興趣つきぬ日々

僅椒亭余白 (きんしょうてい よはく) の美酒・美味探訪 & 世相観察

暑さを和らげ、風を通してくれる

2023-07-28 | 随感・偶感・歳時感

一週間ほど前、2階の南西角の部屋に簾(すだれ)を掛けた。
南側の窓に一つ、西側の窓に一つ。

去年秋、家の外壁塗装をした際、古い簾を捨てて、そのままになっていたのだ。

 

 

     

この部屋の北側のすみっこに、わたしのささやかな書斎コーナーがある。

「ここが世界の中心です」
と紙に書いてあるのは建築家で社会事業家、ウイリアム・メレル・ヴォーリズ (1880-1964) の言葉。
わたしは昔この言葉を知って、 ‘自分の生きている今と、住んでいるこの場所をいちばん大切に’ という考え方であろうと理解し、ずっと大事にしてきた。

この書斎はまさに、わたしにとっての「世界の中心」なのだ。

 

 


   

ただ、この世界の中心は南西の角、盛夏には昼から夕方まで暑さが引かなない。
簾がどんなに有用なことか。

簾の効用は夏だけではない。春も秋も窓を開け網戸だけにしておけば、涼しい風を通してくれるし、外からの視線も遮ってくれる。

この春先から、簾を 「早く掛けよう早く掛けよう」 と思いつつ、時日を経、蒸し暑い梅雨に入ってしまった。
先日ようやく梅雨が明けて、そのタイミングで重い腰を上げたという次第。

 

 


    

この簾を窓枠に吊り下げるにあたっては、わたしが一つ工夫した点がある。

それは簾の下部を、窓の手すり(柵)にかたく結びつけてしまわないことだった。ヒモの長さにゆとりをもたせた。
風が吹いたとき、簾のすそがゆらゆらと揺れる幅をもたせるためだ。
簾の揺らぎは見ていても心地よいものだ、と思う。

そんなことから、わが書斎に名前を付けようと思いついた。
思いついたものをいくつかあげてみる。

 揺簾庵(ようれんあん)簾風庵(れんふうあん)涼風庵(すずかぜあん、りょうふうあん)
 揺蘆庵(ようろあん)風芦庵(ふうろあん)揺葦庵(よういあん)葦簀庵(よしずあん)など。

どれもイマイチである。何よりも、わたしの書斎ならではの意味付けがなされていない。

そんなことを考えているうちに、先日簾を吊るしているときに、簾にアブラゼミが留まったのを思い出した。

 

 

    

アブラゼミ(油蝉)をヒグラシ(蜩)に替え、

 蜩庵(ひぐらしあん)

とするのはどうであろうか。

わたしは一日のほとんどをここで過ごす。「日暮らし」「朝から晩まで」「ひねもす(終日)」「日がな一日」ここにいるといってもいい。退屈もしない。(昼寝はするが)

蜩庵、わたしにピッタリではないか。・・などと今考えている。



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