二条河原の楽書

京都サンガF.C.を中心にJリーグを楽な感じで綴るサッカー忘備録(予定)

2012 J2第25節 京都vs愛媛

2012-07-22 | 蹴球

京都サンガF.C.○2-1●愛媛FC
25'中山博貴
          53'石井謙伍
90'+4秋本倫孝

■お株を奪われる
 細かいショートパスをポンポン繋いでいくパスサッカー。そんなスタイルはどうやらもう大木サッカーではないようだ。むしろ東欧の策士・バルバリッチの愛媛の方がコンパクトフィールドに選手が密集し、網にかけるようにしてボールを奪っては、臨機応変に長短のボールを展開。幾度となく京都の両サイドから崩していた。パスサッカーのお株を奪われた京都は、当然ながら主導権も奪われる。ただ、京都の意図するところも割と明確ではあったのも事実。それは「宮吉拓実にボールを入れて周囲がいかに動くか?」ということ。なかなか結実はしなかったが、中村充孝のが局地的フリーランのクロスから中山博貴が決めて、主導権は奪われながらも先制できた。直前に宮吉がDFを引きつけながら潰れていたことも見逃せない。
 宮吉も献身的に守備に戻るし、中村充孝もよく下がる。なんとなくスペイン代表の「0トップ」のよう。これは意図的なのかどうか?ただし、この布陣はさほど機能はしてたようには見えないけれど。


■幸運?それとも…
 後半になると宮吉がオフサイド取られるシーンが増えた。これは去年同様いい傾向。そして宮吉に代わって入った久保裕也も積極的で、どうやらストライカーの本能が戻ってきたように感じた。ただし、ゲーム全体を眺めると本当に流れがつかめなかった。ボールがどこにも収まらず、割と運任せのボールに終始し、危ない形で奪われては逆襲を浴びる。愛媛の運動量も落ちていたが、セットプレーは別物。誰もマークすらできずに石井謙伍に決められた後は、気持ちまで受けに回って、動きが後手後手に。すべてが噛み合ってなかった。ただ、ロスタイムのラストプレー、福村貴幸のキックは雨を切り裂き、ミスを連発していた秋本倫孝はマークを上手く外しながらハンマーのように重たい頭を振り下ろし、劇的な決勝ゴール。「やったー!」「すげぇぇぇ!」歓喜の瞬間、サッカーで最もアドレナリンが吹き出す終了間際の決勝ゴール!
 だけどこれでよかったのかな?課題山積みの試合内容でも運良く勝てたことはすぐに忘れて切り替え、自分たちが主導権を握るやり方(または主導権を握らないやり方)を考え直すべきか?それとも「いい流れ」とポジティブに捉えて気持ちを上向きにしていくべきか?結果は重要だけど、改善点も多い。


〈京右衛門的採点〉
水谷 6.0 …押し込まれた時間に好セーブでチームを鼓舞。
安藤 5.5 …身体を張り気合いも入っていたが、サイドを割られることが多かった。
染谷 5.5 …よく守ってはいたが、つまらないミスと雑なフィードが目につく。
バヤリッツァ 6.0 …鋭い読みで速い寄せ。強さを見せたが裏を取られる場面も。
福村 6.0 …攻撃意識もポジションも高かった。決勝点アシストのFKは見事。イエローは余計。
秋本 5.5 …大事な所で遅れたり、パスが不正確だったり。値千金ヘッドで最後は面目躍如。
工藤 5.0 …神出鬼没な良さを出すことなく、消えている時間が多かった。
チョンウヨン 5.0 …今日は攻撃的MFという触れ込みだったが、生息区域が低く、攻守に半端。
中山 6.0 …最終ラインから最前線まで広範囲に動く。先制点は運動量の賜物。
中村 5.5 …球の受け方、引き出し方は不満。ただ、先制点アシストなど、ここぞ!の場面で仕事。
宮吉 6.5 …裏を狙い、相手DFを引きつけ、前線で潰れ、自らシュートも狙った。いい出来。
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久保 6.0 …ゴールに向かう姿勢や振りの速さなどキレがあり、ゴールの匂いがした。
原川 4.5 …絡んでもボールロストばかり。デビュー戦で力んだ?
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大木監督 5.0 …勝ったのはいいが、どうゲームの組み立てたいか不明確で、運任せになってない?