二条河原の楽書

京都サンガF.C.を中心にJリーグを楽な感じで綴るサッカー忘備録(予定)

2015明治安田生命J2リーグ第26節 東京Vvs京都

2015-07-27 | 蹴球

東京ヴェルディ○1-0●京都サンガF.C.
57'高木大輔
(PK)


[警告・退場]
・東京V
62'中後雅喜(C1)

・京都
55'内田恭兵(C1)
59'バヤリッツァ(C5)


【全体の印象】
中3日→中3日で続いた3連戦目。序盤から両者とも球際によく食らいつき走力勝負になったが、最後の精度が悪い“消耗型部活サッカー”に。後半、京都は運動量低下から集中力も落ちはじめ、内田がエリア内で足を高く上げてロングフィードを処理しようとしてPKを献上。その後石櫃、大黒を投入し反撃を図るも、雑でアバウトで単調な攻撃に。最後はバヤリッツァを上げてパワープレーを試みるも奏功しなかった。


【雑感】
■強気の賭け
 敗因はハッキリしていて、石丸監督の言う通り→「予想よりも早く足が止まった」「なかなかあそこまで運動量が上がらないと厳しいなというゲーム」。ハードワークを掲げているのに、走れなければどうしようもない。真夏の連戦を前節と同じメンバーで臨んだ時点で体力が保ちそうにないのは、大方が予想できたことだった。
 だがあえて監督は、強気の賭けに出たのだろう。もし序盤で1点奪いきれれば、勝ち点と大きな自信を得ることができる。だけども、ヴェルディはよく走るチームで、ハードワーク勝負になった時に彼我の体力差がモロに出てしまった。要するに賭けに負けた。定石ならは、省エネサッカーで長いボールを蹴って裏狙い(ヴェルディの得点シーンのように)…というアプローチもあったはず。しかしそれをやってしまうと植え付けようとしているサッカーがブレると踏んだのだろう。そこは評価したい。評価したいが、「ハードワーク」と「真夏の連戦」は、極めて両立が難しいのが悩ましい。

■兵站
 試合でのハードワークだけでなく、「練習から全力で」と要求する石丸監督。当然ながら消耗は激しい。これからもまだまだ暑い夏は続く訳で、前回書いた通り「石丸サッカーを体現できる選手層の薄さ」はやはり気がかり。奇しくもこのゲームでは、石櫃、大黒を投入したことで「去年からずっとやってる個頼みの単発アタック」のアバウトさを浮き彫りにしてしまった。目指す方向性とは異なるやり方でも、1つのオプションとして持っておくのか、それとも淘汰していくのか。前者は中途半端なブレを生むだろうし、後者をやってのけるには戦力が足りない。フォルラン・カカウを切っても玉田・田代がいてさらに補強しようというセレッソとは違う。そもそも、シーズン前に獲ってきた選手の多くが「走れないタイプ」というのも自らの首を締め上げる。
 石丸監督の目指す方向性は決して間違っていないし、2年後3年後を考えれば理想に近い。ただし、クラブは監督の掲げる戦術に沿った戦力を補給しなければ、いずれ弾切れを起こして早晩立ちゆかなくなる。戦力を補給していく役目=兵站は強化部の役目。8月7日までの夏の移籍ウインドーの間に「走れる」「身体を張れる」「献身的な」タイプを連れてこられるか? 同時に、目指す方向性と違うタイプの整理も必要。この難しいパズルのような兵站戦略が、今後の生命線になる。道のりは平坦ではない。