二条河原の楽書

京都サンガF.C.を中心にJリーグを楽な感じで綴るサッカー忘備録(予定)

2014 J2第14節 水戸vs京都

2014-05-18 | 蹴球

水戸ホーリーホック○5-1●京都サンガF.C.
             7'三平和司
             (assist比嘉祐介)
32'馬場賢治
36'三島康平
79'吉田眞紀人
85'三島康平
90'+1内田航平


■ゲームを壊した人
 先制しながら5失点を浴びての大敗。それこそ前半30分くらいまでは京都のワンサイドゲームだった。工藤浩平、中山博貴、ジャイロを中心としたプレスは矢のように速く、そこに三平和司や大黒将志の追い込みまで加わって、水戸にサッカーをさせなかった。比嘉祐介のフィード一発に逆サイドまで走り抜けた三平の先制点も見事だった。だが好事魔多し。暗転の伏線は結構早い時点、ゲーム開始3分に現れていた。
 こんなプレーだった。水戸の何でもないフィードに対して前に出て競ったバヤリッツァのヘッドば空を切り、バウンドしたボールの処理を緩慢に見送ってしまって水戸の速攻を受け、内田航平のシュートを杉本大地がナイスセーブするという場面。バヤリッツァはこの時点からゲームに集中できていなかった。32分オフサイドを取り損ねた失点は致し方ない部分もあったが、36分に浴びた逆転ゴールは、前で奪いに行ったバヤリッツァが奪いきれずそのまま攻勢を浴びた末のもの。このシーンで彼は帰陣することなく、ゆったりと歩いたままだった。集中力を欠き緩慢なバヤリッツァを前半で下げてしまう決断ができていたら、また違ったゲームになっただろう。

■無惨な無統制
 後半、水戸は守備が劇的に良くなった。特に上手く守っていたと思えるのが大黒のところで、一歩間違えば大黒にエリア内で前を向かれるリスクを背負いながらも大黒にボールを集めた瞬間のところで奪ってエースを封じた。京都はチーム全体がカッとなって、焦りまくった状態。ベンチワークも非常にまずく、カードを切るたびに布陣はいびつになり、フォーメーションなど無視して各自好き勝手に攻めにかかるような無統制状態に。元々大した決まり事がなく、「選手間による話し合い」によって何とかバランスを保っていたバドゥサッカーは、ただのアドリブ集団になった。それでも73分、工藤のロングフィードを有田光希がポストで落として大黒のボレーシュートという攻撃は非常にいい形だった。水戸側からみれば、この時のGK本間幸司の好セーブが試合を決めたプレーだった。
 その直後、バヤリッツァがクイックリスタートをしようとして相手にパスしてしまったところから速攻を浴び、3点目を奪われる。ここで完全にゲームは壊れてしまった。その後バヤリッツァが前線に旅立ち、酒井とジャイロだけになった2バックから水戸がさらに2点追加するのはイージーだった。自分で自分の首を締めてしまった無惨で愚かなゲームとして記憶されるべき一戦になった。


〈京右衛門的採点〉
杉本 4.5 …どうしようもないものもあったが5失点。最終ラインとの連携は不出来。
石櫃 5.0 …裏を狙われた場面でよく駆け戻り何度か危機を救う。攻撃面は水戸の厳しい守りに苦慮。
酒井 5.0 …個人とてしはスピードを生かして奮闘するも、バキとの関係性が悪すぎた。
バヤリッツァ 3.5 …緩慢で集中できていない守備が失点を重ねる要因に。闘志も希薄だった。
比嘉 5.5 …攻めも守りもいい場面で顔を出せていて、個人としてはまったく悪くない出来。
ジャイロ 5.5 …全体的に動きはよく、中盤でもCBでも効いていたが…。さすがに2バックは酷。
工藤 5.0 …ロングパスで事態の打開を狙ったがやや単調。前半はよく機能していた。
中山 5.0 …効きまくっていたプレスが、事態とともに空回り。ワンタッチパスの狙いは○も精度は△。
三平 5.5 …ゴール以外でもよく前線の起点になっていた。布陣が崩れるとともに埋没。
大黒 5.0 …厳しいマークに遭ってボールロストが目立つ。好機はあったが、本間に阻まれる。
横谷 5.5 …ボールを落ち着かせリズムを作る役目で悪い出来ではなかった。横谷を下げて迷走。
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山瀬 5.0 …エリア内でチャンスの種は作ったものの、中に入りすぎてバランスは崩れた。
有田 5.5 …ポストプレーの役目は果たし、チャンスも御膳立てしたが、チームとして生きず。
駒井 5.0 …単騎突破も見せたが石櫃とプレーエリアが混線し、結局守備に追われる羽目に。
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バドゥ監督 4.0 …HTで問題点を修正できず。カードを切って混乱に拍車をかける。ある意味自由。