興趣つきぬ日々

僅椒亭余白 (きんしょうてい よはく) の美酒・美味探訪 & 世相観察

奥会津への旅③ 温泉と酒蔵巡り編

2012-11-24 | 散歩、時々旅

奥会津には温泉が多く、酒の蔵元も多い。

奥会津への旅、二日目は 「さゆり荘」 を出て、日帰り温泉施設 「古町温泉 赤岩荘」 と、
蔵元のいくつかを訪ねました。

天気予報では晴れるといっていたのに、雲がなかなか切れません。
小雨がパラついていました。

上の写真は、赤岩荘の露天風呂です。
湯が茶色。 鉄分を含んだ湯かと思ったのですが、後で建物内の壁に貼ってある解説を読むと、
ナトリウム泉とのこと。 どうりで少しショッパイ味がしました。

入っていると、小雨がミゾレに変わりました。 寒くて寒くて、出るに出られません。

 会津笠 かぶって暫し 霙風呂(みぞれぶろ)

これも一興です。 ゆっくり、長く入って、あったまってきました。

 

 

 




ここは 「花泉」 の蔵元です。

正面玄関は閉まっていましたが、裏手の作業場をのぞくと、仕込みの作業中でした。
炊き上がった酒米が、大きな木枠の中に湯気を上げています。

のぞき込むと、 「近づくな」 とばかりに、杜氏の一人に、目と手で制止されてしまいました。

 

 

ここは、次に訪れた 「金紋 會津」 の蔵元。

 

 




中に入ると、玄関わきの部屋は天井の高い、広いスペースになっていて、左側奥に展示・即売コーナーがありました。

 

 

 

次は、 「開當 男山」 の蔵元。 ここも立派な木造の家屋です。

外は本格的な雪になってきました。

 

 

 

中に入ると、試飲・即売コーナーがありました。

当主の奥様でしょうか。 上品で落ち着いた女性が応対してくれました。

会津の女性は、凛とした芯の強い女性が多いとのこと。 この人もその一人かもしれません。

ちなみに、来年のNHK大河ドラマは、新島八重の生涯を描いたものです。
会津に生まれ、戊辰戦争の折には、みずから銃や刀を持ち、男装して鶴ヶ城に入ったという女性です。
(後に同志社を創立した新島襄と結婚。 維新後の教育に力を尽した)

来年は大河ドラマ、見ようかなあ。

 

 

 

最後に訪問した蔵元は、 「国権」。

道路に面した店舗には、若い男性が店番をしていました。
聞けば、もし跡を継げば自分がこの蔵元の六代目になるとのこと(まだ継いでない)。
感じのいい青年です。

国権の名の由来について話してくれました。
明治の初め、この造り酒屋がまだ創業まもないころ、一人のお坊さんが現れ、
蔵と酒の名前を国権にしなさい、と言い残して去ったのだそうです。

当時は、幕末に結ばれた諸外国との 「不平等条約」 を改正せよ、との気運が国内に高まっていたころです。
その時代背景のなかでの逸話なのだろう、とのことでした。

この青年、とても話が上手い。 頭がいいのでしょう。
でも、この酒蔵の 「跡は継ぎたくない」 と言っていました。

なぜかというと不景気で経営環境は厳しいし、この蔵は昨年の大地震で建物の壁が壊れるなど、
大きな被害を受けたからなのだそうです。

まだその壁も直していないのに、今年の仕込みを始めなければならない状況だと言っていました。

この青年への声援の意味も込めて、純米吟醸酒を一本(四合ビン)、買わせてもらいました。

 

 

 

会津路は、雪がしだいに強くなってきました。
トンネルわきの林には、雪が積もり始めています。

スタッドレスタイヤをはいていなかったわれわれの車は、慌てて東の白河方面へと向かいました。
福島県の中通りにある白河は、朝から晴れでした。 (朝、南会津の宿のテレビで見て、知っていた)

同じ福島県でも、山側の会津とはずいぶん気候が違うのですね。

 


 

 

今回、奥会津への旅で買った酒は、結局あわせて三本になりました。

旅の余韻とともに、じっくり味わうことにします。