インスパイア

自然を通して心をみつめる。言葉をとおして人生を見つめる。

Jブンガクと村上春樹ワールド

2009-07-02 07:53:08 | Weblog
最近小説を読むようになってきている。4月からのNHKテレビ「Jブンガク」の影響が大きい。キャンベルおじさんの解説を聞いていると文学界へ関心が惹かれてくる。
自分としては夏目漱石、そして最近では村上春樹ワールドに引き込まれつつある。
村上は、エッセイ「走ることについて語るときに僕の語ること」、翻訳「キャッチャーインザライ」を読んで、なんとなく平易ながら含みのある文調に好感を持っていた。最近1Q84の大ヒットのニュースもあり、あらためて村上文学に触れてみようと「海辺のカフカ」を読んでみた。
かなり、というか相当なインパクトを感じた本だ。一言でいうなら、「オイディプスをメタファーした、現実と非現実感のシームレス(またはハイブリット)小説」だ。
夢と現実、思い出と現在、本質と殻、入り口の石、迷宮、予言、運命、不条理。
読んでいくうちにどんどん引き込まれる。
意味を理屈で考えようともするが、あまり理詰めで対するのではなく、物語ストーリーとして受け止めたほうがよさそうだと悟る。
現実と非現実の境界を旅しながら頭の中をもう一度かき混ぜて、読み終えたときにもう一度現実に目が覚めたような気分である。