやってきて一安心。

雪渓もいつくずれるかわからない。こんな大雪渓もあと2,3週間で溶けてしまうんだろうから、毎日とてつもない量の雪が溶けているわけだ。考えてみるといつ崩壊するかわからないのだ。素人はそうした危険を察知できない。

10M滝を水中を斜めに横切って登る。適当な滝が続き、赤茶けた2段滝は巻き、続く2段40Mでロープを出す。ビレイに手間取る、というか、うまくできていない。実際の経験をもっと積まないといけない。

二股でテン泊かと思ったら、Mさんはもっと上に行くという。テン場もイマイチだし雪渓の脇で冷蔵庫のようだから、まあ仕方ない。

しかし上に行っても行っても適地が無い。沢は細まり両側にV字型に迫った地形が続く。かなりへろへろになってきた。

いよいよ沢も枯れてきた。最後の水を汲み、稜線まで上がることになる。笹薮をトップでかき分けて進む。傾斜がゆるくなりそろそろ稜線になっても藪が続く。シャクナゲの始末が悪い。磁石で確かめるが方向は間違っていない。

やっとこ登山道に出る。助かった~て感じだ。
すぐにテントを張るのかなって思ったら、もう少し歩くという。上り下りが足にくる。筋肉がこわばってる感じだ。行動時間は11時間になる。これだけ行動するのは久しぶりだ。耐久山岳レースの辛さが思いやられる。

登山道の上にはテントは張れないからと、歩き進み、ようやく笹原に張れるところを見つける。5時20分だ。

Mさんが食事の準備やなんやかやとしてくれる。山岳部で培った精神力と根性はさすがだ。

初日に頑張ったおかげで2日目は8時には下山でき、渋滞もなく帰宅することができた。

今回は雪渓の怖さをしったのと、(テン場でない)ビバーク的な泊りを初体験した。