二条河原の楽書

京都サンガF.C.を中心にJリーグを楽な感じで綴るサッカー忘備録(予定)

2011J2第13節 北九州vs京都

2011-05-22 | 蹴球

ギラヴァンツ北九州○1-0●京都サンガF.C.

■勝負の肝は進退
 強い軍勢は「進む」「退く」の運用が見事なのだ。それはサッカーでも同じ。攻撃・守備を同じフィールドでスイッチングする競技だから、ボールを奪えばその瞬間から攻めのターンになり、奪われればその瞬間から守備のターンになる。
 そんな「進退」について注目しながらこの試合を見たが、お互いスイッチングは鈍かった。昨日、横浜Fマリノスがヴァンフォーレ甲府を4-0で粉砕した試合なんかは、スイッチングが鋭くて、ボールスピードを殺すことなく(むしろ加速するように)ボールを運んでいた。残念ながらそんな鮮やかな進退は見られなかった。
 しかし、北九州はレオナルド、林というアタッカーを投入すると、次々に鋭い「進」を見せ始める。守勢に回った京都陣内に突入を重ねた末、林のシュートミスをレオナルドが滑り込んで終了間際のゴール。「進」の方に賭けた三浦泰年監督のギャンブル成功の瞬間だった。

■「進」がないと「退」も成り立たない
 もはやJ2最下位も見えてきた京都サンガ。守備の不安定さや頼りなさに原因を求めるよりは、やはり攻撃が点を取れないから…の方に原因を求めるより他ない。実は、今日はいい攻めができていた。ボールも回っていたし、シュートも多く打ってたし、相手を何度も脅かしていた。
 なのに点が取れない。一つには「ごちゃごちゃっともたつきながらもシュート」という場面が多すぎること。前述したマリノスのように、ボールスピードを落とさないままゴールに迫るような攻撃は皆無。「進」に鋭さがなく人数かけてもたついているから、「退」く時にもスピード感がない(スピード勝負に対応できない)状態になっていると見受けられた。

 内容はそれほど悪くない試合だったが、結果が出ないのはおそらく精神面に悪影響が出る。秋本とか安藤とか、チームの中では年長の選手が立て続けにレッドカードもらってるのも、メンタル的にキツいだろう。こういうどん底の状態の時は、ピッチ内で大きな声を出して鼓舞するような選手がいればいいのだが。


〈京右衛門的採点〉
水谷 6.5 …素晴らしい出来だった。
内野 5.0 …良悪両面。失点場面は林に付いていけてなかった。
森下 5.5 …危機を救うプレーも、空振りに唖然。
福村 5.0 …前半は頼もしかった。2枚目のカードはちょっと厳しかった?
内藤 5.5 …パンチのあるミドルは○。運動量もあったが…。
安藤 5.0 …カードは両方とももらわなくていい場面。動きは良かったのに。
チョンウヨン 5.5 …オンプレーはまあまあなのに、プレスキックが残念すぎる。
中村太 5.5 …よくチャンスに絡んでいたが、やっぱり軽い。
中村充 5.5 …突破で何度もチャンス演出も、少し持ちすぎ。
久保 5.5 …ポストはきっちり収め、積極的。最後は疲労。
ディエゴ 6.0 …攻撃によく絡み、縦横無尽に走った。
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中山 5.5 …サイドで奮闘。気合いを見せてはいたが。
ドゥトラ 5.5 …ゴール前まで持ち込んだドリブルが最大のチャンスだった。
加藤 ―― …失点シーン、あそこは後ろからでも止めなきゃ
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大木監督 5.0 …3枚目の交代(加藤)は、攻めるのか、守るのか曖昧。