興趣つきぬ日々

僅椒亭余白 (きんしょうてい よはく) の美酒・美味探訪 & 世相観察

ほほえみの御仏-二つの半跏思惟像

2016-07-02 | 時には芸術気分

上野の東京国立博物館に行ってきました。

特別展 「ほほえみの御仏(みほとけ)  二つの半跏思惟(しゆい)像」 を見るためです。

 

 

 

    

日本の国宝、奈良中宮寺の 「半跏思惟像」(左) 韓国の国宝 「国宝78号 半跏思惟像」(右) が並べて展示されているのです。

 

 

 

 

    

ここは東京国立博物館本館の入口を入ったところ(展示されている部屋では撮影禁止)

 

ひと月ほど前、友人からの情報でこの展示会のことを知ったわたしは、これは何をおいても行かねばならぬ、と思いました。

なぜなら、微笑みを浮かべた菩薩像として名高いこの中宮寺の半跏思惟像は、わたしが永く、奈良まで行ってぜひ直接見たいと思っていたものだったからです。
それが東京で見られるのです。

実際に見た半跏思惟像は、深く瞑想(思惟)に沈んだ、穏やかで優しい表情をしていました。

体の線から指の先までいさかかの力みもなく、大きな耳は目の前に相対する人の悩みや思いをなんでも聞いてくれそうです。

微笑みの像といわれるのは、口もとが左右にわずかに引いていて、微笑んでいるように見えるところから来ているのでしょう。

柔らかさの中に、この上ない気品をたたえた御仏でした。


一方、韓国国宝78号 半跏思惟像は、意外にも中宮寺の半跏思惟像より二回りほど小さな像でした。

パンフレットや館外の案内板で、同じ大きさに表現されていたからそう感じたのかもしれません。

いちばん印象的だったのは、この半跏思惟像がほんとうに ‘微笑んで’ いたことです。

口もとだけでなく、目もとにも明らかに笑みが浮かんでいます。(韓国語には눈웃음<目笑>という言葉がある)
見る人をそのまま丸ごと、優しく受け容れてくれる表情です。

この半跏思惟像も、ほんとうに素敵な仏像だと思いました。韓国の人たちが、これを国宝として大切にしているのが、よく理解できた気がします。

 

 

 

 

     

「二つの半跏思惟像」展 のあと、神保町に出て、あちこち見て歩き、神田まつや(蕎麦屋)までそのまま足をのばしました。

 

 

 

     

ずいぶん歩きました。 まずビールの小瓶で渇いたのどを潤し・・・。

 

 

 

     

     燗酒に変え、焼き鳥。

そして〆は、温かいかき揚げ天丼。

たっぷり歩いたあとのゆったりした 時間、‘ほほえみの一杯’ を楽しんできました。



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