インスパイア

自然を通して心をみつめる。言葉をとおして人生を見つめる。

今年の三冊

2013-12-14 11:29:02 | Weblog
今年も100冊を突破しました。
印象に残った三冊を挙げますと、
「巨匠とマルガリータ」 ブルガーコフ
「百年の孤独」ガルシア・マルケス
「ヴァインランド」トマス・ピンチョン
いずれもハチャメチャというか、枠に納まらない飛んでる内容だ。今までと違う世界というか、インパクトを感じた本です。

「巨匠とマルガリータ」はある人が村上春樹の1Q84のモチーフになったとかいってたのがきっかけで読んでみたが、一言でいうと悪夢。なんか俺、悪い夢でも見ていたのかな、っていう感じ。でも面白い。引き込まれる。深い思想があるのか、それとも単にハチャメチャ、支離滅裂なだけなのかな。

「気の狂うときは、こんなふうにしてはじまるものか!」
「ドストエフスキーは死にましたよ」と女は言ったが、あまり確信がなさそうだった。「抗議する!」とベゲモートが熱っぽく絶叫した。「ドストエフスキーは不滅だ!」

「百年の孤独」はノーベル賞作家の作品だが、ラテンの血というか文化世界ってこんなのかって感じる。六世代にわたる一族の物語で、同じような名前の人が生まれては死んで、知らないうちにお伽話の世界に出入りしているよう。

「時は少しも流れず、ただ堂々めぐりをしているだけ」
「昔のとてつもないらんちき騒ぎや、けばけばしい豪勢さや、とどまるところを知らない交合などを思い出してうんざりし、こうして孤独を分かち合う楽園を見出すのに要した長い人生を思って、長嘆息した。」

「ヴァインランド」はピンチョンワールド、「何か起こるかもしれない感」に満ちている。細部はひたすら増殖し、繁茂し、混乱する。繰り返されるフラッシュバックとフラッシュフォワードに翻弄され、一体今どこにいるんだろう?と戸惑う。
懐かしきパラノイアの祭典。「あんたの妄想(パラノイア)、元気いいなあ」

とてもエキサイティングでした。