二条河原の楽書

京都サンガF.C.を中心にJリーグを楽な感じで綴るサッカー忘備録(予定)

2015明治安田生命J2リーグ第25節 京都vs福岡

2015-07-23 | 蹴球

京都サンガF.C.●1-2○アビスパ福岡
15'有田光希
(↑原川力)
           25'酒井宣福
           (↑鈴木惇)
           28'末吉隼也
           (直接FK)


[警告・退場]
・京都
・なし

・福岡
59'亀川諒史(C1)


【全体の印象】
京都は序盤からプレスとパス回し、ドリブルでの仕掛けで福岡を押し込み、中央原川→有田で先制。福岡は5バック気味に完全に受けに回ったが、京都が押し込み続けた時間帯にまんまとカウンターを撃ち込み同点。さらに末吉がロングレンジFKを突き刺し逆転。京都はやや運動量の落ちる時間もあったものの、自分たちから仕掛けてバリエーション豊富に攻め立てたが、5-4-1で守る福岡の牙城を崩せなかった。


【論点のようなもの】
■積極的な失敗
 このゲームについての狙いや問題点は、石丸清隆監督のコメントが大変具体的なので、ぜひとも読んでおきたい。てゆうか、石丸監督のコメントはあまり誤魔化さずに語っているので毎試合必読。選手たちは口を揃えて「リードした後の試合運び」について言及し、苦杯ともいえる1失点目を悔やむ。
 けれども1点を奪った後に2点目を奪いに前に出て行ったことは、そんなに悪いこととは思わない。いわば積極的であったがゆえに起こった失敗であり、そういう仕掛ける姿勢こそがリーグ前半戦で大きく欠けていた部分だった。前向きな失敗には「OK!OK!1点獲りに行こう!」と胸を張って再び牙を剥く精神力がほしい(そうやって鼓舞できる選手は、菅沼くらいかな…)。石丸監督曰く「1失点したあとに、空気的に少し沈んでいるように見えました」←ムードをメイクしていく選手が現れてほしい。

■兆候
 プレスや運動量に関しては、前節よりもやや落ちた。連戦のミッドウィークということもあるが、前節セレッソがボールを保持して動かすチームだったのでプレスやインターセプトにハメやすかったともいえる。この日の福岡のようにボールを保持せず構えてくるチームだと、そうもいかない。5枚+4枚でスペースを消して守備を固めている訳で、セレッソ戦で威力を発揮した「奪取、即速攻」の形も難しい。
 しかしながらこの試合では攻撃パターンはまずまず多彩だった。サイドも中央も使ったし、有田と宮吉は動きながらも留まりながらもボールを収めパスを引き出し、伊藤・駒井は単騎突破を仕掛け、原川は中距離パスで前線を操った。両SBを含めて、それぞれが味方を追い越す動きも多かった。石櫃は多少チームの毛色と違ったが高速クロスで相手を十分脅かしたし、バヤリッツァの縦パスも効いていた。大黒狙いだけはハマらなかった。結局は、最後のシュート精度や判断力。監督が植え付けている戦術が徹底すればおのずと判断スピードが上がり、枠を狙える余裕や選択肢も増えてくるはず。上昇への兆候は見えている。

■イメージ共有グループ
 ここ2戦先発したメンバーは、ほぼ全員が石丸監督が要求すること(積極性やハードワーク、走力)を体現できている。試合をこなすごとに連携も上がり、グループとして同じイメージを共有していると感じる場面も増えてきた。やや心配なのは、選手層の薄さ。チームの保有人数ではなく、運動量が多く消耗も多い石丸サッカーで闘える人数の層。今は11人+αしかいない。現在のレギュラーの中でさらに連携を熟成させると同時に、+αの部分をどれだけ増やしていけるか。
 この試合ではルーキー18歳の永島がすんなりチームに順応し、チームコンセプトの通りに動き回れた。セレッソ戦では石田がチャンスによく絡み、守備面も献身的で粘り強かった。両者とも反省点もあったが、そうしてイメージを共有できるグループを広げながら土台を固めていけば、きっと将来に繋がってゆくはず。「何言ってやがる、今は内容よりも結果が大事だ!」――?。いやいや、土台を固めずに上屋を建ててはすぐに傾くのは、もうゴメンなのだ。